※この作品はR-18です。

蟲の王   作:ふくふくろう

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能磨学園9

 

 

 

 笑っちゃうくらい広い庭。

 自転車くらい置きません? と言いたくなるほど長い廊下。

 それらを抜けて辿り着いた、風の流れから察すると迷路のようになっていて侵入者を足止めする作りになっているらしい大豪邸の一室で、普段着の委員長ちゃんは僕を出迎えた。

 

 さっきの桃さんが見せたような諦めの表情を浮かべた委員長ちゃんは、僕を部屋に通すなり平謝り。

 あの母親の事だから絶対かなり強引に連れてこられただろうし、その途中で失礼もたくさんあったでしょうと。

 

 気にしないでと言って僕がソファーに座ったのにまだ立って深く頭を下げている委員長ちゃんを宥めていると、佐伯さんが芸術品みたいな銀のワゴンをいくつも引いてきて、テーブルの上にグラスや食器を次から次へと並べ出す。

 それ終わると次に出てきたのは、見るからに高級そうなツマミっぽい料理。

 そして高そうな、シャンパンなんかのお酒。

 

「あの、佐伯。夕食にはまだ早いし、それにお酒なんて。霧と六道さんはまだ高校生で」

「奥様の指示でございます。初日ですし、今日はお酒でも酌み交わして親睦を深めるようにと」

「でも未成年がお酒なんて」

「ご安心ください、お嬢様。お酒の愉しみ方はもちろん、お嬢様が望まれるのならお酒を飲んだ男女のすべき事もマイ・ロード、六道様が優しくお教えしてくださいます」

「ええっ!?」

 

 3年間もずっと同じ教室で過ごすクラスメイトじゃなかったら、それこそ手取り足取り教えるけどなあ。

 

(いいから2人並べて喰っちまおーぜ、とーちゃん。佐伯ってのはいかにもタフそうだから、ムチャだってできそうじゃんか)

(ととさまの3P技は世界でいっちばんなのっ♪)

(しないって)

「では、佐伯はこれで。料理やお酒のおかわり、それと特に初体験の介添が必要でしたら、いつものようにお呼びください。では」

 

 そう言って佐伯さんは連結したワゴンを引いて部屋を出てゆく。

 残された委員長ちゃんは初体験と言われたあたりから「はぅ~」とか「あぅ、あぅあぅ」とか変な声を出して固まっているので、再起動に時間がかかりそう。

 

「なら飲んでおこっかな」

(いーなー。とーちゃん。酒は間違いなく高級品だし、料理もなんか見た時ねーのばっか)

(食べさせてあげたいけど、人様の家だからねえ)

(でもでもっ。でっかいテーブルには椅子が4つあって、その2つは明らかにセイとフウカ用なのっ)

(うん。明らかに座る位置が高いもんね。だから、委員長ちゃんがそれを思い出すまで待って。飲み食いできるのは間違いなさそうなんだから)

(むきーっ。地味メガネ爆乳ド淫乱、早くこれ食わせろーっ!)

(そうなのっ。じゃないと縛り上げてメイドさんとのセックス見せつけて、大好きなオナニーすらさせてあげないのっ!)

 

 それもいいなあ。

 委員長ちゃんの私服は白いニットのセーターに、丈が短くも長くもない淡い緑色を基調としたチェックのスカート。

 このセーターをずり上げてスイカみたいなおっぱいを露出させて、後ろ手の開脚縛り。

 となると、次の問題はパンティーをどうするかだ。

 

(あ、このシャンパン美味しい)

 

 パンティーのクロッチに淫液が染みてゆくのを見て指摘して愉しむか、最初から脱がせちゃって処女膜まで見られてるのにトロトロトロトロ垂れてくる淫液を見て指摘して、なんならスマホで自分のアソコがどんな状態か観察させて。

 

 うーん、悩むねえ。

 

(乳首に洗濯ばさみは譲れねえぜ)

(それとぶっといディルドをアナルにぶち込んでおくのっ♪)

(んで、そんな委員長ちゃんには、自分のメイドさんの愛液と僕のザーメンの味はどうだって聞きながら、お掃除フェラだけをさせるのかあ)

(とーぜん、イマラからのな。あれ、イラマだっけ?)

