※この作品はR-18です。

モモンガさん!それをㅤ殺すなんてㅤもったいない!   作:朝潮

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    -第3話 カルネ村の戦い
第6話


 

 

 

ナザリックが、暫定異世界へ転移してから、なんやかんやで数日。

結局、元の世界には帰る見込みもなく、そしてGMコールがつながる様子もない。

モモンガさんと話し合い、もういっそのことこっちの世界で生きよう、という話になったのだが…

 

アルベドから吸血されませんかと1日最低でも3回聞かれることと、同じヴァンパイアだからかシャルティアちゃんが舐めるような視線を向けてきて少し寒気を覚えること以外は平穏な日常だった。

 

異世界とはいえ、冒険がないと退屈なものなのかとか考えていた。

遊び相手にはプレアデスがいたため、そこまでやることがなかったわけではないのだが…

 

オレのスキルのせいでいい女を見ると吸血してしまいたくなるため、オートマトンやアラクノイドの子たちをメインで遊んでいた。

あれから、吸血は自重している。

人様の血を吸うなんてはしたない真似、それもギルメンから作られたNPCにできるはずがない。

 

オレはナザリックでの生活をある程度楽しく過ごしていた。

 

「うーん…」

「うーん…」

 

オレとモモンガさんは、大きな鏡を前に2人で唸っていた。

このアイテムは「遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモート・ビューイング)」という。ただの鏡と思うなかれ。

そこに映るのは鏡に反射したオレ…ではなく、ナザリックの付近だと思われる草原の映像だ。

 

「このあたりは草原ばっかりか。まさかとは思うが、文明がないような世界に飛ばされた、って事はないか?」

「その可能性はありますが、想像したくないですね…」

「まあな…この世界にいる知的生命体がナザリックの関係者だけってのはちょっとなあ。」

 

初めは、ナザリックでする事もないオレは、オレが作成したプレアデスのマ(・)リ(・)ー(・)で遊んだりしながらもまあまあ楽しく過ごしていた。

マリーはオートマトンなので吸血衝動が発動しない。

モモンガさんと違って現状特に危機感を持っていないオレにとってはいい遊び相手になってくれた。

 

そんな頃、モモンガさんが面白いアイテムを見せてきた。

それこそ、この「遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモート・ビューイング)」だ。

初めは面白いオモチャを手に入れたと思っていたオレだったが、まず操作がわからない。

今は段々とわかってきたが、そこまでに結構な時間が経っている。

更には、鏡に面白いものが映らない。オレが見ているのはさっきから草原ばっかりだ。

こんな作業にもとうとう飽き始め、動物でもいいから写ってくれないかと思っていた頃。

 

「あっ!きるゆーさん、今の建物じゃないですか?」

「えっ、ウソ!?どこどこ!?」

 

オレは、クラフトゲームで始めて村を見つけたときのような感動を覚える。

行き過ぎた画面を戻し、再度確認してみると確かに建物があった。

更には遠くて荒いが人のようなものも見える。よかった、この世界にも人間はいたみたいだ。

 

「でも、随分と賑やかですね。お祭りかな?」

「そうかも?」

 

モモンガさんのいう通り、確かにこの村の中は人の往来が激しかった。

というか、走り回っているような…

オレは鏡を操作して、村の様子を確認してみる。

 

「あー。こりゃお祭りだ。」

「こんなタイミングでこんな事ってあるんですね…」

 

祭りは祭りでも、血祭りの方だった。

まあ、これは見てしまったら見過ごせないな。

 

「よし。じゃあオレ行ってきます。」

「えっ!?」

「えっ?」

 

オレ、なんか変な事言ったか?

モモンガさんはなんでそんなに驚いてるんだ?

 

「相手の力もわからないのに、危険ですよ!」

「え、でも…人が殺されるところを見て、見過ごせないでしょう。」

「…きるゆーさんは、そう思うんですか?」

「普通はそう思うだろ?」

 

そう答えたところで不思議に思った。普通はそう思う、だ?

いやいや、普通の人間ならこんな場面を見せられたら卒倒しているだろう。

鏡に映っているのは、完全にR18Gな映像だ。しかも作り物ではない。

 

「僕はそうは思いません。…オーバーロードだからでしょうか…」

「そうだろうな。スキルが勝手に発動していることを考えたら、それが一番説明がつく。」

 

吸血衝動。精神作用無効化。

これらのスキルが勝手に発動することから、他のスキルや種族特性が勝手に反映されていることは想像に難くない。

オレも、人が死ぬところを見て平然としてられるくらいだしな。

 

「モモンガさん。オレは助けに行きたいです。」

「…わかりました。」

 

モモンガさんは自身の尖った顎に手を置き少し考え、決断を下した。

さっすがモモンガさん!

 

「ですが、僕も同行します。」

「いや、それはちょっと…」

「なんでですか!?」

 

突然叫び、そして再び大人しくなる。興奮状態が無効化したのだろう。

 

「突然骸骨が現れたらそれこそびっくりするでしょ。最悪、敵だと思われても知りませんよ。」

「いや、まあ、そうかもしれないですけど…」

「せめて、同行するのはプレアデスにしてください。あ、できればマリーで…」

「…わかりました。でも、絶対に無茶はしないでください。相手が強かったら、すぐに逃げてきてくださいね。」

「わかってるって。」

 

鏡の中では、少女が背中を騎士に切りつけられていた。

まったく。男の風上にも置けないな。

これにはさすがのモモンガさんも不快に思ったようで、ゴーサインを出してくれた。

 

「上位転移(グレーター・テレポーテーション)。」

 

オレの姿は、ナザリックからかき消えた。

 

 

 

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