「小柄な爆乳ちゃんって、凄い」
隣の部屋に後ろ姿が消えたから僕はそう呟いたんだけど、その言葉が終わる前に閉じかけていたドアが開き、それを背中で閉めるようにして委員長ちゃんがこっちの部屋に戻ってきた。
ビックリするくらい、顔が赤い。
「あー。いちおう聞いとくけど、大丈夫?」
「はっ、はい! それと本当に、本当にごめんなさいっ!」
最敬礼。
体を90度、直角に曲げての謝罪。
それをしていた小柄な体がドアに押されて、委員長ちゃんがつんのめる。
「きゃあっ!」
「大袈裟ですよ、お嬢様。ちょっとドアでお尻を押されただけじゃありませんか」
「さささささ、佐伯っ!」
「はい。どうなさいましたか、お嬢様」
澄まし顔で問う佐伯さん。
それを後押しするように、その足元に2つの小さな人影が現れる。
もちろん、セイとフウカだ。
「そう怒んなって、爆乳ねーちゃん。佐伯ねーちゃんのクンニはなかなかだったから、オレとセイも愉しめたし」
「そうなのっ。愛のある舌使いができる人に悪い人はいないのっ!」
「はいはい。いいからまず、服を着ようね」
セイとフウカは当り前のように全裸。
委員長ちゃんがあまりに慌ててたんで何事かと2人の視界を確認したら、子供用の椅子をピッタリくっつけて並べて、それに座りながらメイド服の佐伯さんに股間を舐めさせていた格好のままだ。
「本当にごめんなさい、六道さん!」
「いいっていいって。本人達、セイとフウカから望んだんだろうし。謝るんなら僕の方でしょ」
「どちらも謝られる必要はございません。それより、お嬢様は佐伯に御用があったのでは?」
「い、今はそれどころじゃ」
「いいからいいから。ほら、委員長ちゃん。本気なら、ちゃんとお願いをしないと」
「あっ。は、はい」
ドアを開けるまでは心が浮き立って、開けてからはあまりの光景に湧き出した怒りで感じていなかった緊張が、委員長ちゃんの動きを奪う。
まるで【言霊】でそうされた委員長ちゃんの試合相手のようだけど、佐伯さんはなにも言わずに辛抱強くただ待った。
さすが、大人だなあ。
「はい、ととさま。佐伯っちが追加でくれた軽いおツマミなのっ」
「ありがと。でも、声はもうちょっと静かにね」
「はいなのっ」
大きなお皿を小さな体で、全裸のまま運んできてくれたセイと僕のそんな会話で、委員長ちゃんは動きを取り戻す。
その喉が動いて唾液を飲み込むと、ようやく委員長ちゃんは覚悟を決めたみたいだ。
「あの、その……」
「はい。なんでしょう、お嬢様」
「その…… き、霧に武術を教えてくださいっ!」
再度の最敬礼。
「でしたら明日の朝からお教えしましょう」
「い、いいのっ!?」
佐伯さんが微笑む。
それはまるで、菩薩のような表情だ。
「当然でございます。佐伯はお嬢様のためならばどんな事でもいたしますと、いつも言っているではありませんか」
「ありがとうっ」
「そしてその言葉が本当だというのは、ついこの間お風邪を召した際に、3日も洗っていない腋や下乳やピンク色の秘肉を舌で清めて証明させていただいたはずですよ?」
あ、やっぱ菩薩のはずがないか。
サラさんとアヤカさんの友達だもんね。
「なっ、なにを言い出して、きっ、聞かないでください六道さん! 耳を、耳を塞いでっ!」
「は、はあ。……あーあー、聞こえなーい。聞こえないけど羨ましー。僕も3日とか汗を溜めた委員長ちゃんペロペロしたーい」
今さら耳を塞いだって。
「ろっ、六道さんっ!?」
「六道様。それはお嬢様の男性恐怖症を治す過程で、是非ともお願いいたします」
「やあった」
「ですが今日は初日という事もありますし、お嬢様の学ぶ武術も決まりましたので、ここまででよろしいでしょうか。そろそろ、六道様にお泊りになっていただくお部屋にご案内しますので」
「いえいえ。時間もまだ早いし、僕達は家に」
「申し訳ございませんが、六道様がこの依頼を遂行なされる時、常にこの家にお泊りになると決めたのは奥様なのです。もしそうされたいのでしたら、奥様と煉上の当主様がお酒をお飲みになられる席にご案内いたしますので」
「……あー。ちなみに、その場所には奥さん達以外の方は?」
「おられません」
じゃあ選択肢はなしで、お泊り決定か。
2人の美人さん、それも30代のセックスが上手そうな奥さん2人との3Pは魅力的だけど、ここまで大きな家と、四大家とまで称される家の奥さんと不倫セックスは、できれば避けたい。
そんなリスクを負うくらいなら、酔っぱらって寝ちゃった方がマシだろう。
「なら素直に泊めてもらうんで、そっちの部屋に」
「かしこまりました。セイ姫様とフウカ姫様はどうなさいますか?」
「とりあえずこっちかな。だろ、セイ?」
「もちのろんなのっ♪」
「ではすぐに」
パンパンと佐伯さんが手を鳴らす。
するとわずか数秒でメイド服を着た4人の若い女の人が現れ、深々と僕に頭を下げ、見事に声を揃えて「それではお部屋にご案内させていただきます」と言った。
こ、これはまさか……
「六道様」
やけに似ている4人のうち、一番左に立っている美人メイドさんがそれとなく僕を促す。
