それから一週間が経った。
慌ただしくも有意義な一週間だった。
その間に三回程、肉体的に美鈴さんと交わった。
肉体的なーーそれも女性関連での快楽とはこんなにも慣れない物なのか……まさに精も根も尽きるだ。
いや、そこはまあ、読者側にとってはどうでも良い事だろう。
俗に言う"リア充爆発しろ!"と言われそうだし……。
ところで"リア充爆発しろ!"とは社畜も入るんだろうか?
もし入るなら、敢えて言おう。
私は元からリアル充実した社会人だ!
……話を戻そう。
その間、境夜の情報はなかった。
その代わり、鈴奈庵や稗田家(ひえだのけ)に妖怪でも自然のものではないカラスが日夜、近くの屋根で監視する様に止まっていると言う。
これは十中八九、境夜だろう。
境夜は隙あらば、利用価値のある本を奪おうと言う算段なのだろうが、天狗のネットワークの方が勝っているのか、ほぼ筒抜けである。
それでも潜伏先を見せないのは流石だが……。
私の想像通りなら境夜は外の世界で機会を窺っているのだろう。
それ位の事はやって退ける男だ。
紫さんが博麗大結界に目を光らせているとは言え、簡単には尻尾を見せない筈だ。
当然、その事は紫さんには伝えてある。
紫さん曰く、外の世界に逃げられてはお手上げらしい。
ーーと言うのも、外の世界から人間が幻想入りするには決まったパターンがあるそうだ。
一つは私の様に紫さんやレミリアお嬢様のバックアップがあって幻想郷に受け入れられるケース。
もう一つは無意識の状態、または世間から忘れられて幻想入りすると言ったケース。
そして、何らかの予測不可能な事ーー例えば、博麗大結界に綻びが生じ、そこから人が入ってくるケース。
三番目のケースである偶発的に入ってしまった場合は霊夢が保護し、元の世界へ返すのだが、どう言う理由かまでは解らないが大抵、記憶喪失になってて博麗神社まで辿り着く者は多くはないそうだ。
これは博麗大結界のせいかも知れないと紫さんは言う。
しかも最近では異能に目覚めたりする人間もいる様で、そのまま幻想郷に住み着いてしまう人間もいるんだとか。
だが、境夜の場合、独学で博麗大結界の内容を理解し、紫さんにバレる事なく、侵入して来た。
つまり、例外中の例外だ。
どうやって、そんな境夜を察知したのかはまでは解らないが、同じ手が境夜に通用するとは思えない。
それに境夜は本ならなんでも内容を具現化出来る。
それが魔導書だろうと普通の本だろうと漫画だろうと……。
そして、境夜には博麗大結界へ侵入するだけの知識ーーつまり、魔導書などを読み解く事がある程度は可能なのである。
まあ、でなきゃ本の具現化などと言う事は出来ないだろうし……。
そんな頭のキレる境夜がどんな手に使うか解った物ではない。
霊夢はそんな境夜の事もあり、バイトには正午までしなくなった。
ーーおっと、忘れがちだが、妖夢は夕方まで働いてくれている。
まあ、咲夜さんが他を任せているので、殆ど顔合わせしないが……。
因みに私は美鈴さんと肉体的な関係を持ったにも関わらず、自室での食事を命じられている。
そして、私に関わるなと言われてるだろう美鈴さんがまた入って来て、フラン様の事や遊びに来る子供たちの事など色々と話をしてくれる。
稀にキスしたり、そのまま……いや、これ以上はノロケになって話がまた脱線するので止めよう。
そうして、更に一週間ーー私がやって来て約三週間ーーが経ったある日、レミリアお嬢様から咲夜さんと共に人間の里へ買い物に行く様に命じられる。
人里ではなく、人間の里と呼ぶらしい。
「お嬢様。幾ら、今が平穏とは言え、十六夜境夜からの危機が去った訳ではありません。
失礼ながら陰猫さんを連れて行くのは些か早計かと思われますが……」
「陰猫なら大丈夫よーーなんて言わないわ。これは尻尾を出さない境夜をおびき寄せる為の罠よ」
レミリアお嬢様はそう言うと机に肘を乗せ、手を組みながら私を見詰めた。
「まあ、境夜がそう簡単に姿を現すとも思ってないわ。あくまでも"危険があるかも知れない人間の里"よ。だから、咲夜が付き添いなさい」
「……かしこまりました」
「それと美鈴も連れて行きなさい。どうせ、陰猫が心配で居ても立ってもいられなくなるだろうし。
その間、門番は妖夢にでも、お願いするわ」
「解りました。では、その様に……」
咲夜さんはそう言うと先に部屋を出る。
後にはレミリアお嬢様と私だけが残される。
「陰猫」
「はい」
「ああは言ったけど、恐らく、境夜は此処で何かしら仕掛けて来る筈だわ。気を付けなさい」
「それはお嬢様の運命を操る能力で見た結果ですか?」
「いいえ。ただの勘よ」
「勘、ですか……」
「……何よ、その顔は?言っておくけれど、私の勘だって霊夢には負けてないんだからね?」
「はあ」
私は苦笑しながらレミリアお嬢様を見詰めた。
そんな私を見て、お嬢様はプクッと頬を膨らませ、此方を睨む。
これだけ見てると拗ねた子供みたいで可愛く見える。
そんな顔もすぐに消え、真剣な眼差しへと変わった。
「本当に気を付けなさい。さっきも言ったけど、境夜が何かするとしたら、此処でしょうからね?
