電話があったのは昼過ぎだった。
「京太郎、ちょっといいかな?」
珍しく沈んだ調子の穏乃の言葉に頷いて約束を取り付ける。
これまた珍しく山のふもとではなく町の喫茶店という待ち合わせ場所のセレクトに首を傾げながらも、馴染みの言うことだしと受け入れる。
待ち合わせ時間の5分前にたどり着くと既に待ち人はいつもの服装でドアの近くに立って爪先あたりを見ている。
「よ、どーした今日はなんか元気がないな」
「うん、ちょっとね」
明らかに沈んでいる穏乃の手を引いて喫茶店の中へ。
適当に注文してから二人席で向かい合う。
「で、どうしたんだよ?」
「ん……京太郎はさ、和の話聞いた?」
和の話と聞いて真っ先に頭によぎったのは先日の憧とのごちゃごちゃ。
それ以降も続いている二股としか言えない関係性のこと。
「和、転校するって……」
「あ、それな」
予想と違ったので思わず安堵する空気が漏れてしまう。
「『それな』って、京太郎も仲いいじゃん!」
たぶん穏乃が考えている以上に色んな方向で仲がいい。
「そうだけど、俺らじゃどうにもできないって。できるなら俺だってそりゃ」
可能性があるとすれば妊娠とかだが、それも結果が出る前に転校して向こうで堕胎させられるのが落ちだろう。
「そっか、そうだよね」
しゅんとした穏乃は届いたカフェラテに追加の砂糖を入れながらちびちびと飲む。
ぽつりと「京太郎は知ってたんだ」と寂しそうに呟いて。
「だからさ、せめて楽しい思い出作ってやろうぜ」
「そう、だよね。うん、そーだね」
ちょっと無理してる感はあるものの声のトーンが高くなる。
「あとさ、これ知ってるの私達だけ?」
「そうかも。憧に俺から言うのもなんだし、玄ねえは知ってたら態度に出るだろうし」
なお宥は直接の面識は和とはない。
「そっか、じゃあ私たちの秘密だ」
ちょっと悪戯っぽく笑った穏乃の頭をガシガシと撫で、それに穏乃が「やめてよー」なんてまんざらでもなさげな声を出して。
「なんか、お前といる時が一番素って感じだわ」
最近はいろいろ抱え込みすぎてどこか緊張しているから緩められる時間が愛おしい。
「私は京太郎にはなんか弱いとこ見せがちなんだよね。なんでだろ?」
唯一の異性に淡い気持ちを抱いているのかどうか、そんな自覚は穏乃自身にありはしない。
ただ互いに自然体でいられる相性という面はこの二人の間に存在する独特の空気であった。
連日弟が遊び歩いている。しかもその影に女の気配がそこかしこにする。
玄の我慢はもう限界だった。
仲のいい家族がよその悪い女に騙されてしまっている。
本来結ばれるべきは自分か姉であるはずなのに。
幼いころから松実家は継ぐことを考えて分担してきた。
玄は接客、宥は料理とボイラー室の管理、京太郎が経営。
一人前とは言えないがイロハを学んできた自分たちが力を合わせれば旅館はやっていける。
欠けているものも余分なものもない。
三人仲良くしていればそれだけでいいのに。
なのに邪魔するやつらがいる。
憧にトラウマを与える作戦は上手くいかなかった。
自覚はあったがああいうのはあまり得意ではないらしい。
姉である宥にも怒られたので似たことを繰り返す気はない。
だとしたら残された手段は。
「恥ずかしいけどそれしかないのかな」
弟にまとわりつく女を悪い虫とみなす玄ではあるが羞恥心は人並みにあるし己の体に自信があるわけではない。
それでもはしたない真似をしてでも関心を買おうとする害虫に張り合うためなら身を捧げる必要があるのかもしれない。
「京太郎くんとするのは嫌じゃないし」
むしろ抱いてもらえるのは嬉しい。
血が繋がっていると信じていた頃から玄は京太郎が大好きだった。
趣味とノリが合って一緒にバカをやっては怒られて、たくさん懐いてくれて後ろをついてくる姿か可愛くて。
いつの間にか身長を追い越されてがっしりした体つきになったことにドキドキして。
そんなのは姉弟ではいけない感情だと封じ込めようかと悩んでいた時にその必要がないことを知った。
その時の安堵感、開放された気持ちは弟を既に男として見ていたんだと玄自身に自覚させるには十分で。
「私が一番京太郎くんと一緒だったんだもん」