「あ、はい。すぐに」
「とーちゃんもしっかりな」
「セイとフウカは、お願いだからはっちゃけないんだよ?」
「へいへい」
「ととさま。じゃあまたあとで、なのっ♪」
「心配だなあ……」
僕が案内されたのはさっきまでいた、委員長ちゃんとノートパソコンを覗き込んでいた部屋と同じようなリビングルーム。
そのソファーに腰を下ろすと、さっき飲んでいた日本酒が今度は見事な切子細工のグラスに注がれる。
「気づいておられるようですね、六道様」
「あー。まあ、なんとなく」
「では補足説明を」
「補足、ですか?」
リーダー格らしい一番スレンダーなポニーテールの美人さんが「ええ」と言うと、その隣に3人のメイドさんが並ぶ。
スレンダーな美人さんだってBかCはあるのに、順番に大きくなってゆくお胸のふくらみとお尻。「標準から特大まで、各種取り揃えております」とか言われそう。
でも、いいのかなあ。
フェロモンを操れる僕にしか嗅げないニオイからすると、4人が4人ともすっかりその気みたいだけど。
まずスレンダー美人さんは、この家がメイドにこんな事を命じているどころか、普段ならメイドの方が望んでも決して許さないという事を語り出した。
それなのにこうなっているのは、佐伯さんが奥さんに特別の許可を得たからであるらしい。
きっとサラさんとアヤカさんが絡んでるんだろう。間違いなく。
そして僕の前に立つ4人の美人さんは佐伯さんに僕の写真を見せられ、人となりなんかを説明されてから、この役目に立候補するか決めてくれと言われたらしい。
そして全員が了承すると、佐伯さんは4人にいろいろな訓練を施してくれたんだそうだ。
「……聞くのが怖いなあ、その訓練の内容」
「ならお聞かせせずに体験していただきましょう。まだ訓練を初めて日が浅いのが申し訳ないですが、誠心誠意、心を込めてさせていただきます。さあ、まいりましょう」
「もしかして、お風呂ですか?」
「お嫌いでなければ、ぜひ。お酒もお運びしますし」
「お風呂は大好物ですよ」
差し出された手をそっと握って立ち上がる。
この大豪邸の敷地に入った時から感じているニオイの元、それにゆっくりと、こんな美人さん達と浸かってお酒が飲めるなら、朝までだって入ってたいくらいだ。
「こちらで、まずお召し物を失礼させていただきますね」
「脱衣所ひろっ。服なら、自分で脱ぎますよ」
「いいえ。すべて私達にお任せください。こちらの部屋にお泊りの間、歩く以外のすべての事はこの4人がお世話させていただきます。六道様が指の1本も動かす必要はございません」
いやそんなのムリでしょ。
トイレとか。
「この子、ヨツバはそういったものが大好物ですから。顔でも体でもお好きな場所、口の中へだってどうぞご遠慮なく」
その言葉は、ウソじゃないらしい。
ヨツバと呼ばれた美人さん、メガネの似合う4人の中で一番おっぱいとお尻の大きな美人さんは、「口の中へだって」と言われた瞬間、興奮度のメーターが振り切れるまで上がったからだ。
4人がかりで服を脱がされそれから案内された浴室は、とんでもなく大きな檜風呂に硫黄の香るお湯が、贅沢にもかけ流しになっていた。
「やっぱり天然温泉でしたか」
「お察しの通りでございます。まずは、あちらの椅子へどうぞ。フタバ、お湯で椅子を温めて」
「はい。イチハ姉さま」
「ずいぶん不思議な形の椅子ですね」
「はい。なんでも世間では、『スケベ椅子』などと呼ぶそうで」
「あはは。ド直球にもほどがありますねえ」
「本当にそうですわ。まずはあの椅子に座っていただいて、私達4姉妹の舌で体を洗わせていただきます。それからあちらのマットへ移動していただいて、今度は香油をたっぷりと垂らした私達の体で、また全身を洗わせていただきますね」
「おおっ」
スケベ椅子の奥にある、銀色がかった灰色のマットには見覚えがある。
サラさんとアヤカさんとティファニーちゃんとセイとフウカ、それに僕を入れた6人で見たエッチなアニメに登場して、そのシーンが印象に残っていたから。
それにしても、この4人はやっぱり姉妹だったのか。
「イチハ姉さま、椅子が温まりました」
「では六道様、まいりましょう」
「あ、はい」
肌触りのいい、やはり檜であるらしい釘なんか見当たらない木の板の上を歩いて椅子に座る。
いつもなら垂れ下がって椅子の前面に、下手をすると床に当たる肉棒が、それと玉袋が座っても垂れ下がった状態になる不思議な形状の椅子。
「では、失礼いたしますね」
イチハさん、フタバさんが左右の親指を。
たぶんミツバさんという名前だと思われる人とヨツバさんが這いつくばって左右の足の親指を、そっと口に含んで舐め始める。
「うわあ。なんか、変な感じ」
「舌洗いや全身リップと呼ばれるそうなのですが、お嫌いですか?」
「いえいえ。大好きなんですけど、こうまで息が合った動きでされるのは初めてなんで。だから、ちょっと不思議な感じで」
「お嫌いでないのでしたら、どうかリラックスなさってください。フタバ、六道様にお酒を」
「はい。イチハ姉さま」