※この作品はR-18です。

マスタースレイブ・リストリクテッド   作:ランプライト

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062「同時多発襲撃」

僕は早乙女の車で朋生が搬送された病院に駆けつける、

 

一貴:「高野サン!」……受付で行き先を聞いて、朋生が治療を受けている集中治療室の前の廊下で高野を見つける。 腕に包帯を巻いていて、ベンチシートに踞る高野を両側から支えているのはどうやら両親らしい、

一貴:「何があったの?」……高野が怯えた目で僕の事を見る、

高野:「学校の帰りに、街で6人くらいの柄の悪い男に囲まれて、私連れて行かれそうになって、それで朋生が庇って、そしたらソイツら朋生を滅茶苦茶に殴って、それで金属バッドで、何度も背中を叩かれて、」……高野は、生々しい記憶から目を背けて、

一貴:「それで朋生は?」

高野:「……腰の所の皮膚が捲れて白い骨が剥き出しになってたの、それで先生が背骨が折れてるって、もしかしたらもう歩けなくなるかも知れないって、」……まるで絶望を直視するかの様に、虚ろに宙を見る、

 

そんな事が、有って言い筈が無い、

 

高野:「あいつら、北条クンの所為だって、恨むなら北条クンを怨めって、…どう言う事なの? あいつら一体何者なの?」……これが、沙紀の言っていた「面倒な事」なのか? でもどうして朋生を襲う必要がある?

 

僕の友達だから?

 

金平母:「また貴方なの!」……黄色い声に振り返ると、其処には朋生の母親が立っていた。 朋生の父親に支えられながら、目を真っ赤に泣き腫らしながら、恨みの形相で僕を睨みつけている、

金平母:「だからあれ程言ったのに、…コイツには関わるなって言ったのに、」……朋生の母親は、立っていられなくなってその場に、踞る、

金平父:「出て行ってくれないか、」……朋生の父親は震える声で、

金平父:「私が今どれ程後悔しているかお前に判るか、…あの時お前を赦した事を、……此の侭だとお前をどうにかしないと居られなくなる、だからその前に出て行け、……二度と朋生の前に顔を見せるな、」……血反吐を飲み込む様に呟いた、

 

 

 

ーーー

僕は病院の外に出て、星一つ見えない灰色の曇り空を遣る瀬無く見上げる、

 

一貴:「僕の所為だ、」

 

僕は中学の頃に別の学校の不良グループと揉めた事が有って、巻き添えになった朋生が足首の骨を折る大怪我をした事が有った。 それで朋生はバレーボールを諦めて、それなのに朋生は最後迄僕の味方をしてくれて、そんな親友の朋生が、僕の所為でこんな目に遭わされるなんて、

 

赦せない、

 

文華からの電話、

 

文華:「どう、金平クン、」

一貴:「まだ判らない、今、手術中、」

文華:「そう、大変な所悪いけどもう一つ問題が起きたの、三枝が襲われたわ、」

一貴:「三枝? それで大丈夫なの?」

文華:「取り敢えずはね、富士本のお陰で怪我はしていないわ、今、家に運び込んで来てる、」

一貴:「直ぐに戻る、」

 

 

 

ーーー

三枝多恵は薬で眠らされた侭、家のソファーに横たえられていた、

 

佳枝:「私の正体を知られない様にする為に薬で眠らせました、特に外傷は無い筈です、」

一貴:「何が有ったんだ?」

佳枝:「例の「淫夢魔」絡みの調査で、虎狼と言う不良集団のメンバーが呪術薬で操られている事を突き止めました、その連中を尾行していた所、塾帰りの三枝先輩が襲われる現場に遭遇したんです、」

一貴:「それで犯人達は?」

佳枝:「一応確保して監禁してありますが、薬で精神に異常をきたしていてマトモな情報は得られそうにも有りません、可成りキツい薬で、多分、一生完全には元に戻せないと思います、」……使い捨ての駒にされたって事か、

 

三枝が目を覚ます、

 

三枝:「此処は何処?」

一貴:「僕の家、」……三枝は起き上がって辺りを見回す、

三枝:「もしかして私を尾行してたのってカズキなの? まさか私にイヤラシい事しようとしてた? それならこんな手間のかかった事しなくっても一言言ってくれれば良かったのに、」

一貴:「其れだけ頭に血が巡るなら大丈夫か、……残念だけど三枝を襲ったのは僕じゃないよ、街で襲われそうになってた所を偶然通りかかった僕の知り合いが助けてくれて、僕の家まで運んでくれたんだ、」

三枝:「そう、」

 

三枝:「あら、」……そして漸く藤塚の存在に気付く、

三枝:「藤塚さんって、プライベートではそんな感じなんだ、」

文華:「どう言う意味よ?」

三枝:「意外にキラキラした格好してないんだなって思っただけ、」

一貴:「何が有ったのか覚えてる?」

三枝:「よく解らない、…確か熟の帰りに誰かにつけられて、…私スタンガンって初めて見たわ、あれでやられたのかな?」

一貴:「家の人が心配してると思うから、連絡しておいた方が良いんじゃないかな、」……時計の針は既に23時を過ぎていた、

三枝:「そうね、」

一貴:「でも、出来れば今日は家に泊まってくれないか、」……家で又襲われないとも限らない、

三枝:「魅力的なお誘いだけど、藤塚さんは了解済なの?」

文華:「私がご両親に挨拶するわよ、女の子の家に泊まるって言えば説得し易いでしょ?」

三枝:「でも藤塚さんこそ、北条クンの家にこんな遅くまで居るってどういう事なの?」

文華:「どうって、一緒に住んでる、」

一貴:「実は僕達は婚約してるんだ、」

三枝:「あー、そういう事、…色々納得、おめでと、」

文華:「ありがと、」

 

一貴:「それで、ごめん、三枝が襲われたのは僕の所為だ、」

三枝:「どうして?」

一貴:「僕の事を付け狙ってる連中が、次々に僕の友達を襲ってるミタイなんだ、朋生もやられた、」

三枝:「だとしたら悪いのはソイツらでしょう、なんで一貴が謝る必要が有るのよ、」

一貴:「それでも、僕と友達じゃ無ければ三枝は襲われずに済んだんだ、」

三枝:「そんな事言いだしたら、私が三枝家に生まれた処から後悔しなきゃいけなくなるじゃない、そんなのどう考えたって可笑しいでしょ?」……三枝は鞄から携帯を取り出して、

三枝:「警察にはもう連絡したの?」

一貴:「うん、」……これは嘘だ、でも敵が沙紀達「裏」の土蜘蛛なのだとしたら、多分警察では三枝を護りきれない、

 

そして、文華の携帯にメールが届く、

差出人は東郷冴子、……いや、真島純だった、

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