第36話ㅤ今日のぷれあです②
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
(きるゆー様の反応が消えた…転移門を行使されたみたい…)
ルプスレギナは荒い息をしながら、扉へともたれかかった。
ルプスレギナは
その特性から、感覚が鋭敏で、耳や鼻からいやでもいろいろな情報が入ってくる。
離れていなければ、扉越しですら音や匂いを感知することができる。
熱い吐息が漏れる。
こんなの、身体がどうしても火照ってしまうに決まっている。
(ユリ姉だって、ソーちゃんだって、あの澄ましたナーちゃんだってこうなるはず。)
あのよく遊んでもらっているエントマですら、いや、だからこそ泣いて羨ましがったきるゆー様の側仕え。
きるゆー様と間近で話した時、ルプーと愛称をつけられた時、その名で呼ばれた時。
天にも登るとはこういうことかと実感したルプスレギナだったが、今感じているこの感情の昂りはそれ以上のものだった。
「すぅぅぅぅううう……はぁ…すう…はぁ…すぅう…はあぁ…」
扉の向こうの更に奥。遠くに薄っすらとだが確かに感じる子種の匂い。
妙な女の匂いと混ざってはいるが、ルプスレギナには嗅ぎわけることができた。
いつの日か、カルネ村できるゆー様から感じた妙な匂い。
発情した雌の香りと共に栗の花のような匂いがしていた。
先程まで中の声すら聞いていたルプスレギナには今ならわかる。
あれは子種の匂いだったのだ。
こんなの不敬だ。あまりにも不敬すぎる。
「でも、これ…」
ルプスレギナは素早く周りを見渡し、探知系のスキルまで使用して辺りに人がいないことを確認する。
この階は御方々の自室が並んでいるため清掃のメイド以外で早々人がくるということはないが、完全に人がいないことを再度確認する。
大きくスリッドの入ったスカートを横にずらして、違和感のある股間の部分を確認する。
べちゃあ…
何度も見たことがある自分の秘所は、しかしルプスレギナが見たことがない程の惨状となっていた。
ショーツがぐちゅぐちゅに濡れそぼり、重みを増して肌に張り付いている。
そのショーツでさえ抑えきれなかった洪水が太ももに垂れ落ち、膝上まである長いソックスを濡らしている。
更には広げたスカートが裏地とクロッチ部分にねばっとした糸を引いた。
鼻が良いだけに感じる自分で感じる、自分の蒸れた匂いにクラクラときてしまう。
ルプスレギナは人狼故にそういう周期が来る。
だが、その発情期でもこんなことにはならない。
せいぜいが少し気持ちが昂り、頭の中で御方の子種が欲しいと想像して慰める程度でおさまる。
だが、今はどうだ。それと比べてあまりにも酷い。あまりにも発情している。
ルプスレギナは、本音を言うならば今すぐにでもどこか人のいない場所へ転移して自分を慰めてしまいたかった。
そんなことをして仕舞えば、恐らくはこれまでした事がない程に激しく、そして長い間悦んだ事だろう。
だが、今のルプスレギナはこの場所を離れるわけにはいかなかった。
何故なら。
この扉の先から、ほんの微かにだがきるゆー様の子種の匂いが漂ってきているからに他ならない。
それはルプスレギナにとっては拷問に近いとも言える所業だった。
今すぐにでもこの扉を開け放ち、その場所へと向かってしまいたい。
そんな本能が叫ぶ中、必死に理性を働かせて耐える。耐える。耐える。
この扉をあけて仕舞えば、もう我慢できるはずなどないことは自明の理。
主人の自室の扉を不在を承知で勝手に開けてしまうのは不敬中の不敬だ。
しかし主人の扉へもたれかかり盛るなどその時点で他の墳墓の住民が聞けば不敬の極みだが、そんな事にはたどり着いていない様子。
「はぁ…はぁ…っ…きるゆー…さまぁ…」
ルプスレギナは浅ましくヘコヘコ腰を振り始めた。
それは意図した行動ではなく、身体が本能のままに勝手に動いてしまっていた。
地面に這い蹲り少しでも隙間から匂いを嗅ごうとしないだけまだマシかもしれないが。
叶う事ならば、今すぐにでも涎を垂らし待ちぼうけているクレヴァスを掻き回したい。
それができたならば、これまで生きてきた中で一番幸せだろう。
だが、こんな場所でそんなことをする訳にはいかない。それは不敬だ。
せめて、せめて脳裏にこの匂いを刻みつけられるだけ刻みつけてから部屋に戻ろう。
きるゆー様に呼ばれる。きるゆー様に触れられる。きるゆー様に撫でられる。
手と手が触れ合い、腕を伝い、二の腕まで上がり、肩に回って、それから…
「っっ!!」
その瞬間、腰が、がっくんと飛び跳ねた。
思うように力が入らなくなり、その場に思わずへたり込んだ。
(今のは…まさか、想像しただけで…?)
