第45話
シャルティアが操られたり、ガチバトルしたり。
ナザリックを揺るがす大事件が起きてから、はや数日。
ようやく落ち着いてきたナザリックは、通常運転へと戻っていた。
「げふ…もう一杯…」
第九階層に存在する、ショットバーのような雰囲気の部屋。
そこでは、酒を浴びるように飲み続ける1人の吸血鬼がいた。
そのあまり上品とは言えない飲みっぷりに、自ら誘ったマスターである副料理長は既に後悔をし始めていた。
その少女は、バーには不釣り合いな幼い見た目をしながら、その手にはピッチャーのような大きなグラスを持っている。
「そろそろ帰ってお休みになられては?」
「嫌ぁ…帰りたくないの…」
「そうですか…」
そんな中。バーの扉を開き、少女に近づく男がいた。
何を隠そう、至高なる御方が1人。きるゆー。つまりオレだな。
カウンターに突っ伏して、飲んだくれを演出するシャルティア。
我ら不死者は状態異常に対して完全耐性を持っている。
毒になったり操られたり酔ったりは本来無いはずだが。
「やあ彼女。そんなに落ち込んでどうしたんだい。」
「誰でありんすかぇ…」
机に頭を乗せたまま、くるりと頭を回しこちらを見るシャルティア。
瞬間、両肩を跳ねさせて背筋を伸ばし、きっちりとした姿勢で頭を下げた。
面接官を相手にした就活生のようだ。
「きっ…きるゆー様…申し訳ありません。」
シャルティアが気付かないのも仕方がない事だ。
付け外しが面倒なため、オレは最近探知疎外の指輪を付けっぱなしにしているからな。
「マスター。ここの1番良いものを1つずつ。」
「かしこまりました、きるゆー様。」
副料理長へオーダーを伝えて、妙な場面を見られてガチガチになっているシャルティアへ体を向ける。
「まあそう固くなるな、シャルティア。今回は落ち込んでるお前を慰めてやろうと思ってな。」
シャルティアが操られた時、オレは何もできなかった。
万が一にでも負けた時のためのギルド運営と、復活の方法を探すためにどちらかが1人残らなければならないのは説明された利、モモンガさんが、ギルド長であり間接的に敵対させてしまった自分が責任を持つ、といって聞かなかった事もあるが。
確かに、ナザリックを運営しているのも、シャルティアを派遣したのもモモンガさんだけれども。
だからと言って、オレに責任が無いと言うのは嘘だろう。
せめて、シャルティアのフォローだけでもしておきたかった。
「お待たせいたしました。」
触手の腕が二つのグラスをテーブルに置いた。
二色の色鮮やかなグラデーション。コップを傾け、シャルティアを翼の腕で包み込む。
「えっ、えっ、え?」
「今回の件に関してはギルド長もシャルティアに罪はないと言っていたはずだが…」
突然掴まれ、混乱しているシャルティアの頭を、指のひらでぐりぐり撫でる。
翼とは言えど、感覚はある。腕の中で華奢な体がぴくぴくと震えていた。
「へ、へへへ、あの、へへへ…」
酔っぱらったかのように頬を上気させ、顔がゆるゆるになるシャルティア。
これは、成功と言ってもいいだろう。
カルネ村でマリーを撫でて、思いついたことがある。
褒美としてスキンシップを与えるのは、NPCにとって至上の喜びではないか、と。
今回はその試策というか。とりあえずシャルティアに試してみようという考えだ。
「これ以上落ち込んでいるのであれば、モモンガさんも気を揉むことになる。気にするなとは言わないが、そろそろ落ち着け。」
「は、ハイ…」
オレが入ってきた時よりもガッチガチになっているシャルティア。
声も裏返って、もうなんだか可哀想になってきた。
「この失態は、この世界への慢心を捨てることで取り戻せ。同じ失態を演じないようにな。」
未練がましいねっとりとした視線を受けながら、翼を離す。
思った通り、頭を撫でたりするのは特別な褒美として有用そうだな。
少しモモンガさんに提案してみるか。
久しぶりに読み返したら面白かったので(自画自賛)他作品の息抜きに少しだけ。
数話投稿するつもりですが、約束はできません。
1番期待しているのは誰?(別に出すとは言ってない)
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エンリ(正妻)
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ルプスレギナ
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マリー
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その他プレイアデス
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ヒルマ(麻薬部門長)
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踊るシミターちゃん(六腕)
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ツアレ・ニニャ
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ラナー
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青薔薇
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クレマンティーヌ再登場