※この作品はR-18です。

マスタースレイブ・リストリクテッド   作:ランプライト

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第六章「カードゲーム」
031「サミット」


昼休み、手洗いから戻ってきた僕は三枝に手招きされる。

 

三枝:「何だか上手く行ったみたいね。」

一貴:「何で判るの?」

三枝:「判るわよ、彼女のカズキに対する対応が先週と丸っきり違ってるもの、彼女って所謂ツンデレなのね。 転校してきた時から、カズキはなんか避けられてると思ってたけど、こういう意味だとは 気付かなかったわ。」 ……三枝は机に座ったまま、怪しく姿勢を低くして小声で囁く。

 

三枝:「と言う事で、今度は私に協力しなさいよ。」

一貴:「解ってるよ。」

三枝:「でもね、どうすれば上手く行くのかな? カズキは最終的にどうやって彼女を射止めたのよ?」

一貴:「うーん、」……僕は酸っぱい過去を思い出して顔が赤くなる。

 

一体何時から、藤塚は僕の事を好きだと思う様になってくれていたのだろう? カラオケ? 夜の教室での泣き落とし? まさか素っ裸での土下座?

 

一貴:「いや、僕の場合はちょっと特殊だから、」

三枝:「金平クンはどうやったのか知ってる?」

 

朋生は確か文芸部の部室で二人きりで変な事をして、でもその後一寸喧嘩してて、それから、……

 

一貴:「ボーリング大会以降、急速に仲良くなったミタイかな、」

 

そして今では、クラスの誰もが知るバカップルである。

 

三枝:「やっぱりイベントかな、」

一貴:「今度の体育祭の打ち上げに行くとかは、」

三枝:「どうも彼、行かないみたい。ああ言うの苦手なのかな、と言うか横田クンが苦手みたいね。」

一貴:「横田ね、あいつもそんなに悪い奴じゃないみたいだけど、」……一応、学校のテッペンと言う自覚の下に生徒を護っているつもりらしい、

三枝:「なんか、中学の時に被害に遭ったらしいのよ、」

一貴:「三枝ってほんとに何でもよく知ってるよな、」

一貴:「それじゃあ横田抜きのイベントを企画するとかかな、」

三枝:「そうなのよ。それで19日に何かやりたいのよ。」

一貴:「なんだ、自分でもう決めてるんじゃん。」

三枝:「でも私から誘うのって変じゃない? それにまさか二人っきりって言う訳には行かないでしょう。理由が欲しいのよ。」

一貴:「それで、僕と金平なのか。」

三枝:「そう、金平君は既に高野さんと付き合ってるから今更クラスの「お見合いイベント」なんか行かないでしょ。 カズキは元々ああ言うの苦手そうだったし、結果的にはちょっと期待を裏切られたけど…。」

 

朋生:「何二人して話してんだ? もしかして金曜日のアレか? 影山先輩、どうなったのかな。」……朋生が僕たちのコソコソ話を嗅ぎつけて寄って来る、

一貴:「……、」……そう言えば影山先輩があんな目に遭った事は、未だ皆には広まっていないらしい、恐らく「陰陽師組合」が裏から情報操作しているモノと思われるが、

朋生:「あれは異常だったぜ、祟りって本当にあるんだな。俺怖くてあの晩寝られなかったよ。」

そして、オカルトの話になると自然と高野が寄って来る。

高野:「影山先輩の話? 「お告げ」に従わなかった子達が次は自分が祟られるんじゃないかって学校中パニックになってるわよ、」

 

僕は影山の最期の姿を思い出して思わず一瞬吐きそうになる。……此の話題は早々に切り上げたい、と言うか無かった事にしたい、

 

一貴:「いや、そうじゃなくって、三枝の告白の件だよ、」

三枝:「やだ、大きな声で言わないでよ。全くデリカシー無いんだから、」……三枝、ちらりと委員長の方を確認する、

一貴:「なんかイベントやってきっかけを作りたいんだってさ、19日に、」

 

4人の輪はどんどん小さくどんどんヒソヒソ声になる、

 

