プロ編も多分そう、やるなら宮守はアプリがあった上での流れになるかもです。
全部面識なしだと流れ似ちゃうので。
永水女子と不思議な部屋 前編
『閉じた世界』という表現がある。
外から隔離され影響を互いにおよばさない、ただそれ単体で完成している関係や集団を指し示す言葉。
ある意味では神代小蒔という高貴な存在を上に据え世俗から切り離した霧島神境はその定義にあたる。
巫女とは神に仕えるものであると同時に神の妻ともされる。それゆえ穢れであり不貞の元となる異性は遠ざけられる。
もちろんそんなのは神道の中でも歴史的に見れば一部でしかないし多くは建前でしかない。
そして神代家は渡り巫女の系譜も継ぐ名家、建前とその裏側というものが存在するのは当然である。
血筋により選ばれた六女仙とともに生まれた時から穢れから遠ざけられ、それぞれの少女は受け継がれたお役目を果たす。
そして決められた日に血を残すための伴侶があてがわれて子を成し時代へと受け継ぐ。
それが当たり前になった家系ではあるがまだ今代はいろいろと緩い部分も存在する。
例えば名門女子高とはいえ学校に通っていたり部活の大会に出て全国まで行くのを許してもらえたり。
時代によってはまさに籠の中の鳥の生活しかさせてもらえなかったのに比べれば緩和していた。
それでもやはり世間からは大きく隔離されているのが彼女ら。
日常から神事とふれあい、人理では理解できないことがあってもそれをそのまま受け入れる下地すらできている。
普通じゃないこと自体が普通、そういう感覚が当たり前にある。
ある日起きたら見覚えのない真っ白な大きな四角い部屋の中に自分たちがいる、という状況にも首は傾げても騒ぎも狼狽もなくただ不思議そうにする。
あるいは一番びっくりする要素と思えるのはこの中に一人見覚えのない相手がこの場でいまだ寝ていることであろうか。
自分たちと寝床以外には何もない、真っ白な部屋。いやそもそも扉も窓もない四隅を白い建材で囲まれた空間を
『部屋』と呼ぶのが正しいのかは疑問である。
出口の痕跡もなくそもそもどうやって入れられたのかもわからない。
だがそんな状況に対して特段の怯えも悲壮もない。ただ『どうすればいいんだろう』という困惑がある。
基本的に彼女らは自分で何か新しいことをすることよりも、与えられたものの中で順応することやその中でどうやって生きていくかを考えるのが習慣づけられている。
不満はあっても環境に対して本気で逆らうという発想が幼児期からの教育で取り除かれていた。
この物理的に『閉じられた世界』の中にあっても彼女らは普段と変わらなく見える。
閉じ込められているのが物理的にか精神的にかの違いしかないと、たぶん根底の部分に刷り込まれそれが当たり前すぎて自覚できないレベルになっている。
それゆえ興味は『知らないうちに閉じ込められたこと』よりも『この人は誰でどんな人なんだろう』という部分に割かれていた。
その配分はさすがに各々違うが、この状況下で他の集団であればこのような配分には絶対ならないと断言できるほどの偏り模様であった。
「すみません、気持ちよく寝ているところ申し訳ありませんが起きていただけますか?」
幸せそうな寝顔に小蒔と何となく重ねながら、巴は優しくゆさゆさ揺さぶる。
外からの刺激に京太郎は目をこすりながらも目を開け、周囲の何もなさすぎる空間と巫女服を着た5人の美少女たちの姿が目に入り、寝入った前とのあまりの光景の変化にぼうっとしたまま判断を下す。
「んう、ここは――」
『夢だな』と言葉にせず思う。
それはそうである。彼女らを見たのはテレビ越しに部活仲間が戦っていた対戦校の女子たち。
つまりは一方的に見知った関係でしかなく、九州の南部と長野の間にある距離は移動だけで寝てから起きるまでの時間とどちらが長いのかというレベル。
さらにはこの非現実的な部屋の様相、夢の中の出来事だと考えるのも無理はなかった。
むしろ現実だと考えたうえで落ち着き払っている永水の面々の方が変わっている。
