真っ青な空の真ん中で、
僕は一人きり船のデッキで風に吹かれながら、寄り添うように滑空する一匹のカモメにパン屑を投げてやる、
一貴:「お前も迷子なのか?」……いや、富士本にボコられた自分の不甲斐無さに一人黄昏ているだけなのだけれども、
理夜:「お兄ちゃん、お昼ご飯できたのです、」……振り返ると風にハタメク洗濯物の下に、白いワンピースの可愛らしい女の子、
一貴:「ふっ、」……うん、加茂理夜は可愛い、それは譲れない、
理夜:「どうしたのですか? 何だか気持ち悪いのです、」
一貴:「なあ理夜、僕達って失われた王族の血を引く、言ってみれば隠れ勇者みたいなモノなんだろ、それなら秘められた特殊スキルの発動とか突然目覚める真なる力とか、無いのかな?」
理夜:「無いこともないのですが、封印を解く為には同じ王族の血を引く処女を生け贄として聖魔神竜に捧げる必要があるのです、何なら今晩協力してあげるのです、」……加茂理夜はニヤニヤしながら僕の背中にぎゅうっと抱きついて来る、
一貴:「お前いい加減その「のです」止めたら? どうせこの船には僕達しか乗ってないんだろ?」……正確には、完全自動運転の船内には僕達の他には加茂家の忠臣である船長と後、航海士が一人が乗っているだけだった、
理夜:「完璧に敵を欺く自然体のキャラ設定を自分のモノにする為には坐作進退、何時如何なる時にも弛まぬ努力が大切なのです、」
一貴:「疲れないの?」
セントマーキュリー号、全長63.1m、全幅11.45m、重量1170ton、恐らく一般には出回っていない近未来的装備を満載した完全オーダーメードな銀色鏡面仕上げの船体は、空の青と海の藍に融け込みながら2基の3000kWエンジンが25kt(約時速46km)で海原を蹴って波飛沫の上を疾走する。
一貴:「それにしても豪華な船だね、」……シャンデリアとか、クリスタルの階段とか、ペルシャ絨毯とか、大理石張りの風呂とか、
理夜:「国賓を招いてパーティをやったりする時に使うのです、」
一貴:「改めてお前んちって凄いよな、」
理夜:「何時でもうちの子になって良いんですよ、お兄ちゃん、」
一貴:「うん、考えとく、」
ーーー
そしてとびっきり豪華でお洒落なダイニングへ、
佳枝:「お待たせしました、」……今日のメニューはカレーらしいが、
いや、作ってもらってばっかリで何一つ意見出来る立場に無い事は重々承知している僕なのだけれども、敢えて敢えて言わせてもらえるのであれば、富士本は可也特殊な味覚の持ち主だと言えるかも知れない、恐らくレンジでチンするご飯にレトルトを暖めただけのカレーが何でこうなる??
佳枝:「野菜が足りないといけないと思って、ミニトマトとオクラを入れてみました、」……その優しさは限りなく健康に良さそうな生、
ーーー
食事の後、
佳枝:「お兄さん、洗濯物があったら出して下さい、」
処でこの船には海水を吸い上げて蒸留しその後逆浸透膜濾過で純水にする装置が積んであるらしく、比較的贅沢に綺麗な水が使いたい放題だった。 電気はと言うとクルーザーの天板に敷き詰められた太陽電池とエンジンの排熱を利用したランキンサイクル式のコジェネレータで発電、船倉の一画を埋め尽くす電気自動車用のリチウムイオン電池に充電して、それで大体1日分の電気は貯めておけるという事らしい、
一貴:「何だか悪いから教えてくれれば洗濯くらい自分でするよ、」
佳枝:「ご心配されなくとも、ちゃんと私の汚れ物とは分けて洗いますよ、」
一貴:「そうだよね、やっぱり僕のと一緒に洗濯機まわすのは嫌だよね、」……理屈では解っていてもやっぱり一寸寂しい、
理夜:「そうじゃないのです、富士本はお兄ちゃんが嫌がるんじゃないかと心配しているのです、」
一貴:「そうなの? 僕なら全然気にしないのに、」
佳枝:「でも、」
理夜:「富士本は極度に階級を意識すると言うか、自分を卑下すると言うか、兎に角自虐的なのです、こんな大きなおっぱいしてる癖にカラッキシ自分に自信がないのです、」
一貴:「そうなの?」
理夜:「以前お兄ちゃんに据え膳突っ返された時には1週間位は凹んでいたのです、」(注、025話参照、)
一貴:「意外!稀に見る奥ゆかしキャラなんだ、」……こんなに美人で強くて何でも出来るのに、(注、料理を除いては、)
理夜:「お兄ちゃん、良い機会だから富士本に自信を付けさせるのに協力するのです、男に色々チヤホヤされれば多少は自尊心も擽られて自分の価値を再認識すると思うのです、」
ーーー
と言う訳で僕達は超豪華ホテルのラウンジが霞んでしまいそうな応接用キャビンに移動、ラブラブ本革仕様のソファにふっかり並んで座ってみる。 確かに慣れてなくって照れている様子の富士本が何だか可愛い過ぎて辛い。 毎日道場で僕をボコボコのタコ殴りにしてくれているのと同じ人物だとは到底思えない、
理夜:「それでは二人で手を繋ぐのです、」
一貴:「え?」
理夜:「初心なネンネの振りは止めるのです、手ぐらいさっさと繋ぐのです、」……ちょっと、手汗が恥ずかしい、
理夜:「さてお兄ちゃん、富士本みたいな美少女と手を繋いでくっ付いて座って居たらどんな気持ちになるか教えてやるのです、」
一貴:「緊張する、かな、」
理夜:「緊張してどうするのですか、馬鹿ですか? ここは「欲情する」以外の選択肢なんか何処にも無いのです、」
一貴:「欲情?」
理夜:「女は自分に欲情する男の姿を見て始めて優越感に浸る事が出来るのです、」
一貴:「最早おっさんの発想だな、」
理夜:「それともお兄ちゃんは富士本とくっ付いて座ってても何一つ感じないと言うのですか? それは余りにも富士本に対して失礼だとは思わないのですか?」
一貴:「そう言われれば、確かに可愛いなとか、綺麗だなとかは、思うけど、」
佳枝:「あ、りがとう、ございます、…」
理夜:「なんで素直に「良い体してんな」って言え無いのですか? それとも富士本の体は見窄らしくて見るに耐えないですか?」
一貴:「そんな訳ないだろう、」
理夜:「じゃあ、ムラムラするのですね?」
一貴:「まあ、しないことはない、」……富士本、真っ赤になってる、
理夜:「さてお兄ちゃん正直に答えてください、」
理夜:「これまでに富士本をオカズにした事が有りますか?」……手汗が酷い、どっちのだ?
