宮永照の場合①(VR)
宮永照は須賀京太郎という人間と親交があり、『京ちゃんと一緒』というアプリで登場する『京太郎』が長野に住んでいる本人に限りなく近い作り物だと知っている。
後輩たちがそのアプリにはまってしまっている現状には正直複雑な思いも抱くが、彼女らとは絶大なアドバンテージ差がある。
同時にその京太郎と毎日を過ごしているであろう実の妹に複雑な思いと危機感も覚えている。
彼を巡れば必ず立ちふさがるという確信があり、その時どんな手を咲が打ってくるかは想像しがたい。
『咲は歪んでいる』と照は冷静に判断する。その歪みを作ったのは家庭環境であり、一部は照のせいな部分もある。だからある意味自業自得なのかもしれない。
他のことであれば負い目から咲に譲ることになっていたかもしれない。
「でも京ちゃんだけはやだ。京ちゃんが好き。大好き」
照は枕に顔をうずめながら両足をパタパタと揺らす。
初恋だった。彼にいいところを見せようとお姉さんぶって頼りになるところをたくさん教えた。少しでも自分を好きになってくれるように努力もした。
好みに近づくために牛乳を飲みすぎてお腹を崩したり、少しだけ失敗もしたけれど京太郎は必ず『仕方ないな』って顔で受け入れてくれた。
「京ちゃん、京ちゃん、京ちゃん……」
名前を呼ぶたびに、微笑みかけられるたびに、遠い場所の彼を思うたびに好きな気持ちは大きくなるばかり。
インターハイで再会できて、予想以上に素敵になっていた彼に心臓が高鳴った。
「好きにならないなんて無理だよ」
咲との関係にひびが入って疎遠になっても、京太郎は事情に深く立ち入らずただちょくちょくと近況や身近の面白かった話を聞かせてくれた。
まるで話の端に『咲は大丈夫だから』とうかがわせる気遣いに、愚痴だって聞いてくれる彼に、おいしいスイーツを調べて教えてくれる優しさに、好きになるのは当たり前すぎた。
「京ちゃんを好きな人、たくさんだよね」
きっと本人は無自覚にただ相手に向き合っているだけなんだろうけど、そんなの誤解しちゃうに決まってる。
京ちゃんのいいところを知ったら女の子が揺れるのも仕方ない。
「なのにこんなアプリ作っちゃって」
『京ちゃん』が有名になって、ライバルは爆発的に増えただろう。潜在的にはどれだけの数に上るかわからない。
だけど須賀京太郎の実在を知っているのはきっとほんの一握り。この優位はいつ崩れるかもわからないけれど。
「国麻なんてしてる暇ないのに」
だけど辞退なんて周囲が許してはくれないだろうし、迷子になりやすい咲のために彼がついてくる可能性もある。
そうなったら誰の目に触れるかわからない。危険度は恐ろしく増す。
「でも、こっそり急いで会いに行けば」
人の目をかいくぐって、特に咲から引き離しての速攻がおそらくベスト。
「ずるい」と「なんで教えてくれなかったの」ときっとみんなから責められる。淡は拗ねてもう慕ってくれなくなるかもしれない。
それを織り込んでも彼の一番になりたい気持ちが止められない。
「京ちゃんがいい、京ちゃんじゃなきゃいや」
今の京太郎は自分のことを異性としてみてなかったらしいことは知っている。でも攻めれば、ちゃんと気持ちを伝えれば脈が少しはあることも『京太郎』の反応で知れた。
それに、異性としてではなくとも大事にはされてるはずだとも思う。
京太郎が麻雀を始めたのも咲を麻雀部に引っ張り込んだのも、自惚れでなければ自分たち姉妹の橋渡しにも見える。
実際に確認したわけではないが、ちょうど京太郎の入部時期は照が掲載された雑誌の発売日とほぼ一致する。
ついでにキャラがあまりにも違うということで電話越しに笑われたので、雑誌を見たことはほぼ確定。
もしも照の影響であるなら、それはすごく嬉しい。逆に咲のためなら少し複雑。
なんにせよ照が最優先するべきは長野にいる京太郎の攻略。
単独で長野まで行ければそれがいいのだが、残念ながら自分の方向感覚のみでたどり着ける自信がない。
誰かについてきてもらえばそれは事情を知るライバルを作るのと同義なのでこの手も使えない。
