聖さんとの一件後、私は妖精メイドに混じって仕事をこなした。
監視も良いが、やはり、雑用関連をしている方が私には性に合っている。
最初は私を怖がっていた妖精メイド達とも仕事しながら雑談する位に仲良くなった。
そして、それから更に数日後ーー
「クリスマスですか?」
「ええ。そうよ」
私はレミリアお嬢様に呼び出され、クリスマスパーティーの準備を咲夜さん達と共にせよと云う命令を頂く。
幻想郷には西洋のクリスマスと云う概念はないと思っていたが、私の勘違いなのだろうか?
そもそも、聖夜と呼ばれるクリスマスイブを吸血鬼や妖怪が祝うとは何とも不思議な話である。
「聞きたい事が色々とあるのですが、そもそも、幻想郷にもクリスマスって概念は存在するんですか?」
「いいえ。幻想郷ではクリスマスと云う概念は存在しないわ。
だから、クリスマスの行事に関しては・・・そうね?
天狗の新聞記者みたく言うと紅魔館が行う謎の祝い事ーーなんて見出しとかで扱われているわ。
まあ、西洋の妖怪である吸血鬼の私がお祭り気分でクリスマスを楽しんでいるのは貴方にとっても不思議な事でしょうけれど」
レミリアお嬢様はそう言ってクスクスと笑うと咲夜さんが用意した紅茶を優雅に飲む。
「クリスマスと云う概念が存在しないから扱いはどうあれ、幻想郷の人妖達にとっては、お祭り気分を味わえるイベントと云う概念で呑めや歌えが出来れば、何でも良いのよ。
私達はクリスマス気分を味わえる。
霊夢達、クリスマスを知らない幻想郷の連中はパーティーを楽しめる。まさにWIN-WINよ」
レミリアお嬢様は私にそう説明すると待機していた咲夜さんに二杯目の紅茶を注いで貰う。
「勿論、陰猫にもプレゼントがあるからクリスマスの準備は張り切って頑張りなさい」
「え?私にプレゼント、ですか?」
この歳になってプレゼントとはなんだろう?
少し気にはなるが、レミリアお嬢様の事だから、きっと私の想像の斜め上を行くプレゼントに違いない。
プレゼントを貰えると言われたら欲しいには欲しいし、頑張ったご褒美と思えば、やる気も出て来る。
「あら?もしかして、私からのプレゼントは不満だったかしら?」
「いえ、そんな事はありません」
知ってて聞いて来るのだから、お嬢様も人が悪い。
とりあえず、まずは咲夜さんや妖精メイドのみんなと共にクリスマスの飾り付けからだ。
因みに今は外の世界で12月24日とクリスマスイブ真っ只中である。
つまり、クリスマスイブの午前中に準備をして夜中にクリスマスパーティーを開こうと云う算段らしい。
昨日の時点で言われたのならば良かったのだが、レミリアお嬢様の気紛れか、それとも何らかの理由からなのか、かくして、クリスマスの準備が急ピッチではじまるのだった。
今回の私は雑用関連の荷物運びなどを手伝った。
電飾とかもやらせて貰ったのだが、私のセンスがないからか、咲夜さんに早急に荷物運びなど男手のいる作業を頼まれた。
妖精メイドのみんなは主の急な発案に不満のようだが、個人的には学生時代の文化祭の準備みたいでパーティーの準備が楽しい。
そんな風にイベントの準備の慌ただしい雰囲気も楽しみつつ、私は紅魔館の従業員として仲間と共に精を出す。
途中、妖精メイド達のつまみ食いやサボりなども注意して咲夜さんをフォローしたりしたが、なんとか、クリスマスイブの夕日が沈むギリギリまでに作業を終える事が出来た。
「ご苦労様です、陰猫さん」
「咲夜さんこそ、お疲れ様です」
私と咲夜さんはライトアップした紅魔館のイルミネーションの元、互いを称賛して中へと入る。
パーティー会場である紅魔館の中では既にご馳走の準備が始まっているが、此方は咲夜さんに任せるように事前にレミリアお嬢様から仰せつかっていたので任せ、私はレミリアお嬢様に他にする事はないかと訪ねに玉座の間へと向かう。
しかし、玉座の間にレミリアお嬢様の姿はなかった。
何処へ行ったのだろう?
入れ違いになったのだろうか?
そんな事を思って玉座の間を後にしようとするとタイミング良く、レミリアお嬢様が扉を開けて戻って来る。
「あら、陰猫。ちょうど良いわ」
「あ、お嬢様。私もお嬢様を探していたところです」
「そう。予定通りね?」
私の言葉に思う事があったのか、レミリアお嬢様は独り言のように呟くとクスクスと笑う。
どうやら、私達が準備している間に何かしらの面白い事でもあったかのようだ。
或いはサプライズ企画が良い方向に進んだのかも知れない。
「貴方へのプレゼントがちょうど完成したところなのよ」
プレゼントが完成?
お嬢様の手作りって事なのかな?
頑張っただけの事はある。
誠心誠意尽くして良かった。
「ありがとうございます、お嬢様」
「部下を労うのも主の務めよ。本当に大変だったんだから、泣いて喜びなさい」
レミリアお嬢様がそう告げると私はもう一度、頭を下げてからパーティー会場へと向かおうとする。
「待ちなさい。貴方が向かうべき場所はそっちじゃないわ」
「え?」
その言葉に私は足を止め、呆れた顔をするレミリアお嬢様に振り返る。
「私の言葉が理解出来なかったらしか、陰猫?ーー貴方が向かうべき場所はパーティー会場ではないわ。自分の部屋よ」
美鈴さんと共有で使っている部屋?
それはどう云うーーあ、なんとなく、察した。
冷静に考えれば、誰でも解る事だ。
クリスマスイブと云えば、聖夜ーーそして、聖夜と云えばーー
「気付いたようね?」
レミリアお嬢様は笑みを強めると私の耳にそっと顔を近付けて囁く。
「私からのプレゼント・・・存分に楽しみなさい」
甘い吐息交じりの言葉に背筋が違う意味でゾワゾワしているとレミリアお嬢様は悪戯に成功した子どものように笑いながら、スキップしてパーティー会場へと去って行く。
私は頭を掻くとお嬢様の好意を汲み取って美鈴さんと一緒に使っている部屋へと向かう。
ーーつまり、そう言う事なのだろう。
案の定、美鈴さんの部屋の扉を開けるとリボンでラッピングされた状態の彼女が薄暗い灯りの中で私が来るのを待っていた。
彼女の健康的な肌を見るのはもう何回目だろうか・・・。
「・・・美鈴さん」
私は無言で頬を赤らめる彼女をいとおしく思いながら、ラッピングと云う拘束のされた彼女の手に触れ、そっとキスをする。
美鈴さんを縛るリボンにも何か細工がしてあるのか、私も変な気持ちになってくる。
この後の展開は語る必要もないだろうが、所謂、聖夜の営みと云う奴である。
ーーそう言った訳で最近、仕事がメインでご無沙汰だったが、私は美鈴さんとクリスマスイブの聖夜を共にする幾人もの恋人達のように甘くも熱い夜を過ごすのであった。
紅魔館、短期バイトでR部分をハーメルンだけでも強調するかどうするか悩んでます。私と美鈴さんのエチエチ見たい人っています?
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見たい
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見たくない