他にも紫や霊夢なんかが貴方をマークするわ。貴方は心配せずに買い物をなさいな」
「はい。解りました」
「因みに貴方自身はどう思っているの?」
レミリアお嬢様にそう問われ、私はしばし考え込んでから答える。
「境夜の事ですから、恐らく、計画を邪魔した私を狙って来るでしょう。
私を殺せば、また機会があるとも判断する筈です」
「そう」
お嬢様は私の言葉に頷くと紅茶を飲む。
「解っているのなら良いわ。十分、注意しなさい」
「はい。失礼します」
私はレミリアお嬢様に一礼するとその場を後にした。
部屋を出ると咲夜さんが待っていた。
「陰猫さん。三十分程、休んでから人間の里へ行きましょう」
「はい。人間の里は初めてなんで宜しくお願いします」
「そう言うのは美鈴に言ってはどうですか?
毎回、あんなに男女の営みをしてるんですからね?
もう自他共に認める恋人同士でしょう?」
「そうなんですかね?
でも、毎回って訳でもないですよ。美鈴さん、私が調子良い時にしか求めて来ませんから」
「けれど、週に三、四回は交わってますから、陰猫さんと美鈴の子が産まれるのも時間の問題ですね」
「数えてるんですか?ーーと言うか、妖怪と人間の子って産まれないんじゃないんですか?」
「ふふっ。さあ、どうですかね?」
咲夜さんは微笑みながら惚けて見せると先を歩く。
ーーそれから三十分程してから人間の里へと向かった訳だが、到着するのに一時間近く掛かってしまった。
私に合わせて休み休みだったから本当ならば、もっと短時間で済むんだろう。
二人には申し訳ない。
「大丈夫ですか、陰猫さん?」
「……すみません。あんまり、大丈夫じゃないです」
私は足が棒の様になるのを感じながら心配そうにする美鈴さんにそう言うと両膝に手を添えて、前屈みになる。
「荷物は私が持ちますから、陰猫さんは人間の里がどんな物か見るだけで大丈夫ですよ」
「ありがとうございます、美鈴さん」
美鈴さんにお礼を言うと私は久々に長距離を歩いて震える足に檄を飛ばし、姿勢を整えると木造平屋の並ぶ人間の里を見渡す。
なんと言うか、昔にタイムスリップした気分だ。
確かにこんな所じゃ、スマホなんかの家電製品は使えないだろう。
洗濯機とかが使える辺り、紅魔館は近代的なのかも知れない。
ーーと、私は平屋の上に不自然に止まるカラスに気付く。
あれが自然じゃないカラスだろうか?
そのカラスは私に気付くとしばしの間、ジッと此方を見詰め、何処かへ飛び去って行く。
「……動きましたね」
そう呟いたのは美鈴さんだった。
「解るんですか?」
「はい。あれは人間や妖怪の気ではないですからね。どちらかと言えば、こあちゃんの気に似てます」
「こあちゃんって、小悪魔さんの事ですか?じゃあ、境夜の使い魔ですか?」
「恐らく。私が周囲を警戒するので陰猫さんはいつもの様に振る舞って下さい」
そんな事を突然言われても困る。
ーーと私の横を四人組の女の子が過ぎ去って行く。
「ん?今のって……」
「チルノ達ですね。恐らく、寺子屋の帰りでしょう」
咲夜さんはそう言うとチルノ達が去って行った方を見てから前を向く。
「それでは買い物と行きましょうか?」
「あ、はい」
「お任せ下さい!咲夜さん!」
私と美鈴さんは咲夜さんの言葉に肯定すると三人で人間の里を歩き回る。
紅魔館、短期バイトでR部分をハーメルンだけでも強調するかどうするか悩んでます。私と美鈴さんのエチエチ見たい人っています?
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見たい
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見たくない