三時になるまで窓拭きをする様に咲夜さんに頼まれ、私は廊下の窓を磨く為の準備をする。
バケツと雑巾を持って準備万端だ。
私は窓を一つ一つ時間を掛けて丁寧に磨いて行く。
そんな事をしているとレミリアお嬢様位の身長の金髪の少女が私に近付いて来る。
そのサイドテールに半袖とミニスカート、一対の枝に7色の結晶がついた様な翼から察するにレミリアお嬢様の妹であるフランドール・スカーレット様だろう。
フラン様は私に近付くとニッコリと微笑み、尋ねる。
「お兄ちゃん、誰?」
「私は陰猫(改)と申します。宜しくお願いします、フラン様。
それとお兄ちゃんではなく、おじちゃんで結構ですから」
「おじちゃんはフランの名前知っているの?」
「え?ええ。レミリアお嬢様の妹様ですよね?」
「フランの事知っているって事はおじちゃん、外来人?」
「そうなりますがーー」
そこまで言って、私はフラン様の様子がおかしい事に気付く。
まるで獲物を見付けた野獣の様に私を見てくる。
フラン様と言えば、純真無垢で世間知らずの愛くるしい幼女として有名だが、なんだろう。
何かを忘れている様な……。
「外来人ならおじちゃんも強いの?」
「いえ、私は弱いですよ?」
「そうなの?」
「そうですよ。私じゃあ、フラン様どころか、その辺にいる妖精にも勝てませんから」
「あははっ。おじちゃん、そんなに弱いの?じゃあ……」
そう言うとフラン様は手のひらを掲げーー
「そんなに弱いおじちゃんなら、壊しても良いよね?」
その手が握られ様とする。
「駄目よ。フラン」
そこへレミリアお嬢様が現れ、フラン様を止める。
その横には美鈴さんもいた。
「妹様。退屈でしたら、私と遊びませんか?」
「美鈴が遊んでくれるの?」
「はい。弾幕ごっことか以外の普通の遊びで良ければ」
「美鈴となら何でも良いよ」
「では、今日は鬼ごっこにしますか?かくれんぼにしますか?」
「じゃあ、だるまさんが転んだやろ!」
「かしこまりました。それではあちらで遊びましょう」
美鈴さんは私に片目を瞑ってウィンクするとフラン様と一緒に部屋の一室へと入って行く。
「危ない所だったわね?
あと少し来るのが遅かったら、今頃、貴方はバラバラになっていたわよ?」
「えっ?」
「フランが向こうの世界でどう伝わっているのかまでは知らないけど、あの娘は情緒不安定なの。
気性が激しい時もあるから、なるべくフランと関わるのは避けなさいさ。でないと、命の保証は出来ないわよ」
そう言われて、私は頭を掻く。
そうか。何かを忘れていると思ったら、フラン様の性格と能力についてか……。
私の知るフラン様が描かれている描写はみんな、愛くるしくて純真無垢と言う感じに可愛く描かれているからな。
能力の使用や情緒不安定な描写までは描かれている作品が少なかったから、そんなの知らなかった。
私は自分の迂闊さを知って、レミリアお嬢様に頭を下げる。
「申し訳ありません、お嬢様。以後、気を付けます」
「そうしなさい。でも、その様子だと、フランの能力とかについては知らないようね?」
「はい。お恥ずかしながら」
「なら、今からでも覚えて置きなさい。あの娘の能力は"ありとあらゆるものを壊す程度の能力"よ。
全てのものは"目"と言う緊張したところがあり、そこを突かれるとそのものは簡単に壊れるわ。
フランの能力はその"目"を手中に収め、対象を破壊する能力ね」
「ふむ。秘孔を突かれると爆発する世紀末覇者みたいなものですか?」
「なによ?それ?」
「いや、解らなければ良いんです」
「……まあ、良いわ。兎も角、ただの一般人の貴方がフランに近付く事を禁ずるわ。一応、フランにも貴方の事は後で伝えて置くけど、本当に気を付けなさい」
「かしこまりました。では、私は窓拭きの途中ですので……」
「窓拭き?」
私の言葉にレミリアお嬢様は訝しげな顔をする。
「……えっと、何か?」
「貴方、咲夜から掃除方法聞かなかったの?」
