※この作品はR-18です。

マスタースレイブ・リストリクテッド   作:ランプライト

53 / 85
052「淫夢魔」

早朝練習後、シャワーを浴びて部屋へ戻ると文華は着替え中だった、……上半身は開けた侭の夏服で下半身はパンツ一丁、

 

一貴:「お早う、」……と、どさくさ紛れに背中から抱きつこうとした僕をするりと躱して、

文華:「当分の間「房事」は禁止、触ったら一回1000円ずつお小遣い減らすわよ、」……と、ツレナイ態度、

 

処で僕の銀行口座は既に文華に牛耳られていた、母親の厳しい指導により月の積み立ては50万円、年間600万円、40年で2億4千万円が、いざと言う時の医療費と老後の費用の為の箪笥貯金になる。 給料の残り34万円の内20万円が家に入れる光熱費と食費、幸いな事に留学費用は文華の両親が負担してくれる事になったので無料、残る14万円が二人の交際費で、月々の僕の小遣いはその中から1万円と決められている、なんか少なく無いか?

 

一貴:「そんなぁ、」

文華:「甘えた声出しても駄目です、今度の模試でB判定以上取れなかったらエッチ禁止期間延長だからね、」……うちの奥さんは結構厳しい、て言うかギルフォード訓練校の想定偏差値70って厳しすぎないか?

一貴:「だって悶々するのは文華が原因じゃんかぁ、理不尽だぁ、」……前期試験の後は添い寝もしてくれない、、

文華:「しょうがないからオナニーのオカズ位にならなってあげるわよ、ほら、一貴クンはどんなポーズが好きなのかな?」……と言いながら上目遣いでシャツの裾を捲り上げる文華、

一貴:「しません、」……それは極めて繊細な行為で有って、そんな風に言われてホイホイ出来る様なモノでは無いのだ、

文華:「私だって我慢してるんだからね、」……何だか文華もプンプンしている、

 

 

 

ーーー

で、テスト開けの教室は10月の修学旅行のグループ分けの事で盛り上がっていた。 ウチのクラスは男子16人、女子15人の31人クラス、これを男女3人ずつの合計6人のグループで5グループ作る。 当然普段仲の良いメンバーで固まりたい訳で、渋ちん(担任)はこういう事に余り五月蝿く無いから生徒が自主的にグループ分けするのに任せている。 昼間の内に生徒間のネゴシエーションが続き、当然高野と朋生、三枝と黒沢の4人は確定、一方僕は文華から一緒のグループになる様に命令されていて、処が文華は東郷と同じグループになる事が決まっているから結果的に高野達のグループには入れなくなってしまう状況が最初から出来上がっていた。

 

三枝:「まあ、事情は察するから気にしなくって良いわよ、」……それで、高野達は西口(体育会系女子)と早乙女を誘って早々に6人1チームを確定させる。

 

処で文華達のグループはと言うと大変な事になっていた。 何しろ学校裏サイト人気ランキング1位の文華、9位の東郷に加えてランキング7位の優等生女子八木優子と言うトップ10女子3人が揃ったドリームチームだから此処に男子が殺到しない訳が無い。 当然男子は厳正なくじ引き審査の結果、……渡辺(イベント好きイケメン)、白崎(メタボ系アニメオタク)、用賀(サッカー部レギュラー)の三名が見事当選する、

 

文華メール:「我が夫ながら、くじ運の引きの弱さに呆れるわ、」……いや、競争率2.7倍って凄く無いですか、

 

で、あれよあれよと言う間に周りのグループは決まって行って、そう言えば朋生達の他に親しい友達の居ない僕は何時の間にか一人溢れて、……その侭7時限目ロングホームルームを迎える、

 

黒沢:「じゃあ、北条クンは僕達のチームに合流と言う事で、」……で、委員長の助け舟で漸く行き先も決まったかと思いきや、

東郷:「意義有り!……委員長、ウチのグループも北条クンに来てもらいたいです、此処は公平にくじで決めるのが良いと思います、」

三枝:「それなら東郷さん達のグループで良いんじゃないの? 北条クンも元々は東郷さん達のグループに入りたがってたんだし、」

黒沢:「まあ、そうだね、」……と言う流れで、僕は無事文華と同じグループになる事が出来た。

黒沢:「それでは来週迄に、各グループで京都奈良の文化財について調べて、当日の見学コースを作成して提出する様にして下さい。 本日は以上です、」……それでガヤガヤとグループ別に散らばって行く生徒達、

 

一貴メール:「もしかして呪術的なモノを使ったの?」

文華メール:「まさか、何にもしてないわよ、」

 

東郷:「カズくん、一緒のグループになれて良かったね、一人だけ溢れてた時はどうしようかと思ってハラハラしちゃったよ、」……と、言いつつ僕の腕に抱きついて来る東郷冴子、

