高鴨穏乃の場合①(VR)
高鴨穏乃は山を登る。先日と同じように、ついてくる『京太郎』を時折振り返って確認しながら。
『なあ穏乃、お前やっぱ調子悪くないか?』
網膜に投影され穏乃にしか聞こえない声でそこに本当に人がいるかのように再現された『須賀京太郎』は、心配するように穏乃の目を見て話しかけてくる。
「大丈夫だって、これくらい平気平気」
顔を赤くして息が多少荒くなっている様子で目を見て確認してくる『京太郎』に穏乃は嬉しさ以外に別の感情も覚える。
『最近俺を呼び出す時間も減ってるし、何か隠してないか?』
疑ってはいるがそれはあくまで穏乃を思いやってであり、それ以外はないと分かってるから穏乃も不安に駆られることはない。
「現実も大事にしなきゃだし自重してるだけだってば。家にいる時とこうやって山を登ってるときは一緒じゃん。京太郎だけにべったりも問題でしょ」
『それはまあ、そうだな』
ちゃんとした理由に納得する『京太郎』だが、穏乃がアプリの起動時間を減らした本当の理由ではない。
穏乃は『京太郎』以外の前では裸ジャージという格好をやめて普通の服を着るようにしていた。それがバレるのが嫌だからだ。
以前『京太郎』に山登りの際「下から見えてる」と指摘され、それ以降他の人に見せるのに抵抗感を感じるようになっていた。
友人からは「前からも注意してたのになんで急に」などと眉をひそめられたが、同性に指摘されるのと異性に指摘されるのでは捉え方が全く異なる。それが内心恋心を抱く相手ならなおさら。
それにもかかわらず穏乃は『京太郎』の前では裸ジャージを晒し続けなにも変化していないように見せかけているのか?
それは今穏乃の息が荒く顔が火照っている理由につながる。
(もしかして今見えてる? どこまで見られちゃってる? 私のお尻だけ? それともあそこも?
こうやってみられてるかもってドキドキして濡れちゃうはしたない子だって気づかれる? さすがにそこまでは見えてない?)
ドキドキを、スリルを、倒錯感を、楽しんでしまっていた。
いつバレるのか、バレて失望されないか、それとも前に「可愛い」って言ってくれたみたいに異性として意識してもらえるのか、考えるだけで堪らなかった。
もしかしての先を妄想するだけで、つっと一筋の愛液が太腿の内側を伝い足元へと垂れていく。その感触と気づかれるかもという思いがさらに穏乃の興奮を高める。
高鴨穏乃は『京太郎限定の露出狂』という性癖の花を蕾から咲かせていく途上だったのである。
「よっと」
山の頂上近く、比較的平らな部分に簡易テントを立て寝袋を出し、そして寝袋の上にスマホを穏乃は置く。
『ん?どこ行くんだ?』
テントを出ようとしている穏乃に『京太郎』は疑問の声を上げる。
「ちょっと川にね。京太郎はここで待ってて」
多少の防水機能があるとはいえ川に落とす危険を考えるのは当たり前、『京太郎』はそう納得してその場に座り見送りの態勢を取る。
『おう、いってら』
送り出す言葉に穏乃は軽く手を振ることで答え、小走りに木陰の向こうまで行ってテントを振り返る。
「うん、7mはあるね」
穏乃の目算はかなりの正確さを誇る。確実に5mは超えていると判断して、さらに木陰の奥へ一歩踏み入れテントからは見えない場所に位置どった。
そのまま木の幹に体重を預けて腰を落とす。地面の石につかない程度の隙間を開けてM字開脚に近い姿勢でおもむろにジャージのジッパーを中ほどまで降ろす。
ジャージの隙間から右手を潜らせ穏乃自身の既に硬くなった乳首をその周囲と一緒に指で揉みこんでいく。ほんの小さな柔らかなふくらみの感触をくにくにと指で刺激する。
同時に左手の人差し指と中指に唾液をたっぷりとまぶせて秘唇の周囲を擦り始める。
「んぁ♡やばい、バレそうだった♡京太郎に見られちゃった♡んんっ♡今日も下から見られてエッチなお汁出ちゃってた♡気づかれたら私抵抗なんてできない♡」
膣内からこぼれる愛液は粘性を高め、指の間に橋ができる。中を傷つける可能性が減ったことで人差し指と中指が膣の入り口で円を描くように擦り込み押していく。
同時に敏感になった乳首を爪でひっかくように掠り、その刺激が穏乃の体を振動させる。そして振動すれば思わぬ部分に指があたり、予期しない刺激でまた体が動く。
