※この作品はR-18です。

マスタースレイブ・リストリクテッド   作:ランプライト

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第十二章「改造手術」
067「バースデー」


11月11日、つまりあれからもう2ヶ月近くが過ぎようとしていた、

 

僕は加茂理夜の秘密基地(沖を航海中の大型クルーザー)の一室に籠って、暇さえ有れば各所に仕掛けられた監視カメラから送られて来る映像をぼうっと眺め続けていた。 学校の教室に仕掛けられたカメラからは何時もと変わらない風景が送られて来る。 三枝も高野もカメラの具合の所為だか何だか暗い、東郷は学校を辞めたらしい、救いと言えば朋生が順調に回復して年内には学校に戻れるかも知れないと言う事位か、それでも学校は僕が居なくなった事で確かに平和を取り戻しつつ有る様に見えた、

 

そして家では今日も母親が泣いている。 10月末までは家から一歩も外に出る事が出来なくって、毎日今日姉ちゃんが面倒を見に来てくれていた。 本当に申し訳ないと思うけれども、僕が生きている事を知られたら今度は母親が危険に晒される可能性はどうしたって拭いきれない、

 

文華は、早乙女と二人でイギリスに戻ったらしい、もう僕の事を忘れてしまった、と言う事は無いにしても、気丈な彼女の事だからいずれは想いにけじめをつけて僕の事を綺麗に整理してしまう日が来るだろう。 組合でも公式には僕は死んだ事になっているから既に主隷の契約も今では無効になっている。 此の侭何時迄もウカウカしていたら文華に言い寄って来る男が出て来て、それで寂しさに付け込まれて、ほだされて、……そんな展開だけは何が何でも死んでもゴメンだ。 いや実際僕は死んだ事になっているのだが、

 

一貴:「それで、少しは進展有ったの?」

理夜:「残念ですが、未だなのです、」……加茂理夜はあれからずっと沙紀の行方を追っていた。 処で真島はと言うと、口封じの為なのか証拠隠滅の為なのか現場で頭蓋骨を砕かれて中身を搔き出された姿で発見されたらしい。

 

もう一つの手掛かりが有るとすれば楓明だ、

処が彼女は渋谷に店を出すプロの占い師で、その日常は極普通の女子高生だった。 調べれば調べる程陰陽師らしさの欠片も出て来ない。 唯一つ有るとすれば占いの店の棚の上に置かれた例の球体関節人形位。 今にして思えばあの電話の録音や手紙の送り主がこの女子高生と同一人物で有ると言う証拠は何処にも無かったのだ、

 

一貴:「ところで、この船一体何処に向っているの?」

理夜:「ギリシャなのです、」

一貴:「何でギリシャ?」

理夜:「其処で協力者と合流する予定です、」

一貴:「協力者って?」

理夜:「余り頼りたくは無いのですが組合の人間です、実はヨーロッパに一人この件に関わっている可能性がある「裏」の容疑者が居るのです、その容疑者に近づくのに協力してもらう訳です、」

一貴:「ふーん、何時頃着くの?」

理夜:「後一週間位なのです、処でお兄ちゃん、」

一貴:「なんですか?」

理夜:「そろそろ身体も回復した頃だと思いますので、対人戦闘の訓練を始めませんか、」

 

 

 

ーーー

クルーザーの一室がソレなりにちゃんとした畳張りの道場になっていた、

 

理夜:「今日は取り敢えず肩ならしと言うか、身体を解す所から始めるのです、」

一貴:「うん、」……僕は30分ばかりをストレッチに費やし、それから30分站樁して立ち姿勢の調整、更に30分位肩甲骨を回しながらゆらゆらと歩きの練習、

佳枝:「お待たせしました、」……そして道場に入って来た富士本は、何故だかノーブラにグレーのスエットTシャツと黒のピチピチレギンス、、何でそんな身体の稜線剥き出しにして無駄にエロイ?

一貴:「え、と、」……当然ヘタレな僕は目のやり場に困る訳で、だって胸のポッチがアカラサマ過ぎるだろう!