起こし終わったのを確認した巴がしずしずと脇に控え、困ったときの進行役である霞が口を開く。
「きっと困惑されていると思いますし疑問も尽きないとは思いますがまずは自己紹介から――」
そうして互いが簡単に自己紹介をし合うも高校の名前は口にしないまま、かつて出会う可能性があったことも知らずに会話に区切りがつく。
「それで、これからどうするか考えたいと思うのだけど」
「はいっ!」
何もヒントになりそうなことがなくて困惑する様子を見せる霞に、小蒔は元気に手をあげる。
「なにかしら小蒔ちゃん」
「みんな仲良くしましょう!」
『とてもいいことを言いました』と言わんばかりの得意げな様子に、多少の苦笑は交えつつ上からのお達しに頷く。
「そうね、せっかくだから仲良くしていきたいわね」
この時点で彼からの視線が胸のあたりに集中していることを理解し始めていたが男の子ならしょうがないんだろうと流すようにする。
夢だと思っているがゆえの遠慮のなさ、隠さなさが悪く働きかけていたのを予期せぬアシストによってフォローされた形。
しかし大枠のルールというか規範のようなものは決まったものの何をするべきかは判然としない。
ただ会話するだけで時間を過ごしていていいのかと内心思い始めた頃に壁に異変が起こった。
白い無機質な建材も不明の壁に黒い滲みがざわざわと動き文字の形をとる。
電子的にパッと表示するのではないやたらとオカルトじみた光景。
科学的に見えない分現実味がないところが恐怖心をあおる。
それでいて提示された文字はというと。
『手を恋人つなぎしましょう』
やたらと可愛らしい、命令文ですらない提案っぽい軽さを見せる文章。
起こったことの不気味さを緩和してくれない上に、誰かが意図的にこんな状況にしているわけではないと教えてきているような。
「これはペアで、ってことなんでしょーかねー?」
顎に曲げた人差し指を当てて可愛らしくこてんと首を傾げる初美。
ここにいるのは6人、いつもの永水の高等部では奇数となり六女仙すべてを集めてもやはり小蒔含めて奇数、それを解決させるために外から呼んだのか。
相手は答えてくれない上にこの一例をもって回答を導こうとするのは無理があるものの、思考が滑る。
「初美ちゃん、繋ぎましょー」
「え、あ、はい、姫様どーぞー」
なぜかうきうきの小蒔に押されてにぎにぎといつもよりも密着率の高い握り方にドキッとする。
だがここで初美が真面目に考えるべきはどうしても余る誰が男と恋人つなぎすることになるか、ということであった。
進行として常に京太郎と他の皆の間に位置取っていた霞が最も自然な流れになってしまう。
矢面に立つことが何かと多い霞も異性と手を握る流れになんてなったことはない。
緊張するし本当にしなくてはいけないかという思い、しかし満面の笑みの小蒔の発した『仲良くする』を破って空気を壊してしまうほどなのかという自己抑制。
緋袴でわずかに湿ったような気がする手のひらを拭ってそっと手を伸ばす。
女のそれとは違うごつついた指の節にすっぽりとこちらの手を包み込みそうな大きさ。
手拭いを使わなかったのは意識していると思われたくなかった霞の強がりであるが、横目で男の顔を見れば向こうも視線を逸らして顔が赤らんでいる。
恥じらいを覚えながら指が絡まっていく。ドキドキが伝わらないか手から汗が出て不快に思われたらどうしようなんて考えたり。
いっぱいいっぱいになって地面を見ていたから、声が上がったことで霞はその場面を見逃したことに遅れて気づく。
「あ、文字が変わりましたね」
巴が指さした先には以前とは異なる文字列。そしてそれを見て明らかに怒っている初美の姿。
『異性と大人のキスをしましょう』
「こんなの禁止に決まってるでしょーが! 丁寧口調なら許されると思ってるんじゃないですよー!」
段階をいくつもすっ飛ばしたとしか思えない文言に怒りをあらわにする初美。
付き合ったってすぐにはしないであろう内容を見て、それをこの中の誰かがする必要があるとなればそうもなる。
