7月5日、体育祭予行演習日……
全校生徒を5つに色別けしたチームがそれぞれの陣地の飾り付けの仕上げに取り掛かっていた。 それで僕はグラウンドの隅っこの方で一人ぼんやりと「それ」を眺めている。 いや正確には楽しそうにみんなと盛り上がっている「藤塚文華」の姿を見ていた。 相変わらず藤塚の人気は高い、男女問わずどんな人にも平等に優しく接し面倒な仕事も嫌がらずに引き受ける。 成績は優秀、運動神経も抜群、教師からの受けも良い。 更にその容姿は美しく、妖しい美貌はまさに神様の贔屓としか思えない。 学園のアイドル、僕の片想いの彼女、小ぶりなお尻の体操服姿もやっぱり可愛い、のだが……
さっきから数人の男子が携帯で藤塚の写真を撮りまくっているのは頗る気に入らない、 学校一のアイドルオタク葛西に至っては「本格デジイチ」&「白くてでかい望遠レンズ」で高速連写を切りまくっている。
一貴:「あいつ、一体 「何処」を撮ってるんだ?」
理夜:「せーんぱい!」
突然、女の子の可愛らしくて少し冷たい掌が僕を後ろから目隠しする。
理夜:「だーれだ?」
一貴:「えと、昨日、旧校舎で会った子?」
理夜:「あたり! 加茂理夜だよ。」
振り返ると其処には、発展途上の慎ましやかな体型の美少女が僕の背中に負ぶさっていた。 そしてもう一人、長い黒髪にモデル体型のグラマー美少女が付き添う。 どうやら何時でも此の二人はワンセットで行動しているらしい。
それにしても、この子達幽霊じゃなかったんだ。
理夜:「先輩って、青組なんですね。」
加茂は何故だか僕の膝の上に潜り込んで、僕の首に腕を回してコアラの子供ミタイにぶら下がる。 一寸緩めの体操服の襟元が開いて、淡い緑のスポーツブラの隙間からつんと立った小さな乳首が覗いている? 僕は思わず恥ずかしくなって目を逸らす。
理夜:「ありゃ、もしかして見えちゃいました?」
いつの間にか辺りがザワツキ始めていた。
男子1:「あの子達ってこないだ転校して来た「美少女二人組」だよな、」
男子2:「何で北条に?」
男子3:「北条の知り合いなのか?」
男子4:「藤塚さんも良いけど、この子等も可愛いよな。」
朋生:「やあ、カズっち、」
朋生:「おやどうしたんだい一年生。何か困り事かな?」……朋生、露骨に美少女転校生を観察しに来る、
理夜:「いえいえ困ってませんよ、理夜は「北条先輩」に会いに来ただけなのです、」……加茂は、僕にぶら下がった侭の格好で朋生に挨拶する、
朋生:「ほほう、君達は「北条先輩」とはどういう関係なのかな?」
理夜:「「北条先輩」は、理夜の「お兄ちゃん」なのです、」
一貴/朋生:「お兄ちゃん?」
僕は、改めて膝の上の少女を凝視する。
朋生:「カズっち妹いたっけ? それとももしかして、おじさん他所に子供作ってたとか?」
一貴:「えっ、どうだろう、そうなの?」
僕の父親が他界したのは僕が小学校の頃だから、逆算して?? 何だか自分がパニック?
グラマー美少女:「すみません、一寸この子可笑しいんです。」……漸く、収拾が付かなくなり始めてる事に気が付いた「グラマー美少女」がコメントを差し挟む。
グラマー美少女:「この子は気に入った男性が出来ると、勝手に「お兄さん」にしてしまう癖が有るんです、余り気になさらないで下さい。」
朋生:「あっ、成る程ね、」
一貴:「なんだ、そう言う事か、」……安堵、そして一瞬の沈黙、
朋生:「って!…つまりカズっちの事が好きだって言う事?」
男子、ザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワ……
一貴:「何で?僕達昨日会ったばっかりだよ、」
理夜:「一目惚れですぅ、」
理夜:「それに昨日約束したじゃないですかぁ、」……茶髪美少女上目遣いで一寸拗ねた感じで、
理夜:「また、理夜に、凄いの、…してくれるってぇ、」……茶髪美少女頬を真っ赤に染めて、
朋生:「厭らしい! カズっち! 何をしたんだ!!」……朋生逆上!
