ママ活とは金銭や物品を受け取る代わりにママ――年上女性とデートすることである。
そのデート内容はちょっとお茶をするというものであったり食事から、いかにもデートらしいデート、果てはホテルで大人な関係までと幅広い。
この男性が希少な社会においてこのママ活に手を染めるのはのっぴきならない事情にとらわれた年下男性が多く、悪く言えば食い物にされている。
少なくとも「東京に来てお金使いすぎて困ったなあ」なんて軽い気持ちで自写真を載せて「単発バイト募集」なんてSNSに書いちゃう、危機感ゼロの男の子が市場に飛び込んでくるなんてのは想定されていない。
若くてちょっとかわいくて意外と筋肉質でいかにもチョロそうな感じの子が飛び込んできたのだ、それはもうお祭り状態だった。
「わわ、すごい連絡来る」
あたふたしているがこの男自分がやらかしたことにこの段になっても気が付いていない。
「東京は長野と違ってバイト先がいっぱいだ」などと考えている。
暢気なこと極まりない。
「えっと『ホ別3』?なんだこれ。あ。これいいかも。近いし」
当然というべきかそっち系で通じる隠語が分からないため暗号めいたものは弾かれ、まともな文面のものを選んで目を通していく。
向こうから一気に連絡が来る状態になってさえ、自分が危ない場所に足を踏み入れているのだという自覚がなかった。
よさそうな募集要項(と京太郎は思っている)をピックアップすると、それ以外の連絡にわざわざ一つ一つお断りの連絡まで入れて、さらに募集停止の投稿までして、制服を着て出かける準備をする。
京太郎は正装のつもりで制服をまとったわけだが、事情を知る人間が周りにいたならば間違いなく身バレの危険を考えて止めるだろう蛮行である。
そんな京太郎は事ここに至ってなお「お小遣い程度になればいいなあ」などと考えている有様であった。
集合場所は某イタリアン系ファミレス、通常であれば見栄を張ってママ活では選ばれない場所だったが、京太郎からすれば足を運びやすいという点で好印象であった。
「ああああの、きょきょ今日はよろしくお願いしまます」
小鍛治健夜、緊張のあまりどもる。
お前世界の舞台でもそんなに緊張してなかっただろとのツッコミが入るほどのガチガチである。
「こちらこそよろしくお願いします」
目の前の童顔のお姉さんを見て京太郎はそんなに年が離れてないのかも、と考えている。
騙されちゃいけない。その女は干支一回り以上離れている。
「えへえへえへ」
まるでギャルを目の前にした陰キャのごとくぎこちない笑顔で場を和ませようと試みる健夜。
完全に滑っていることに彼女は気づかない。
「あの今日は俺何をすれば」
年下の男の子に会話をリードしてもらうという情けなさ。
そしててんぱった健夜は。
「えええ、エッチしてください!」
ヤリ目であることを暴露した。
その場で帰られてもおかしくないやらかし。
同じヤリ目にしても下心を隠して雰囲気を作ってからとかいろいろあるだろうに残念である。
「おねーさんとすればお小遣いもらえるんですか?」
なおこの須賀京太郎、目の前のお姉さんが数々の異名を持つ麻雀プロであることに気が付いていない。
オフの健夜にそういう雰囲気がないこともそうだが、あまり露出のないタイプのプロであるということもある。
「えへへ、お金ならたくさんあるんだ」
お昼のファミレスで札束の入った封筒を取り出す健夜。
完全に見咎められたら事案である。
「あひ♡あひ♡あひ♡男子高校生ちんぽ♡おちんぽぉ♡」
鼻を肉茎に擦りつけながら臭いを嗅ぎつつ、興奮をあらわにする健夜。
ラブホテルに連れ込んでシャワーも浴びる時間を取らない、童貞臭の溢れるムーブである。
「おねーさん淫乱ですね」
ヤルことしか考えてなさそうな健夜の様子に京太郎からも遠慮の念が抜けていく。
お互いが自分の都合だけをぶつければいいと悟ってしまう。
「あむ♡あむ♡ちゅぶ♡すごひガチガチ♡あにゃ♡」
犬ががっつくように骨でも入ってるんじゃないかと勘違いするほどに硬い棒にしゃぶりつく。
「かわいい」
健夜は頬を撫でられる感触にぞくぞくしながら舌を伸ばして啜りあげ、頭を動かしてぬぷぬぷと口内で扱いていく。
「雄のにおひ♡おまんこ疼いちゃう♡はー♡はひ♡じゅぼ♡じゅる♡」
完全に本能に支配されている顔で舐めしゃぶりながらびらびらを広げだす。
「欲しいですか?」
「ほしひ♡ほし♡んぉぉ♡ふほ♡んぅぅ♡んあぁん♡」
ずちゅっと穴に突き込まれたまま、トントンと小突くように突き上げる。