暫く呆然として、気をやったのだと理解したのはそれから数秒してからだった。
触れてなどいないのに、きるゆー様に触れられることを想像しただけでこの有様だ。
自分の体はどうなってしまったのか、と足元から駆け上がる快感にルプスレギナは身震いした。
この状況。誰かに見られるわけにはいかない。しかし、足腰が言うことを聞かずもう立つのは無理だ。
もう少しこの場所にとどまっていたいのだが、部屋の前でへたり込んでいるところを見られでもしたら大変な罰を与えられてしまうやもしれない。
そう考えたルプスレギナは、きるゆーから承ったリング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンを発動させる。
一瞬の光学エフェクトの後、ルプスレギナはその場から姿を消していた。
ここなら、この部屋なら。誰にも咎められることなく秘事ができる。
ルプスレギナは転移後、一切の躊躇いなく蜜の溢れ出る秘壺へと指を突き入れ…
ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ♡ぐちゅちゅっ♡ぐちゅっ♡
「ッッッッッ〜〜〜〜〜⁉︎⁉︎⁈」
激しくかき回した。
もう彼女の頭の中には手加減や歯止めといった言葉は抜け落ちていた。
もはや鬼気迫るといった様子で自らの股を弄り回す。
くちゅっ♡ちゅこちゅこ♡ちゅこ♡ぐちっ♡ぐちゅぐちゅ♡
「ハッ♡ハッ♡ハッ♡ハッ♡あっ♡あぐぅっ♡あゔっ♡」
指を押し込み、折り曲げ、掻き回し。
思いつく限りの動きで内側の壁を刺激する。
ルプスレギナの淫口からは泡立って白濁した涎が止まらない。
水音をかき鳴らしながら、あまりにも恥ずかしいイキ顔を晒しながら発情した雌犬は情事に耽る。
彼女が落ち着いた頃には、部屋の中が辺り一面水浸しの状態となっていた。
壁にすらかかっているのは、穴から垂られ流しただけでは飽き足らず、何度か潮を吹いた所為だ。
なんども、何度も何度も絶頂して、意識を飛ばしかけ、それでもなお自らを攻め続けたルプスレギナ。
ようやく正気へと戻った彼女は、しかし未だ余韻に浸り正常な思考を取り戻せないでいた。
それにしても、きるゆー様のお情けを受けていたあの女。
クレマン…なんだかと言ったか。
妙な計画を立てて御方のお手を煩わせたことで多大なる迷惑をかけたこと、そしてきるゆー様の知人を殺すなどという不敬。
万死に値する。極刑に処すべきだ。
が、お優しいきるゆー様は命を助け、更には直々に調教を行っているという。
その上お情けまで受けておいて、何なのだ。あの女風情が。
私にはそんな空気にすら欠片もなったことがないと言うのに。
「きるゆーさま…」
汁に塗れた手を見つめ、ルプスレギナの切なく1言が響いた。
おっすおっすさん、真夏日さん、たままさん、猫飯喰らう者さん、ソルテさん。
高評価ありがとうございました!