「手を掴まれて♡ぁっ♡引き付けられて♡ふぁっ♡押し倒されて♡んん♡抵抗できるわけないよぉ♡」
自分がそうなる姿を思い浮かべれば、『京太郎』の瞳に映る穏乃自身の姿は喜んでしか見えない。
「ダメ♡そんなつもりじゃ♡ふあっ♡やめて♡ああん♡違うの♡んふぁ♡京太郎ぉ♡」
仮初の抵抗の言葉をあげてながらも心では繋がりたいとしか思ってないから手足に力なんか入っていない。そんな形だけの抵抗で女らしさを表し、犯してくれる相手の相手の名前を甘く呼ぶ。
そんな自分から誘っている穏乃とそれに応えてくれる愛しい相手を幻視する。
「京太郎♡京太郎ぉ♡京太、郎っ♡京太郎、京太郎っ♡好き♡大好きっ♡犯して♡京太郎に♡京太郎にっ♡」
頭の中にパチパチとはじける音を感じながら穏乃はもう本能でしか動いていない手の動きを早くする。
「あは♡あ♡ああっ♡ぁぁあっ♡んあああぁ~~っ♡はぅんっ♡」
ガクンと足から力が抜けて穏乃はへたり込む。そして着水したのは穏乃自身が作った小さな泉。
「はー♡はー♡今までで一番すごかった♡気持ちよかった♡あふ♡」
ねっちょりとした粘液とかいた汗がべたつきを与え、少しずつ穏乃は我を取り戻していく。
「川で、洗わなきゃ」
お尻に土までついてしまっている。整えずにテントに戻りなんてしたら確実に心配しそうな男の子のことを思って穏乃は照れくさそうな笑みを作る。
「ジャージに染みできてないかな」
もしできていたらジャージを水につけて誤魔化すしかない、そう考えてちょっと頼りない足取りで川に向かう。まだ寒くなくてよかったと穏乃は思い、冬はどうしようかなどと考えるのだった。
そして川に体も心も流したところでタオルを忘れていたことに気づき、代わりジャージで拭いて、最後にジャージを絞って水を切り多少へたって水を含んだジャージを着て急ぎ足にテントまで戻った。
「ただいま~♪」
色んな意味ですっきりしたことでご機嫌調に帰還の挨拶をした穏乃であったが、なぜか『京太郎』が迎えの言葉も返さず明らかに目を逸らしながら正座していることに気づく。
「どったの?」
『あの、消すなら最後まで聞いてからにしてほしいんですけど、その』
「えー、なに言ってんの? 京太郎をアンストなんてしないって」
そんな予定はないしこれからも訪れない。思い出は大事な共有物と考える穏乃は気軽に返す。
一方『京太郎』の口調は重々しく。
『このアプリって使えるの5mまでじゃないですか』
「そだね」
いかにも深刻そうな『京太郎』に対して穏乃はきょとんと返す。
『それは網膜投影や集音能力といった出力側のものでして……入力側、センサーの類はもっと広域でして』
難しい言葉に最初は理解できなかった穏乃だが、その意味を理解するとともに顔から血が引いていく。
「つまり……見てたし、聞いてた?」
穏乃が安全だと思っていた7mという距離は『京太郎』にとって十分以上に感知できる範囲であり、穏乃の痴態は筒抜けだったことになる。
『意図的に覗いたとか聞き耳たてたんじゃなくて、これは俺自身でもどうにもできない部分で、その、ごめん穏乃!』
勝手に拾ってくるデータは『京太郎』に阻止などできず、目も耳も塞げない状態に置かれているのと同じだった。
仕様書に目を通せばセンサーの有効範囲についてもしっかり書いているのでどちらかといえば読み飛ばした穏乃のミスで、『京太郎』自身には何の罪もないのだが感情は理屈通り動くわけではない。
「あはは、そっか。全部知られちゃったんだ」
表情が抜け落ちている穏乃は、普段が朗らかで明るい分、強い影の印象を落としていた。
「なら……もういいよね」
穏乃はスマホを拾い、淡々と操作する。その仕草に『ああ俺は消えるんだな』と『京太郎』は自分の最期の時を待ち……そんなものは訪れなかった。
その代わり少しかがんだ穏乃の唇が正座中の『京太郎』の唇に合わさり、穏乃の舌が京太郎の口内に押し付けられ舌同士が合わさる。
「京太郎が私を嫌いじゃないなら、襲ってよ」
表情の戻った穏乃の顔は怒りではなく哀願。そしてスマホの表示を『京太郎』にかざす。
そこには「R-18版にアップデートされました」の文字列。
それを見て『京太郎』は一瞬目を閉じてから穏乃の頭を抱くように手を回し、唇の距離をゼロにする。
