番外・東横桃子の逸走
桃子は機械を通さない限り、人間に視認されることはまずないといえる。
それは対局外の和、スイッチがしっかり入っていない咲、一番付き合いが深いはずのゆみでさえ例外ではない。
本気で隠れに回られれば嗅覚で探知する智美くらいしか察知はできないし、嗅覚では細かい位置まではわからないというありさま。
人に認識されないことから自分への自信がなかった桃子、人と接することの極めて少ない彼女はとても依存しやすく惚れっぽい。
それが作り物のアプリの人格であれ、優しくされ自分を見てくれると感じれば傾倒してしまうレベル。
そんな折にアプリの元になっている少年を見つけてしまえば、現実の異性に見てほしいという欲望がわく。
そこに加えて自分が親しいと思っていたゆみが彼のことを知っていたという疑惑。実際はそんなことはないのだが思い込みといううものは怖い。
同時に久と仲よさそうな場面を目にして麻雀部内の良好な人間関係も想起される。
この時点でライバルが6人いるとの想定、もちろん全員が彼に恋情を持ってるとは限らないが他の人間関係も含めればもっと多いかもしれないという焦り。
一方で他校である桃子自身は直接の接点がなく大会を通して知られているかもしれない、程度。
普通にしていれば他の女の後塵を拝する。
だからと言ってストーキングして家を割り出した上にこっそり家の中にまで入った上、体を使って誘惑、関係を持つというのはどう考えても行きすぎ。
常識的に犯罪行為であり、胸と顔が彼好みでえちえちなことをしたい年頃相手でなければ普通に通報ものである。
運よく逮捕を免れそれどころか男女の関係を結ぶ。セフレ始まりでも特別な関係になれた。
桃子は実の家族にも見つからない、つまり数日家を空けていようが早々ばれたりしないし気にされない。
前までは精神的苦痛の元だったその状態が、今度は男の家に入り浸ることの容易さに取って代わる。
男の体温を感じて内部に何度も存在を刻んでる間は京太郎から確かに視認される。エッチ中は見てくれる。
突かれる度にたわむ胸も、広がる髪の毛も、とろとろに垂れる体液も、肌を濡らす汗も全部。
それがとても嬉しくて心が満たされる。いやらしい声で鳴いてねだる。
寂しい女はそれを都合よく埋める男相手に淫乱に振舞いもっと求められたがるという通説があるが、桃子はばっちりそのパターンにはまった。
「あ♡あ♡あっ♡京さんのごつごつって♡中荒らされるっすよ♡あふ♡ああ”♡」
「桃子、もうちょい声抑えて」
深夜帯に家に連れ込んでいることがばれれば京太郎も立場がない。高校生で相手の親御さんに連絡もなく、それどころか正式な交際まで行かず体を重ねているのを許容する親はそうはいない。
「そんな♡無理っす♡あぅ♡あ”♡おちんぽよすぎて♡無理ぃ♡」
頑張って小さくする努力は見受けられるが激しい突き入れを受け入れればやはり声は漏れる。
快楽優先に体はどうしても反応し、とっさの反応を抑えることなんてできない。
最悪のケース、疑われ見に来られることがあっても桃子自身が感知されるかは半々、あるいはAVか何かのせいにできるかもしれない。
まあその場合でも京太郎の評価は下がるので彼からすれば好ましくはないだろう。
「ハメられるの好き♡求められるの♡私の体いいっすか♡んん”ぅ♡」
もし体しか興味がないのであっても桃子は目の前の男を逃せない。安売りでもいいから自分に少しでも目線が欲しい。
ゆみに裏切られたと感じている現在、それが真実ではなくても縋る相手は京太郎のみになってしまう。
「手に吸い付いてくる肌、ちょっと低い体温、欲しがり屋さんなとこも可愛いぞ」
褒められてるのはエッチ方面だけ、肉体を貪られ捨てられそうな未来の見える言葉に、しかし桃子は身をぶるりと震わせる。
「あぉ♡嬉し♡京さん♡たくさん抱いて欲しいっす♡あふ♡ごりって♡あ”ぁぁ”♡」
ちょろすぎてすぐ男に騙され股を開く精神性。少しばかりインモラルな行為にも傾倒する積極さ。
セフレとしては一見使い勝手がいいように見える。
その実湿っぽくて重い部分が発露しなければ都合のいい、奉仕気質の彼女としての性能も高い。
ただ向いているというのと、そうなるというのは等符号で結びつくと限らない。
依存心の高さと自分への自信のなさは失うことへの恐怖から嫉妬心へと形を変えるし、インモラルに抵抗がないということは常識的なブレーキが利きにくいということ。
