※この作品はR-18です。

陰猫(改)、紅魔館で短期バイトをします   作:陰猫(改)

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28.終焉の時

 元の世界へと戻った私はグチャグチャになった部屋を片付ける。

 

 やっぱり、ガサ入れしてたんじゃないですか、紫さん。

 

 私はそれを片付ける事もせず、執事服のまま、久し振りに使う薄い布団の上に寝転がり、スマホを弄る。

 

 そうして、幻想郷で体験した事を書き記す。

 

「ん?」

 

 そこで私は自分が書いてない文に気付く。

 

 これはレミリアお嬢様か?

 

 そうか。私と美鈴さんの恋愛はレミリアお嬢様の計らいだったのか……。

 

 でも、恋愛の意思表示は本人の物だし、これはただのきっかけだろう。

 

 私はそう思いながら、強制的に帰された所まで書い切るとスマホを弄るのを止めるとボーッと何もせずに天井を見上げる。

 

 今頃、幻想郷の中では大規模な戦いが行われているだろう。

 

 美鈴さん達は大丈夫だろうか?

 

 そんな事を思いながら、私は枕に顔を埋める。

 

 この長距離を歩いた疲労感に美鈴さんとキスした感触は間違いなく、本物だ。

 

 だからこそ、この終わり方には納得が出来ない。

 

 私は何か幻想郷を救える方法はないか模索する。

 

 だが、何も思い浮かばない。

 

 

 

 ーーいや、一つだけある。

 

 

 

 私はうつ伏せに寝転がりながら、紫さんにメッセージを送る。

 

『紫さん。

 皆を救う方法を思い付きました』

 

 私はそれだけ打ち込むと返事が来るのを待つ。

 

 紫さんも戦っているのか、メッセージが更新されるのに時間が掛かった。

 

 そうして、数十分後、紫さんからメッセージが返って来る。

 

『陰猫さん。

 どんな方法なの?貴方に出来る事なんて、もう何もないわよ?

 それとも、この世界を救う救世主でも思い付いた?』

 

 やや皮肉も籠められている様だが、私は気にせず、返信する。

 

『紫さん。

 私の奥の手を使います。私と境夜を二人っきりになれる世界に連れて行って下さい』

『陰猫さん。

 奥の手って何かあるの?

 因みに今はその境夜を見付けた所よ?』

『紫さん。

 救う救わないはどうかは兎も角、終わらせる事は出来ます。

 どうか、私を信じて下さい』

 

 そうメッセージのやり取りをして、しばらくするとスキマが開かれる。

 

 紫さんの姿は見えないが、宇宙の様な場所なのは確かだ。

 

 私は起き上がってスキマに入ると何もない無数の星が輝く世界へと足を踏み入れる。

 

 その先には十六夜境夜が同じく辺りを見回す姿があった。

 

「迂闊でしたね。まさか、俺を幻想郷から切り離して別の場所へと転移させるとはね。

 しかも、もっと時間が掛かると思っていたから女一人抱けやしなかったと来ている」

 

 そう呟くと境夜はスキマから現れた私を見る。

 

「それで?お前はなんなんですか?

 ただの人間が俺の執事になる計画を邪魔したり、今度は幻想郷から切り離したり……。

 もしも、戦闘で素人同然のお前が俺に勝つ自信とかあると言うのなら、とんだお門違いですよ?」

「境夜。まずは君に謝らないとね?」

「はあ?」

 

 私の言葉に首を捻る。

 

 そんな境夜に私は囁く。

 

「一つは私の思い付きで君を創ってしまった事。

 ただの思い付きで君の存在を産み出してしまって、すまないと思っている」

 

 私はスペルカードの束を全て出し、クトゥルー神話の本を手にする境夜と対峙しながら囁く。

 

「もう一つはそんな君をもう一度、白紙に戻す事だ。

 こんないい加減な作者に創られて迷惑だろう。

 だからこそ、責任を取らせて貰うよ?」

「? 何を言っているんですか?」

「君は私が産み出した登場人物に過ぎないんだよ」

「私がお前に作られた登場人物?そんなよた話を信じると思いますか?」

「だろうね。でも、事実だ」

「言いたい事はそれだけですか?戯れ言はそれ位にして欲しいものですね?」

 

 境夜は鼻で笑い、本を開く。

 

 これ以上は会話にならないらしい。

 

 だから、私は思い描く事にした。

 

 "アレ"を呼ぶ為に……。

 

「それは二本の角を生やし、口から青白い炎を漏らしていた」

 

 私がそう発するとスペルカードの一枚が焦げて手元から消える。

 

 やはり、一枚では足りないか……。

 

 なら、手持ちのカードを使って一の存在を呼ぶのみ。

 

