※この作品はR-18です。

VRアプリ『京ちゃんと一緒』R-18版   作:風見猫

10 / 99
√大星淡
大星淡の場合①(リアル)


国麻のその当日に大星淡は控室に向かって走っていた。理由は単純、寝坊である。

しかし彼女の中には自責の念は存在しなかった。

 

「菫もテルーも起こしてよぉ!」

 

高2・高3部門と高1・中3部門は分かれているため完全な言いがかりであるのだが、基本的に世話を焼かれる立場である淡には自分で起きようという発想自体がなかった。

 

それならそれで『京ちゃんと一緒』に目覚まし設定をしていれば『京太郎』が起こしてくれただろうに、それも「誰かが起こしてくれるよね」などと結局しなかった。まさに自業自得である。

 

長い金髪をなびかせて走る淡は全速力で角を曲がり、その瞬間

 

「ふぎゃっ」

 

見事なまでに顔から体当たりをかまし、何かに押されて尻もちをつく。とっさにじんじんとする鼻の頭を押さえて怒りの感情をぶつけようと口を開く

 

「あたた、淡ちゃんの可愛い顔が潰れたらどうしてくれるの? お尻も打っちゃったし……あれ?」

 

「大丈夫か? ごめんな」

 

淡は自分に手を差し伸べるその姿が見覚えがあるどころか恋人のそれであることを認識するとポイっと怒りを捨てる。

 

「なんだ京太郎じゃん、もー。仕方ないなー、ほら控室行こ」

 

手を握って立たせてもらって、そのまま繋いだ手を引いて足取り軽く連れていこうとした瞬間

 

「てい」

 

その場にいた第三者のチョップによって淡と京太郎の手は断ち切られた。

その人影の顔を見て、ついでにその人物と京太郎の手が繋がれていたことに気がついて首を傾げる。

 

「んん? サキじゃん。おひさー」

 

「うんおはよう大星さん。ところでどうして京ちゃんを連れていこうとしたのかな?」

 

にっこりと挨拶を交わされたので淡は胸を張る。大きく揺れたその質量にじとっと咲の視線が向けられた。

 

「そんなのこの淡ちゃんと京太郎が恋人だからに決まってるじゃん!」

 

その瞬間、咲の視線は恨みがましさを込めて隣の幼馴染の男へと方向が変わる。

 

「あのね京ちゃん。恋人さんができるぐらいは全然いいんだけど、私に何も言わないのはそれはそれでどうかと思うな」

 

「いや待てそんな事実はない。そもそもこの子と会ったのって今が初めてだぞ」

 

慌てて無罪を主張する京太郎の姿に、淡は驚きを隠せず目を見開く。

 

「そんな! 京太郎、記憶を失っちゃったの!?」

 

「京ちゃん、そのごまかしは幼馴染ポイント低いよ」

 

両側から責められる京太郎。既にお察しとは思うがこの男、長野在住の『本体』とでも呼ぶべき存在である。

当然淡の持つアプリの中に淡と恋人の『分身』が存在することなど想像もしていない。

 

「いやマジだって。俺がこんな可愛いおもちの子に告白したりされたりしたら忘れるわけないだろ!?」

 

半ば叫びとなった京太郎の発言に咲はさらに視線の温度を下げ、淡はなぜかもじもしとする。

 

「京ちゃんって……」

 

「えへへ。そんなに可愛い? よかったらおっぱい揉む? それで思い出してもらえるなら全然いいよ」

 

「…………お、親御さんにもらった体はもっと大切にな」

 

煩悩を捨てられない男京太郎はしばらくの迷いを経て、何とか諭すように声をかける。

そして咲は少し眉根を寄せてからくいくいと京太郎の袖を引っ張り、しゃがませて小声で耳打ち。

 

「この子、あれじゃない? 偽者さんと京ちゃんを取り違えてるとか?」

 

「いやいや、確かにちょっとばかりアホの子っぽいがそんなことするわけ……」

 

「んー? そういえばなんでサキも京太郎と話せるの? あ、これってもしかして――」

 

幼馴染同士の内緒話にやっと現実に気がついたのか、と戦慄がよぎり――

 

「私の愛のパワーで京太郎が実体化したんだ! でもその代わりに記憶を失って……

 大丈夫だよ京太郎! 私たちの愛ならきっと取り返せるよ! この淡ちゃんを信じて!」

 

予想外にも程がある言葉が飛び出し、京太郎は目を丸くした後なぜか幼馴染に謝る。

 

