窓拭きは午後2時45分に終わった。
窓ガラスが少ないのが理由とガラスクリーナーのお陰であるが、やっぱり広かった空間が狭くなっているらしく、窓から窓へスムーズに移動出来たのが大きいだろう。
少し時間に余裕が出来たと思っているとしょんぼりして廊下をトボトボと歩いて来る魔理沙と遭遇する。
その隣にはパチュリー様の姿があった。
「あ、さっきの……陰猫、だったか?」
魔理沙は私に気付くと勢い良く頭を下げる。
「さっきはすまなかったんだぜ!
まさか、一般人が紅魔館で働いているとは思わなくて!」
「魔理沙に陰猫の事を話したわ。貴方がただの一般人である事もね?
この娘も理解した様だし、今回は許して上げて頂戴」
謝る魔理沙とフォローするパチュリー様。
なんだ。二人はなんのかんの言って、仲が良いのか……。
「別に構いませんよ。私も無事でしたし、スペルカードの使い方も理解しましたしね」
「ほ、本当か!?」
「ただ、もう無闇やたらとマスタースパークを放ったりしないでね?」
「おう!魔理沙さんは約束を守るんだぜ!
これからは図書館以外ではマスパを使わない様にする!」
「……いや、図書館でもマスタースパークを放たないんで欲しいんだけど」
私は魔理沙にそうツッコむと魔理沙はすぐに明るく笑う。
「しっかし、この魔理沙さんが不意を突かれたとは言え、一般人に負けるなんてな!」
「まあ、あれは私と言うよりも風魔のお陰だからね」
「それでも、お前は十分、凄いんだぜ!
それにまさか、あのスペカ擬きにあんな使い方があるなんて知らなかった!」
「そう言えば、人間の里だと妖怪避け位にしか使われないんだっけ?」
「ええ。人間の里では人喰い妖怪から身を守りたいと思う願いを込めるだけで精一杯だからね?
あとはそうね。閉鎖された幻想郷では想像する力が低下しているからかしら?」
私の問いにパチュリー様が割って入り、捕捉する。
「他の外来人は大抵、何らかの能力を持って幻想入りしているから、白符を使う事は全くないわ。
だから、あの白符をあんな風に使えるのは今のところ、貴方だけよ。
そう言った意味では紫が貴方にあのスペカ擬きを渡したのは正解だったと見るべきかしら?
まあ、身を守ると言う意味では人の形をしている必要もないのだけどね?」
「そうなんですか?じゃあ、想像力さえあれば、ドラゴンやら自分の作品以外のキャラクターも使えるんですか?」
「いいえ。カードにも容量があるから強力になれば、なる程、短時間しか存在出来ないわ。
あと、自分の作品以外のキャラクターを使う事は何故か解らないけれど出来ないわ。白符にも版権問題ってのがあるのかしらね?
あと考えられるのは自分の作ったキャラクターの方が扱い易いとかかしら?
それと魔理沙から聞いた話と貴方の話を総合すると風魔とか言うのは人間で魔力を一時的に高められると言う設定のキャラクターなのでしょう?
元が人並みの能力程度なら具現化された人物はカードの力でもある程度維持出来るわ」
「成る程」
私はパチュリー様の言葉に納得した様に頷く。
紫さんが私なら他の人よりもこの白いスペルカードを使えるだろうと言った理由が解った気がする。
この白いスペルカードーー白符は確かに小説を書く私だから使えるスペルカードだろう。
いや、自作の小説ならある程度だが、人外の能力でもなければ、誰でも使えるのかも知れない。
まあ、大抵はチートのキャラだろうから持続力はないだろうけど……。
「それにしても、私のマスパはどうやって防いだんだ?」
「ああ。あれは防壁の型と言って、身体全体に魔力で出来たオーラを身に纏い、防御力を高める型だね。
防ぎたい部位にのみ意識を集中すれば、多少強い攻撃も先の時の様に防ぐ事が出来るんだ。
まあ、全体をカバーしようとすると防御力が落ちちゃうんだけどね」
「成る程。ますます興味深いわね?」
パチュリー様と魔理沙は興味津々に私の話しを聞く。
「他にはどんなキャラクターがいるの?」
「そうですね。色々ありますが、詳しくはネットで陰猫(改)で検索して下さい」
「お?お前、ネットの小説で書いているのか?
なら、早速、帰って検索するんだぜ!」
「え?魔理沙、スマホを持ってるの?」
「いや、スマホって奴は持ってないな。
けど、魔理沙さんを舐めて貰っちゃ困るんだぜ!河童に作って貰ったパソコンって奴があるんだぜ!」
「へえ。じゃあ、こっちの小説も見たり?」
「おう!河童の技術は幻想郷一だからな!
そっちの世界のネットって奴を見る事なんて朝飯前なんだぜ!」
私の言葉に魔理沙は胸を張るとパチュリー様がそれについて興味を示す。
「そのパソコンとか言うのにも興味があるわ。
魔理沙、今度遊びに行くから私にもネット小説を見せなさい。
ついでに盗んだ本を返しなさい」
「おう!良いぜ!」
「因みに魔理沙はどんなの読んでいるの?参考に教えてよ?」
「え?」
私がそう問うと魔理沙は動きを止め、頬を赤らめてモジモジする。
「……その、恋愛モノとか?」
「ああ。恋愛モノね。如何にも女の子らしくて可愛いじゃないか?」
「お、女の子らしい!?可愛い!?」
私がそう言うと魔理沙は更に頬を赤らめ、耳まで真っ赤になる。
そして、帽子で顔を隠す様に押さえ、無言でその場を逃げる様に去って行く。
「……何か恥ずかしい事でもあったんでしょうか?」
「男の人に女の子らしいとか可愛いなんて言われた事がないから余程堪えたんでしょうね?意外と乙女なのよ、あの娘?」
私とパチュリー様はそう呟き合うと紅魔館から出て行った魔理沙を見送る。
「おっと、そろそろ咲夜さんとシーツを取り込まないと……」
「一仕事終えた所に訪ねて、悪かったわね?」
「いえ、私も自分の作品を語れて楽しかったですから」
「今度は貴方以外の書いた人の小説についても教えなさいな。
私達の書かれた小説ってのにも興味もあるわ。そう言うのも教えてね?」
「ええ。喜んで」
私はそう言うとパチュリー様に笑う。
「それではパチュリー様、仕事に戻りますので、また」
「ええ。ありがとうね、陰猫」
私はパチュリー様と別れるとシーツを干している屋上へと向かって歩いて行く。
屋上に上がると既に咲夜さんがシーツを畳んでいる所だった。
「遅くなりました。すみません」
「大丈夫ですよ。私も今、来た所ですし」
私と咲夜さんは言葉短く会話するといそいそと干したシーツを畳んで籠に入れて行く。
最後のシーツを畳んで入れる頃には雲行きが怪しくなっていた。
「なんとか、夕立前に終わりましたね?」
「そうですね。私、雷が苦手なんで早く戻りましょう」
「あら?陰猫さんは雷が苦手なんですか?可愛い所もあるんですね?」
咲夜さんにそう言って私を茶化すと籠を手に屋上を後にする。
紅魔館、短期バイトでR部分をハーメルンだけでも強調するかどうするか悩んでます。私と美鈴さんのエチエチ見たい人っています?
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見たい
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見たくない