※この作品はR-18です。

マスタースレイブ・リストリクテッド   作:ランプライト

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078「ストーカー」

午後の授業が終って生徒達がパタパタと教室を後にする頃、来客用駐車場に一台の黒いメルセデスEクラスが停まり、

 

佳枝(通信):「藤塚先輩の車が到着しました、」……学校の門の陰に隠れて監視していた富士本から連絡が入る。 ベンツから降りた文華はエレガントな黒のイブニングドレス、泣きたくなる位に綺麗なのに、それは翠川に見せる為のモノであって、……僕はその事が堪らなく切ない。 後部座席のドアを閉めるのは例の背の小さなスーツの女性、どうやら彼女が運転手も兼ねて居るらしい。 文華は付き人に従われながらゆっくりと職員室のあるマナーハウスに向う、

 

一貴:「はあ……、」

理夜(通信):「溜息つくと幸せ逃げるのですよ、」……僕は敷地内の遊歩道を通って裏口から敷地の外へ出て、隠してあったマウンテンバイクに跨って翠川の自宅を目指す。 11月のイギリスは午後の18時過ぎにはもうとっぷりと日も暮れた真夜中の様相で、僕は街灯一つ無い真っ暗な一本道を只管ペダルを踏み締めて自転車を進ませる。 時折後ろから追い越して行く車は対向二車線の田舎道だと言うのに御構い無しの時速50マイル(時速80km)、

 

佳枝:「翠川と藤塚先輩が車に乗って学校を出ました、この侭追跡します、」……それで一分もしない内に僕を追い越して行く黒のベンツ、で、10秒遅れで後を追う富士本の黒いトライアンフ、……富士本、すれ違いざま左手をチラリとあげて僕にGood Luckの合図、

 

 

 

ーーー

やがて10分程走ると左手に小さな住宅街が見えて来た。 其処へ入って、グニャグニャと曲がりくねった煉瓦の道を進み、小さなランナバウトを二つばかり抜けた先に、しんと灯の消えたドンツキの一軒家がどうやら翠川の家らしい。 僕はスマホのマップで現在位置を確認し、それから再度辺りの様子を伺う。 周りは極普通の民家らしく子供達の笑い声が聞こえてくる。 僕は怪しまれない様に少し離れた処で自転車を降りて、其処から歩いて翠川の家にアプローチする、……チラリと仰ぎ見た家の壁には警備会社の外付け機械が防犯装置が作動している事をこれ見よがしに主張している、

 

理夜(通信):「先ずは防犯設備をチェックするのです、」……で、持ってきた機械のスイッチを入れると、スマホの画面に家の外観が表示されて防犯設備の設置されている場所が赤い点滅で示される、

理夜(通信):「何だか拍子抜けに大した事ないのです、」……それで、加茂理夜が遠隔操作で防犯機器を一時停止させる、当然警備会社には異常なしの信号を送り続けている、

理夜(通信):「OKです、」

 

僕は落ち葉が敷き詰められた庭を歩いて、歴史を感じさせるかなり古い造りの重々しい扉の前に立つ。 それから加茂理夜製?のピッキングキーを鍵穴に差し込むと、鍵穴の中で鍵の形状が再現されて、ものの2秒でロックが解除される、

 

佳枝(通信):「翠川と藤塚先輩は高速に乗りました、この侭ロンドンに向かう様です、以後は状況に応じて連絡します、」

一貴:「了解、」……二人が何処に行って何をするのかは気になる処だが、お陰で暫くは家捜しに没頭できそうだ、

 

玄関を入った所に靴箱とスリッパ、日本人らしく其処で靴を脱ぐ様になっている、僕は履いて来たトレッキングシューズの侭、その上から足跡が残らない様に特殊なスリッパを履いて家の中へ。 室内は極普通の作りで、……一階はリビングにダイニングにキッチンに、ボイラーと温水タンク室、それとトイレが一つ、階段を上がると、書斎に、ベッドルームが二つ、一つは洗濯物を渇かす部屋になってる、それから浴室。 陰陽師とか「裏」とか、そう言った関連グッズはパッと見、何処にも見当たらない。

 

一貴:「それほど厳重な感じでもないけど、こんな処に命を狙われる事になるかも知れない重要な情報を隠しておいたりするのかな?」

理夜(通信):「先ずは書斎から調べてみるのです、」……で、コンタクトレンズカメラを通じて同じ視界を見ている加茂理夜と一緒に家捜しを始める、が、

 

結局書斎をひっくり返してみても、其れらしい書類も電子機器の反応も何もなかった。 隣の主寝室のクリーゼットの中も、極普通の学校の先生っぽい衣類のみ、洗濯物が干してあるもう一つの寝室の中も特にこれと言った手掛かりは無し、

 

