素っ裸のまま布団の上で缶ビールを飲んでいると、戻ったリコにやけに高級そうな和服を手ずから着せられた。
なんでもフウカに缶ビールをせがまれた雄二さんが、飲むなら準備をさせておくと配下に命じ、別室にお酒やツマミを用意してくれたらしい。
その部屋で僕は浪姫ちゃんを胡坐の真ん中に乗せて飲み始めたけれど、あまりに落ち着かなくてどうしていいかわからない状況になっている。
「アマゴの塩焼きですね、主様。はい、あーん」
「えっと、……うん。ありがとう」
「なるほど。お膳がこうですから日本酒にしますか。お待ちくださいね」
「リコちゃん、さっきから心を読み過ぎじゃない!?」
「またちゃん付けに戻ってますよ、主様」
そうじゃなくって。
なんでこの子は的確に僕の心を読んで、ここまでしてくれるんだろう。
お兄さんの雄二さんが苦笑いしてるし。
「申し訳ございません、六道様。この子は小さな頃から桃子に、六道様のお世話係になれと言われ続けていたようで。本当にそうなれて、有頂天なんでしょう」
「はあ。ほんっとなにしてくれてんの、桃さん」
なんで僕にお世話係が必要なんだか。
「あっ。桃ママのお兄さん、向こうに動きがあったのっ♪」
「さすが婆様、私の予測よりだいぶ早い。それでセイ様、動きとはどのようなものです?」
「ととさまが3人を斬った炭焼き小屋に人をやって【囁風】で報告されたら、すぐに主だった者を集めよっておばあちゃんが言ったのっ♪」
「場所の特定までですか。いい腕をしてますね、日和見集団は」
「切り札は1枚のはずでした。そこに、六道様という最強の札までが加わる。もう日和見などさせませんよ」
ニヤリと笑いながら言ってるし。
さすが桃さんのお兄さん、こういう時は黒いなあ。
「切り札というのは?」
「四国八十八家、そのすべてから我が家だけを抜いた連名の勧告書です」
「勧告?」
「ええ。うちの父親に隠居せよという勧告ですね。もちろん、人喰いを処断した上で。その責任を取っての当主交代、そして隠居です」
「……なるほど。たしかに切り札だ」
人喰いを処断。
そしてその責任を取って現当主が隠居。
となれば当主はこの雄二さんがなるから、日和見集団も重い腰を上げるしかない。
最初から人喰いに勝ち目はなかった、と。
「ですが六道様達がこうして足を運んでくれねば、一族の半数を問答無用で処断するしかありませんでした。浪姫だけでは、非道を働く者をすべて見張れはしませんし」
「でもたぶん、事が済めば向こうの全員が棗さんの前で宣言させられますよ。あの人はウソを見抜くから」
「なるほど」
「僕の役割は被害を最小限に抑えつつ、リコのサポートって感じなんでしょうね。なーんか癪だなあ。手のひらの上で遊ばされてるみたいで」
雄二さんが笑う。
この人も八十八家のすべてに勧告書へ署名をさせてるし、ハンパじゃないなあ。
政治力って言うんだろうか、そういうのが凄すぎ。
上には上がいる。
その言葉が、今なら身に染みて理解できる。
僕は自分の唯一の特技だと思っていたセックスでは夜宮さんに勝てないし、サラさんとアヤカさん以外には簡単に負けないだろうと思っていた戦闘でも佐伯さんにボッコボコにされている。
それにハナっから勝てるとは思っていないけど諜報なんかで棗さんと桃さんに歯が立たないし、交渉なんかしたってこの雄二さんの足元にも及ばない。
「おやおや。六道様ほどのお方が、浮かぬ表情ですか」
「世界は広いなって。僕はただのガキなんだなって思い知らされてるんで」
「それでいいではありませんか。完璧な人間など、この世には存在しません。それがいるとしたら、それはもう人ではなく神でしょう。六道様がそうであればこうして酒を酌み交わす事もできませんので、私はありがたく思いますよ」