「すまん。『ちょっと』じゃなくて『かなり』だったみたいだ」

 

「京ちゃん、大星さんについていってあげた方がいいんじゃない? 色々ぼろが出たら大変なことになりそう」

 

『ああこいつは人に自慢しに行きそうだな』とこの短い会合でも容易く想像できてしまった。

白糸台には照がいるので何とか煙に撒けないかと考えてみるも、あっちはあっちで所々ポンコツを発揮しそうなのであてにするには少々頼りない。

 

「よし大星、控室行こうか。咲、お前はちゃんとあとついて来いよ? 見失ったら迷子確定だからなお前」

 

「むー、『大星』じゃなくて『淡』! この淡ちゃんの大活躍を見せてあげよー!」

 

全く警戒心なしでふにふにとおもちで京太郎の手を挟みながらぐいぐい引っ張っていく淡。

京太郎は苦笑しつつも悪い気はせず、咲は特に何を言うでもなく後ろをついていくことに集中する。

 

こうして京太郎の本人がアプリのふりをするというまず見られない光景が出来上がったのだが、人目に触れさせないことに細心の注意を払う羽目になった京太郎はゴリゴリと精神力を削られることになる。

 

だがまあ、とんでも勘違いをかます淡に見つかったのは不幸中の幸い。

仮に他の人間に見つかっていればこの程度の騒ぎではすまないことを残念ながらこの3人のうち誰もが正確に想像できていなかった。

咲も京太郎もこの段に至ってもまだ『そんなアプリをしてる人間がたくさんいるはずがない』と思い込んでおり、淡は現在の状況を全て『愛のパワー』だと信じて疑いなど欠片ほどもなかった。

 

 

京太郎は大星淡にあてられた控室にいた。なにしろ淡は遅刻直前、急いでスマホを置いて京太郎に「ここで見てて」と言うなり飛び出していった。

その時点で京太郎もそっと帰ればよかったのかもしれないが、いかにも口の軽そうな淡には口止めの必要性を感じたためである。

 

どう言いくるめるべきか、そう京太郎が思案を重ねるうちにテレビの中で対戦は進み、淡に得点が積み重なっていく。

対戦者も県の代表者として選ばれているのだから弱いはずがないのだが、波に乗ったような勢いの淡には手が届かない。

 

とはいえこの勝負はただ単純に勝てばいいというものではない。国麻はインターハイと異なり開催の目的が日本代表選手を決める大会だからだ。

サッカーでいうとU-15やU-18の候補者を集めてレギュラーを決める争い、その麻雀版と呼べる。

 

ここから先鋒から大将までのメンバーと控えを決めるわけだが、単に成績順に決まるとは限らない。

こういうものは監督の色が出る。とにかく攻撃的なチームを好むもの、堅実さと安定を求めるもの、それぞれの役割に合わせてチームを組むもの。

 

強いのは前提、その中でどれだけアピールできるかが明暗を分ける勝負である。

この大会には情報戦の要素も強く、事前に監督の作りそうなチーム内でどこに自分が一番選ばれやすい打ち方をするか、そういう駆け引きの妙がある。

 

とはいえテレビで見る限り淡は深く考えずにダブリーと他家の配牌を悪くする完全な正面突破策に見える。

 

インターハイの淡は支配力が相手に劣る場合に脆さが浮き上がった。

それは淡のオカルトが干渉する部分が多方面にわたっているが故の密度差。

自分の配牌、他家の配牌、角の自模牌の指定にカンでドラを増やしての裏ドラ、ここまで分散すれば一点集中的に支配力を発揮するタイプにはどこかが抜かれる危険が生まれる。

 

それをどうカバーしてくるか、選抜のキーはそこにあるだろう。

 

だが現実には支配力に劣る相手への無双っぷりを発揮していた。格下相手なら負けない、それもアピールの一つの形ではある。

だがあれはそんな深く考えず『とにかくぶっちぎればいい』というどこぞのタコス娘のような打ち方だ。

 

ただまあ、派手ではある。プロによる日本代表の先鋒には『怒濤の火力でぶっ飛ばす』三尋木咏が選ばれているし、圧倒というものはそれだけで視聴者を稼げる。

社会においてはお金が必要で、人気取りも必要な世知辛い世界であった。

 

京太郎はその蹂躙劇に苦笑しつつも『よくあること』と認識してしまっているところに彼の周囲の人間のおかしさが垣間見られた。

 

そして対戦は終わり、凱歌とともに淡が帰ってくる。

 