「あっ。ろ、六道さん!」

「はいなー」

「あの子達、えっと、セイちゃんとフウカちゃん。あの2人も自由にしてもらっ」

「サンキュー!」

「ありがとなのっ!」

「話の途中だったのにごめんね、委員長ちゃん」

「いえいえ。たくさん食べてくださいね。セイちゃん、フウカちゃん」

 

 ようやく再起動した委員長ちゃんが席に着いたので、僕が飲んでいるシャンパンをそのグラスに注いでおく。

 

 飲酒に抵抗があるんなら飲まなくていいよと言ったんだけど、興味はない訳じゃないようで、委員長ちゃんは何度かシャンパンを舐める程度だけ飲んでいた。

 

「はー、食った食った。ごっそさんっ」

「ごちそうさまでしたなのっ♪」

「ホントごめんね、委員長ちゃん。ごちそうさまでした」

「いえいえ」

「んで、僕がここに連れてこられた理由なんだけど。委員長ちゃんは聞いてるんだよね?」

 

 怯え。

 隠し切れないそれを隠して、委員長ちゃんは頷く。

 

「でも男性恐怖症、だっけ? そんなんどうやって治すんだよ?」

「それなんだよねえ。僕なんかが想像できるのは、徐々に慣れてくって事くらいだし」

「あの、お母様もそう言ってました。別にただの雑談でもいいし、今なら私がどんな武器を習うべきかとかにアドバイスをもらいながら、徐々に徐々に慣れていけって」

 

 なるほど。

 欲望に忠実だし、見てて心配になるくらいのほほんとしてるけど、その辺はちゃんと考えてるのかあの人。

 まあ、自分の娘のこれからの人生に関わる問題だもんなあ。

 

「なるほどなるほど。じゃあ、武器の話からだねえ」

「それなら、隣のリビングに本や映像なんかの資料があるそうです」

「オレとセイはまだここで飲んでっから。いってらー」

「あんま飲み過ぎないでよ? 僕らはザルなんだから、少しは遠慮しないと」

「はいはい。とーちゃんはこれな。話しながら飲むといい」

 

 そう言ってフウカが押して寄越したのは、まだ封も切っていないビンの中でも特に大きな物。

 一升瓶だ。

 

「日本酒かあ。あっちじゃよく飲んだけど、そういえばこっち来てからはないね」

「だから飲みてーだろうと思ってさ。いいよな、委員長ねーちゃん?」

「六道さんが大丈夫なら私は気にしません」

「ありがと。じゃ、行きますか」

「はい」

 

 委員長ちゃんに案内されたのは、ドアを1つ抜けるだけで辿り着いた広い部屋。

 まさしくリビングって感じだけど、ちょいちょいおかしな点がある。

 

 対面式の2つソファーと、その間にある大きなテーブル。

 テーブルの上にはたくさんの本とノートパソコン。それに灰皿とポットと急須と湯飲みが乗せられたお盆、お菓子と果物が乗せられているカゴが1つずつ。

 んで果物やお菓子があるんだから、箱ティッシュがあるのはわかる。

 

「な、なんでティッシュの横にローションが……」

「化粧水がどうしたんですか?」

 

 真顔でそう聞くって事は、委員長ちゃんはあれがエッチな方のローションだって知らないのか。

 

「いや、なんでもないです」

「そうですか。では、まず映像を流すのでアドバイスをお願いします」

「はーい」

 

 その映像を見る方法もちょっとおかしい。

 武術の映像なんだろうけど、ソファーから等分に見渡せる壁には見た事もないほど大きなテレビがかけられているんだから、そこに繋いで映像を出せばいいだけなのに。

 わざわざ小さなノートパソコンで見せるってのは、やっぱりそういう意味なんだろうな。

 

 あのお母さん、もしかしたら今夜って言ってたし。

 

 ノートパソコンの画面がちゃんと見える、そして男性恐怖症だという委員長ちゃんからできる限り距離を取った位置に座り、一升瓶の注ぎ口に引っ掛けられていた茶碗に日本酒を注ぐ。

 

 僕がひさしぶりの日本酒に口をつけると同時に、ノートパソコンは使い込んでいるのが一目でわかる板張りの床と傷だらけの壁が見える道場を映した。

 