そんな騒いでいたら当然視線はそっちに引っ張られる。
「あ、ご飯嬉しい」
マイペースな春は見ていないうちにどこからともなく出現した純和風の焼き鮭定食をパクついていた。
初美の憤懣やるかたない様子をなんとも思っていなさが伺える行動である。
何がすごいって、急に空間から湧いて出たとしか考えられない食事を1ミリの躊躇もなく口に運べる精神性である。
意図はしていないのだろうが結果的に毒見になってるので責めにくい。
「はるるは状況が分かってるんですか? 誰かがその、しないと、なんですよー?」
タイミング的にこの朝ご飯はお題クリアの報酬かなにかと見た方がいい。
逆に言えばお題をクリアしなければ以降のご飯がない可能性さえあるということだ。
ここに閉じ込めた相手が求めていることはわからないが状況的に逆らってもいいことはたぶんない。
それがわかっていても心情として初美は友達を、仲間を守りたい。
「じゃ私がする。ご飯食べないと怒りっぽくなるよ」
「え?」
その疑問の声は多重にハモっており誰が発したのかも判然としない。
言葉を発した本人は後半の方が重要だと思っていそうなのが食べっぷりに表れている。
別に黒糖以外で食いしん坊というわけはないのだが、次がいつ与えられるか分からないのならさっさと目先のものにありつくのは大事だ。
実のところ春にとって京太郎に対する好感度は割と高めだ。
同学年でありマイペースな自分をせかしたりもせず、黙っていても気にした様子はない。
かといって興味を持たれていいないかというとそうでもなさげであり、天然扱いされることある自分を変な目では見ない。
この時点である程度関係を築くための条件は整っているのだが加えてお家事情がある。
春も成人をしたころには婿を取らなければならないのだがめぼしい親戚筋に近い年齢の男性はおらず、一回りどころか二回りは離れた春の感性からすれば『おじさん』しかいない。
仕方がないと諦めている一方で少女漫画のような同年代との恋愛に憧れはあった。
今が特殊状況であることを加味しても初キスを捧げる相手に『親戚のおじさん』よりも『会って間もないけど何となくよさそうな同い年の男の子』へと天秤が傾くのも無理はない。
あるいは風習や環境に対する子供じみた当てつけ、ちょっとした反抗の意味もあるのかもしれない。
そんな内心を感じさせもせず春は一足先に食べ終えて他の皆の食べる様子をぼうっと眺めて過ごす。
相も変わらずご機嫌そうな小蒔、いまだ不満を抱えてそうな初美、時折自分の手に目を落とし小さく首を振るのを繰り返す霞、春と男をちらちら交互に見て何かもの言いたげな巴、そしてあからさまに見ようとはしていないが意識は春に注がれている京太郎。
各々が心中でどう納得したのかまではわからないまでも食事の時は終わり男と女が向き合う時間が来る。
京太郎としてもこういうとき何を言えばいいのかよくわからない。
相手の覚悟を問うような言葉は自分から言い出した相手に失礼であろうし、自分でいいのかといった類いの言葉は思い上がりっぽくて躊躇われる。
結局無言で向き合いつつ二人の顔の距離が徐々に近づいていくのを皆が見る。
いや、小蒔だけは目を霞の手でおおわれてなんでこうされているのか疑問の声をあげているが。
30センチ、20センチ、15センチ、10センチと徐々にゆっくりと顔の間の距離が詰まる。
整っていた顔立ち全体が見えなくなり、まつ毛の長さや緊張で唇を潤すためにほんの少し覗く舌先や瞳の色の細かい虹彩まで見てとれる。
お互いの息がかかる距離、相手の吐いた空気を自分が吸う近さ、もしかしたら心臓の鼓動まで伝わるんじゃないかと体まで触れ合いそうに。
「リード、して」
唇が触れる一瞬前数ミリという距離で春がのせた熱っぽい吐息交じりの言葉は、京太郎から躊躇をはぎ取る。
春の腰に手を回して一気に引き寄せ、たわわな果実が胸板でたわんで密着し、頬を優しく手のひらでなでながらまずは唇だけを啄むように食む。
「ん、ふっ、ふ、んっ」
安心させたところで耳たぶを柔らかに指の腹でなぞられながら舌が入ってくる。