高野:「なんで19日なの?あそっか、打ち上げでやるの?」

一貴:「違う、相手はどうやら打ち上げには来ないらしい、」

高野:「結局相手って誰なのよ?」

三枝:「一寸、こんなところで言わないでよ、」

 

中山(教師):「ウ、ヴウン!」……咳払い、

中山:「そろそろ、授業始めても良いか?」……僕らは蜘蛛の子を散らす。

 

 

 

ーーー

藤塚メール1件目:「何盛り上がってんのよ、カズキの癖に、」……はて、なんと答えたら良いものやら、

藤塚メール2件目:「私には言えない事なの?」……いや、またそうやって脅かす、大体こんな込み入った話を授業中にメールで打ち込むなんて無理だよ、

一貴返信1件目:「後で、話します。」

藤塚メール3件目:「フーン、嫁の質問よりも大事な事があるんだ、」……いや、授業中です、

 

結局、僕は中山の目を盗んだ26回の細切れメールで、三枝の告白に関するこれまでの経緯を藤塚に報告した。 勿論、三枝から藤塚に謝りに行く様に言われた件に関しては今のところ伏せておく。

 

藤塚メール34件目:「じゃあ、アンタ19日の打ち上げに来ないつもり?」

 

うっ…

 

一貴返信27件目:「ゴメン。」

藤塚メール35件目:「へー、私の事はほったらかしなんだね、」

 

いや大恩ある三枝の頼みを聞かない訳には行かないだろう。 僕は、駄目元で聞いてみる。

 

一貴返信28件目:「文華もこっちに参加するってのはどうかな。」

藤塚メール36件目:「何やんのよ。」……速!

一貴返信29件目:「これから決める。」

一貴返信30件目:「僕は、文華と一緒に居たいな、」……玉砕覚悟の特攻、

 

暫しの沈黙、中山に指された藤塚が立ち上がって模範解答している最中、いきなりメール着信!

 

藤塚メール37件目:「しょうがないから行ってあげる。」

 

僕は思わず目を疑う。 藤塚は、…まだ中山と受け答えしている。 一体、アイツどうやってメール送ってるんだ?? いや、物理的に無理だろう!!

 

藤塚メール38件目:「そのかわり面白くなかったら罰を与えるわよ。」……だから罰って一体何なんですか!

 

 

 

ーーー

放課後、旧棟1階文芸部の部室……

 

朋生:「此の部屋、呪いとか大丈夫なのか?」

高野:「祟られるとしてもトモクンはきっと一番最後だと思うよ。」

 

僕は朋生達から少し離れて、三枝に藤塚とのやり取りを報告する。

 

三枝:「嘘!藤塚さん来るの?」

一貴:「だってそうしないと僕が打ち上げに出ないといけなくなっちゃう。」

三枝:「まあ、前向きに考えるか。餌にもなるしね。」

 

それで高野達が詰め寄ってきて、

 

高野:「さてと、今度こそちゃんと教えてよね、三枝さんの想い人って誰なの?」

三枝:「うん……黒沢クン。」……三枝、珍しくシオラシイ乙女顔、

高野:「委員長か。」……高野、夢見る乙女の顔感染、

朋生:「何処が良かったんだ?」

三枝:「どこだろう、…頭良いとこかな、」

朋生:「三枝の方が良いじゃん、」

三枝:「そんな事無い、1年の3学期の実力テストは負けた。」

高野:「好きになるのに理由なんて無いのよ、私だってトモクンだからトモクンが好きなの、」……高野が朋生の頭を撫でる、

朋生:「俺もアキラ以外は考えられない、」……二人、手を取り合って見つめ合う、

三枝:「羨ましいわね、全く、」

朋生:「どうせならさ、数あわせでカズっちも彼女連れて来いよ、」

一貴:「えっ? 彼女って誰の事だよ、」……いきなりふられて、焦りまくる僕!!

朋生:「ほら、一年の転校生、可愛い子居たじゃん。」

一貴:「違うって! あいつは彼女じゃないよ。」

高野:「あらぁ、じゃあ 誰が彼女なのかな?」……高野が、疑いの眼で僕を見る、

一貴:「……それより、何をするかを先に決めないと。」

 

三枝:「実は、考えてた事があるんだ。」

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