025「ハニートラップ」
体育祭の日の夜……
僕は藤塚に連れられて行った怪しい病院で全身くまなく検査されて、グチグチネチネチ藤塚の厭みを聞かされて夜21時半過ぎてから自宅に辿り着き、それから更に母親の小言をバックグラウンドに消化の悪い晩飯を済ませ、23時過ぎに漸く一段落して風呂に浸かっていた。
一貴:「はぁ、……疲れた、」
母親:「後ちゃんと湯船洗っておきなさいよ!」
一貴:「分ってる!」……何だか今日は機嫌が悪いな、
暫くすると何故だか恐る恐る風呂の扉が開いてこっそりと扉の影から誰かが覗く?
富士本佳枝?
一貴:「わ!此処お風呂です!」 ……僕は思わず大事な部分を隠す、
佳枝:「ごめんなさい!」……って何で富士本が?
それで風呂の扉はぴしゃりと閉じられるが、それでも僕の心臓はドキドキしっぱなしで、って、……何で富士本が僕の家に?
それで暫くすると再びがらりと扉が開いて、今度は素っ裸の富士本さんが!!
一貴:「わあー!って、何してんの!」……僕は思わずそのゴーゴンの如く完璧な女体の前に石化する、
母親:「何騒いでんの!」
一貴:「何でも無い!」……当然僕の視線は上から下へと泳ぎまくる、
富士本さんは風呂の扉を閉めて湯船の前に恥ずかしそうにしゃがみ込む、が、もうすっかり全部見えちゃった訳で、……やっぱりツンツルテンだった、
一貴:「何で裸なの?」
佳枝:「だってお風呂だから、」……こんなに真っ赤に恥ずかしがっている富士本を見たのは初めてかも知れない、
一貴:「じゃなくって、どうしてウチのお風呂に富士本さんがいるのさ?」……髪の毛を頭の上でお団子に結んで細い首を露わにした富士本は何だか妙に色っぽい、
佳枝:「ごめんなさい、藤塚先輩が仕掛けた監視装置にジャマーを仕掛けるのに一番手っ取り早いのが此処だったもので、」……って藤塚、家中にそんなモノをいつの間に仕掛けてたんだ!
で、富士本「くしゅん!」と可愛らしいクシャミを一つ、
一貴:「えと、入る?」
ーーー
取り敢えず僕は湯船から上がってタオルで大事な所を隠し、代わりに富士本が首から上だけ出して湯船に浸かる。
一貴:「それで、こんな所迄来て、一体何の御用でしょうか、」……僕は富士本の裸を見ない様に後ろを向いて座るのだけれど、
佳枝:「謝らないといけないと思いまして、今回の件ではお兄さんまで危険に巻き込んでしまって本当に済みませんでした、」……さっき見たグラビアモデル底抜けの裸体がさっきから僕の頭の中をグルグル走り回っている訳で、理性が危ない、
一貴:「か、加茂さんは大丈夫?」……それが僕の直ぐ後ろで湯船につかっている訳で、
佳枝:「はいお陰様で、経過確認の為に暫くは入院ですが、数日の内には戻って来れると思います、」……なんだろう肩甲骨の辺りがむずむずして来て、僕の心臓とその他約一部分は最早とんでもない状態になっている、生命の危機を感じる、
僕は兎に角気を紛らわせる為にシャンプーを取って行成り頭を洗い始める、
一貴:「でも、それだけの事なら、ワザワザこんな所に迄来ないよね、」……それでワザと冷水のシャワーを頭にぶっかけて、シャボンと一緒に邪念雑念を洗い流す、
佳枝:「古来より風呂場の逢瀬は互いに武器の携帯もなく胸襟を開いて本音での話し合いが出来ると申しますか、」……でもこの子、暗器を隠し持てる場所が後数カ所は残ってるよな、
佳枝:「あの、」……ちょんちょんと、富士本が僕の背中を指で突く、
佳枝:「ご心配でしたら、確かめてご覧になりますか?」……と、振り返った僕の目の前に、富士本はM時開脚でくぱーと陰唇を開いて見せる、
一貴:「エロい、エロいって!」……で、とうとう股間のタオルは天を突く、
佳枝:「お兄さんこそ、そんな所に凶悪な武器が、」……で、富士本の頬がポッと赤く染まる、
一貴:「これは違うっ!」
母親:「さっきから何騒いでんの!」……再びリビングからのキーキー声!