「最初は剣術みたいですね」

「うん。防具と竹刀を使った稽古もある流派みたいだから、とっかかりとしてはいいかもね」

「防具なんて映ってませんし、おばあさんが持っているのは木刀ですよね?」

「道場の壁、傷だらけでしょ。あれは剣道なんかの竹刀稽古で使う『面』って防具が壁に激突して付いた傷なんだ。竹刀かはわからないけど、防具を使ってそれなりに激しい稽古をしてる証拠だね」

 

 剣の稽古が激しいのなんて当たり前で、よく僕も下手な打ち込みをしてはアヤカさんに壁に向かってぶん投げられた。

 その時たまたま稽古を見ていたティファニーちゃんが「防具があれば少しはマシなのににゃあ」なんて言って、その日のゴハン中に普通の剣術道場がどんなものか教えてくれたのを覚えている。

 普通がいいなあと僕が言うとティファニーちゃんは、「吉喰流はキチガイ流って言われるくらいだからにゃあ」と笑っていたっけ。

 

「なるほど。では、とっかかりとはどういう意味なんですか?」

「そのまんま。とりあえずこういう道場で剣術ってのを齧ってみて、続けられそうなら他にいい流派がないか探したりすればいいんだし」

「知りませんでした。流派とかは、一度決めたら死ぬまでそうだとばかり」

 

 マジメだなあ。

 

 そう思って日本酒を飲みながら委員長ちゃんに目をやると、ノートパソコンに映るしわしわのおばあちゃんの演武を食い入るように見るあまり、前へ小さな体を倒し気味にしているのに気づいた。

 

 自宅にいる委員長ちゃんはもちろん、学校の制服じゃなく私服。それも春物のセーター。

 でもって前に体を倒すと、そのお胸は自分のふとももにゆっくりと接近していって。

 あと少し、、もうちょっとで……

 

 ふにょんっ♡

 

 おおっ。

 爆乳がいやらしく形を変えるナイスなシーン、いただきました!

 

「これは。なかなかですよね?」

「うん。いいねえ」

 

 やっぱり、こういう眺めをツマミに飲むお酒は美味しい。

 

「ふー。終わりましたね」

「終わっちゃったねえ」

 

 根がマジメだからか委員長ちゃんは、映像が途切れると同時に背筋を伸ばし、ポットのお湯でお茶を淹れている。

 委員長ちゃんがそれを口に運んでテーブルに戻すと、次の映像が流れ出す。

 

 ……これ、かんっぜんに監視されてるでしょ。

 

 まるで僕の考えを肯定してくれるように、その次の映像へ切り替わる時さっきみたいな間はなかった。

 今度は若い男女の演武だけど、また剣術。

 これで最初の映像から3連続で剣術の演武になる。

 

「やっぱり剣術が多いんですね」

「だねえ。まあ、基本中の基本だろうし。今は昔みたいに刀を佩いて歩きはしないけど、槍や弓より取り回しがいいから」

「携帯性も重要なんですね」

「うん。道場で戦うんじゃなく、例えば森の中とかだと槍や弓はキツイね。だから普通は同時に剣も学ぶし、人によっては銃も使う」

「やっぱり剣術でしょうか」

「まだわかんないって。映像は終わってないし、本だってこんなに積んである。急いで決めない方がいいよ」

「はい」

「でも、一番いいのは身近で最も強い人が武術を教えてくれるか聞いてみる事だと思うけど。せっかく僕でも剣のみで相手したらヤバイくらい強、……違うな。棗さんがそうだったように、師匠達も僕に教えたかったんだ。まあそんな人が近くにいるんだから、まずその人に頼んでみるのがいいんじゃないかな」

 

 棗さんは僕に、上には上がいる事を知っておけと言った。

 それが夜宮さんで、僕は棗さんの読み通りあの人に完敗している。

 

 僕が佐伯さんと立ち合っても、きっと勝てはしないんだろう。

 

「それはもしかして、うちの佐伯の事ですか?」

「うん」

「私、聞いてきます!」

 

 委員長ちゃんが勢いよく立ち上がり、さっき通ったドアへ小走りで向かう。

 

 素晴らしいプルンをありがとう。

 もうちょっとスカートが短ければなあって、おおっ。

 おっぱいおっきすぎて、後ろ姿でもお胸が揺れてるのがバッチリ確認できるんですけどっ!?

 

 

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