「ただいまー。私大活躍! すごいでしょー?」

 

「ああそうだな。ただなんで膝に座ってるんだ?」

 

淡は何の迷いもなく、椅子に座る京太郎の膝にお尻を乗せ、直角になるような体勢を取ったのである。別に椅子もあったのにそちらには目もやりはしなかった。

 

「甘えたいから!」

 

「――そうか、なら仕方がないな」

 

諦めとともに京太郎は淡を完全にポンコツのカテゴリーに入れた。下手をすれば宮永姉妹よりも厄介かもしれない。

淡の長い金髪は京太郎の鼻をくすぐり、お尻はなぜか擦りつけるように揺れながら、ゆっくりと上体を倒していく。

当然そのまま倒すだけでは頭を打つので、両手を京太郎の首に回してホールド体勢を維持。

 

傍から見れば椅子に座ったままお姫様抱っこという形。そのまま淡は桜色の唇から可愛らしいお願いをする。

 

「京太郎……チューしよ」

 

その言葉に京太郎は迷ったものの悪い気など起こるはずもなく、『これはアプリのふりだから』などと理論武装をして唇を重ねる。

 

湿り気と同時にぬめる舌が京太郎の唇をこじ開け、歯の隙間から舌が絡み合いしばしの間水音が控室の中に響く。

 

唇が離された時にはお互い息も荒く頬を紅潮させたまま興奮に身をゆだねる独特の間。

そして静寂を破ったのはやはりというべきか淡が先で、制服の下へと京太郎の手を取って直接乳房を触らせる。

 

「頑張ったご褒美、ちょうだい」

 

スイッチの入って濡れた声音に京太郎の背は押され、服の裾から侵入した京太郎の手が淡の乳房を揉みしだき、大星淡という楽器を弾くように指がそれぞれ独立しているかのように動く。

 

淡が奏でだすのは喘ぎ声という音色。普段よりも高い音調で嬉しさを伴奏に、淡の体を今まで経験をしていなかった感覚がぞわぞわと背を震わせる。

 

「あ♡あっ♡いい……♡京太郎、私気持ちよくなっちゃってる♡」

 

意識せず淡の音色に艶と媚が混ざる。それは女としての本能で男を煽る調べ。

 

京太郎も既にこれが『ふり』であることなど忘れ、目の前の雌が受け入れるままに性欲が加速して制御できていない。

ただ京太郎の手管は淡という最上の楽器を巧みに奏でさせ、淡にとって癖になる快感を刻み込む。

 

淡はもう自分で触るだけでは満足できない、雄から与えられなければ感じられない快楽の虜に一直線に堕ちていく。

 

「すごい♡いいっ♡よぉっ♡上手すぎ♡どうしてぇ♡」

 

淡の中での予想図は『ぎこちないながらも初めて同士相手を感じる』という姿であり、こんな簡単に自分が翻弄されてしまうなんて考えてなかった。

 

ぴりぴりと体を苛む静電気のようなぞわぞわが淡の乳首を起こし、立ち上がるとほぼ同時にきゅっきゅと摘ままれて更なる快感を送り込まれる。

乳房と乳首だけで限界ぎりぎりのところにさらにキスが加わり、口内でかき回される舌と同じように淡の意識もかき回され、手足の先がピンっと軽く反る。

 

だがそんなことでは京太郎の責めは止まらない。いつの間にか半脱ぎにされてしまった制服をシーツに床に横たわり、キスを終わらせないように京太郎の首に回った淡の片手が辛うじてつながるものの、体の大半は京太郎にまさぐられる度に甘い嬌声を染み込まされてただただ快楽の波に晒されている。

 

意識が白く一色になる直前に、京太郎はその細い糸を手繰る。

 

「淡、鏡見てみろよ。それがお前だぞ」

 

耳を食むついでに紡がれた言葉は淡自身に今の自分を直視させる。

半端に残った理性が客観的に、今の自分が京太郎に食べられる雌になってるという事実を突きつける。

 

「やら、しい♡エッチ、悦んで♡太腿擦って、我慢できないの♡」

 

蕩けに蕩けた淡の心を占めるのはもう「欲しい」という言葉。体も心もただそれだけを繰り返す。

 

「奪ってぇ♡私の処女♡京太郎にあげる♡らから、ちょうらい♡」

 

最後の方は舌までもつれ、貴腐ワインのように甘い音色。葡萄が発酵するように、淡の全部はこの短時間で溶けている。

 

