それから数日後ーー
「短い間でしたが、お世話になりました」
私は数少ない荷物を手にレミリアお嬢様に頭を下げた。
あれから色々と考えた末に私は幻想郷から去る事を決意する。
それはレミリアお嬢様に赦して貰えなかったからなどではなく、私が外の世界で私の物語の続きを描く為に進む事を決めたからである。
「また遊びに来なさいな、陰猫。今度は配下としてではなく、客人として丁重にもてなして上げるから」
「はい。その時はまた、お願いします」
私はそれだけ告げると玉座の間から出て行く。
玉座の間を後にすると咲夜さんの姿があった。
「行ってしまうんですか、陰猫さん?」
「ええ。咲夜さんにも色々とご迷惑を御掛けしました」
「迷惑だなんて思ってませんよ。
紅魔館で過ごした経験を活かして外の世界でも頑張って下さい」
「はい。ありがとうございます」
私は彼女に一礼すると踵を返して歩き出す。
パチュリー様や小悪魔さん、フランお嬢様にも別れの挨拶を済ませ、残りは美鈴さんだけになった。
私は紅魔館を後にすると門を開いて幸せそうに寝ている美鈴さんを見る。
「美鈴さん」
「むにゃむにゃ・・・もう食べれませんよ」
相変わらず、彼女らしい。
私は彼女にそっと顔を近付けてキスをする。
これが恐らく、美鈴さんとする最後のキスとなるだろう。
「色々とありがとうございます。
美鈴さんの事、大好きですよ」
私はそれだけ告げると未だに起きぬ美鈴さんを起こさぬようにして紫さんが作ったスキマへと入ろうとする。
「・・・さようなら、陰猫さん」
不意に美鈴からそんな声を聞いた気がしたが、後ろを振り返ると彼女は相変わらず、幸せそうに眠っていた。
今のは幻聴だろうか?
そうであったとしても、最後になるのだ。
彼女の言葉にはキチンと返さねばならない。
「さようなら、美鈴さん」
こうして、私はまた外の世界の生活へと戻って行く。
ーーー
ーー
ー
今回の私は記憶を維持したまま、現世に帰還した。
恐らく、異変としてではなく、仕事として幻想入りした為にその存在が明るみに出ようが問題ないと言う紫さんの判断なのだろう。
それに今回の一件を忘れてしまうと紫さんにも不都合が生じる筈だ。
幻想郷の守護者達についてとか、魂猫についてとか・・・。
まあ、その辺りは今後、どうなって行き、どう変化するかは解らない。
ただ、これからも私の生み出した私だけの幻想郷は続いて行くのだろう。
それは私が志し半ばで力尽き、この作品が世の人から忘れられるまで続く。
いや、或いは原作のように私の手を放れて多種多様な物語を紡いで行くかも知れない。
勿論、私程度にそんな大きな力はないだろう。だから、これは本当にもしもの話である。
幻想郷は確かに存在する。
そして、それは人の思いの数だけ変わり、大きく変化して行くだろう。
私の体験もその一つ。私は帰る事を望み、それが実現したが、それは人によって様々だ。
幻想郷がどう変化し、どのような道を歩んで行くのか。
それは誰にも解らない。
だから、我々、幻想郷に魅了された作家は物語を紡ぐのだ。
幻想郷は全てを受け入れる。
例え、どのような物語だろうと。
私はそんな幻想郷に感謝しつつ、この物語を紡ぐ。
次は貴方の番かも知れない。
それはゲームか、音楽か、或いは私のような小説を描くのか、または新たな魅せ方をするのかは解らないが、自分の納得する物語を紡いで欲しい。
これを最後に陰猫(改)、紅魔館で短期バイトをしますと云う物語は終いとする。
【陰猫(改)、紅魔館で短期バイトをします・第二章・完】
二年ぶりの更新です。
改めて、今回で完結の予定。
今回はある意味、EX的な話となりました。
東方projectの二次創作を書かせて頂くのは本当に楽しいです。
この作品はぶっちゃけると私が書きたいだけの話ですが、これ以外にも色々とやっているので、そちらもどうぞ( *・ω・)ノ
ではでは、また次の作品で( ・ω・)ノシ
ハーメルンではエチエチな展開を書くかもと言いましたが、幕間見て解る通り、私自身に性描写の抵抗が強いのでやるかも?で終わりそうです。
その時は申し訳ないm(_ _)m
紅魔館、短期バイトでR部分をハーメルンだけでも強調するかどうするか悩んでます。私と美鈴さんのエチエチ見たい人っています?
-
見たい
-
見たくない