「……慰め方まで大人だあ。敵わないな」
雄二さんは苦笑い。
けれどそんな表情のまま膝を進めて、ちょうどリコが運んできた日本酒を注いでくれた。
お猪口は人数分あるみたいなので、僕も雄二さんにそれを渡し日本酒で満たす。
「ありがとうございます」
「僕のセリフですって。いただきます」
日本酒を口に放り込む。
「あ~」
「浪姫ちゃん、また焼き鳥かな?」
「うぅ~」
「きっと漬物ですよ、六道様。昔からこの子は、酸味が出るまで漬けた野菜が好物なので」
「シブいなあ。はい、あーん」
「あ~♪」
そんな風にお酒を飲んでいると、まだ陽の高いうちに日和見集団のトップが訪ねて来て雄二さんに面会を申し込み、この部屋に通された。
そのお婆さんはよほど肝が据わっているのか1人で部屋に入ってきて、僕の前に座る。
「はじめまして。六道です」
「重村と申すババアですじゃ。お見知りおきを」
「まずは一献」
「ありがたくいただきますかの」
お酒を酌み交わす。
「いい飲みっぷり。土佐の地酒、美味しいですよね」
「50」
「はい?」
「そう考えておりましたが、300全員をこの集落に移しますじゃ」
「ええっと?」
「貴方様の庇護下に、我が一族のすべてを。どうかお願いしますじゃ」
「そういうのは雄二さんに」
寝る場所があるのかとか、食料の備蓄とか、僕は聞いてないし。
「問題ありません。手狭ではありますが戦時の避難生活ですから誰もが辛抱してくれますし、食料や日用品の備蓄は充分にあります」
「はあ」
「ならば雄二様、すぐに始めますじゃ」
「ええ。ですが婆様は、ここで飲まれていればよろしいのに」
お婆さんが笑う。
このままだと飲みすぎてしまいそうだからと。
「ありがとうございました。六道様」
「僕はなにもしてませんって。すぐに動きます?」
「お許しいただけるのなら、それは明日の早朝からに」
「許すもなにも総大将は雄二さんですから、僕の使い方はお任せしますね」
「はい。明日は単騎でよろしいので?」
「もちろん」
「では私は準備がありますので、これで失礼いたします。リコ、六道様のお世話は任せたぞ?」
「お任せください、兄上」
雄二さんが時代劇のような所作で部屋を出て、板張りの廊下に正座をして深く頭を垂れてから襖を閉める。
こんなのはどうにも苦手だなあと溜め息を吐くと、フウカが隣の部屋に続く襖をえらい勢いで開けた。
スッパーンッ!
そんな音がする開け方をするんじゃありません。
人様のお家で。
「フウカ!」
「わりいわりい。さあ、ゲームすっぞ! カイ対オレ達連合軍の最終決戦だ。我が軍の最終兵器、浪姫の実力を見せてやるぜっ!」
「あう~♪」
フウカ、自分でカイに勝つのは諦めたのか。
まあセイも僕よりちょっと上手いくらいだし、そうなって当然かな。
子供達が隣の部屋に、最新型かはわからないけれど大きなテレビとゲーム機がある部屋に移動してゆく。
最後尾のセイはその襖を閉めながら、「たっぷり愉しんでなのっ♪」と言って笑った。
やっぱり、気を使ったのかな。
「主様」
リコが、僕に『あーん』をしたり、ビールや日本酒を口に運ぶ僕を見ながらでさえ発情フェロモンを垂れ流していた、ついさっきまで処女だった女の子が、情欲に潤んだ瞳で僕を見る。
「なにかな?」
「申し訳ありません。本当なら兄上がいても、あの子達の前でもこうしなくてはならないのに」
リコが手を伸ばす。
その手の行き先はもちろん、僕の和服の裾だ。
「桃さんの実家で、豪華なお膳やお酒をいただきながら、実の妹に手コキさせるとか。ホントにいいのかなあ」
「いいに決まってます。……柔らかい。これが、あんなに硬く」