心の底、簡単に見えない部分に少しずつ黒い澱がたまっていく。京太郎の傍に女の気配が絶えないことも桃子の不安を煽る。
「桃子はエッチだな。ここ吸い付いて離そうとしない」
トントンと子宮の位置を指の腹で叩きながら低音で耳元で囁くと頭が痺れてきゅんきゅんと膣が収縮する。
繋がっている間は不安を忘れていられる、愛されてると錯覚できる。
爪で胸の先端を弾かれるのも遊ばれているのではなく気に入ってくれてるのだと勘違いできる。
「うんぁ♡エッチっす♡私エッチっすから♡あひ♡そこ弱いっすよぉ♡ぁぉ♡ぉぉ”♡ぉ”ん♡」
半開きの口からだらしなく舌を出してヘコヘコ腰が空打ちする。
刺激を受けた乳首は芯が入ったようにそそり立ち触ってほしそうに震えながら張り出す。
「ぁいぃ”♡そんなつまんでカリカリされちゃ♡先っぽとおまんこ同時にされたら♡イキまくるっすぅ♡ひぃん”♡」
二点責めに思わず大きな声をあげそうになる桃子の口を唇でふさいでねちょねちょと舌を絡ませ啜る。
パチパチ点滅する視界の中で必死に抱きついて快感を伝えようと桃子も応える。
「いっぱいイケ。桃子のことたくさん使うから、俺のこと大好きになってくれな」
京太郎視線からすれば桃子は一目惚れの男の自宅へいやらしい格好で押しかけ、犯されたがる変態さんの印象がぬぐえない。
セフレでもいいとか言い出したのは桃子側でありそれに乗っているだけ、そう扱われるのが好きなのかと合わせている意識。
顔も体もストライクゾーンの痴女が目の前で犯してくださいとスカートをめくれば、それは襲うなという方が無理がある。
なので遊びやセフレの関係で終わる可能性もあれば、そこから普通に一歩踏み込んで正式に付き合うことも十分あり得る。
お試しの期間に体を味見しちゃうのはあまり褒められたことではないかもしれないが、お互いが合意の上ならワンナイトというのも世間では少なからずあるものである。
男なんてものは魅力的な女のお誘いには後先考えず乗りがち、性欲に忠実な方が主流だ。
「ん”ん”ぁ♡おまんこイクっす♡イク♡もう大好きっすよぉ♡ぃん”♡い”ひぃ♡」
先っぽをねじり引っ張るのに合わせて指の腹で軽くこするように潰し、胎内を大きく抉って攪拌されて桃子は絶頂を味わいなかなか戻ってこれない。
無意識に膣壁がまとわりついて肉棒を甘く食む。体の制御が外れ唾液がこぼれ男の胸板につく。
崩れた笑い顔の桃子の頬に手を添えて舌を絡めて吸い出し歯で扱きながら、子宮の入り口をこじ開け引っ掛ける。
「あひ♡いぁ”♡こんなの癖になるっす♡パコられるのよくて腰動いちゃってりゅ♡あ”♡ぁお”ん♡ぉぉ”ん”♡」
唇の間からだらだらと涎が漏れて白目をむきながら痙攣する。負け宣言をした穴に容赦なく蹂躙の突き込みを追い打ちに食らわせて快感にハマらせる。
「あぇぇ”♡ひぐっ♡ひぐぅ♡おちんぽしゅごは頭壊れるっすぅ♡ぇへ♡」
どろりと溶けた砂糖水のような様相で足を絡めつつすりすりと無意識に頬ずりをする桃子。
性的に依存させるという意味合いでは京太郎の行動は効果的。
ただ元から依存心の高い桃子に対しては過剰摂取であり、なくなった際の不安を煽る諸刃の刃でもあるということの自覚が京太郎にはなかった。
ついでにいえば「セフレからでも」なんて桃子が言い出したことにより、自尊心の低さはわかってもそれと同時に嫉妬心も強いタイプであることまでは見抜けていない。
自尊心のなさがゆえに他の女に転ぶ可能性を過剰に捉え、嫉妬心が京太郎に身近な女子たちを敵視させ、依存心から男が離れるところを想像して不安が増大する。
身体に覚えさせられた疼きが彼のものなしの人生を考えたくなくさせ、捨てられることに怯えて目先のエッチに縋る。
単に気持ちいいことが好きなラフな関係でいいタイプとは大きく外れている。
根本的にはセフレには向かない重いタイプが桃子といえる。
一人であることへの恐怖、一度肌の温かさを知った以上はそれから逃れられない。
「気持ちよかったよ、桃子」
瞼に優しくキスなんかするから勘違いさせる。
誰にでも優しくする人だ、なんて。そんな人みんなが好きになる、と発想が飛躍する。
もちろん誰からも京太郎が好意を寄せられてないかといえばそうではない。ただちゃんと付き合うのであればそれ以外とは友人の距離を保つ程度のことは努力するだろう。