別の人の体温、自分と異なる唾液の味に反応して、春の両手は京太郎の背中の肩甲骨のあたりをかき抱くように引き寄せにかかる。
ちゅくちゅくと舌同士が絡み水音が控えめに耳を打ったのも十数秒、逃がさないというように後頭部の上の方を大きく手のひらを開いて押し付けるようにしながら激しさを増していく。
「ちゅ♡じゅっ♡ちゅる♡じゅるる♡くちゅっ♡ずっ♡」
初めての本格的で情熱的な口づけに春は瞬間鼻で息することも忘れ、息苦しさと熱病のようなじんじんとした靄が頭の中にかかり、自分からも積極的に唾液を啜る。
舌だけでなく口内まで自分の体液でマーキングするように舌でこそがれ、熱い唾液をこくこくと春は飲む。
「じゅ♡じゅぷ♡ごく♡こく♡ぷはっ♡はー♡はぁ♡」
息が続かず思わず外してしまったが、酸欠でぼんやりする春の頭でも今のはとても『いい』のが分かる。
「すご、かった♡うまいね♡」
初キスに選んだ後悔なんてあるわけがない。逆に見る目があったと自分をほめていい。
慣れてるのかも、なんて本能的な嫉妬がもたげて『そういう関係じゃない』と自制してしまうくらいには。
「どういたしまして。髪型崩れてないか?」
向こう側は余裕がありそうと見える言葉選びと気遣いに春は頷き、気持ちいいキスを初めてにもらえた感謝に今度はこっちからキス。
「ん♡ん♡んっ♡ちゅる♡」
「って、終わったのになんでまだしてるんですかお前達は―!」
また熱が入りそうになったところで冷静に引き戻すツッコミの声が入る。
それを受けて分かりにくい表情ながらもわずかに不満げな気配を滲ませて身を離す春。
本人は自覚していないが途中から発情しだしていた。邪魔されたと感じてしまう自分を自覚する。
なおこんなにも横入りが遅れたのは文句をつけていた初美ですら空気にあてられ見入ってしまい、壁の文字が形を変えきってからどれだけたったのかさえ分からない状態だった。
舌がふれた瞬間だったのか、あるいは数秒たってからだったのかも今はもうわからない。
確かなのは壁の文章が『異性と座って正面から抱き合いましょう』になっていること。
空間にいまだ漂う微妙な空気を払しょくしようとその場で手をあげる人物がいる。その名は狩宿巴、眼鏡にポニーテールという知的に見える年長の女性である。
なおご意見番であるというような事実はない。
「こういう比較的簡単なものを姫様にやっていただきませんか? もしかしたら全員がお題をこなすことが解放の条件かもしれませんし」
お題を出しているモノがどういった存在であるか分からないから推測でしかないがもっともらしく聞こえる意見である。
何にも参加させないというのは小蒔が拗ねてしまう可能性がかなり高いというのもある。
小蒔の中ではいまだに『みんなでワイワイ楽しくやってる』という認識なのでそこからハブられるとかはとても嫌うであろう。
また参加しないものがいることで不興を買って小蒔に酷な命令が飛んでいかないように守る意図がある、とそういう風に周りは受け止めた。
実際は巴の考えは別の場所にある。いや小蒔を守りたいという部分は確かにあるがそれは別として。
お題をこなすのが異性のペアと仮定するなら『霞、春、小蒔』と順繰りになったように感じる。
つまりなんとなしではあるが集団心理として続くのは『巴、初美』か『初美、巴』の順番で流れができる。
そうなれば嫌々仕方なくであってもこなさなければいけないような、そんな空気になる。
つまり周囲への言い訳がきく。『別にやりたいわけじゃないですけど』というやつである。
なんというか、巴は実のところむっつりな部分があった。
可愛がっている春が垣間見せた女の匂いにあてられて無意識にそっち方向に引っ張られている。
一方で小蒔はといえば無邪気である。
やっと自分の出番が来たと思っており、いまだ遊び気分。体だけ育っているがそういう方向の感性はいまだ薄い。
とことこと近づいて無防備に京太郎の足の上に座って。
「えへへ、ぎゅー」