「あひ♡はひ♡んんぅ♡あぁ♡んあ♡あ”-♡んぉ♡おふ♡ぉ♡ぉっ♡」
「おねーさん、気持ちいいですか?」
「いひ♡きもちいっ♡あふ♡あ”-♡んぁ”♡あへ♡」
ばちばちと視界に白い光が差し込むように、意識がとびとびになる。
「らして♡中に♡君の欲望♡ぜんぶ♡あはぁぁ♡ひぃい♡」
中出しをねだって後先考えずどろどろにされることを望む。
「イク♡イグイグ♡おまんこイッちゃう♡孕むぅ♡」
どぶどぶと遠慮のない中出しを受けて健夜は幸せそうに失神する。
お小遣いと呼ぶには大金と引き換えに、男を知った健夜は数日にへにへと気持ち悪い一人笑いを浮かべるのだった。
「え、こんなにいいんですか?」
封筒の中身を見て京太郎は古風なランプのおしゃれな喫茶店に不釣り合いな表情を作る。
「ま、前金としてはそんなもんかねぃ。あとはお前さんの頑張り次第ってことで」
扇子で口元を隠しながら剛毅なことを口にして、20万入った封筒を惜しげもなく差し出す咏。
「いやいやこれが前金って」
金銭感覚が狂いそうなことを言われて引き気味になる京太郎に、咏はからからと笑う。
「こっちは話が漏れるだけで破滅だからねぃ、口止め料入りってとこさ」
たしかに国家代表にまでなった人物が現役高校生を相手に売りをやったともなれば炎上するだろう。
真面目な付き合いでさえ燃えかねないのは事実だ。
「そこまで言うんでしたら」
もらえる分には嬉しいのかそそくさとバッグに詰める。
「とりあえずその恰好じゃ目立つからタクシー呼ぶかね」
「目立つって言うなら咏さんの方が相当だと思いますけど」
高そうな着物姿で歩いている人物なんて他にそういない。
京太郎の制服よりも間違いなく目立つだろう。
「確かに目立つねぃ。だからこそ、だよ」
悪戯っぽく笑う咏の糸が分かったのは、タクシーでブティックについてしばらくのことだった。
「俺、着られてません?」
「背丈が高いから結構似合ってるよ。それより私はどうだい?」
高級スーツを身にまとった京太郎はワインレッドのドレスに着替えた咏にコメントを求められる。
「確かに印象は変わって一目ではわからないですけど」
「けど?」
「目立たないのは無理かもしれません。きれいすぎて」
その言葉に咏は染めた頬を扇子で隠しながら。
「なかなかに口がうまいねぃ。普段からその調子で転がしてるのかい?」
返しにからかわれ、続いて連れられるは高級ホテルのレストランへ。
「そんなガチガチにならなくても個室だからマナーにとやかく言うやつはいないよ」
「いやそれもそうですけどこんなとこ初めてで」
ワインをくゆらせながら微笑ましげに見てくる咏に対して京太郎は完全に緊張の面持ち。
「そんなんじゃ味も分かんないよ。ほら力抜きな」
鴨のテリーヌを小さな口に運んだその手でワインを一口。
「咏さんは普段からこんないい店に来てるんですか?」
「まさか。たまの贅沢だよ。今日はちょっと格好つけてるのさ」
嘘は言っていない。普段は懐石料理や料亭である。値段的には大きな差異はない。
「うまっ、なんですかこの肉」
オレンジソースのかかった鴨のテリーヌに舌鼓を打つ京太郎をくすくすと笑いながら見守る咏。
完全に餌付けされている。
「これ、今日のお小遣い」
「え、悪いですよ。結局ご飯までごちそうになっちゃいましたし」
「若いのが気にすんなっての。どうしてもって言うならまた会ってくれればいいからさ」
タクシーに乗せて、咏は微笑んで。
「じゃあね」
軽く唇にキスを落とす。
タクシーが視界から消え去ったところで。
「焦らない焦らない。ちっとずつ私といられるのが楽しいって思ってもらわなきゃ」
そこから先はそれからの駆け引きだと、戒める大人な咏であった。
すこやん回、と対比になるおまけの咏。
ファミレスで会ってラブホに直接の人。
一方はおしゃれな喫茶店で会ってスーツもあげてホテルで高級ディナー、手は出さない。
この差はなんなんでしょうね?
今回はアンケートなしです。
感想あると嬉しい(ド直球)。
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咏たんが幼馴染だったら
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白糸台生活の続き
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男女比世界の続き