「えっ、この状況何すか?」
従魔登録を終わらせてきたのだろう、ルプーが工房へとやって来た。
ルプーが困惑してしまうのも仕方がないことだ。
ガクガク足腰を震わせて今にも崩れ落ちそうな女。
服を剥かれた男だと思っていたお漏らし女。
気絶している吸血鬼3人と、ついでに薬師1人。
ついでに伸びてるハゲ頭も1人。
自分でも思う。なんだこの状況。
「漆黒の剣が襲われて殺されたようだ。」
オレは簡単にルプーへと状況を説明する。
…が、オレもこれ以上のことは知らない。
女に問いただす必要があるな。
「死後、吸血鬼へ落として復活させた。こいつらにはまだ利用価値がある。…お前は、こいつらの死ぬ姿を見たかっただろうが。」
「いや〜、確かに見れなくて残念っすけど…」
やっぱりか。
オレは、今度は似非ゆるふわ女の方に目を向けて続ける。
「そこの女はかなり強い。持って帰ってナザリックの戦力にしたい。」
「あの魔獣と同じ扱いっすか?そんなに必要っすかね?」
「敵にいるより味方にいた方が良いに決まってる。ハムスケ同様管理はオレがするからお前達には迷惑かけない。」
「…そうっすか。」
ルプーが何やらむくれた様子で顔を背けた。
何…?拷問やりたかったみたいな?
とりあえずモモンガさんに連絡入れて、許可を取ってみるか…
「
「キルユーさん、どうしました?ハムスケに何か問題が…」
「あ、いや。そっちとは別件だ。」
ちなみに、ハムスケと命名したのはモモンガさんだ。
とりあえず名付けの希望を聞いてみて、出たのがハムスケだった。
相変わらず名付けが可愛い。
「天使と戦っていた男と同程度に強い人間を見つけた。」
「あの男と?確か、こっちの世界ではかなり強いんでしたよね。」
「そうだ。アレは王国の戦士長だったから手は出せなかったが、こっちのはどうも裏社会の人間のようだ。」
「裏社会…」
モモンガさんは少し考え込んでいる様子だった。
ナザリックもとうとう裏社会へ進出か?
裏で国を牛耳ることができれば、色々と動きやすそうだな。
「ついでに配下にした人間と一緒に持って帰りたいんですけど、良いですかね?」
「それは…ナザリックの庇護下に入れるということですか?」
「あ、いえ。オレのペットにしようかなと…」
「ペット!?ん!?え!?人間の話でしたよね!?」
「ええ、まあ…」
手に入れたとはいえ、エンリは大切にしたい。ペット扱いは避けたい。
そこに関してこの女なら、執着もなければ大切にする義理もない。
むしろ、仲間を殺してくれたお礼がしたいくらいだ。
「ん、んんっ!…しっかりと躾けるなら大丈夫ですよ。」
「ああ、そのつもりだ。」
よし、モモンガさんからのゴーサインも出た。
とりあえずはこの女も吸血で支配下に落として…
いや。その前に色々と試してみるか。
「とりあえず…
オレは女の顎を掴み、顔を向かせる。
女に触れてから震えていた体が落ち着きを取り戻す。
「さて女。お前の名前を聞こうか。」
「…クレマンティーヌ。」
「そうか。ではクレマンティーヌ。お前は何故バレアレ家へ侵入していた?」
「…叡者の額冠を使える人間を攫うため…」
ンフィーレアのタレントの力を欲したわけか。
まあ、オレから見てもかなり強力なものだ。
欲しいやつはいくらでもいるだろう。
「叡者の額冠とは?」
「エ・ランテルを落とすのに必要なマジックアイテム…」
「落とすだぁ?誰かからの命令か?」
「…法国から逃げるために、大きな事を起こして混乱させるために…」
そんな大きなことをしていたのか。
そして、オレは意図せずそれを止めてしまったと。
…そいつは利用できるな。
オレは魔法の効果を停止させ、クレマンティーヌの意識を戻す。
「今のは…
あのハゲには、記憶操作を行いクレマンティーヌ、そして叡者の額冠の記憶を消去。
そして死の螺旋の準備を整えてやるオプションも付けてやった。
最後に眷属を取り憑かせて、これで下準備は完璧に終わった。
「よし。ハゲがことを起こす前に騒ぎが大きくなると厄介だ。撤収するぞ。」
オレは
吸血鬼へと進化させた奴らはニニャ、ルプーと共に空き部屋へと置いておく。
ルプーには彼らが起きた時に状況説明と、そして吸血の欲求が出た時の制圧を頼んである。
人間を捕獲し、それを殺す場合、殺す前に血を吸い出す血液パックとしても働いてもらうことになりそうだ。
「クレマンティーヌ。まずは裸になってもらおうか。」
「くっ…この…」
ハゲがエ・ランテルを攻め入るまで、オレはクレマンティーヌで遊ぶことにしよう。
最終目的は、スキルや魔法なしでクレマンティーヌを従属させる事。
…というか、オレは洗脳とか調教だとかの仕方なんて知らないぞ。
シャルティアにでも聞くかな…あいや、シャルティアはソリュシャンに付き添いで外出中か。
帰ってくるまで、一人で色々やってみるか。
「はぁあ。…面白くないっすねえ。」