一貴:「宜しく御願いします、」……見回すと、男子の面々は何だか一寸納得いかない様子、まあ、そりゃそうだろう、

八木:「東郷さんは北条クンと仲が良いのね、」……何だかツッケンドンな優等生美人、

東郷:「うん、時々お弁当交換したりするんだよねー、」……処でそのお弁当は文華が作っているのだが、自分の弁当と内容が同じだとバレない様にアレンジするのが面倒臭いと言う理由で弁当禁止令が発令されつつ有った、

八木:「でも余り人前でベタベタするのは止めた方が良いよ、そういうの不快に思う人も結構居るんだから、」

東郷:「そうか、気をつけなきゃね、」……当然僕は文華の視線が気になる訳だが、意外にも普通、特に怒っている様子も見られない、

 

 

 

ーーー

相談の結果、男女で別れてレポートを作る事になった。 男子が京都、女子が奈良、それで自由行動を含めた見学ルートについては各自で考えて、後日相談して決める事に、

 

渡辺:「それじゃあさ〜、折角同じグループになったんだから、此の面子でパーティやんない? 親睦と言うかチームワークを深める意味でさ〜、ウチの家結構広いから皆集まれると思うんだ、其処で見学ルートについて相談するって言うのはどうかな〜、」……流石にイベント好きの渡辺らしい提案だが、

八木:「良いけど、自宅パーティって一緒にご飯とか食べたりするの? 準備とか大変じゃない?」……八木は何だか乗り気じゃ無さそう、

東郷:「じゃあ、私料理するよ、何が良いかな?」

渡辺:「食べるのはついでだから、簡単に出来る鍋とかどうかな〜、皆で作りながら食べれるじゃん、」

八木:「この暑いのに鍋ヤルの?」

渡辺:「エアコン効いてるから全然平気だよ、」

八木:「それにしたって下拵えとか大変でしょ、鍋舐めてない? 何処かのファミレスでやった方が良いんじゃないの?」……で、突然届く文華からのメール、

 

文華メール:「面倒臭いから潰して、鍋パ、」……ええっ、潰してって言われても、

 

一貴:「そうだよね、普通に図書館とかで良く無いかな?」

用賀:「補欠要因の北条は黙っててくれるかな、」……そうですね、お情けで入れてもらった僕に発言権は無いですよね、

八木:「と言うか、図書館で騒ぐのは駄目でしょう、」……八木、お前は一体ドッチの味方なんだ?

東郷:「下拵えとか簡単だよ、ふみちゃんも料理得意だし、私達二人でやれば平気だよ、」

文華:「え?」

東郷:「鍋なら直ぐ準備出来るよね、」

文華:「そ、うだね、」……と言う流れで半ば強引に東郷に押されて今週末の土曜日の午後、鍋パーティが強行される事となった、

 

文華メール:「はぁ、旦那が役立たずで辛い、」……って、そんなメールを直接旦那に送って来ないで!

 

それから僕達は男女に別れてレポートの段取りを決める事に、何故だか女子達はファミレスで作戦会議を執り行うらしい、男子は教室に居残って机を囲んで小さなサークルを作る、

 

渡辺:「それでだ〜、誰狙いか最初に決めておかないか? 修旅中に告る相手、」

一貴:「告る、って、」……何を言い出すんだこの人は!

渡辺:「言っとくけど北条はくじで外れたんだから権利は無しな〜、」

白崎:「僕は良いよ、個人的に誰かと付き合おうなんて思ってないから、北条クンに権利を譲るよ、」

用賀:「ソレにしたって三番目だな、」

渡辺:「俺は藤塚さん狙いだけど、良いか〜?」

用賀:「良いよ、藤塚は可能性ゼロだからな、今迄に断られた男の数100超えてるんだぜ、言っちゃ悪いが液晶スクリーンの向こう側の人間だよ、俺は八木狙いな、」

渡辺:「へー、意外、あんなツンケンしてんのが良いんだ〜、」

用賀:「ああ、ああいう優等生が付き合ったら意外と献身的だったりするとちょっとギャップ萌えじゃね? それに東郷は北条と仲良さそうだしな、俺は可能性の高い方に掛ける、兎に角この修旅でいい感じになって、クリスマス迄には告白して、恋人になって、バレンタイン迄には、やる、」

渡辺:「すっげー計画的じゃん、本気で狙ってる訳〜、」

用賀:「勿論、この先どっかで別れるのは確定だろうけど、兎に角3月までに童貞を捨てる。」

渡辺:「生々しいな〜、」

用賀:「お前らセックスやった事ある?」

渡辺:「無い、」

用賀:「A組の米田、やったらしいぜ、」

渡辺:「どうやって? 誰と?」

 

僕は只管息を殺して時が過ぎるのを待つ、

 