 

理夜:「それではお兄ちゃん、お待ちかねのサービスタイムなのです。 どんな卑怯な手を使っても構いませんので、10回、富士本の乳首を摘んで下さい、」

 

一貴:「…?…」

佳枝:「お手柔らかにお願いします、」……富士本、左手の掌に右手の拳を当てる中国武術風の挨拶のポーズ、

理夜:「始め!なのです、」

 

で、開始の合図と共に富士本の中段突きが、僕の鳩尾にズッポリ食い込んでいた。 正確には一撃目を顔面に喰らい、二撃目で鼻をカチアゲラレて、後ろにツンノメって体勢を崩された様な気がした時には既に三撃目の中段突きが極っていて(開始の合図から此処迄0,3秒)、何だか自分の身体とは別の処で鈍痛を感じた様な気がしたら何時の間にか僕はその侭畳の上に倒れて踞っていた、

 

 

 

ーーー

理夜:「お兄ちゃん、幾らなんでも早過ぎるのです、」……何らか強制的に意識を取り戻す魔法の薬を嗅がされて、僕は涎と血を吐き零しながら自律呼吸を取り戻す、

一貴:「…うぅ、…攻撃して来るとか、…聞いてない、…」

理夜:「対人戦闘の訓練なのです、攻撃して来て当然なのです、」

佳枝:「大丈夫ですか?」……僕は富士本に手を借りて膝をぐらつかせながら立ち上がり、

一貴:「…任せて、…」……意味不明な台詞で兎に角必死なのを取り繕う、

 

一貴:「でも、何で乳首を摘むのが対人戦闘の練習なんだよ、」……僕は呼吸を整えつつ、嗚呼、内臓が破裂した気がする、少なくとも腐ったかも、

佳枝:「お兄さん、打撃の練習はモノを摘む感覚がコツなんです。 どうしても撃つ、当てる、追いかける、事に意識が行ってしまうと、相手を弾いて御終いになってしまいがちです。 それに相手を殴ろうとすると力一杯の気持ちが強くなって体全体がキュッと縮んでしまうんです。 速くて強い打撃には、縮む筋肉に邪魔されない状態で伸ばす筋肉をフルに活用する必要が有ります、その為には相手の懐に入ってシャツに付いたゴミを摘み取る、位の感覚が丁度いい訳です、」

一貴:「成る程、それで乳首、」……でも富士本は容赦なく本気で攻撃して来る訳だ、そんなのどう考えたって無理ゲーだろう、

理夜:「乳首摘めるご褒美が有れば、何度打ちのめされても立ち上がれる筈なのです、」

一貴:「上等だ!」

 

で、3秒後、再び僕はマットに沈む?

 

 

 

ーーー

理夜:「弱過ぎです、」……頭がぐあんぐあんする、命の危険を感じる、、

 

床に転がった虚ろな視線でチラリと覗き見た富士本のノーブラFカップは、…プルンと自己主張していて、

 

一貴:「くそっ、やってやろうじゃないか!」……僕は、何とかカンとか自力で立ち上がり、

理夜:「仕方ないのです、富士本、最初の一発目はお兄ちゃんに攻撃させて上げるのです、」

佳枝:「解りました、……はい、」……って、富士本両手を拡げてハグ待ち体勢、其処迄馬鹿にされてて良いのか!

 

一貴:「ふぅっ、…」……僕は肩の力を抜いて、ゆっくりと右の手を富士本の胸に向って差し伸ばし、その距離僅か5cm、でも未だ一撃目じゃないから富士本はピクリとも動かない、

理夜:「お兄ちゃん結構卑怯なのです、」

一貴:「うるせー、どんな手を使っても良いって言ったじゃんかよ、」……僕は結構マジになっていて、後ほんの3cm肩を前に出せばそのスエットのシャツを内側から押し上げている乳首に届く訳で、

 

僕が指を、腕を、肩を、上半身を、恐らく人間の反射神経で対応しきれない程の素早さで50cm近くは指を突き出したにも関わらず、……それと殆ど同じ素早さで、僕の指先と富士本の乳首の相対的な距離が全く変化しない状態で、富士本は右足を半歩進めて体を躱し、入れ替わりに富士本の右の掌底が僕の顔に触れたと思った時には、

 

僕は床に転がって耳鳴りを聞いていた、

 

理夜:「結構道のりは遠そうです、」

佳枝:「お兄さん、大丈夫ですか?」

 

一貴:「…は、は、……」

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