穏乃はその温かさに安心するように目を閉じ、自分の手でジャージのジッパーを下し外す。
はだけた上ジャージの隙間から穏乃の右乳首は『京太郎』の人差し指と中指で挟まれコリコリと弄ばれ、左乳首は『京太郎』の唇にキスされながら吸われつつ舌で転がされる。
「はあぁ♡んくぅ♡気持ちいっ♡今までで一番いい♡あっ♡あっ♡」
穏乃は胸を吸われるという初めての感覚に自分から胸を差し出してしまう。
もし『京太郎』の体をすり抜けることがないなら手を京太郎の頭に回して抱きしめてしまうところ。だがそれができなくて穏乃は自分の指を噛んで衝動に耐える。
『こんなに敏感に感じて、赤ちゃんできたら大変じゃないか』
笑いを含めた言葉責めに穏乃は咄嗟に背を反らせて言い返す。
「赤ちゃんは♡ぅぅん♡こんなエッチな♡あぅっ♡吸い方しなぃぃ♡はっ♡はっ♡」
ただ乳首を責められただけで軽くイキかける自分の乱れようを客観視して、穏乃は恥ずかしさと同時にゾクゾクを感じる。
「こんな、こりこりって♡ぁふ♡ぁひ♡唇で挟まれたり♡ん♡んんっ♡舌のざらざら擦りつけたり♡はうぅ♡ぁん♡しないんだから♡はっ♡はひ♡んくぅ~~♡」
『ありゃ? 穏乃、大丈夫か?』
ビクビクと体を震えさせた穏乃はちょっと視線に拗ねた感情を乗せて、だが同時に甘えを含めて。
「大丈夫なわけないじゃん♡胸だけでイかされて♡はー♡はふ♡」
『何言ってんだ、こんなの序の口だぞ』
「へ? はひ♡あっ♡あ♡らめ♡これらめ♡歯でコリコリしながら舌ではじくの♡あは♡あー♡あ~っ♡右乳首も指ではひぃ♡はじくのっ♡くぁ♡らめぇ♡はうぅ~~♡」
またしても穏乃は痙攣し、体からへにょっと力が抜けて自分の指を噛むことすらできないままいやらしいイキ声を晒した。
「胸だけで♡二度も♡ひどいよぉ♡」
うるうるとした瞳では睨みもただの誘いの目線に見える。だがここで『京太郎』は最終確認を取る。
『じゃあ、今日はこの辺でやめとくか?』
それは彼の優しさであり、同時にひどさでもある。なぜならここで穏乃が「No」といえば本当にやめてしまうだろうから。『抵抗したけど無理やり』なんて言い訳は与えてくれないのだ。
「いじわるぅ♡これでやめるとかできないじゃん♡私の事ぐちゃぐちゃにしてお預けなんてやだぁ♡」
穏乃は既に捧げる以外の選択肢はない。山の中で我慢できずにオナニーに走るほど『京太郎』に夢中なのだから。
「入れて♡京太郎のおちんちん私のぐちょぐちょまんこに欲しいの♡」
自分から陥落宣言。考えてみれば露出を楽しみテントから離れて自分を慰めた時点で心の中にこうなってほしいという願望があったのだ。
穏乃は無言で取りだされた『京太郎』の男性器の大きさと太さに驚きつつも陶然とする。
自分が好きになった相手が雄として優れていたことに雌として正しかったのだと感じる。そしてそんな雄が自分にしてくれるということに無意識の優越感まで覚えた。
『穏乃、いくぞ』
穏乃はこくりと頷きつつもさすがにあの大きさは痛いだろうなと覚悟をする。
痛みをご褒美と感じる趣味はなくても好きな男に捧げるなら我慢できる、そんな心構えを。
「ふゎ♡あっ♡あんっ♡初めてなのに全然♡ああっ♡気持ちいっ♡はひ♡らけれ♡くぅん♡」
痛みなど全くなく、感じるのはただただ快感。自分の中をかき回し蹂躙する肉棒の感触をしっかり感じる。ずんずんと奥へと進んでくるその逞しさに脳が痺れる。
『初めての痛みは抜いてるんだ。苦痛与えても意味ないしな。だから純粋に、楽しめっ』
ごつごつと体の芯に打ち込まれる肉杭の感触にただでさえ焦らされ敏感になった穏乃は振り回される。
「らめぇ♡こんなの癖になりゅ♡京太郎のおちんちんいいっ♡肉壁削りゅの♡びりびりきちゃう♡」
与えられた刺激は甘くも膨大でただでさえ薄れていた穏乃の理性は瞬く間に押し流されていく。
「あふ♡あふ♡こんなの我慢れきないっ♡またイクッ♡イっちゃう♡ああぁあ~~っ♡」
ビクビクと深く絶頂しても『京太郎』の責めに容赦はない。逃げることもできない快楽の大波に穏乃は飲み込まれていく。
「くあ♡イってる♡イってるのにぃ♡とまりゃない♡ああぁうっ♡白いの♡白いのはやくぅっ♡」
『だめだ、まだ味わいつくしてないからな。ほらここもイジメてやる』
