文華:「私が実証実験の意義について意見したのが原因かも知れないし、いくら「北条君が変態」的な事を言い出したからと言っても、 実験自体には価値があると思うから……続けたいな。」
一同唾を飲む、主に男子。
文華:「負けそうな「役」ならドロップすれば良いから、10枚のコインを参加チップとして一枚ずつ出して行ったとしても10回連続で負けなければ脱がなくても済むって訳だよね。」
文華:「出来れば 一枚脱いだら、またコイン10枚もらえるようにして欲しいな。 そうしたら、100回勝負でも、最悪10枚脱げば良いだけだもんね。 靴下2つ、シャツ、キャミ、スカート、えっ、後 ブラとパンツ? 時計とペンダントも 身に着けてるものに勘定しちゃ駄目?」
皆の頭の中を 妄想が駆け巡る。
そして、トドメの一撃!
文華:「でも、勝負しない人にはやっぱり見られたくないかな。 北条クン、二人でやろっか。」……藤塚が、凄ーく可愛らしく微笑む。……100%、演技。
三枝:「判った、私もやるわ。 二人っきりでこんな危ない事やらせて置けないわよ。」……いや、こんなの 可愛いもんです、
黒沢:「そうですね、委員長としては、クラスメイトがおかしな事にならない様に注意を配らなきゃいけないし。 それに、藤塚さんが言った本当の実証というのには僕も少し興味があります。 あくまでも学問と実際のギャップを実体験するって意味ですけど。」……委員長は、一体何の実証に興味が有るのだろうか、問いただす必要が有るかも知れない…
高野:「どうする? トモクン、」
朋生:「皆がやるっていうなら、やってみようか?」
しかし何で皆こんなにあっさり乗ってくるんだ?? 思春期か?思春期のなせる業なのか??? チラリと見た藤塚の目が、奥の方で笑っている?? やがて携帯のバイブレーション。
メール本文:「ちょろいもんだわ、」……こいつ、何か「一服」盛ったな、恐らくあの弁当か、あのお茶か、
ーーー
そうしていよいよゲームが始まり、あっという間に5時間が経過……
時刻は午前2時、50回目の勝負が終わった段階で2度目のトイレ休憩を取ることになった。 このゲーム思いの他精神力が必要とされる。
僕は、とにかく「勝数を稼ぎ」たくて勝負に出続けた。 50回の勝負で8回勝ち、20回負けた。4度コインを全損失し、靴下両方とシャツとアンダーシャツを脱いで上半身裸になっている。 現時点の手持ちコインは14枚。
朋生:「カズっち、相変わらず良い身体してるよな。」
高野:「ほんとだ、ちょっと触っても良い?」
一貴:「駄目だよ。お触りは無しって決めただろ。」
三枝:「もしかしてなんかやってるの?」
藤塚が、…舌なめずりしてる? 絶対に負ける訳には行かない。 勝ち数が少なかった方が、手足拘束&目隠しで1時間悪戯される事になるのだ…
藤塚は、無傷だった。50回中10回勝って、負けは無し。 どうやら勝ち目が無さそうなら直ぐにドロップする安全策に出ているらしい。 40枚近くのコインを掌でジャラジャラさせている。
朋生は、8回勝って12回負け。 2度コイン全損失し、両靴下を脱いでいる。 何故だか高野がそれを丸めてお手玉代わりに遊んでいた。
高野は、とにかく勝負に出ない。50回中、勝ったのが3回と負けたのが3回、それ以外はずっとドロップし続けている。 それでも1ゲームごとに参加チップを払うので、着実にコインは減っていた。 既に2度コイン全損失し、両方の靴下を脱いでいる。 手持ちコインは12枚 。
黒沢は、藤塚に続いて余裕だった。 頭のいい奴はポーカーも強いのだろうか? この場合の強いと言うのが明らかに確率論的にたまたま運が良いと言う事でないのは確かである。 要するに勝てる確率は、どのポーカーハンドを選ぶかのセンスに寄る所が大きいのだ。 コレ迄に11回勝って、10回負け、現時点の手持ちコインは20枚位だろうか…。
三枝は、ピンチに立たされていた。 まず、三枝が勝負に出た時に皆は恐れてドロップするのだ。 つまりそこそこ勝ち数があっても獲得コイン数はそれ程多く無い。 これまでに10回勝って8回負け、既に1度コインを全損失している。 更に不運な事に、この日に限って三枝は「サンダル履き」だった。 つまり靴下が無い。 高野は行成り究極の二者択一を迫られる事となった。