男の子ゆえの欲望で過ちを一切犯さないとは言い切らないが、肌を交わした人々が複数人での交際を元から視野に入れている場合を除いて、躊躇いというものは生まれるはずである。
なので桃子がちゃんとストレートに体だけの関係ではなく恋人になりたいといえば、この時点であっさりとその位置に入り込むことができた。
その後は近い女性に嫉妬したりすることはあれちょっとしたいさかい程度ですみ、いちゃいちゃと過ごすことは全然夢ではなかっただろう。
だが大事な先輩に裏切られたと思い込んでいる桃子からすれば、ただの遊び相手としての関係しか構築できてない男が他の魅力的な女に惹かれる未来や自分が捨てられるビジョンを拭えない。
というかセフレというもの自体気軽にお互い欲求が重なったときに楽しむだけの縛られない関係。それでいいと言っておいて捨てられるだのなんだのというのは筋違いに過ぎる。
だが人間はいつも論理で動くわけではない。ましてやそれを現実に可能にできる力があるとなれば。
桃子は機械を通さず、わざと目立つようなこともしなければ他人に視認されない。つまり何をしてもバレるリスクがない。
そして今は買い物さえ置き配というサービスを使えば飲食物や必要品を買うことは姿を見せることもなくできてしまう。
京太郎の姿さえ見られないようにすれば、登校しないことで騒ぎになっても隠し通すことも十分視野に入る。
逃げられないように、奪われたりしないように、拘束して監禁してしまえば。
さすがに京太郎の家では簡単に見つかる。だが桃子の家、家族にさえ注意を払われないのが日常化している桃子の部屋なら。
家族との関係を見せたくないから同じ高校の誰も桃子の家は知らない。そこにエッチを餌に誘い込む。
たっぷりと中出しエッチをえへえへと楽しんだ後で睡眠薬を盛り、眠り込んだところで大声を出せないように口枷をして抵抗できないように縛る。
「えへ、京さんが私だけのものになってくれないのが悪いんすよ。痛い思いなんてさせたくないんす。でも、でもここから出たいって言うなら腱を切らなきゃ……そんなこと、させないでくれるっすよね?」
カチカチとカッターを見せつけながら桃子は脅す。
もちろんカッターなんかでは浅い傷しかつかず単に滅茶苦茶痛いだけ。だが鋭くもない刃で何度も刻まれるのは、一発で筋肉を断ち切るのよりもずっと恐怖を与える。
なにしろ「こいつはまともな判断ができていない」という強いメッセージになる。
そして実際に監禁して他の女に目移りしないように、離れないようにしようなんてのはまともな判断とは言えない。
つまり脅しとしての信ぴょう性がひどく高く見える。
不安定に揺れる瞳、浅い呼吸、小刻みに震える手と刃物。
下手に刺激すれば暴発すると確信できる。
それ以前に言葉を封じられた状態でどう説得するのか。
「満足はさせるっす、私ができることならなんでも。だから他の女なんていらないっすよね」
満足の方向性が完全に性的なもの以外何も考えていない。
思いつめすぎて視野狭窄になっている。
あるいはそれ以外を自分では与えられないとさえ思いこんでいるのかもしれない。
体を捧げる代わりに自由を奪い、己の行動への正視を避けるためにセックスに逃げようとする。
男の望まないことをしているという事実から必死に目を反らしにかかる。
心の奥底で間違っていると自覚しているからこそ正当化に必死になる。
「舐めるっすよ。男の人はぺろぺろする女が好きなんすよね。積極的に欲しがる方が嬉しいって本にあったっすから」
アプリを用いて京太郎のどこが敏感かは予習している状態にある。
桃子の身体も京太郎用に開発、調節されてはいるが男への奉仕の仕方も学んでいる。
処女が技術を覚えながら開発された女の感覚を神経に流し込まれる。男を咥え込む味を気持ちいいものだと刷り込まれる。
初体験がどうだったかで多くの女性は性への印象が変わる。ならこんなものを使ってしまえばエッチ好き、セックスにはまりやすく価値観が弄られる。
「あは♡えらが張ってきたっす♡ここの溝ほじるようになぞるのがいいんすよね♡手のひら押し返して♡おっきくガチガチの♡最高のおちんぽに育ってきてるっす♡」