 

 

ーーー

白崎:「何だか付いて行けないね、」……盛り上がる二人を放置してちょっと色白ぽっちゃり系眼鏡の白崎くんが僕に話し掛けて来た、

一貴:「白崎くんって、真面目なんだね、」

白崎:「別に真面目じゃないよ、そうじゃなくて人間の恋人なんて面倒臭いだけじゃん、色々お金掛けて、気を使って、おべっか使って、それでもしヤラせてもらえたとしてもさ、攻略済の彼女を捨てるのも大変そうじゃん、新しく可愛い子が出て来ても同時攻略出来ないし、」

一貴:「はは、」……怖い、発想が既にギャルゲーになってる、

白崎:「同じお金使うならさ、高級デリヘルで現役モデル美人に尽くしてもらう方が効率的だし有意義だよ、」

用賀:「お前知らないのか?デリヘルとか風俗って、セックスは禁じられてるんだぜ、出来ても69止まり、」

白崎:「穴に入れるだけならオナホで十分だよ、」

用賀:「って、お前オナホ持ってんの?」

白崎:「持ってないけど、生身の女より良いってよく言うじゃん、」

用賀:「要するに白崎のは全部想像な訳だ、」

白崎:「想像力は凄いよ、」

用賀:「アニオタのお前としてはそうだろうな、二次元萌えキャラ、中の人、全部現実に触る事は出来ないもんな、」

 

白崎:「ふふん、用賀くん、サキュバスって知ってる?」

 

 

 

ーーー

この後30分に及ぶ白崎の話を要約すると以下の様な内容だった、

最近一年生の間で妙な呪いが流行っているらしい。 それはサキュバスを召喚出来る呪文だと言うのだ、サキュバスとは男に淫らな夢を見せてその精気を吸い取る夢魔の事であるが、その召喚呪文を使うと自分が望んだ相手と愛し合う夢を見る事が出来るらしい。 しかもその夢は現実以上に素晴らしく一度体験してしまうと止められなくなってしまうらしい。 但し呪文が使えるのは3回迄で、もしも4回目サキュバスを召喚してしまった場合は全ての精液を吸い尽くされて植物人間状態になってしまうのだと言う。 処がこれには裏技が有って、4回目の召喚の際にそのサキュバス自身と交わりたいと願うと、何故だかそれ迄の3回がリセットされてもう一度最初から3回好きな女と交わる夢を見れるのだと言う。 そうして肝心の呪文はと言うと、……

 

白崎:「南中の男子が4回目の召喚でしくじって植物人間状態になったっきり、肝心の呪文が誰にも判らなくなっちゃったんだって、ウチの学校にも一年に知ってる奴が居るらしいんだけど、秘密にしているらしくって誰だか判んない、」

用賀:「何だよそれ、結局役に立たねえじゃん、」

白崎:「僕が言いたかったのは、生身の女よりも素晴らしいセックスがこの世には有るって事だよ、」

用賀:「悪いけど俺は普通の恋愛と普通のセックスがしたい訳、化物が見せるイヤラシい夢で夢精すんのは無駄撃ちってもんだぜ、」

 

 

 

ーーー

で、その夜、そんな話を文華に報告すると、

 

文華:「ふーん、そこで文華には手を出すな!位言えなかったの? ハズとして、」

一貴:「告白する位は、自由かなって、」

文華:「へぇ、じゃあ、告白を受けるか受けないかも自由よね、」

一貴:「それは駄目だよ、」

文華:「一貴は冴子とイチャイチャしちゃってさ、私だけ操護り通すのって何だか不公平じゃない?」

一貴:「ごめん、」

文華:「最近旦那が構ってくれなくってぇ身体が疼いちゃうの〜とか、好きでしょう?」

一貴:「どこでそんなの覚えてくるんだよ、」

文華:「一貴のパソコン、全部お掃除しておきましたから、」……非道い、

 

文華:「大体鍋パーティとかやってらんないわよ、冴子は料理自慢して男子からチヤホヤされたいだけだし、」……と、言いつつ負けたくないから今夜のご飯は鍋パの予行演習、

一貴:「結構おいしいと思うよ、」……何故かトリッキーな鴨鍋、加茂鍋?

万絢:「鴨の脂が春菊に沁みてて美味しいです、」

文華:「ありがと、」……で、鍋の中からコンニャクを引っ張り上げる文華、

文華:「よく考えたらクラスの男子と同じ鍋つつくの、一寸抵抗あるなぁ、」

一貴:「取り箸とか用意しておいたらどうかな、」

文華:「気分の問題だけどね、」……チラリと万絢の貌を覗き見る、文華、

 

万絢:「え?私は一貴さんと文華さんなら全然平気ですよ、」

 

万絢、一寸照れた顔で舐り箸、

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。