「え?はい。こう言う物なのかなと思って、やっているだけで……」
私がそう言うとレミリアお嬢様は溜め息を洩らす。
「少し待ってなさい」
そう言われて、レミリアお嬢様は何処かへ行かれ、しばらく待っているとワイパーの様な物が着いた棒を持って来る。
「このガラスクリーナーを使いなさい。その方が早く終わるから」
そう言われて、私はガラスクリーナーなる物を受け取るとワイパーの様な箇所を当て、窓を擦る。
それだけで擦られた所が綺麗になった。
「ほ~」
「それがあれば、窓拭きなんて簡単でしょ?」
「はい。嘘の様に汚れが落ちますね」
「しかも定価で1079円よ。安いのに凄いでしょ?」
「はい。それは経済的で嬉しいですね」
そんな通販番組にでもありそうな事を喋りつつ、私は次の窓を拭く。
「勝手が解らない時は咲夜に聞きなさい。アドバイスする側であるのと同時に貴方の上司でもあるんだから」
「はい。お手数お掛けしました」
私は窓を拭く手を止め、レミリアお嬢様に頭を下げた。
「そう言えば、白黒がまた出た様だけど、大丈夫だった?
本当はそれも兼ねて、一応、美鈴も連れて来たけど……」
「あ、はい。紫さんに貰ったスペルカードのお陰でなんとか事なきを終えました」
「スペルカード?ああ。あの白符とか言う白いカードね?あれ、役に立ったの?」
「はい。お陰で魔理沙を倒す事が出来ました」
「えっ!?魔理沙を倒したの!?」
私がそう言うとレミリアお嬢様は驚いた様子で私に顔を近付ける。
「正確にはマスタースパークを撃たれる前に魔理沙からミニ八極炉を取り上げて無力化した程度ですが……」
「それでも凄いわ!どうやったの!?」
「私の作品の登場キャラクターである風魔を召喚しました」
「作品?登場キャラクター?そう言えば、貴方、小説を書くんだったわね?」
「はい。お陰で魔理沙のマスタースパークを無力化出来ました」
「へえ。人間の想像力ーーいえ、創造力かしら?
それを舐めてたわ。貴方、なかなかやるじゃない?」
「いえいえ、私自身は特に何かした訳じゃありませんから」
「そうね。貴方が凄いんじゃなくて、貴方の創造力が凄いのよね」
レミリアお嬢様はそう言って笑う。
……なんだろう。ちょっと傷付く。
「まあ、知っての通り、そのスペルカード擬きは一枚につき、一回しか使えないわ。時間も10分から15分と限られている。
人里の人間も妖怪避けとして使っている程度だわ。
それをイメージの具現化でどうにかしたんだもの。それだけで凄いわ」
レミリアお嬢様はそう言うと「しゃがみなさい」と言われた。
なんだろう?と思いつつ、私がしゃがむとお嬢様は手を伸ばして私の頭を撫でる。
「無事で良かったわ。これからも励みなさい」
「あ、ありがとうございます、お嬢様」
私はレミリアお嬢様が手を放したところで立ち上がり、ガラスクリーナーを手に踵を返す。
「それでは私は窓拭きを続けます」
「ええ。お願いね?」
レミリアお嬢様はそう言うと廊下から出ていく。
お嬢様に頭を撫でられたな。なんか、嬉しい様な恥ずかしい様な複雑な気分だ。
二次元のレミリアお嬢様ことレミリア・スカーレットは私の中でも一番と言って良い程、好きなキャラクターだ。
その容姿とか考えると大の大人がロリっ子に頭を撫でられて喜ぶ図になるんだよな。
そんな体験、本当に誰得だ?
私は首を振ると雑念を払い、ガラスクリーナーで窓を磨いて行く。
それにしても、これは本当に便利だな。
向こうに帰ったら私も一つ買おう。
紅魔館、短期バイトでR部分をハーメルンだけでも強調するかどうするか悩んでます。私と美鈴さんのエチエチ見たい人っています?
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見たい
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見たくない