一貴:「何でも無い!」……お陰様で僕の怒張は一気に萎んだ、
佳枝:「せめてもの償いに、私の身体でその逞しいモノにご奉仕させては頂けませんでしょうか、」……で、桜色に暖まった肌の乙女が湯船から上がって来て、
一貴:「良いです!しなくて良いです!」……僕は母親に気付かれない様に必死に囁き声で叫ぶ、
佳枝:「私の様な身体はお気に召しませんか? やはり加茂理夜の様な可愛らしい体型の方がお好みでしょうか?」……で、何だか少し泣きそうに落ち込む富士本、
一貴:「そんな事は無いって、ほら、富士本さんに魅力なかったらコンナンになって無いってば!」……って、僕は何だか何言ってんだか段々分らなくなって来る、
佳枝:「それでは御勤めさせて頂いても宜しいですか?」……そう言って富士本は素っ裸でズンズン僕に肌を寄せて来る!
一貴:「御勤めって、ナニするつもりなの!」……最早喉がカラカラ、
佳枝:「私も一応巫女ですので、ペニスをヴァギナに入れる事だけはご容赦頂きたいのですが、それ以外でしたら何処でもご自由に使って頂いて結構です、」
一貴:「いや、何か百個くらい段階ぶっ飛んでるよね、」……と言いつつ、僕の鼻からつつーっと血が垂れる、
佳枝:「大変、」……で、とうとう富士本がピッタリと覆い被さって来て、僕の鼻血を熱い唇と舌で舐めとって、
一貴:「ちょっと待って、落ち着こうよ、」……蕩けたマシュマロの様なFカップの乳房が押し付けられて来て、僕は最早アラユル抵抗の術も思考能力も失ってしまう訳で、
佳枝:「そうですね、落ち着く為にも一度吐精させて頂いた方が宜しいかと、」……で、富士本は僕の首に腕を回して抱きついて、股間に跨がってゆっくりと腰を降ろして行く?
一貴:「吐精?」……僕の声は疾っくに裏返っている、
一貴:「あああ!ちょっと!なんなの!これ!なに!なに?!」……「何か」が僕の「先端」に当たっていて、それはきゅっと吸い付く様に結んで開いて、
佳枝:「感染症その他オールセーフです、予めきちんと清潔にしてありますのでご安心下さい、」……富士本さんは蕩ける様な眼差しで頬を染めて、少し息を吐いてから一気に!
一貴:「駄目!だって、」……僕は、必死の必死の必死で漸くなんとか富士本を引き離す、
佳枝:「お兄さん、結構強情ですね、」……今のは本気でヤバかった、
一貴:「いや、此の侭やっちゃったら何だか負けの様な気がした、」……事実上発射2秒前、ハリウッド映画の爆弾処理シーン並のスリルとサスペンス、
佳枝:「流石です、その精神力で2度も呪術を破ったのですね、」
一貴:「こんな事何時もやってるの?」……僕は何度も深呼吸して理性にしがみ付く、
佳枝:「流石にその台詞は私でも傷つきます、」……不満そうに唇を一寸突き出した富士本もこれはこれで可愛い、
一貴:「あのさ、これってもしかして色仕掛けなのかな?」
佳枝:「そうですね、」……其処はきっぱり素直なんだ、
一貴:「三船と有利な取引が出来る様に僕を取り込みたいんだ、」
佳枝:「そうとも言いますね、」……拗ねた様に外方を向く富士本も可愛い、
一貴:「でもさ、幾らなんでも仕事の為に好きでもない男とこんな事するなんて可笑しく無い?」
佳枝:「私は、お兄さんの事嫌いじゃないですよ、」……上目遣いに一寸困った顔をする富士本は更にとてつもなく可愛い、
一貴:「それでも結局要するに僕は祖父を動かす為の駒だって事だよね、」……所詮僕本人なんかの事を本当に好きになってくれる女の子なんて存在しないのだろう、そう言う意味では最初から徹頭徹尾僕に冷たく当たる藤塚の方が誠実だとも言える、
佳枝:「お兄さんはとても謙虚ですね、でも全ての人間は同じ様に駒と言えるかもしれませんよ、私だって同じです、お兄さんには選択肢が有るだけまだ恵まれているとも言えます、羨ましいです、」……富士本、真っ裸でぺったんこと風呂場のタイルにアヒル座りしてブーイングの顰めっ面も可愛い、
一貴:「選択肢ってもしかして藤塚さんの事?」
佳枝:「はい、藤塚先輩の本当の気持ちは解りませんが、「阿部」の三日月様が藤塚先輩を使ってお兄さんを取り込もうとしている理由は恐らく「加茂」と同じかと思われます、」
一貴:「やっぱり、そうなんだ、」
佳枝:「残念ながら理夜は加茂の嫡出子としての宿命が有る為に藤塚先輩の様にその身の全てを見返りとしてお兄さんに差し出す事が出来ません、その代わりと言っては烏滸がましいのですが、……」
佳枝:「もしもお兄さんが「加茂」を選んで下さるのでしたら、その時は私の全てをお兄さんの好きにして頂いても構いません、」……そして僕は富士本の瞳の奥に、いつか何処かで見た様な、雪の結晶に似た輝きを見つけ出していた、