「でもまあ、どうせならこうだね。よいしょっと」
「そんな。こんな姿で……」
リコが着ているのも、僕と同じ和服。
なのでその襟元を思いきりくつろげて、アヤメさんや委員長ちゃんには負けるけど、ホムラさんくらいはあるおっぱいだけが露出するようにした。
和風のボンデージ。
そんな感じで興奮する。
「よしよし。これが一番のツマミだね」
その言葉を証明するようにピンク色の乳首と肌色の稜線を眺めながら日本酒をグビリとやり、リコの反対側、右の膝だけを立ててそこにお猪口を持った手を置く。
「ずっしり、重い……」
「玉袋かあ。さっきはしてくれなかったけど、次はそこも舐めて、口に含んで玉を優しく転がしたりもするんだよ?」
「はい。それと、ここも……」
玉袋をやわやわ揉みながら、中指が伸ばされる。
肛門。
そこをリコはどう愛撫していいかわからないみたいだけど、まあそれでも悪くない。
「指、クサくなっちゃうよ?」
「主様のニオイに、クサイなんて言葉が合うはずもありません」
「ふうん。じゃあ後でその指を嗅がせて、それから肛門をペチャペチャ舐めてもらおうかな」
「今すぐにでも」
「それはいいんだけど、そしたら僕もリコもガマンできなくなるだろうからなあ」
「問題ありません。出血は行為の最中に止まってますし」
「なら、この目で確認しておこうか」
「えっ?」
「僕にお尻を向けて、本当に血が止まってるか見せるんだ。できるよね?」
喜んでと言ったリコが僕にお尻を向けて蹲り、和服の裾を上げてゆく。
薄い、桃さんより少し多いだけの恥毛。
淡い色彩の、若々しい割れ目。
そして桜のつぼみのようなアナルと、ムチムチしたお尻が露わになる。
「どうですか、主様。しっかり血は止まっていますよね」
「うん。けど、違うのが出てるなあ」
「それは。こうして主様に見られていると、どうしても……」
「だからってお尻を見せただけで。リコはいやらしい子だね。ついさっきまで処女だったのに」
「ううっ……」
呻くような声をあげながら、リコが白いお尻を震わせた。
さすが僕と同じハイブリッドな変態。
たったこれだけの言葉で淫液をトロリと膣口から垂らして、糸を引かせながら畳に落とすか。
「へえ。もしかして、このオマンコの入り口にあるのって」
「や、やっぱり変ですか? 私のって」
「やっぱりってなにさ。いや、処女膜があった位置にその残骸みたいのがあってさ。こういうオマンコの人ってたまにいるから、それは処女膜の名残だったんだなって」
「よかったです。私、やっぱりそんな場所まで醜いのかと」
「こらっ」
ベチッ!
そんな音がするくらいにお尻を叩くと、それが跳ね、その拍子にまた淫液が垂れて畳に落ちる。
「んくぅ……」
「ずっと気になってたけど、リコは卑下しすぎ。自己評価が低すぎる」
「真実ですから、……あひいっ!」
二度目の尻叩き。
「もっとぶたれたくなかったら、そういうのはもう言わないの。リコはかわいい、それは事実。そしてリコを大
好きって思ってる桃さんや雄二さん、浪姫ちゃんや僕に失礼だからね。わかった?」
「は、はい」
2度目もかなり強く手を振り下ろしたので、白くて大きなお尻には僕の手形がついていた。
でも、それがゆっくりと赤みを失くしてゆく。
リコの能力、【自己再生】の効果だろう。
本当に羨ましい。
……でも、待てよ?
もしこんな能力が僕にあったら、棗さんがどうやって愉しんじゃう事か。
絶対にムチとかじゃ済まない。
お腹を斬って手を突っ込み、膀胱を直接刺激してお漏らしさせるくらいはしそう。ってゆーか、絶対にする。
それどころか、僕が想像もできないようなプレイも。
「こわあっ!」