しかし体はしっかり大人の女になりかけている。むにむにと弾力のあるお胸は平均よりもずっと大きく、抱きつけばその張りと柔らかさを伝える。
当然先ほど感じた胸の感触がとっさにリフレインし、貪るようなキスの甘い吐息まで連想してしまう。
「あれ? なんだか棒状のものが」
「え、いや、それは」
とっさに何を否定していいのか分からずごにょると、すっと間に手が入る。
「姫様クリアおめでとうございます。離れてくださいね」
責められこそしなかったが圧を感じてしまう京太郎だが、小蒔の子供っぽく喜ぶ姿に緩む。
「やりました、あとは巴ちゃんと初美ちゃんですねっ」
当人に悪気はかけらもないが、ここでその言いようは『次はどちらかがやれ』と言っているようにも受け止められなくもない。
というのも次のお題として提示されているのはというと今までの中でも無茶な内容で。
『手コキで出させてあげましょう』
「――は?」
さすがに無理があるという内容すぎて京太郎の方がフリーズする。
「ハッちゃん、できる?」
「いやこれできるどうこうじゃ、ひ、姫様ー?」
意味ありげな視線を流す巴に、矛先が自分に向いて思わず助けを求めだす初美。
そしてそれに対する返答はというと。
「何のことかわからないですけど頑張ってください! 私見てますね!」
無知ゆえの強要によって道が断たれたと錯覚する初美の前に巴は糸を垂らす。
「ハッちゃんが無理そうなら私が頑張ってみていい?」
京太郎が口をはさむ余地のなく勝手に話が進んでいく。
男側が拒否できなさそうな、『女の子がこんなに頑張ってるのに』という謎理論のまかり通るアレである。
無理しなくていいと言う方が今まで頑張ってきたこの行動を台無しにするような、独特の空気。
「私頑張るから、次がどんなお題でもハッちゃんも、ね?」
「……約束しますよー」
心洗われる友情のシーンに見える。
内心は巴が男性器に興味津々であるという事実に目をつむれば。
同じ心中の仲間だと思い込んでいる初美の祈るような眼を背中に受けながら巴はしずしずと膝をつき帯紐を整えてからゆっくりと手をベルトへと伸ばす。
「おズボンの方、脱がさせていただきます」
春との濃密なキス、腕のうちにおさまった小蒔の感触、そして今への期待からズボン越しの時点で大きく膨れ上がっているのが分かる。
唾が喉を鳴らすのを自覚しつつも巴は慣れない手つきのせいでズボンが引っかかって、脱がす際に大きな棒状の物体が大きくたわんで跳ねる。
顔のすぐそばを通った女性には存在しない器官を皆の目に晒すべく布の守りを引き下げる。
間近にいるからこそわかるなんとも表せない香りが漂い、血管の浮いた他の部分よりも黒ずんだ皮膚は黒光りして見える。
ガチガチに反り返った凶悪な形に巴は小さく嘆息する。
「男の人のってこんな立派、なんですね。……触っても?」
「こっちからお願いするよ、巴さんの好きなように、ね」
「はい……」
『無理せず自分のペースで』の意図で放たれた言葉も巴からすれば胸の内を見透かされたようで顔を赤らめながら、片手で指が回らないのを確認して両手で輪を作って恐る恐る包み、上下に動かしていく。
手元に集中してしまっている巴のみならず目にした皆がその存在感に目を奪われる。
それは本能的なものなのかこれまでのことに反感を抱いていた初美も顔の前に手をかざしながらも指の隙間から注視してしまっている。
霞は小蒔の目を覆うことを忘れ完全に見入ってしまい、小蒔は手の拘束から逃れたものの知らないはずのモノに気おされ、春は巴の今の姿をさっきの自分のキスの先に当てはめて妄想してしまう。
「大きくて、硬くて、逞しくて、ビクビクして、熱くて、すごい。私の手、気持ちいいですか?」
手並み自体はぎこちないものの清楚に見える眼鏡巫女さんが扱いていくシチュと、これを先ほど肌の温度を知ったばかりの少女たちに見守られている状況に昂る。
「わ、跳ねて……これがいいんですか? 私の手で気持ちよくなってくれるんですか?」