結局は国麻に乗じるのが安全かつ確実だ。
それまでの時間は『京太郎』を使っての練習に打ち込むと決め、照は枕を抱きかかえたままスマホのアプリを操作する。
同時に照の視界にわずかなノイズが走り、想い人の姿似が網膜に浮かぶ。
『ふわぁ……何ですか照さん、また告白ごっこですか?』
毎日「どれが一番きゅんとくるか教えてほしい」と言われ付き合わされることに『京太郎』もかなり消耗していた。感覚としては女子のショッピングに付き合わされる男の心境に近い。
「むぅ、『ごっこ』じゃない」
頬を膨らました照が力のこもってない拳でぽかぽかと『京太郎』の胸板を叩く。この辺の反応は姉妹共通である。
まあ照からすれば真剣にアタックの成功率を少しでも上げたい切実な思いがあるわけで、そこを茶化されればご機嫌斜めになるのも当然。
『それで今日もですか?』
毎日インハイ王者に告白されると聞けば羨ましさに刺しに来る人間がいそうだが、須賀京太郎にとって宮永照は『お姉さんぶってるけど色々抜けてるポンコツその2』という分類。
思慕の情を向けられていると知った今では『京太郎』にとっては少し立場が違ってきているが、その情はあくまで長野在住の方に向けられているため、『京太郎』からすれば『双子のもう一方への恋愛相談を受けている』という感覚が最も近い。
『京太郎』と本体はほぼ同一人物といえる思考をしているが、いくらそっくりと言っても当人の感覚ではあくまで別人なのである。
「ううん。今日はもっと先の練習」
照は小さく首を横に振りながら枕を抱きしめる力が少し強まる。
『先って言ってもキスはNGでしたよね』
その点は当初から聞かされていた。最初は本当の彼のために取っておきたいという乙女心として。
理解もできるし、だから告白の練習以外は特にないと『京太郎』は認識していたのだが。
「……その、夜の、練習」
恥ずかしそうに枕で顔の下半分を隠しながら赤らんで『京太郎』を見上げる照。
『…………』
そんな恥ずかしそうに見上げられても『京太郎』は絶賛混乱中。キスは駄目でもそっちは許される理屈がさっぱり理解できない。
「その、もちろん本番……えっと、入れるのは駄目。それ以外のテクニック的なのを……」
照の目線は忙しげにあっちこっちに向けられ、真っ赤な頬を掌で隠しながら続ける。
「京ちゃんに下手とか、気持ちよくないとか思われたくない。エッチがよくないと男の子は浮気するって聞くから、その」
どこかの雑誌の怪しげな説を照は真に受けた模様。それなりのテクがなければ振られるかもと不安そうな顔である。
「それでどんなのが気持ちいいとか教えてほしい」
無駄ともいえるほど再現された『京太郎』の性感帯は京太郎のものとほぼ変わらない。現在進行形で本体が開発されてでもいない限りツボを押さえる教材としては確かにこの上ないだろう。
『いやでもそれは、いいのか?』
倫理観の違いに戸惑う『京太郎』。通常であればただのゲームだと割り切れても、モデルとなった本人を知っていれば事情は違う。
そもそも『京太郎』とそういった行為に至るのが浮気に入るかどうかさえ曖昧である。
そんな葛藤をよそに照は自分から『京太郎』のズボンのジッパーを噛み、音を立てて引き下ろす。
そうなるとズボンで抑えられていた膨らみの存在があらわになる。そのサイズに照は瞬き。
「わ、大きい」
想像してたよりもずっと上だったことに雑誌の信憑性を少し疑いつつ、下着も唇で剥がす。
「これが、京ちゃんのなんだ」
まじまじと見ながら照は鼻先を近づけて匂いを嗅ぐ。だが嗅覚までは設定されていないため部屋の空気と何も変わらない。
それならと、照は舌を出して巻きつけるように舐る。
「ん……これが京ちゃんの味? あは、ぴくんて跳ねた」
かつて姉のように振舞っていた女性が自分からペニスに奉仕し始める姿に『京太郎』も反応してしまう。
照は本来あまり表情の変わらない美少女で、そんな彼女に嬉し気な声音で誘惑されれば立たない方がおかしい。
そして照も自分で相手が興奮したことに雌の本能が花開きはじめる。
「ん♡ちゅ♡ちゅく♡お口だけでするね♡ん♡硬くなってきた♡」