一方で京太郎はこの場で理性が踏み止まる。皿の上に乗ったご馳走を我慢して、問いを投げる。

 

「本当に、俺でいいのか?」

 

その言葉はいくつもの意味をはらんだ複雑なもので、ある意味京太郎自身の心境と似ている。

 

だが、淡はそんなものを汲みとれる判断力も残っておらず「おねだりしないとあげない」という意地悪だと勘違いした。

 

「京太郎♡京太郎がいい♡京太郎だけ♡らから入れて♡」

 

なけなしの自制心もこの言葉で切れる。ズボン越しにさえ主張していた雄々しい猛りがその全貌を表し、その大きさと太さに淡は見惚れてしまう。

これから自分が受け入れるのだからそのサイズに危機感を覚えてもよさそうなところを、自分が惚れたのは間違いじゃなかったと牝としての誇らしささえ抱く。

 

京太郎はもう少しほぐすか悩んだものの、淡の腰がかくかくと踊っている様にこれ以上のお預けは逆に恨まれかねないと判断する。それに京太郎自身も淡の体を味わいたいと本能が急かすのだ。

 

「じゃあ、いくぞ」

 

剛直の先端を淡の濡れそぼり引くつく入り口にあて、手を握ってやりながら一呼吸で奥まで突き抜く。こういうのは下手に引き延ばすと躊躇いと恐怖で体が冷めてしまうもの、この瞬間だけは優しさは仇になる。

 

「づあ、あっ、ひぐ。痛いけど、これが京太郎とつながった証だよね?」

 

欲情に濡れた目とは別の痛みから零した一滴の涙を京太郎は舐め取り、我慢した淡の髪を優しく梳る。

 

「しばらくこのまま、痛みが引くまで体を慣らすぞ」

 

淡の膣に深く刺し貫いた剛直は締め付けの感触に動きたがるが、今度は自分の番と京太郎は我慢。

 

肩から鎖骨を食みながら舌でなぞり、右手は乳房を鍵盤に見立てて演奏の動きで弾き、左の指は繋がった秘唇の周囲をさまよわせ上がらクリトリスを襲う機会をうかがう。

 

同時に三点を責められるなんて自分で慰めるだけだった淡に経験なぞあるはずもなく、質の違う快感が体の中で合流し快感の大波になって意識を押し流す。

 

「あ゛あ゛♡あああっ♡ふわ♡あふ♡あひぃ♡にゃにこれ♡わけわかんない♡よすぎりゅう♡」

 

淡にはそれぞれの感覚を判別できず、ただ圧倒的に気持ちがいいとだけしか分からないまま嬌声をあげ、きゅんきゅんと子宮が疼いて膣内に入れられた剛直の感触までもが合わさってしまう。

 

更に京太郎の責めが一段階激しくなるころには淡は意味がない嬌声を奏でるだけの楽器へとなり下がる。

 

首筋に歯が立てられながら舌で舐められ、ピンと立った乳首は親指と中指の爪で挟まれながら他の指が乳房の形を変えて揉みしだき、引くどころか強まる快楽に勃起したクリトリスを皮から捲くり指の付け根でころころ転がしながら同時に人差し指と中指が大陰唇を行き来していた。

 

初めての淡が耐えられるわけなどなく、熟練の娼婦でも音を上げそうな容赦のない責めが淡の中の優先順位を壊していく。

 

淡が最初セックスに抱いていた印象はイチャイチャしながら甘い言葉をかけあいながら秘部を重ねて愛を語るといったもの。

こんな快感に意識を奪われ半ば叫ぶような嬌声を止められず、全身の毛がざわっと立ち上がるような感覚とともに塗りつぶされながら自分から腰まで振ってしまいながら雌は雄に絶対に勝てないと魂に刻まれる行為ではなかった。

 

いつの間にかキスで喘ぎ声を塞がれ舌で意識と一緒に撹拌され、クリトリスに爪を立てられながら痛いくらいに押しつぶされる乳首、そして傷跡が残っているはずの膣は悦んで剛直による蹂躙を受け入れて締め付けながら子宮の中にまで侵入しようとする激しいピストンに、淡はこの瞬間がいつまでも続けばいいとすら追いやられた意識の片隅で思う。

 

「~~♡~~~っ♡~~~~っ゛っ♡」

 

呼吸は荒く、真っ白にスパークした意識の中でどこか遠くから響く獣のような喘ぎ声を聞きながら、自分の受け入れていた雄の象徴がさらに膨れ上がり精の放流を子宮に叩きつけられ、熱い液体が逆流しそうなほど中をはちきれんばかりに押し広げ、それでもなお硬さと激しさを失わないピストンに膣が抉られ削られ、完全に形を覚えてしまう。

