うちの弟くんに近づく虫がいる。
名前は新子憧、私は憧ちゃんって呼んでる。
小さい時からの昔馴染みで大事な友達、そして京太郎くんに色目を使う害虫だ。
私の大事な大事な京太郎くんを狙ういけない子。
愛し合ってる家族を引き離そうとするなんて許せない。
私が京太郎くんと血が繋がってないことを知らされたのはちょうど去年の今頃、たぶんお姉ちゃんも似たようなタイミングなんだろうと思う。
でも血が繋がってなかろうが私の京太郎くんへの思いは変わらない。
大事な弟くんで一番近い男の人、大好きな大好きな家族だ。
だからこそそんな私たちの仲を引き裂こうとする憧ちゃんは許せない。
許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せな許せな許せ許せ許せ許せ許許ゆるゆるゆるゆるゆゆゆゆ…………
あ、ちょっとだけ暴走しちゃった。
とにかくダメなんだからね。
だからちょっとだけ憧ちゃんには怖い思いをしてもらわなきゃ。
旅館のお客さんに『このあたりに遊んでて誰でもヤらせてくれる子がいる』って吹き込んで、外見を教えて。
でも大丈夫。まわされる前に助けてあげるからね。憧ちゃんは友達だもん。
ちょっと男の人が怖くなって京太郎くんとぎくしゃくすればそれだけでいいんだよ。
なのになんで、京太郎くんが助けちゃうの?
これじゃあ逆に依存しちゃうじゃん。
憧ちゃんばかりずるいずるいずるいずるい。
私失敗ばかりしちゃうなあ。
こういうの向いてないのかも。
でも京太郎くんを渡したくないよ。
他にできることは……。
怖い思いをしたとき想い人に助けられればどうなるか、十中八九相手に対する依存が高まる。
さらに言えば子孫を残そうと本能が暴走して相手を強く求める。
「京太郎♡京太郎♡京太郎っ♡」
パンパンと腰を打ち付け合う音が室内に響いていつも以上に膣が相手を求めて締まる。
「憧は俺が守るから」
「嬉しい♡好き♡しゅき♡んー♡あ”-♡」
玄の画策は完全に裏目になって二人を強く結びつける。
ばちゅばちゅパンパンと肉の打ち合うのと水音が混じって手を絡めながらキスを交わす。
「憧、憧っ」
「呼んで♡あたしのこと♡あんただけの女だから♡ずっとずっと好きなの♡ん”ぁ♡あ”ぁ♡」
二人の頭からは避妊もすっかり抜け落ちている。
もう憧にとって男は目の前の相手だけでいいと本気で思ってしまっている。
「あ”-♡あ”-♡あ”-♡おまんこ気持ちいいよぉ♡おちんぽしゅごいの♡」
ごりごりと子宮をいじめられてチカチカと視界に火花が飛んで孕みたがる。
「らして♡らして♡あんたの全部受け止めるから♡ん”ぅぅ♡あひ♡いぃん”♡」
まだ中学生だなんてことは頭にない。雌として目の前の雄を捕まえることに目がくらんでいる。
また京太郎も目の前の可愛い女を鳴かせることに夢中になっている。
「憧、好きだ」
「あらしも♡あらしもぉ♡しゅき♡愛してる♡あー”♡あひぃぃ”♡」
唇を交わしながら腰が跳ね、ビクビクと痙攣して幸せをかみしめる。
「しゅき♡京太郎……♡」
緊張と快楽に晒されていた意識がスーと遠くなり眠りに落ちようとしながら、無意識に憧は京太郎の胸板に頭をすりすりと擦りつけていた。
少し眠った憧をその後家まで送った京太郎は暗くなった田舎の家路をたどる。
その道すがらにぽつんと立つ少女を見とがめる。
「和? どうしたんだこんなとこで。こっちお前の家じゃないだろ」
ピンク髪の少女は原村和。小学生の時からの知り合いで主に女性陣と仲の良かった印象が強いが玄と紛らわしいため名前呼びをされている仲でもある。
「京太郎くんですか。その少し考え事をしていたらいつの間にか」
周囲はまだ知らないが和はこのころ転校と引っ越しを親から打診されていて精神的に参っていた。