逸物の動きに連動するように巴の胸の鼓動も跳ね、手の中で脈打つ血の熱さが移ったかのように熱がこもってくる。
最初はおずおずと躊躇いがちだった動きも熱が入るにしたがって少しずつ大胆さが入り混じり始める。
自分が男の人の器官を触っているという実感がだんだんと大きくなる。
くしゃっと頭を撫でられそれが思った以上に心地よくてドキドキする。
それがただの熱に浮かされただけなのかは分からないが手の中で膨らむ子の逞しいものに対して愛しさのようなものを覚え始める。
「京太郎くん♡男と女ってこんなに違うんですね♡すごい♡ガチガチなのに肉って感じがする♡」
名前を呼ぶと知らない誰かの男性器を弄っているというよりも目の前のこの人にしてあげてるという感覚が強くなる。
好き、とまではいかなくとも自分の手で感じてくれるのを嬉しいと思える。
「あ♡あ♡もっと膨らむんだ♡出したい、んですよね♡私の手で♡いっぱい♡いっぱい♡」
夢中になっているのは巴だけではない。見せつけられている皆一様に興奮が伝染している。
知識としてはない小蒔は無意識に足をとじて立ったまま太ももの付け根をすりすりと擦っている。
霞は小蒔を見ることも忘れて京太郎とつないだ指を嚙み鼻息を強くしながら舌で舐る。
春は恨めしそうな気配を視線に乗せながらも座り込んで緋袴の隙間から直接手でくちゅくちゅ水音のする部分に浅く指先で弄っている。
そして何も未体験の初美は巴が見せる女の艶めいた大人びた表情に自分が勇気を出した姿を重ねる。持ってはいけない憧れや羨ましさを下腹部のずくずくした疼きとともに抱く。
熱っぽい視線が降り注ぐ中、空間に雄臭を液体とともに撒き散らそうとドクンと大きく弾ける。
押し殺した男の子の呻きと持ち上がった腰から生成された精子が勢いよくびゅるびゅると飛んでいく。
「すごい♡すご♡こんなビュービュー出して♡なのにまだカチカチ♡」
空中に吐き出された汁はその大半が地面に落ちるも、いくつかの雫は周囲にいた女たちへとかかる。
服にとれない臭いと染みを作って、受けた当人は体を震わせる。
ただ一人べちょっと、鼻と口の間に雫を受け呆然とする中で壁の文字がにじみ形を変えていく。
『尺八して飲み込みましょう』
その文字列を理解したのと顔に渡来した精液の欠片が口の中に入るのが同時。
初美は無意識に飲んだその男臭いものに忌避感を抱くところかぼうっと熱病にかかったかのように思考力が落ちる。
催眠術という分野では『驚愕法』あるいは『空白法』というものがある。
その名の通りびっくりさせる、あるいは思考の空白に暗示を埋め込むという手法だ。
よく知られるサブリミナル効果の亜種ととってくれてもいい。
普通ならば起こらない再現性のない催眠が場の空気と相まって『尺八したい』という感情へとわずかに誘導する。
それでも本気で初美が嫌がっていれば効果はない、単に後押ししたという軽度の働きかけ。
ふらふらと巴のもつ男根に近づき、小さな口を開けて先端を食んでこびりついた精子を舌で舐めとり喉へと運んでいく。
「きゃ、ハッちゃん?」
「ふぎは、わらひのばんですよー♡」
そこで巴はお題が切り替わったことに気づき、文字列を確認すると惜しそうに自分の手にこびりついた精液を口に運ぶ。
小さな初美が大きな男根を両手で挟んで恭しく舌先でくすぐるように白濁の汚れを唾液と交換して塗り付けていく。
発情しているというよりも浮ついた楽しみの中で徐々に性臭と苦みと痺れの含んだ精液を摂取していくうちに澱のようにいやらしい気持ちがたまっていく。
「ふふ♡キレイキレイになりましたねー♡」
すっかりとこびりついた汚れを舐めとった頃には口奉仕に嬉しそうな顔をする年下の男が可愛く思える。
自分なんかがぺろぺろしたり手のひらで亀頭を撫でるのを喜んでもらえるのは女性として見られている感じがする。
全体を長く咥えるのは顎が大きく疲弊するので横笛のように挟んで、舌で旋律を吹くようにちゅっちゅと吸ったり息を吹き付ける。
「薄墨さん、上手い」
口で男に奉仕したことはなくとも横笛を嗜んだことはある。