 

知らないうちに気を失っていたのか、淡は目をぱちりと開いて目の前の男に今まで以上の愛を込めかすれ声で呟く。

 

「続きは、ホテルでぇ♡」

 

もはや足腰もたたないくせに今を逃せばもう二度とないという本能に従って、淡は牝特有の媚びて艶めいた甘声でさらにこの先を催促する。

 

「……分かった。途中で薬局に寄るぞ」

 

その言葉に嬉しそうな淡はコクコク頷く。こんな声を抑えないといけない控室なんかではなく、ちゃんとベッドで愛されたくてどうしようもなかった。

薬局で肩を貸された少女が赤ら顔でコンドームを買うことの意味なんて考えも及ばず、冷静になった数日後にやっと「もうあの薬局にはいけない」と恥ずかしさを覚えるのは余談。

 

しかも、買ったくせにホテルの部屋では「中出しじゃなきゃヤダ、ピル飲むから」などと直接出される感覚の虜になってしまって開封すらしないという全く意味のない結果に落ち着いたのだった。

 

 

淡が翌朝に目を覚ますと、そこには京太郎の姿はなく(あれは夢だったのか)と思いながらも自分の太腿にこぽりと垂れる粘液とホテルのローブに着替えさせられている事実に現実だと気づく。

 

なぜか交尾中に「絶対に京太郎の実体化をだれにも話さない」と約束させられ「じゃないともう二度とこんなことは起こらない」という脅しに、ただでさえ勝てないと思わされていた淡は無意識に素直に従うことにした。

 

そしてテーブルに置かれたメモ用紙に『パワー切れで帰る』と置き手紙があったため、淡は急いでスマホのアプリを立ち上げる。

そうするといつものように『京太郎』が網膜に投影され、

 

『えっとその、おはよ』

 

「うりゃーっ」

 

気まずそうな『京太郎』の声に抱きつこうとした淡であるが、感触こそ伝わるものの勢い余って手がすり抜けてしまう。

 

「むむむ、ほんとにパワー切れかぁ。次に溜まるのはいつになりそう?」

 

『そ、そうだな。結構先じゃないと無理かなー』

 

目を逸らしながら棒読みに近い『京太郎』はあからさまに不自然だったが、基本的に自分に都合よく考える淡はそれを(照れちゃって可愛い。エッチはあんなにすごいのに)などと思うのみ。

 

当然ではあるが、これは淡が寝てしまった後に京太郎が淡のスマホの中のアプリ『京太郎』を立ち上げ口裏を合わせた結果である。

本当のことを話すべきかとも相談したが、より性格をよく知る『京太郎』が「あいつは事前の知らせもなく清澄に転校して「引っ越してきたよー、今日からここに住むね!」とかやりかねない」と証言したことでしばらく様子を見るということに相成ったのであった。

 

その代わり京太郎自身も『京ちゃんと一緒』というアプリをインストールし、課金機能で淡の様子をお互いの『京太郎』越しに伝え合う体制が出来上がっていた。

 

本人が自分を模した恋愛ゲームを用いて疑似的な監視をするという、非常に複雑な関係が出来上がった。

 

それを無理矢理聞き出した咲はというと「京ちゃんはすぐ流されちゃうんだから。刺されちゃうかもしれないよ? その時は私が守ってあげるけどさ」などと一見物分かりがよさそうに呆れた笑いを返したという。




遅くなってマジすいませんっした!(土下座)
これ毎回言ってる気がする。

淡ルートは「国麻当日に白糸台の誰も淡を起こさない」と「京太郎に咲を送らせる」の二つが揃った時に分岐するとお考え下さい。

淡にはこれから二つの試練が残っています。
一つはアプリではない京太郎の存在をちゃんと知覚すること、もう一つは咲をどうにか突破すること。
正式リリース版の『宮永咲の場合』を見ていただけた読者さんならわかると思いますが、咲さんは咲さんなので。京ちゃんを守るとはどういう方法なのか……


次回は『渋谷尭深の場合①(VR)』です。

なんでこんなに筆を執る時間がないのやら? 文字数増だけでは説明できない筆の遅さ。昼休みに頑張って書きました!(問題しかない)

次回更新は?

  • 咏たんが幼馴染だったら
  • 白糸台生活の続き
  • 男女比世界の続き
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。