理夜:「そんなの恥ずかしくって言えませんん、」……茶髪美少女僕の胸に顔を埋めてグリグリ、
朋生:「何だとぉ!!! 恥ずかしくって言えないだとぉ!!!!」
一貴:「いや、朋生のくれた「エロ漫画」を見られちゃったんだよ、」……僕は深く溜息を吐つく。
弓月:「其処!、男子、何さぼってんのよ。次、ウチらの組体操の練習よ、」……弓月が「引率」に来たお陰で漸く事態は収拾する、
理夜:「お兄ちゃん、私達シロ組なの、応援してね!」……美少女転校生2人組走り去る、
朋生:「とうとうカズっちにも「モテ期」が来たか、それにしても「美少女転校生」が相手とは羨ましい、」
一貴:「高野さんに言いつけるよ、」
ーーー
牧野(教師):「それじゃ、女子3段ピラミッドから!」
体育祭本番では準備した「衣装」に着替えるのだが、今日の予行演習は皆「体操服」の侭で段取りの確認をする。 殆どの女子が長ズボンのジャージだが、中には東郷の様に「膝上丈の短パン」の女子も居て、そんな感じの「女子の塊り」が、だらだらと積上って行く。
早乙女:「うーん、良いもんだな(体操服姿の女子)、」
一貴:「早乙女君って、本当は何歳なの?」
ーーー
夕方、全員練習終了後……
青組陣地後方「巨大壁画」建造現場、
渋ちん:「藤塚と北条、職員室に「青の鉢巻き」取りに行って来てくれるか。」
文華:「了解です!」……藤塚、元気よく返事する、
渋ちん:「あ、それと北条、チョット、」……渋ちんが、僕にだけ手招き、
一貴:「何ですか?」
文華:「北条クン、ワタシ先に行ってるね、」……藤塚、トコトコと早足で歩き出す、
渋ちん:「良いか北条、運動会は「青春イベント」だ、頑張れよ!」
一貴:「はぁ、分かってますが、」
渋ちん:「違う! 分かってない! 藤塚の事だ。お前、好きなんだろ?」
一貴:「ええっ?」……僕は自分の耳を疑った。
一貴:「教師が、そんな事言って、良いのか?」
渋ちん:「勉強と恋愛は別だ!俺は生徒の恋愛を応援する教師で在りたい!」……渋ちん、何だか感慨に耽ってる、思い出?それともトラウマ?
一貴:「行ってきます。」……僕は思いっ切り赤面しながらダッシュで藤塚に追いつく、
ーーー
文華:「そんなに必死に追いついて来ないでよ、折角距離取ったのにさ、」……藤塚は、人が見てない聞いてない所では相変わらず僕に厳しい。
文華:「大体、何でワタシがこんな「埃臭い組体操」なんかやんなきゃならない訳? 男子はみんなジロジロお尻見てくるし、あぁやだ気持ち悪い、」……そして学園のアイドル「藤塚文華」が愚痴り出す、
文華:「聞いてんの? 何でいつも黙ってんのよ、全く嫌になるわね。」
一貴:「ゴメン、」
文華:「大体、何でそんなに女子の体操服が珍しい訳? 信じらんない、写真撮ってる奴も居るし、」
校舎裏、人気も無く誰の視線も無い一角で、ふと藤塚が立ち止まる、
文華:「アンタもこの格好好きなの?」
僕は一瞬、恐怖に震えて、それから苦笑い、
一貴:「いや「体操服」がって訳じゃなくて、藤塚は可愛いから、」
文華:「藤塚じゃなくて「フミカ」! 全く何時になったら人の名前位スラスラ言える様になんのよ、」……藤塚、ちょっと顔が赤い、
文華:「しょうが無いから、写真撮らせてあげるわよ。ほら、今人居ないからさっさとしなさい!」……藤塚は自分の携帯を取り出すとカメラ撮影モードを起動する、
文華:「ほらアンタも一緒に写んのよ、」……人気の無い校舎の影で二人並んで携帯のフレームに収まる、
文華:「もう一寸笑いなさいよ、無愛想ね! 良い?撮るわよ、」
シャッター音:「「…カシャ!…」」
文華:「仕方ないから後でメール送ってあげるわ、大切にしなさい、」……藤塚、何だかにんまりしてる。
藤塚、それで一人でさっさと行ってしまう。
ーーー
職員室……
文華:「すみませーん、「鉢巻き」もらいに来ましたぁ。」
後藤(教師):「あら、藤塚さん。どう?「壁画」の設営、上手く行った?」
文華:「ええ、後、もう一寸で終わります、」……相変わらず、変わり身が速い。
職員室からの帰り道、当然鉢巻き入りの箱は僕が持つ、
文華:「今日、皆で居残りして本番の「衣装」完成させようって事になってんだけど、当然アンタも手伝うわよね。」
一貴:「でもあれ、女子だけでやるんじゃなかったの?」
藤塚、呆れ顔で僕を睨みつける。
文華:「アンタ馬鹿なの? 男子も来るに決まってんじゃないの。ろくに手伝いもしない癖に夜迄女子と一緒に居たいってだけでノコノコヤッテクンのよ、」
一貴:「そうなんだ、」
文華:「兎に角、手が足んないんだからアンタも手伝いなさい、」
一貴:「分かった、」
そして廊下の反対側から歩いてくる見覚えの有る「2人組の女子」、
理夜:「お兄ちゃん!」……加茂、僕に走りよって来て行成抱きつく!
