「入りなさい」
扉をノックをすると凛とした声が響く。
「失礼します」
私がそう言って扉を開けると青みがかった銀髪の少女がゆったりめの椅子に座っていた。
そのピンクのレースに背中から生えた大きな蝙蝠(こうもり)の翼。
間違いない。彼女こそ、この紅魔館の主ーーレミリア・スカーレットだ。
「ようこそ、紅魔館へ。自己紹介は……しなくても良いわよね、陰猫?」
「そうですね。では、私の方はなんと呼べば良いでしょう?」
「呼び捨てでなければ、なんでも良いわ。貴方は既に採用確定なんだから」
「え?でも、面接などは何もしてませんが?」
「大丈夫よ。貴方はこの私が運命を操る程度の能力で選んだ外来人ですもの。
それに仕事環境についてのアドバイスも欲しいの」
「アドバイス、ですか?」
「まあ、まずはそこに座りなさいな」
そう言ってレミリア・スカーレットは私に簡素な椅子に座る様に顎で示す。
私はその椅子に座ると彼女の深紅の瞳を見詰める。
レミリア・スカーレットは私の中でも、もっとも好きなキャラクターの一人だ。
だが、今、目の前にいるレミリア・スカーレットは私の知るレミリア・スカーレットよりも少し大人びて見える。
それに何処か疲れてる様にも……。
「紫から聞いていると思うけど、貴方には職場環境の見直しをお願いしたいの」
「やっぱり、咲夜さんが倒れてしまった事を悔いているんですか?」
私がそう問うとレミリア・スカーレットは目を伏せる。
「ええ。あの娘が倒れたのは主である私の責任よ。咲夜は私の大切な家族だもの。
だから、同じ事が起きない様に職場環境を変えたいの」
「それなら私なんかよりも妖精のメイド達やホフゴブリンに聞いた方が……」
「私は同じ人間ーーそして、同じ病を持つ貴方から聞きたいのよ」
「え?同じ病?」
「ええ。私達の事に詳しい貴方も知ってるでしょう?
迷いの竹林にある永遠亭の事は?」
「ええ。確か、医者として名医の八意永琳(やごころ えいりん)さんや月の姫である蓬莱山輝夜(ほうらいさん かぐや)がいる場所ですよね?」
「その永琳が言ったのよ。咲夜は統合失調症だって……。
統合失調症は精神の病なんでしょう?
だから、永琳にも治せないって言われて……」
「そうですか。咲夜さんが私と同じ統合失調症の患者だとは……では、幻聴や幻覚もあったんですか?」
「永遠亭で入院させてた時に幻聴はあったらしいわ。
幻覚については聞いてないけど、不眠症もあるらしいわ」
「統合失調症に不眠症の合併……確かに私のケースと似てますね?」
「それだけじゃない。退院してから手際が悪くなったところまであるのよ。今は時を止めて誤魔化しているみたいだけど、明らかに前とは違うわ。
だから、私は同じケースを持つ貴方の運命を操作した」
そう言うとレミリア・スカーレットは私に懇願して来る。
「お願いよ、陰猫!あの娘の為にも私に力を貸して頂戴!」
私はしばし、それについて考え込む。
確かに咲夜さんと私のケースは確かに似ているかも知れない。
だが、統合失調症には似たケースはあっても、全く同じケースはない。
果たして、私に咲夜さんの力になれるだけの事が出来るだろうか?
いや、これもレミリア・スカーレットの運命を操作する能力なら、きっと意味があるのだろう。
私は不安げに此方を見詰めるレミリア・スカーレットーーいや、レミリアお嬢様に向かって頷く。
「解りました、お嬢様。私に何が出来るか解りませんが、その気持ちに答えさせて下さい」
「本当!」
私の言葉にお嬢様は花が開いた様に笑う。
……うむ。
やっぱり、笑うと可愛いな。
「それじゃあ、早速、貴方の部屋を用意させるわね」
「え?部屋?」
「そうよ。貴方は住み込みでこの紅魔館で働くの」
「え?それはちょっと……」
「ん?何?私達と暮らすのが嫌なの?」
「いや、そうじゃないんですが……」
「……ああ。向こうが心配なのね?」
「ええ。まあ。流石に行方不明扱いになるのは困りますので」
「心配しなくても貴方が帰る時に同じ日付の同じ時間に戻す様に紫に頼んで置くわ」
「そうですか。それなら、問題ないです」
私がそう言うとレミリアお嬢様は満足そうに頷く。
「それじゃあ、宜しくね!陰猫!」
「はい。お嬢様」
こうして、私は紅魔館で働く事になりました
( *・ω・)ノ
紅魔館、短期バイトでR部分をハーメルンだけでも強調するかどうするか悩んでます。私と美鈴さんのエチエチ見たい人っています?
-
見たい
-
見たくない