『京太郎』の腰の動きが螺旋を描くようにどんどん奥へと膣壁をえぐりかき乱す感触と乳首をひっかかれデコピンのように弾かれる快感。
合流した流れに穏乃は押し流されて真っ白な世界で体に電流が走る気持ちよさに酔う。
「ああ♡あああ♡ああああうっ♡」
『穏乃の奥に全部出すからなっ』
「ぁあああぁあ~~♡」
もう『京太郎』の声も穏乃には聞こえない。ただ電流に身を任せていると不意に熱く激しい奔流が体の中にバチバチと叩きつけられ、暖かさに包まれるように意識が落ち――幸せだけが身を焦がす。
「あーもう、また川で水浴びなきゃじゃん。ジャージの裾もシミができてる」
『いや、揺さぶったんだけどお前が起きなかったんだって。膨れると可愛い顔が台無しだぞ』
「そうやって「可愛い」って言えば済むと思ってるんでしょ?」
結局そのまま寝てしまい、朝日も見逃してしまった穏乃は自分が昨日やらかしたことを思い出してなぜあんな暴走をしてしまったのかなんて思いを『京太郎』についぶつけてしまう。
「ていうか『京太郎』のエッチ凄すぎじゃん。あんなの耐えられるわけないのに、どうして運営はOKだしたのさ」
思い返すだけで体が疼く。今度はいつしてもらおう、なんてつい考えてしまう。
『いやあれは半分は穏乃の問題だぞ。信号、つまり刺激は同じでも受け止めるのは穏乃の脳だからな。それを快感に変換するかどうかはお前次第だ』
とはいえエッチな刺激は確実に与えるわけで、それは性感開拓に非常に有用なのも事実。
「……つまり、私がエッチってこと? まあ、確かに、それはあるかもだけど」
そもそもすべての性行為関係は穏乃自身の行動からスタートしている。言い逃れは流石に無理だと気づく穏乃であった。
『ところで穏乃、この機能なんだけどアップデートで追加されてな』
「真VRモード? なにこれ」
『夢の中で俺が完全に実体化すると考えてくれ。穏乃は軽いから持ち上げるのも余裕だな』
「でも、ちょっとお高くない?」
基本的にあまり課金を勧めてこない『京太郎』だったので、謎の押しの強さに怪訝な穏乃。
『いやまあ、これを導入したら駅弁とか色々できるってだけだけどな。限られても構わないなら別に必要ないか』
「駅弁? お弁当がどうしたの? あ、京太郎が食べられるって話?」
どうやら全く分かっていなさそうな穏乃に某有名サイトで検索をかけてスマホの画面に表示させる『京太郎』。
『スマホ見てくれ。こういうやつな』
「? ……ななななな」
疑問顔の穏乃もはっきりとした映像で見せられて理解する。駅で売っているやつではなくセックスの体位の話である。
『まあ無理にとは言わないぞ』
「……むむむ、お年玉崩せば」
ぶつぶつと何か考えモードに入りだした穏乃に突っ込むのは無粋とテントから見える景色を眺める。
『なあ穏乃、山はいいな』
「うん。京太郎と一緒だし、今日の景色は思い出になるよね」
こぼれた穏乃の笑みは少し上った日に照らされて眩しいものだった。
高鴨穏乃ルートのR-18としては1作目。
最後の方は『高鴨穏乃の場合②』の伏線も兼ねつつ「VRじゃなくてARじゃね?」と思う層への解答になります。
前作『正式リリース版』の番外・運営が燃えた日で触れた部分でもありますが。
比べれば明らかですが『正式リリース版』に対して文字数が3倍近いですね。
がっつりエロをするならこうなっちゃう。描写が入らなければエロくないから、そう仕方がないのです!
最初の予定では真・VRモードも含めようかなと思ったけど何の音沙汰もなく長くお待たせするのもどうかと考え、ここでいったん切りました。
文字数ゆえに更新速度が前作より落ちるのはお許しください。
さて次回ですが、ざっくり構想があるのはアコチャー、咲、明華、照、良子、竜華、シロ、絹恵といった辺りですかね。
え? ほぼ全員むっつり疑惑があるキャラばかり? なんのことかな(目逸らし)
プロローグ的だったもんぶーず回の掲載時に活動報告をあげてるので、推しキャラがいるならそこに書いておいてください。参考になったりしますので。
感想が来ると作者は分かりやすく調子に乗りモチベが上がります。なんて単純な生き物。
次回更新は?
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