三枝:「わ、解ってるわよ。」
当然顔は真っ赤。思い切り深呼吸してから、スカートに手をかける。
朋生:「いきなり下からですか…。」
三枝、シャツの裾を伸ばして薄黄緑のパンツを隠す。
三枝:「しょうが無いでしょ、こんな事するって思ってなかったから、シャツの下はブラしか付けてないの!」
大体、10枚で10回勝負ができると言うのは明らかに引っ掛けだった。 最初の参加チップに1枚、ビット/コールに最低1枚、レイズされた場合は更に追加が必要。 勝てばコインが増えるのだが、負けると最低でも2枚、レイズに応じた場合は3枚以上を一度に失ってしまう。 最初の決め事に従い、途中でドロップしたプレーヤーのポーカーハンドは未確認のまま山に戻し、最後まで残ったプレーヤーのポーカーハンドのみ記録される。 中でも確率計算に使われるのは勝ったプレーヤーのポーカーハンドのみだ。 よって最初に予想したとおり、ワンペアはブラフと組み合わせで無い限り出てこないので出現確率は極めて低かった。 結構、勝利に貢献しているのはスリーカードだ。
ーーー
95回目、午前6時、ドラマが起こる……
94回目のゲームで藤塚が勝ち、合計16勝になって、僕の15勝との差は1。 藤塚に勝ちを先行されている以上、僕は勝負し続けなければならない。 この時点でもはやパンツ一丁になってしまっていた僕だが、言い換えればまだパンツがある。 当然、負けも覚悟で速攻ビットする。 一回目のドローで僕のポーカーハンドは2ペアを構築! 神はまだ僕を見捨てていない。 2巡目のチェックに対して三枝がレイズ! 黒沢がコールする。 場にかけられたコインの枚数は3枚 二人とも相当の自信が有ると推察する。 恐らく…最低でもスリーカード以上、現在無傷でしかも手持ちコインに未だ余裕のある黒沢に比べ、三枝は既にブラとパンツの絶対防衛ライン。 95回目開始時点の三枝の手持ちコインは5枚、まだ残り5ゲーム残っているから、一度は勝たないとコイン切れでどちらかを手放す事になってしまう。 今回三枝は勝負に出ていると見てほぼ間違いない。しかもレイズしてきているから、恐らくストレートかフラッシュ、もしかするとフルハウス。
一方、95回目ゲーム開始時点僕の手持ちコインは10枚だったから、仮に今回負けて参加コインと合せて4枚を失えば、残り6枚、残りゲーム5回で、少なくとも1回は勝たなければ藤塚と同点に持ち込めない。 つまり自動的に残りコイン0になる。 このゲームで勝てなければフルチンになる事は略確定。 その上で諦めずに勝ちを取りにいく為には、さらに無謀な勝負を続けなければならない。
待てよ、その先はどうするんだ? フルチンになってしまった僕は、その先一体何を見せれば良いと言うのだ! もしかしてアレか?? フフフ、僕の頭は眠気と興奮で変な事になっている、
三枝:「カズキ、考え時間長すぎる!」……三枝が、焦れて催促する。 彼女も気が気でないに違いない。
やるのか、やるのか、コールするのか?
一貴:「コール!」……僕は追加のコインを2枚、場に支払う、
やっちまった…。 しかし2ペアでどう戦う? 自信満々の三枝に勝つには一か八かの大勝負に出るしかない。 僕は、とうとう二つのペアを崩す。
一貴:「ドロー3枚」
朋生:「何だよそれ、もしかしてワンペアで勝負してたのか?」
その後、チェックが続く、…そして勝負!
黒沢:「ストレート」
三枝:「フラッシュ」……509分の1の確率が此処へ来て飛び出す!
歓声:「おおおおっ!!!」……場から歓声が沸き起こり、
一貴:「フルハウス!」……僕は、疲れ切った手でポーカーハンドを場に曝け出す、
歓声:「おおおおおおおおっ!!!」……神は、僕を見捨てていなかった。
フラッシュを狙って3枚捨てた僕だったが、たまたまそれらを補う形でカードがやって来た!
僕は乾ききった目で藤塚を見る。 藤塚の美しい顔が、得体の知れないものでも見たかの様に歪んでいる。 どうだ、追いついてやったぜ! ふと気づくと三枝が顔面蒼白になっていた。 そうだこの瞬間、4枚のコインを失った三枝は次の回の参加チケットでコインが尽きる。 つまり脱衣が決定したのだ。
どっちを脱ぐ? ブラか、パンツか、いや順当に考えてブラだろう。
いやいやいや、……僕の顔面に血が上る、