一貴:「なんでそんな事言わないといけないんだよ!」
理夜:「判りました、そう答えた時点でオカズにした事が有るという事は明白になったのです、」
一貴:「ないよ、…」
理夜:「それは富士本ではオカズにはならないと言う事なのですか? やっぱり富士本では勃起しないですか? だから据え膳ひっくり返したのですか?」
一貴:「そんな事言ってないだろ、」
理夜:「では聞き方を変えるのです、オカズにしたいかしてもいいかしたくないかで言えばどちらですか、」
一貴:「そんな聞き方したら、したいに決まってるじゃない、」
理夜:「ほほう、具体的には富士本のどの部分が良いのですか?胸ですか胸ですか胸ですか?」……極度コンプレックスが見え隠れする、
一貴:「全体的にプロポーションが綺麗で、って富士本に失礼だろ、」……言ってて自分で恥ずかしくなった、
理夜:「別に失礼な事を言えとは言ってないのです、どの部分が素敵かを言ってくれればいいのです、」
一貴:「それなら全部、と言って置こう、」
理夜:「そう来ましたですか、つまり足の指の股から脇の下から白い滓の溜まったクリトリスの包皮の隙間まで全部ですね、」
一貴:「お前、中の人一体誰なんだ?」
理夜:「知ってましたか、こう見えて富士本は結構油足なのです、それでも富士本の全部が良いと言い切れるのですか?」……富士本、今にも死にそうな顔で貝の様に固まっている、
一貴:「全然言い切れるね、良いじゃないか油足くらい、」
理夜:「なら当然富士本の履いた靴の匂いを嗅いでも絶対に嫌な顔したりしないですよね、」
一貴:「しないに決まってるだろ、」
理夜:「富士本、靴を脱いでお兄ちゃんに匂いを嗅いでもらうのです、」
佳枝:「えええっ?」
一貴:「人が嫌がることは止めようよ、」
理夜:「やっぱり臭いから匂い嗅ぐのは勘弁という事ですね、嘘ついてたのですね、何となく富士本は臭いと言うのですね、」
一貴:「そうは言ってないよ、」
理夜:「なら証明するのです、富士本、早くするのです、」……何故か、すごすごと命令に従う富士本、
一貴:「富士本さん、無理に嫌な事しなくても、…」
佳枝:「大丈夫ですから、臭かったら臭いって言って下さい、」……無理矢理に拵えた笑顔は半泣きになってる、
それで恐る恐る鼻腔に吸い込んだパンプスの奥の香りは、……何だか一寸ぬわっとしてつんとして、
理夜:「どうです、女の靴の匂い嗅いで欲情しましたか?」
一貴:「別に、普通だよ、」
理夜:「富士本の靴の匂いでは欲情するに値しないと言うのですね、」
一貴:「いちいち人の言った事に棘付けるの止めろよな、」
理夜:「お兄ちゃん、ほら見るのです、どんどん富士本の「自信ゲージ」が減っているのです、お兄ちゃんの所為なのです、」……富士本、可愛そうに真っ赤になって俯いて、
一貴:「欲情してます!本当はムラムラしてます!」
理夜:「ではその証拠にちんこ勃起しているかどうか見せてみるのです、」
一貴:「嫌だよ、」
理夜:「やっぱり富士本では勃起しないのですね、口では調子の良い事言っても体は反応しないという事なのですね、」
一貴:「理夜、いい加減にしろよ、いくら僕でも怒るぞ、」
理夜:「理夜はこう見えても結構Mなのでお兄ちゃんに怒られるのはご褒美の一環なのです、」
一貴:「ふーん、判った、」
僕はすっくと立ち上がって加茂理夜を抱っこ、膝の上に載せて、
理夜:「急に何をするのですか?」……僕は真っ赤になってジタバタする加茂理夜をぎゅうっと抱きしめて、
一貴:「そんな友達思いの可愛い理夜にお仕置きという名のご褒美をあげよう、」
脇腹&足の裏、擽り攻撃5分間:「「…!!絶叫!!…」」
加茂理夜ガン泣きでおしっこちびる、