一貴:「ちょっ、加茂さん?」
盗み見た藤塚の顔は、瞳孔が開いてる?
文華:「なんでアンタがこんな所に居んのよ、」
理夜:「あらぁ、やっと気付いてもらえました? 阿部「家」の巫女さん、」
一貴:「え?」
ーーー
保健室……
中には、藤塚、僕、加茂、モデル体型美少女、の4人だけ。 当然、加茂の怪我は狂言、
文華:「貴方「加茂家」のお嬢さんでしょ、それがどうして「こんな所」に居るのよ?」……藤塚はアカラサマに警戒している?
どうやら二人には何らかの「確執」が有るらしいが、
理夜:「気付いてもらうのに5日も掛かっちゃった、一寸警戒心無さ過ぎ、て言うか 鈍いんじゃないですか? ふじつか先輩?」……加茂、挑戦的な視線でニヤニヤ嗤う、
文華:「当然気付いてたわよ、でも警戒する程のモノでも無い様だから放置しておいただけよ、」……藤塚、上から目線で加茂を見下す、
理夜:「春に先輩が担当してた「卵巣摘出未遂事件」では、ウチの陰陽師がとんだ濡れ衣を着せられましたからね、それに先輩達だけじゃお兄ちゃんの警護が心許無いって話だからウチにも協力要請が来たって訳です、」……加茂、負けじと藤塚を睨め上げる、
文華:「森雅の膣内に残っていた「道具」が加茂家のモノだって事には間違いなかった筈よ、つまり加茂家の中に「裏陰陽師」が居るか、間抜けにも「裏陰陽師」に「道具」を盗まれたかのどっちかって事じゃない、どっちにしても加茂家の落ち度には変わりないわ、」
裏陰陽師??
文華:「それにしたって宗家のお嬢様のアンタがこんな所に来る必要なんて無いじゃない?」
理夜:「ぶっちゃけ私が此処に来たのは先輩が居るからですよ、どういう意味かは解ってますよね、」……藤塚vs加茂理夜、二人の視線が何だか見えない火花を散らして交錯してる???
理夜:「これ「加茂」と「阿部」の合意文書です、コピー渡しておきますね。」……加茂は、指先に摘むと見えなくなってしまいそうな位「小さな紙切れ」を藤塚に手渡す。
理夜:「内容的には、了解ですか?」
何だか加茂も「表向き」と「本性」はまるっきり違うらしい。 冷淡な加茂の「物言い」に僕は少し「残念」を感じてしまう、
文華:「簡単には信用出来ないわ、」……それで藤塚が眉をひそめて、
理夜:「なんなら「契約」を交わしましょうか?」……加茂は幼児体型らしからぬ「狡猾な笑み」を浮かべて藤塚を睨む、
文華:「期間限定的な不可侵条約を締結するって言うなら、構わないわよ、」
理夜:「では差し当たって、学校に居る間はお互いに邪魔しない攻撃しないって所で手を打ちましょうか。」
藤塚と加茂、人差し指を口に含んで唾液で濡らし、お互いの指先を触れ合わせる。
文華:「藤塚文華、」
理夜:「加茂理夜、」
文華&理夜:「今、二人の名の下に「契約」を結ぶ、」
理夜:「「契約の証」を交換、」
互いの人差し指を相手の唇に触れさせて、コレを受け入れる事が恭順の証明。 ゆっくりと 二人の少女の細い指がお互いの柔らかな唇の奥へと潜り込む、
文華:「良いでしょう、」
理夜:「契約成立ですね、」
文華:「それで、アンタ何カズキに手ぇ出そうとしてんのよ。 まさかアンタ、カズキの事狙ってんじゃ無いでしょうね?」……行成、藤塚が話題を変える。
理夜:「今ん処ウチでは阿部「家」ミタイな「ハシタナイ」仕事は請け負ってませんけどぉ、……個人的な「恋愛」は「家」の事情とは別ですからぁ、私が個人的に「誰」を狙おうが誰かさんに兎や角指図される謂れは無いと思うんですよねぇ、」
藤塚が加茂の前に仁王立ちする、
文華:「言っとくけどカズキは私の事が好きなのよ、」
理夜:「直ぐに私の事の方が好きになると思いますけどね、」
理夜:「私、お兄ちゃんの為なら何だってしてあげられるし、」……加茂、潤んだ瞳で僕を見つめる。
文華:「何よ、それ!」
理夜:「先輩はカズキお兄ちゃんの事、別に何なんとも思ってないんでしょう?」
文華:「思ってるわよ、」
一貴:「えっ?!」……思わず僕は、藤塚を凝視する、
文華:「だって、カズキは、私の、…ペットだもの、」
加茂、思わず噴き出す!