一緒に過ごした時間で言えば圧倒的に玄が一番。
行動に制限がかかる宥がついてこれない時も玄は京太郎と一緒にいた。
知り合いには重度のブラコンだとみなされていたし否定したこともない。
同時にシスコンでもあり姉のことも大好きだが、やっぱり結婚できるのなら自分がしてみたい。
もちろん姉を仲間外れなんかにはしないけど。
「初めてくらいは一人でいいよ、ね?」
寝込みを襲っちゃおうと決意し、不用心にも鍵をかけていない寝室に忍び込んではらりはらりと服を落とし。
月明かりが一糸纏わぬ裸体を照らす中弟の布団に潜り込んでいった。
「ちゅぱ♡つぷ♡んぱ♡じゅる♡ちゅぷ♡じゅっ♡」
下半身に甘い痺れと暖かなぬめりを伴う粘液を擦りつけられているかのような感触に、意識が眠りの世界から緩慢に引き戻されていく。
「つぶ♡じゅっ♡んあ♡硬くておっきい♡こんなに男の子だったんだあ♡」
ぼうっとする視界の中で親しんだ人が剛直に愛おし気に舌を這わせながら、赤らんだ顔で太ももを震わせている。
「玄、ねえ?」
「ん♡おはよー♡京太郎くんのこっちのが一足早く起きてるよ♡」
間違いなく下の方の姉が自分のものを舐めている。
「てえ! なにしてんの玄ねえ!? 服も着てないし!」
意識は晴れたが体はまだ寝ているのか緩慢に反応しない。
「なにってご奉仕だよぉ♡えっちしよぉ♡私の将来の旦那様♡」
「いやいや玄ねえ考え直して。というか結婚するって決まってもないし」
正論をぶつけるが甘く茹った頭の玄は自分を否定されたと思い込んで涙ぐむ。
「なんでぇ。憧ちゃんの方がそんなにいいの? 私だって私だって」
ぽろぽろと静かに泣く姿に心が痛む。
実際は憧だけではなく和とも関係を持っていることなど言えそうにもない。
こんな不義理な男ではなく姉にはまじめな男を捕まえて幸せになって欲しい。
「私が一番京太郎くんを知ってるの。私が一番に幸せにしたいんだもん」
かぷ、と甘噛みをして遺憾の意を可愛く示しながら玄は京太郎の体の上にまたがる。
「玄ねえ」
「しちゃう、もん。愛して欲しいんだもん。一番にしてほしいのです」
甘えるような口調でありながらも縋るように壊れ物のような危うさを漂わせる玄に京太郎は強い否定の言葉を口にできない。
それどころか押しのけたりなんかすれば深く傷つけてしまう予感があった。
「んんん♡んあ♡深っ♡おっきいよぉ♡こんなにたくましくなって♡んんぅ♡」
ずぶずぶと熱くねっとりとした肉壁に包まれていく。
もとからそう作られていたかのようにぴったりとはまるように。
「ああ♡んあ♡初めてなのに♡気持ちい♡あひ♡京太郎くんも動いて♡」
「玄ねえ、玄ねえも魅力的だよ」
慰めるように本能に突き動かされるように腰を振る。
「嬉しい♡嬉しいのです♡私のおもち小さいけど好きにして♡」
「一緒に育てていこうな」
「んうぅぅ♡んあ”ぁぁ”♡」
何が琴線に触れたのか大きく喘ぎながら玄は騎乗位で搾り取りにかかる。
「好き♡好き♡だいしゅき♡一緒に赤ちゃん作ろ♡」
まだ中学生であることなんかどうでもいいのか赤ちゃんのできる行為を最後まで遂げようとする玄。
「玄ねえ」
「ああぁ”♡今だけは、姉じゃなくて♡女の子として♡んふぅぅ”♡」
「……玄」
名前を呼び捨てにした瞬間、大きくビクンと玄の体が跳ねてきゅうっと締まる。
ビクビクと小さく跳ねる動きに呼応するようにどくどくと奥に何度も注ぎ込んでいくのであった。
寝れなかったのでこんな時間に。
次回か次々回更新はたぶん遅くなる予定。
人生初ウィニングポストに手を出すので。
なお宥がなんで玄を京太郎とくっつけたがらないかのアンケートを置いとくのでご協力よろしくお願いします。
次回更新は?
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咏たんが幼馴染だったら
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白糸台生活の続き
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男女比世界の続き