吹奏楽器の経験者は舌や唇の力加減や操作に秀でているためこういったことの上達がうまいとはまことしやかに囁かれるものである。
「もう初美でいいですよー♡こんなことしちゃってるんですし♡一度出したとは思えませんよー♡」
衰えないカチカチ具合に初美は亀頭にキスする。
何気に人生初キスを衝動のままに男の排泄器官と果たしてしまったことに気づく。
「サイズ感間違ってませんかー♡これじゃ全部口に収めるなんて無理ですねー♡しょうがないから喉奥まで使って気持ちよくさせてあげますよー♡」
口を限界まで開けて長さをカバーするように咽頭までズゾズゾ口粘膜で扱き始める。
口内どころか食道の一部まで用いた献身的で熱烈なふぇら。
それでも内側から広げられる感覚に一歩間違えれば壊れそうな危機感と物理的な苦しさがまるで支配されている感覚がぞくぞくする。
あまりのきつさと密着する口粘膜の感触に思わず京太郎は初美のツインテールを握ってしまう。
それが最後のスイッチだったのか無理矢理犯されるほどに求められる自分を幻視した初美は一層激しく頭を動かし全自動口オナホと化す。
「んー♡ん”-♡んー”♡ずぞ♡ずじゅ♡ん”♡ん”♡ん”っ♡ずずずっ♡」
一気に攻勢をかけられてつい掴んでいたツインテールを引っ張ってしまう。
「初美、初美っ」
名前を呼ばれて求められていると錯覚する。
射精前の戯言を愛の言葉だと勘違いするように男根も男自身も愛しさが積み上がる。
膨れ上がった先から二度目とは思えないほど大量の白濁の奔流が焼けるような熱さでバチバチと叩きつけられ、むせると同時におさまりきらなかったのが溢れ出る。
「げふ、ごふ♡は♡は♡もったいな♡じゅぞ♡こく♡こく♡けふ♡」
垂れたものを啜り精液臭い息を漏らして、ちゃんと飲んだと見せるように口の端に指を引っ掻けて広げる。
最初に警戒心を見せていた面影は完全に吹っ飛び、媚びた仕草が目立つようになっている。
そんな中また壁文字がじわじわと内容を変えていく。
もはや過激で性的な命令に疑問を差しはさむような理性も男女ともに削られているタイミング。
まるで見計らったように出現する文章は『好きな人と性交しましょう』。
「あは♡」っと、初美がはだけ切った独特の巫女服姿で飛んだ笑みを見せる。
「このまま最後までやっちゃいませんかー♡」
大して一巡りしたんだから次は自分のはずと主張する霞。
正常な判断力は奪われ、いそいそと掛襟を大きく開きもはや上は羽織っているだけという状態でその爆乳を晒す。
「初美ちゃんは終わったでしょ、次は、ね♡」
その場にあてられた霞に対抗するように、春は緋袴の帯を解き地面に落として襦袢をめくって濡れている部分を突き出して見せる。
「続き、したい♡我慢無理♡」
小蒔は事ここに至るまで正確に自分の周りで何が起こっているのかは分からない。
だが体の内側から沸き起こる熱とみんなが求めるものが悪いわけがないと純粋に信じる。
「あの、体が熱いんです♡どうすればこれおさまるのか教えてください♡」
巴はもう誰も止まりそうにないことを認識しつつ、自分もまたしてみたいとゆっくりと脱いでいく。
『好きな人』というのが『誰でも好きな人』なのか『恋愛的に好きな人』なのかはっきりしないまま、小蒔たちの『閉じた世界』はもう一名を構成員に加えようとしていた。
たぶん過去最長。
それでいて本番に行く前に終わったという。
この続きとしてズコバコ編があるかは今のところ不明。
このシチュって本番までに時間かかる設定なのよね。
その縛りの中でエロくできてたらいいなと思いました。
次回更新は?
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咏たんが幼馴染だったら
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白糸台生活の続き
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男女比世界の続き