一階のダイニングにノートパソコンが置いてあった、……

早速起動させてみる、パスワードは何時もの通りに加茂理夜が外部からハッキングして解除、自動探索ツールで片っ端からデータを開封していく、が、矢張り大したネタは見つからない、ネットからダウンロードした如何わしい画像と映像が数枚、それとお笑い番組の動画?が一本、 ハードディスクにはどうやら怪しいファイルは見当たらなくて、僕らは再びジリ貧になって少し焦り始める、

 

理夜(通信):「やっぱり可笑しいのです、」

一貴:「今度は何が?」

理夜(通信):「エロ画像が少なすぎるのです、」……また其処かよ、

一貴:「もういい歳した大人なんだから、高校生みたいに頭の中エロで埋め尽くされてるって事は無いんじゃないの?」

理夜(通信):「そんな筈は、……あ、……分ったのです、」……それで再びリモート操作でファイル検索を開始する加茂理夜、

 

理夜(通信):「ビンゴなのです、最近アクセスしたクラウドがある様です、中身を見てみるのです、」……で、どこぞのネット内サーバーにアクセスして、……パスワードも軽く突破、すると、

 

デテクルデテクル、膨大な容量のクラウドサーバーには、やはり膨大な数の画像と映像、ファイル数は軽く10万を超えて、内容は結構マニアックなエログロケモノ、

 

理夜(通信):「此処まで行くと流石に引くのです、ある意味尊敬です、」

一貴:「エロはもう良いから、室戸を検索しようよ、」

理夜(通信):「了解です、」……で、自動検索ロボットがクラウドサーバー内のファイルを片っ端から検証し始める。 しかし膨大過ぎて結構時間がかかる、……それで20%程検索した所で未だ一つも「室戸」「むろと」「MUROTO」、及びそれらから想定される暗号化WORDは見つからない、……何故だか室戸台風の記事が出て来た、

 

一貴:「ん?」……一瞬、気になるFileネームが光の早さでスクリーンを飛び退った、

一貴:「ちょっと待って、」

 

Fumika?……確かに又、Fumikaの名前のフォルダーが出て来た、

 

一貴:「理夜、文華で検索掛けてみてくれないか?」

理夜(通信):「了解なのです、」……で、Fumikaで検索をかけてみると、途端にざくざくと出てくる画像フォルダー。 上から一つ選んで中身を開けてみる。

 

恐らく学校に通っていた時代のまだ少し幼さの残る文華の写真。 翠川のお気に入りの生徒だとは聞いていたが、

 

一貴:「何だ、これは、…」

 

それは明らかに常規を逸していた。 記念撮影、学校のイベントのスナップ写真、それならまだしも、学内の監視カメラに映った文華の画像、そして明らかに違法と思われる盗撮のアングル、フォルダーの名前は……「文華のパンツ写真集」、「文華の靴下写真集」、「文華の太ももフォルダー」、「文華の脇画像集」、「文華の胸の膨らみ」、「文華の可愛いお尻」、……細分化されたフォルダーには更に細かく分類された無限とも思われる盗撮写真、そして「極秘ファイル」と書かれたフォルダを開くと其処にあったのは、「トイレの盗撮映像」、局部は映っていないものの、壁の下の隙間から覗いた両足の間を零れ落ちる文華?のおしっこの映像が映ってる、……そして更衣室の着替えの写真、下着姿に、乳首まで写っている上半身裸の写真!

 

そして僕もかつて見た事のある「早乙女と抱き合っている写真」、恐らくそのオリジナルと思われるもの、早乙女以外の生徒との実習風景の写真もある。 これはもはや疑いようもなく、……

 

一貴:「こいつストーカーだ、」

 

続いて其れらしい名前のスプレッドシートを開けてみる。 中には表の形で整理された個人情報、……文華の生年月日、血液型、身長、体重、スリーサイズ、学校の身体測定のデータが全部事細かに書き込まれていて、更には、生理のスケジュールや、食べた食事まで!

 

一貴:「こいつ、…」……僕以外がこんな事を知っている事が許せない、

 

一貴:「こんなモノ、全部デリートしてやろうか!」……とマウスを操作しかけた僕を理夜が止める、

理夜(通信):「駄目なのです、アクセスした形跡を消さないといけないのです、ファイルを弄っては駄目です、」

一貴:「でも、こいつ、……変態だ、」

理夜:「お兄ちゃんと出会う前の事なのです、それに藤塚先輩の事がとても好きだ、と言い換える事もできるのです、」

 

それだけでは済まなかった、

キッチンの冷蔵庫には、文華の名前の書かれた小分けのビニール袋に、……おそらく文華が口を付けた使い差しのグラス、コーヒーカップ、スプーン、文華の髪の毛らしきモノ、そして下着類迄、

 

更にキッチンの地下収納には、……ロープ、手錠、目隠し、ボールギャグ、所謂SMグッズと呼ばれる小道具が溢れかえっている、

 

一貴:「コイツヤバい、」……こんな男と文華は、今一緒に居るのか?

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