「それは漆黒の装甲に身を包み、一対の翼を持ち、ハンマー状の先端の尾を持つ人の形をした何かだった」

 

 更にスペルカードが消失し、境夜が異変を感じてクトゥルー神話の旧支配者達を具現化し始める。

 

 だが、私の前にも奥の手である"アレ"が佇んでいる。

 

 私は言葉を続けると同時に耳を塞ぎ、少しでも"アレ"から離れようと浮遊する身体をばたつかせる。

 

「何ですか?今更、おめおめと俺を前に逃げるのですか?」

 

 境夜が挑発する様に嘲笑う。

 

 それに構わず、自らが呼び出した"アレ"から離れ、私は言葉を続けた。

 

「それは吠えるだけで大気を震わせ、空間を歪める」

 

 私の言葉と同時に"アレ"は吠え、旧世界の支配者や外から来た者達を威圧した。

 

 私は更に言葉を紡ぐ。

 

「それは時間や空間に関係なく現れ、争いに疲弊した世界に終焉をもたらす。

 それは人の形をしながら時に惑星よりも大きくなり、時に銀河を砕くまでの巨体になる」

「……っ!?なんですか、それは!?

 お前!クトゥルフ神話の神々よりも古い神でも召喚しようと言うのですか!?」

 

 それについては肯定だ。私は境夜の問いには答えず、更に続けて言葉を続ける。

 

「それが地を蹴るだけで大地が抉れ、それが拳を振るうだけで世界が砕ける。

 それは如何なる武器も通じず、如何なる力も通じない」

「や、止めろ!それ以上、続けるな!」

 

 焦った境夜がクトゥルフの神々を私に襲い掛からせる。

 

 だが、私が呼び出した"アレ"の前では如何に神々だった者達でも無力である。

 

 そこからは虐殺だ。

 

 青白い炎が残光の如く尾を引いて"アレ"は徐々に巨大化しながら光速を超える速さで神々を薙ぎ倒して、蹂躙して行く。

 

 その光景を見ながら、私は最後の言葉を紡ぐ。

 

「それは原初の破壊神。触れる事も赦されぬ、最初に産まれた神と言う存在にして存在にあらぬ者。

 全ての原初を司る力を持ち、破壊と再生の輪廻を繰り返し、全ての祖となる神」

 

 その言葉を紡ぎ終えると"アレ"ーー私の思い描く銀河をも簡単に創造する原初の破壊神は完全な姿で覚醒し、宇宙をも震わす雄叫びで吠えると境夜の具現化したクトゥルフ神話の神々を次々と滅する。

 

 肉体的にも、魂的にも……。

 

 そして、破壊神はこの空間に匹敵する巨体にまでなると蚊でも潰すかの様に残された旧世界の支配者の神々をパンと手を打って叩き潰す。

 

 その風圧とスケールの違いに呆然とする境夜。

 

 そんな境夜に向かって原初の破壊神の口から青白い太陽が吐き出される。

 

 ジュッと言う音が微かに聞こえ、境夜の姿が青白い太陽の中へと消えると、そこで最後のスペルカードが消失し、破壊神の姿と太陽が風化する様に消える。

 

 後には叩き潰された旧支配者達の肉塊が残された。

 

 境夜は灰も残さず、破壊神の産み出した青白い太陽の前に蒸発したらしい。

 

 私があの太陽を前にしても無事なのは破壊神の作者だったからだろうか?

 

 やがて、圧殺された神々の肉塊が一つ、また一つと消えて行く。

 

 さしずめ、主である境夜を失って、具現化が困難になったからだろう。

 

「……終わったのね?」

 

 全てが完全に消えて静寂に包まれると不意にスキマから紫さんが現れ、私にそう呟く。

 

「紫さん。そちらの様子は?」

「境夜が死んだせいか、全ての異変が治まったわ。貴方のお陰よ」

 

 その言葉に私は首を左右に振る。

 

「境夜を産み出してしまったのは私です。今回の件は私が悪いんです。

 

 私が境夜を創造しなければーー」

「そんな事はないわ。遅かれ早かれ、境夜ーー幻想郷を支配しようとする者は現れた。

 幻想郷幻想郷は全てを受け入れる。例え、今回のイレギュラーである境夜でも、貴方についてでもね?」

 

 紫さんはそう言うと私の手を取る。

 

「さあ、行きましょう?」

「行くって、何処へ?」

「貴方が帰るべき場所へよ」

 

 紫さんはそう言うと私の目に手を当てて視界を閉ざし、何らかの力で深い眠りへと誘われる。

紅魔館、短期バイトでR部分をハーメルンだけでも強調するかどうするか悩んでます。私と美鈴さんのエチエチ見たい人っています?

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