陰猫(改)、紅魔館で短期バイトをしますを書いて早一年が過ぎようとしていた。
いつもの様に仕事から帰り、私は着替えを済ませると布団に寝転がり、スマホを弄ると小説家になろうのサイトを開く。
今日は何を書こう?
そんな事を考えていると逆お気に入りユーザーとメッセージがある事に気付く。
そのユーザーさんは"八雲紫(やくも ゆかり)"を名乗っていた。
……なんだろう?
以前にもこのユーザー名を見た事がある様な気がする。
いや、八雲紫なんて東方好きの人なら名乗っていても不思議はないし、別ユーザーさんかも知れないな。
『陰猫(改)さん。
初めまして、私は八雲紫よ』
『紫さん。
初めまして、陰猫(改)と申します。以後、お見知り置きを』
『陰猫(改)さん。
貴方の小説は見たわ。実体験を交えた話で中盤までは面白かったと思うわ。最後が台無しだけど』
『紫さん。
あ、やっぱり、そう思いますか?
私もそうなんじゃないかって思っていたんですが、かと言って何か直すのも気が引けて』
『陰猫(改)さん。
それで?これの続きはないの?』
『紫さん。
え?続きですか?
そう言われても最後に主人公の私は幻想郷から元の世界に戻ってるんですよね?
話的にはそこで終わりでして』
『陰猫(改)さん。
別に貴方が主役でなくても良いでしょう?
例えば、貴方と門ばーーじゃなくて、紅美鈴(ほん めいりん)に子供が出来たとしたら?』
『紫さん。
いやいや、人間と妖怪の間には子供は産まれないでしょう。それに三週間程度交わったからって産まれるのは御都合主義ですよ』
『陰猫(改)さん。
まあ、あくまでも仮定の話よ。それでもしも、貴方と紅美鈴の間に子供が産まれたら、どうする?』
『紫さん。
そうですね。私なんかに似ず美鈴さんに似た優しい子に育って欲しいです』
『陰猫(改)さん。
それで名前は?』
『紫さん。
は?』
『だから、その子供の名前よ』
『いや、私、中国語なんて知りませんよ。知ってるのはしゃもじが実はアイヌ語って位しか……』
『陰猫(改)さん。
それは知らなかったわ。それなら、貴方が名付ければ良いでしょう?』
『紫さん。
いやいや、名付けろって急に言われても……』
『陰猫(改)さん。
なら、貴方のハンドルネームの中から、これだと思うものを使いなさいな』
『紫さん。
いやいやいやいや。
なんで、自分の息子にハンドルネームって……』
『陰猫(改)さん。
あくまでも仮定の話でしょ?それで?どうなの?』
そう言われて、私はしばし、考え込んでから自分が使っていたハンドルネームを書く。
『紫さん。
魂猫(たまねこ)なんて、どうでしょう?
これ、私がやんちゃだった頃のハンドルネームですが……』
『陰猫(改)さん。
魂猫ね。まあ、悪くはないんじゃないかしら?』
『紫さん。
それで?仮に私と美鈴さんの子が出来たとして、何かあるんですか?』
『陰猫(改)さん。
それは書いてからのお楽しみよ。まあ、楽しみにしてなさい。
オフ会には呼ぶから』
そこでメッセージのやり取りが終了する。
……ふむ。子供か。
まあ、そんな事ある筈ないが、書くだけ書いて見るか。
ーーー
ーー
ー
「ーーと言う事よ」
私はそう言うと産まれて間もない赤子を抱き抱える門番ーーいえ、紅美鈴に振り返る。
「魂猫ですか……」
「ええ。悪くないでしょう?」
私はそう告げると溜め息を吐く。
「しかし、あんたも巧妙な事をしたわね?
まさか、自分の気を操って排卵日を早めるとかするなんて、人妖として長けた貴女ならではの抜け方ね?
まあ、あれから一年はしているから子供が出来ても、おかしな事はないけど……そんなにあの人の子が欲しかったの?」
「あ、あはは」
「まあ、良いけど、どうにも負けた気がしてならないわ。
そもそも、貴女、上白沢慧音(かみしらさわ けいね)の能力が効いてたわよね?」
そう言うと私は紅美鈴の抱き抱える赤子ーー魂猫に視線を移す。
「まさか、その子が忘れた時の保険?」
「そうです。陰猫さんをーーあの人を忘れない為に私がしたたった一つの抵抗です」
私は紅美鈴の言葉に深い溜め息を吐く。
本当、美鈴の策略とは言え、陰猫さんはとんでもないものを残して行ったわね?
私はそんな事を思いながら、此方に手を伸ばす魂猫に指を伸ばす。
ーーこれが陰猫さんの新しい物語の始まりである。
【陰猫(改)、紅魔館で短期バイトをします・第1章・完】
これにて完結。
一気に書きましたが、お付き合い有り難う御座いました
m(_ _)m
前のアンケートもありがとうございます
お蔭で此方ではR-18になるんだと解りました
(uωu*)
ではでは、次の話で会いましょう( ・ω・)ノシ
紅魔館、短期バイトでR部分をハーメルンだけでも強調するかどうするか悩んでます。私と美鈴さんのエチエチ見たい人っています?
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見たい
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見たくない