理夜:「なにそれ、最高!」
理夜:「良いわ、それじゃ私はカズキお兄ちゃんの「玩具」になってあげる、」
文華:「そんな発展途上のちんまい身体で何が「玩具」よ、」
理夜:「あら、知らないんですか?「こう言う」の、結構需要有るんですよ、」
藤塚vs加茂理夜、再び二人の視線が何だか見えない火花を散らして交錯してる!!!
文華:「ちょっとカズキ、なんでアンタは黙ったまんまなのよ、」
一貴:「えっ、あ、ゴメン、」
理夜:「お兄ちゃんを、怖がらせないでよ!」……加茂が、藤塚から僕を庇う様に立ちはだかる、
山本:「どうしたの? 何の騒ぎ?」……其処へ保険の先生が戻って来た、
文華:「あ、先生。加茂さんが怪我をしちゃって、ちゃんと消毒した方が良いって話してたんです、」……相変わらず変わり身が速い。
加茂、保険の先生と睦まじく話する藤塚を「ニヤニヤした目」で見つめながら、行成僕の手を取って、まるで極自然な事ミタイに自分の幼い胸に触れさせる。
理夜:「やぁん、お兄ちゃんったら、皆が見てるとこでぇ!」……加茂、顔を真っ赤にして、
一貴:「えええっ!!」……何故だか!僕の腕が動かない? 痺れてる?
山本:「ほ、北条クン! 駄目よ! 学校でそんな、」
藤塚も、顔が真っ赤!…
理夜:「良いんです、先生。 私とお兄ちゃんは、相思相愛の仲なんですから。」
山本:「だからって、どうしましょう、 この事は、此処だけの秘密にして置きましょ。 ほら、みんな忘れて、ねっ、面倒事を持ち込まないで!」……保健の先生、狼狽える、
加茂、更に僕の手をその慎ましやかな胸に擦り付けて(痺れていて感覚がない)、
理夜:「あん!お兄ちゃん、待ちきれないのは分かるけどぉ、お家に帰ってから、ね、」
保険の先生も、顔が真っ赤!!
藤塚、いきなり僕を往復ビンタ!それで、走り去る。
一貴:「何?えっ?」
山本:「藤塚さん!」……優等生の豹変ぶりに動転する保健教師! 直ぐ様、藤塚の後を追っかける。
理夜:「勝った、」
グラマー美少女、ここで始めて「にやり」と微笑む。
一貴:「加茂さん、勘弁してよ、」
理夜:「嫌、理夜って呼ばなきゃ返事してあげない、」
加茂、更に僕の手を「まな板」に擦り付ける、
一貴:「藤塚に嫌がらせするのが目的なんだろうけど、こう言う冗談は止めようよ。」
やがてジワジワと感覚が戻って来て、僕の手にすっぽりと収まる柔らかな膨らみの先端突起が、掌の中でコリコリに硬くなっているのが伝わって来る、
理夜:「私はシンプルにお兄ちゃんの事が気に入ったの、先輩とか「家」とかそんなの関係ないもん、」
一貴:「そんな、僕達、会って未だ二日目だよ、」
理夜:「お兄ちゃん、時間なんて問題じゃないわ。 此れから幾らだって有るじゃない、」……加茂、僕を見上げて満面の微笑み、
ーーー
藤塚からのメール
件名:「ロリコン」
本文:「ロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコンロリコン……」