クラスの違う穏乃、学年の違う玄、学校まで違う憧のいずれにも相談できないまま一人で抱え込んでいる。
「こっちはもう暗いんだからさ、送るよ」
「悪いですよ。家ではお姉さんたちが待ってるでしょう?」
「あー、うん、まあ……」
いまだに玄や宥との接し方の変化を受け止めきれていない京太郎は歯切れが悪くなる。
今まで通りでいたい気持ちとどうしても違うんだという感覚が葛藤となっていた。
「……京太郎くんは、悩みとかあるんですか?」
普段悩みなさそうと言われる京太郎のいつもとは違う反応に踏み込む和。
そしてそれがお互いの悩みを共有する仲へとなる第一歩だった。
軽々に他の人に相談できない悩みを共有すれば距離は自然と縮まる。
それが重くて自分の力ではどうしようもなければその分お互いに支えようという心持が働く。
和と京太郎、二人の道がまた重なろうとしていた。
和も送り届けた後、すっかり日の落ちた家の前にじっと立っている影が近づくと顔を上げる。
「お帰り、京太郎くん」
「玄ねえ、こんな時間まで待ってなくてもいいのに」
するりと手を絡める玄は距離を詰めて短い家路を一緒に歩こうとする。
「だめだよ。私はいつだって待ってるんだから」
放っておけば何時間どころか何日だろうと待ってそうな危うさを垣間見せる玄の様子にその横顔を見ていない京太郎は気づかない。
「ねえ京太郎くん、京太郎くんは私とお姉ちゃんのどっちを選ぶの?」
いきなりぶっこんできた質問につないでいた手を強く握ってしまう。
「それなんだけど、実は俺」
言葉を口にしようとしたところでしっとりとした唇の感触が言葉をふさぐ。
「だめだよ。私たちのどっちかじゃないと。それ以外は、ダメ。ダメなの」
玄の目は暗く昏く闇の中で堕ちていく。憧との関係を知ってなおそれを排除しようとしている。
姉ならばあきらめがつく。だがそれ以外は絶対に許せないと玄の感情は叫んでいた。
「玄ねえ」
「私、待ってるね」
待つのは得意だと微笑む玄。だがただ待つだけでは我慢できないこともあると玄は自覚していた。
ごく最近まで実の姉だと思っていた人からキスをされ京太郎の思考は止まる。
自室に戻って助けを求めるように電話する先はもう一人の姉でも恋人でもなく、悩みを分け合った人だった。
錯綜する関係、悩みが悩みを呼ぶ中で宥は静かに時間を過ごしながらボイラー室で暖を取っている。
「あったかーい。全部が全部あったかいのがいいよねえ」
彼女が何を考えているのか妹の玄さえも知らない。
そのあったかさを奪う相手にどんな反応をするのか知る人は誰一人いなかった。
そしてもう一人、まったくもって何も知らないまま山でキャンプをする少女もまた一人。
穏乃はみんながなんだか遠くなったような寂しさを抱えてそれを癒すように山に入り浸る。
彼女の知らないところですでに物語は動いていた。
そしてまた彼女自身も巻き込まれることに今はまだ気づいてはいない。
玄のターンのはずがなんか伏線回になった今回。
この世界線での憧の男恐怖症(京太郎以外)の原因は玄のせいです。
なぜか参戦してきたのどっちと、いまだ出番のない穏乃の活躍はどうなるのか。
作者もまだ決めてません。
あと灼はたぶん出番がない、めいびー。
次回更新は?
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咏たんが幼馴染だったら
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白糸台生活の続き
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男女比世界の続き