「ということで、さしあたってきるゆーさんには、一番近いエ・ランテルに向かって冒険者になり、名声をあげて欲しいんです。」
「ま、この世界のレベルは全体的に低いみたいだからそれは簡単だな。」
「きるゆーさん1人では、NPCたちは納得しないでしょう。誰か1人、共をつけなければならないでしょう。」
「マリーにしましょう!!」
「いや…マリーは村人との面識があるので、できればカルネ村の管理を任せるつもりなんですけど…」
「それも同時進行でマリーに頼もう。何も住み込みで見張らせるわけではないんでしょ?」
「まあ…マリーが納得すればそれでもいいと思います。」
「じゃあ、今すぐに呼んできてもらおう。」
オレは部屋を出て、掃除か何かの作業をしている一般メイドを呼び止めた。
「フォース。モモンガさんの私室にマリーを呼んできてくれ。」
「わかりました!きるゆー様…」
メイドは頼みごとをされただけで嬉しそうだ。
こちらをチラチラと探るような目線を送ってくる。
「?どうした?早く頼む。」
「は、はいっ!」
フォースは慌てて、下品にならない程度にパタパタと走って行った。
向かうは、食堂。食事中であろうマリーの元だ。
「マリー・ドールマ・イータ。きるゆー様が、至急お部屋に来られるようにとの事です。」
「あっ!わかりました。ありがとうございます。フォースさん。」
マリーは食堂を出て行った。
その様子を、同じく食堂にいた
その視線は、羨望というのが相応しい物だった。
「む〜。いつもマリちゃんだけずるいっす。」
「仕方ないでしょう。マリーはきるゆー様がお造りになられたお気に入りなのだから。」
「えー。私もきるゆー様と会いたいっす。」
「それは私もよ。」
まずはルプスレギナ・ベータが不平をこぼした。
赤髪の、愛嬌のある褐色
歯に衣を着せない、と言った言葉が似合う、美人で巨乳で(重要)声が可愛い(重要)次女。
それに反応したのは、ユリ・アルファ。
長い髪をキッチリとまとめ上げた、秘書然とした
もちろん美人のプレアデスの長女にして副リーダー。
そして、ルプスレギナを2回りは超えるかと言うほどの爆乳(重要)。
「マリちゃんが羨ましいっす。私もきるゆー様と遊びたいっす!」
「きるゆー様は遊んでおられるわけではないのよ。」
「嘘っす!だってエンちゃんは遊んでもらったって言ってたっす!」
「!」
それに反応したのは、三女のナーベラル・ガンマ。
この姿以外に姿を変えることのできない
少しドジの入った古き良き和風美人を体現したクール系美人。
澄ました顔をしながらも、興味津々と聞き耳を立てていたようだ。
「それは…えっ?そうなの?」
「詳しく話を聞きたいわ。」
「…呼んでみるっすよ!」
主食とするため食堂には寄らないソリュシャン・イプシロン。エントマ・ヴァシリッサ・ゼータ。
そして燃料のようなドリンクを飲むため、他のプレアデスほど来る頻度が多くないシズ・デルタが呼ばれた。
これで、マリー以外のプレアデスが全員揃った状態となる。
「エントマ。あなたに聞きたいことがある。」
「?」
エントマは、こんな所になぜ呼ばれたのかと可愛く首を傾げた。
「あなた、きるゆー様のお部屋に呼ばれたことがあったでしょう。何をしていたの?」
「しりとり…という遊びをしていました。」
ゴロゴロピシャーン!
聞いていたプレアデスたちに、雷が落ちたかのような衝撃が走る。
「しり…とり…!?」
「なんて卑猥な…!」
「エンちゃんずるいっす!」
「ち、違うよぉ…」
エントマは、勘違いされていることに気がついて手をワタワタ動かす。
エントマの顔が擬態でなければ、顔が真っ赤になっていただろう。
「しりとり…言葉遊び。最後の言葉を繋げるゲーム。」
「いやに詳しいわね…」
「シズ!まさかあなたもやったことがあるの?」
「シズちゃんずるいっす!」
シズが捕捉すると、新しい敵を見たとばかりに問いただす姉妹たち。
ルプスレギナは、至高の御方とする事ならばどんなことであろうと羨ましい様子。
「っていうか、なんでエンちゃんとシズちゃんだけなんすか〜?私もきるゆー様と遊びたいっす〜!」
「それは私も同意見。マリーは仕方ないとしても、シズとエントマが呼ばれて私たちが呼ばれないのはおかしいわ。」
「そうね。」
「…では、その「しりとり」とやらを練習してみるのはどうでしょう。上達すれば、もしかすると…」
「きるゆー様に呼んでもらえるかもしれないっす!」
ルプスレギナは、新しいおもちゃを見つけたペットのように、キラーンと瞳を輝かせた。
どうやら他のプレアデス達も意気込みは十分なようで、やる気に溢れていた。
「じゃ、私からっすよ!じゃあ、きるゆー様!っす!」
「時計回りで、次は私ね。ま、ま…マリー・ドールマ・イータ。」
「たくさん食べたーい!」
ぴょんと飛び上がって答えるエントマ。しかしその回答は固有名詞ではないためルール違反だ。
…が、しりとりをよく知らないプレアデスたちはそのことに気が付かない。
「
「ドラゴン。」
「あ!最後に、んがついたら負けなんだよぉ。」
「えぇ?最初に言っておいて欲しいわ。」
最初に負けたのはソリュシャン。
エントマの、ルールの説明不足により終了してしまった。
「次はシズからね。」
「…もふもふ。」
「…え?」
「もふもふ。」
「…そうっすか…ふ、っすね。ふ…フラットフット様っす!」
「「「!!」」」
プレアデスたちは気が付いてしまった。
上手くいけば、至上の御方々の名前を呼ぶことができることに。
「マーレ・ベロ・フィオーレ様。」
「まんぷくー!」
「クアドラシルさん。」
「…あら?んが付いたのでは?」
「クアドラシル!るです、る!」
「うーん…セー…フ?」
「ナーちゃんは負けず嫌いっすねぇ…」
「るね。る…あ、るし★ふぁー様。」
ギリ…
誰が発したのか、激しい歯ぎしりが聞こえた。
皆一様に、してやられたと言う表情を浮かべている。
特に自らの失態によってチャンスを回してしまったナーベラルはとても悔しそうだ。
「…マフラー…」
シズが自らのマフラーを触って答えた。
そして、順番が回ってきたルプスレギナは他の姉妹たちと顔を見合わせた。
「この場合は、次の文字はらでいいんすか?」
「…きるゆー様はどちらでも良いって言ってたわぁ。でも、前やった時は母音を使ったわ。」
「じゃあ、あっすね。あ、あ、あ…あ!アイn…」
「いいえ!らよ。絶対にらでやるべきだわ。」
「へっ…へ?いやいや、さっきあって決めたっす!」
「いいえ、決まってないわ。私はらで進めるべきだと思います。」
「ヤダー!絶対あっすよ!アインズ!ウール!!ゴウン!!アインズー!!」
「らです!絶対にらです!異論は許しません!」
「あっすよ!絶対にあっす!きるゆー様が仰られていたことなら間違いはないっす!」
「きるゆー様はどちらでもいいと…」
「いーえ!絶対あっす!!あー!!」
「ら!ら!らー!!」
この喧嘩はしばらく続いていたという。
何をやっているんだか…
R18作品だけど、日常系も需要あったりするかな?