照は探るようにペニスにキスを降らせながら上目遣いで『京太郎』の表情と反応をチェックする。
どこが弱くてどうされるのがより気持ちいいのか、少しずつ場所と責め方を変えていく。
「京ちゃんの気持ちよくさせ方教えて♡京ちゃん好みの女になるから♡」
照は自分の立てるいやらしい水音に気持ちを引っ張られながらもあくまで『練習』だと自分に言い聞かせる。
咥えては吸いしゃぶる雌にとっての凶器の威力についつい酔いそうになるのを抑えながら、ムードは出すという困難さに直面していた。
『京太郎』は愛しい幼馴染のほぼコピーといっていい。だからこそ気持ちよさそうに揺れる表情にどうしても胸がときめく。
気を緩めれば流されて引き返せないところまで『京太郎』と一緒に行ってしまいそうで、しかしそれは本当に捧げるべき相手を誤る行為。
そして背徳は甘い蜜。それに惹かれて道を間違えるものは多い。
踏み外さないための心理的抵抗を弱らせるのはいつも言い訳。
『ゲームだから』『本人と変わらない』『ばれたりしない』『これは浮気じゃない』そういった甘言が脳裏によぎれば終わりの始まり。
「京ちゃん♡京ちゃん♡ひもひいい♡」
口奉仕するうちに自分の膣に突き込まれることを想像してしまい、発情の火にあぶられた照は甘やかな喘ぎ声をあげながら自分の衣服を乱し己を慰めてしまっている。
ちりちりと理性の糸が悲鳴をあげ、本能で動きたいという欲求が照を襲う。
「入れちゃだめ♡らめらから♡」
制止の言葉を発しながら照は『京太郎』のペニスに頬ずりして潤んだ瞳で目を見上げる。
荒い息がもれ、太腿を伝って床に落ちる愛液の匂いが部屋の中を塗りつぶしていく。
「本番は京ちゃんと♡初めては京ちゃんにあげるの♡」
媚びた雌の甘い声をあげながら、それでも照は踏みとどまる。
そんな健気で恋心を大事にする少女を自分の色で塗りつぶしたくなるのもまた雄の本能。
『だったら素股ならいいんですね?』
問いかけですらなく体勢を変えて『京太郎』のペニスが体の間でこすれ合う形になるとそのまま腰がピストン運動を始める。
「んああ♡あふ♡ああん♡あー♡あー♡らめぇ♡」
予想してなかった『京太郎』からの責め手に照は感じる声を隠せずに身をよじるも、それも刺激の変化として照を追い詰める。
『照さん、可愛いですよ。もっと聞かせてください』
「んあ♡あぅん♡ほんろ♡あうぅ♡ぁああ♡」
目の前の雄が喜んでいることを知った照の体は自然と分泌液をこぼし、摩擦の緩和されたスムーズな突きの手助けをする。
突かれるたびに照の脳に火花が走り意識を散らす。一突きごとに確実に快感が心を侵していく。
ただでさえ快感に翻弄されているその時に『京太郎』のペニスは秘芯を捉え、突くごとに押しつぶし引くごとにカリで削る、摩擦によってもたらされる容赦のない快感の嵐に巻き込まれる。
「ん゛ああっ♡あ゛あ♡あああ゛♡ふああ♡あ゛う♡あ゛♡」
火花どころか意識を消し飛ばす真っ白なスパークにクリトリスのこともよくわかってなかった照に耐えられるわけもなく体が勝手に『京太郎』を抱きしめようとしてすり抜け、それを確認もできずに痙攣する。
意識は朦朧としながらも浮遊感を覚える。満たされた感覚、充足感。愛しい男性に抱かれる幸せを確かに感じる。
その瞬間に洪水のようになった照の秘所に確かに押しつけられる硬い棒の感覚。
『照さん、最後まで行きませんか? 事故で滑って入っちゃっただけ、頷けば今以上に気持ちよくしてあげますよ』
その言葉を認識した瞬間、躰が訴える。「欲しい」「もっと」「エッチ好き」「気持ちいい」
本能が告げる。「強い雄」「孕むのが当然」「子供作れる」「雌の幸せ」
だから当然、照が返す言葉は
「らめ♡初めては京ちゃんの♡」
心と魂が先に陥落している相手を選ぶ。
気持ちよさなら本人からもらえる、ちょっとおあずけされるだけ。
快感で甘い雌声になりながらも、一線は越えないと目を真正面から見て否定する。
『俺も、「京ちゃん」ですよ?』
粘ってみる『京太郎』だが、照は変わらず首を横に振る。決意は固い。