カウパーを鈴口から舌先で掬い取って舌に広げて、ざらざらで亀頭全体を包むようになすりつけ、筒を両手で上下に扱きながら唾液を泡立てるストロークでじゅぽじゅぽ啜りあげる。
「おっき♡おっき♡京さんの素敵ちんぽ♡やらしい味ですぐハメたくされる♡おまんこ疼くっす♡」
ぬめぬめとした口内の粘膜の感触と興奮した鼻息、左右に揺れる尻の動きに舌を押し返そうとむくむく大きくなっていく。
拘束されていても直接的な性の刺激にはどうしても反応してしまう。
「はー♡は♡胸で挟んでみるっすね♡こういうのできるのおっぱいさんぐらいじゃないっすか♡でもあの人お堅そうだから使えるのは私だけっすよ♡」
桃子はマウントをとろうと体を安売りする。安易に比較先を持ち出して自分は手の届かない学園のアイドルよりも傍にいるアピール。
「はみ出すほどでかいっす♡熱くて硬くて私のこと滅茶苦茶にする♡先っぽ擦りつけていいすか♡いいっすよね♡ひん♡ぁ♡」
奉仕してたはずが欲情にまみれていく。
無理矢理拘束している時点で本当の意味では自分のことしか考えていない桃子が熱で炙られては本性を隠せなくなっていく。
「ん♡んひ♡ぁぃ♡私の♡私だけ♡ハメてほしいっす♡私とだけずっと♡」
もごもごと言葉にならない京太郎の現状が目に入らないのか、それとも意識の外に置いているのか、肉体の反応の方を真実と思い込もうとしてか膨れ上がる肉の塔にねとねとの秘部を擦りつける。
「いいっすよね♡おまんこぱくついて♡ぁ♡ぁ”♡京さんのめりめりって♡じゅぼじゅぼしちゃうっすよぉ♡ぁあ”ん♡あ”へ♡ぉ”ん♡」
騎乗位でまたがって背筋を反らしならぐりぐりと前後にお尻を動かしながら桃子は喘ぐ。
体が応えてくれているから心もそうだと思い込んで一緒に気持ちよくなろうと腰を振るたびに乳房が跳ねる。
「京さんのおちんぽ♡凶暴っす♡ごつごつしてて反り返りが引っかかって♡極悪っすよぉ♡ぁひ♡あぃ”♡ぃ”♡おひんぽ♡おひんぽ♡ぁ”お♡ぉ”ほ♡ぉ”♡ぉ”♡」
蜜が激しくかき混ざる水音に肉同士がぶつかる破裂音、濁った喘ぎ声が入り混じっていく。
何が間違っていたのかを京太郎に検証させる余裕も与えず桃子は自分勝手に搾りあげる。
「ぁ”♡ぁ”ぇ♡ぉ♡京さん♡京さん♡赤ちゃん欲しいっす♡中にびゅーびゅー出してください♡孕みセックス楽しもうっすぅ♡あひん♡ぁあ”♡ぇう♡」
パチパチと快感の光が視界に瞬き焦点がぼやけて京太郎の顔が見えていない。いや見えていたとしても何かをこらえているそれを、自分を感じてくれているのだと解釈するかもしれない。
「離れない♡ずっと傍にいるっす♡お世話するっす♡だから♡らから♡ぃあ♡あ”ぁ♡ひくんっ♡ん”ぅ~♡ん”♡」
監禁による一方的な愛であっても確かに桃子は想っている。それが正しいのだと無理矢理に信じさせて。
心の奥底でそんなわけがないと気づきながらもそれから目を逸らすために交尾の快楽に逃げる。
こうやって反応してくれてるんだから相手も自分を好きでいてくれると思いたがる。
「ぁああ”♡私の♡私のこと見ていてくださいっす♡私だけの♡いい”ぃ♡ぃぁ♡おまんこ使ってぇ♡い”くぅん♡ぁぇ”♡ぇ”♡」
結局のところ自分への自信のなさ、見捨てられることの恐怖、見られない日々への怯えが桃子を突き動かしている。
それを正しくあげられる始まり方をしなかったことがこんな事態を引き起こした。
無理矢理に押しかけてきて体を差し出してきた相手からそれを読み取れというのは難題ではあるが、ボタンの掛け違えが桃子の心を軋ませる。
それでもまだ取り返しはつくのか、それはこれからの彼と彼女次第なのだろう。
桃子とちゃんと向き合わずになあなあの関係で進めてたらこうなりかねない、というIFストーリー。
桃子ってその性質上どう考えても自己肯定感が少なくて依存気質なんで、勝手にゆみが自分より男をとってると思い込んだら暴走してもおかしくない&男だけに依存してもやっぱり同じ、という気はしてます。
何もなかった時よりも一度得たものを失う痛みを経験した場合、人の道に外れても同じ傷は負いたくないと思ってもおかしくないよねって。
なお清澄勢は何が何でも見つけ出そうとするため桃子は割と危機に片足突っ込んでる。
次回のお話は何も構想ができておりません。
誰のお話にするかすら。
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