『むぅ……照さんの意地悪。ならせめてもっとエッチな姿見せてください』
口をゆがませながら不満を表す『京太郎』は再び快楽の渦へと照を叩きこもうと覆いかぶさる。
「ふわ♡あ♡らめ♡んんん♡京ひゃん♡ああぁ♡」
ベッド上のテクニックに大きな差のある照が抵抗できるわけもなく『京太郎』の手で甘く鳴いて雌の姿に引き戻される。
照が疲れて気絶するまで淫靡な時間は夜深くまで続くことになるのだった。
「エッチ、バカ、変態、京ちゃんの意地悪」
朝日の眩しさで目覚めた照は体液で濡れたシーツで体を隠しながら『京太郎』を罵倒する。
「駄目だって言ったのに何であんなことするの?」
あんなこととはもちろん本番まで行こうと『京太郎』が押してきたこと。
どうにか誘いは断ったが、もっと快楽漬けにされて判断力を奪われれば自分以外の女なら大抵は堕ちるというのが照の見解。
アプリなのに所有者の意思に反するのは明らかな問題行為である。
『だってなんか面白くなかったんですもん。色々練習してる相手は俺なのに向うばっかおいしいところかっさらう感じで』
正座させられた『京太郎』は珍しく拗ね顔で素直な心情を述べる。
その言葉に照はつい瞬きする。
「……嫉妬? 京ちゃんが、京ちゃんに?」
『そうですけど、なんで嬉しそうなんです?』
意外という顔をした次に照が見せた笑顔にぶーたれる『京太郎』。
「京ちゃんも嫉妬することもあるんだって、しかも私のことで、だよね」
告白をするまで照の好意に気づいてもいなかった『京太郎』が今は『好きな人に振り向いてもらえない』みたいな拗ね方をしたというギャップに驚くと同時に嬉しい。
『やっぱすごく複雑です』
ほぼ人格が同じということは本体にも通用するということで、つまりはそれだけ想ってもらえる可能性があることに照は勇気づけられる。
「ごめんね京ちゃん。私考えなしだったかも。
でもやっぱり、一番は本物の京ちゃんなんだ」
練習台兼相談相手として『本人なら一番確実』くらいな気持ちでアプリを使ったわけだが、使われる方の『京太郎』の気持ちを深くは考えていなかったことに気づいて謝るも、それでもやはり止められない気持ちだと言葉に出して確認する。
「京ちゃんがつらいならこれ以上は……」
『もうここまで来たらくっつくとこ見るまで収まりつきません。無念とかで枕元に立ちますよ』
アプリの使用をやめることも考える照に対し『京太郎』の拒否。
だがそれはきっと本心ではなくて照の気持ちを第一にする優しさなのだと照は知っている。
「ありがとう京ちゃん。『京ちゃん』のことは二番目に大好きだよ」
『そこにはせめて咲を入れてください、枠的に。仲直りしたでしょ』
突っ込むところがそこなのがなんとも彼らしい。
「うーん、咲は……なんていうか喧嘩予定とだし」
確実に取りに行けば牙を向いてくるのがあまりにも簡単に想像がつく妹の姿に苦笑をせざるをえない。
『え、今度はどっちが何をやらかしたんです?』
問題の種はだいたい一人の男に集約されることを全く察しないところに照はもう諦め気味であった。
「理解してもらいに行くから、ね」
その言葉は宣戦布告。宮永照は自分の恋心を妹にすら譲るつもりはなかった。
だからまあ、近いうちに波乱が起きるのは不可避である。
宮永照のルートの序章はこんな感じです。
本人知っている勢の中でもアプリ京ちゃんへの姿勢はちょっと特殊。
「アプリだから」「ゲームだから」で割り切らないところが和や咲との大きな違い。
ベッドテクを磨いて自分のツボを心得た年上お姉さんに言い寄られるとかご褒美でしかないよね(ただし戦線は開かれる)
アンケートの結果は清澄>臨海>有珠山で僅差……うんまあ順番は決まりました。
清澄は和か久、あるいは咲。
臨海は明華かハオ。
有珠山は爽か成香。
まあ多分このあたりから出演かと。
姫松と鶴賀? 絹ちゃんとモモでどちらも危険牌の予定でしたね、ええ。
むしろ安全パイがあるのかその時点でわかんねー
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