※この作品はR-18です。

破壊と欲望の神の為の楽園   作:Möbius Klein

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※男×女というより、オス×メスに近いかもしれません。獣×人体魔物化による人外姦、屍姦、猟奇的描写、アナルセックス等がありますので閲覧には十分ご注意下さい。


第25話 神の試練

僕はその昔神に愛でられし獣、聖獣として創造神様から創られこの世に生を受けた。元々僕は狼獣フェンリスヴォルフという破壊と欲望の神フェンリル様が受肉出来る獣を生む為に創られた種族の1匹に過ぎなかったのだ。創造神様はその種族から僕を選び出し、僕は神に選ばれし獣と呼ばれる神獣になった。その後フェンリル様と受肉した事により僕は神獣フェンリルと呼ばれるようになる。

 

僕は破壊と欲望の神フェンリル様に未来永劫、絶対服従の誓いを立て現在はフェンリル様の加護を受けて様々な恩恵を受けるに至った。今の僕の名は神獣フェンリル=フローズヴィトニル、ミドルネームは我が主フェンリル様が付けて下さった。同じ名前なのでフェンリル様は僕をリトルフェンリルと呼んで最近では自分の子供のように接して頂けている。

 

僕の存在を認め、初めてフェンリル様のお力を注がれた時にはもう僕はフェンリル様の虜になっていた。ご褒美にあの極上の力を頂けるのならば僕は何でもするだろう。ある日フェンリル様は従順に仕事をこなす僕にご褒美をくれるとおっしゃったので、僕はずっとフェンリル様のお側に居られるように鎖で繋いで欲しいと言ったらグレイプニルという魔法の紐で僕を神の魂に縛り付けてくれた。

 

僕はフェンリルの肉体を維持する為に喰らい続けなければならない。その為僕はフェンリル様にお願いして『永遠に満たされる事のない飢餓』という暴食の加護を頂いた。僕は食欲を満たしてはいけないのだ…満たされる瞬間はフェンリル様からの魔力を注いで頂けた時だけでいい。フェンリルの肉体を生かし続ける限り僕は神獣フェンリルとして生きていける。この世界で唯一フェンリル様と同じ名が許されているのはこの僕だけ。神に選ばれし獣、神獣フェンリルだけなのだ。

 

フェンリルの肉体を共有している今は僕とフェンリル様は魂の半身と言ってもいいだろう。僕とフェンリル様は今の肉体で少しでも長く生き続けるために帰らずの森とニヴルヘイムの柩で毎日のように暴食を続けている。帰らずの森とニヴルヘイムの柩は時間干渉を受けて時が流れるので日中お忙しいフェンリル様に変わり僕がニヴルヘイムの柩で罪悪に塗れた肉体を毎日のように喰らい続けていた。ここはフェンリル様の胎内空間の為、僕はこれまで通りフェンリル様の中にいる状態なのである。

 

ニヴルヘイムの柩が神の体内空間でありながら時間干渉を受けるのは半実体化した僕とここに来る罪悪達が時間干渉を受けている為だ。故に外の時間が流れる為、フェンリル様も生身の肉体に受肉している今は時間干渉を受けてしまうのだ。フェンリル様は肉体の成長が最盛期になるまでは時間干渉を受け入れるようにしているそうだ。

 

 

 

「さあ…今日もお仕事頑張らないと。この世界は本当に罪悪に満ち溢れているね…僕とフェンリル様は助かるけれど2人掛かりで延々と喰らっても全然間に合わないや」

このニヴルヘイムの柩に訪れた罪悪達は、フェンリル様によって生と死を繰り返され罪悪が消えるまで拷問を受け続け、その後血肉と魂を喰らいフェンリル様の糧としている。死の聖母が現れたらここにいる罪悪の者達の精を全て食らわせフェンリル様の仔を孕ませてそれもフェンリル様の糧とするのだ。

 

 

 

「咲ーいた、咲いーた、チューリップのー花があー…」

僕の最近の趣味はガーデニングだ。罪悪達の頭蓋骨を剥き出しにした脳に種を植えお花を育てている。僕は今左右に並べた赤、白、黄色の花を愛でながら順番に大きく口を開け脳みそに牙を突き立てちゅうちゅう吸っている。取っても甘いこのジュースが僕は大好物なのだ。

 

でも僕に脳みそを吸い尽くされるとすぐに花が脳みそと一緒に萎れてしまうんだよね、まあ代わりは沢山いるから別にいいのだけれど。フェンリル様が来たらまた何度も生き返らせてしまうから、幾ら死なせても問題がない。

 

フェンリル様に栄養が行き渡っているせいか僕の体も成長し、今は8才位のフェンリル様の姿になり精通が始まった。今ではここにいる罪悪達の死体を喰らいながら猿のようにアヘって死体を相手に腰を振るようになった。フェンリル様に作って頂いたこの身体は最高だ…何せ他人の欲望も喰らいながら精を吐き出すので延々と射精が行えるのだ。腹を満たしては、肉欲を満たしてを繰り返すこの生活を僕は満喫している。これにフェンリル様の魔力を頂ければ更にその快楽が増すのだ、堪らないっ僕はフェンリル様の名を唱え、崇め讃えながらその行為に没頭する毎日を続けていた。

 

 

 

「誰だ…そこにいるのは」

僕とフェンリル様の死の世界に侵入者があった。以前フェンリル様はここに部下であるケルベロス三姉妹の1人を連れて来たが、フェンリル様は今ここにはいない。僕は可愛がっていた死体を突き飛ばしその気配のある方へと振り返った。

 

「可笑しいな…罪悪のない魂がここに来るとは。しかも半実体化している…グリム、君はグリムというのか。フム…成る程、君はここに試練とやらを受けに来た訳だ、フェンリル様のご命令で。ああ…事情は分かった、もう喋ってくれても構わない。君の本体はフェンリル様が封印を施した。君が僕達の必要とする存在になれなければここで死に、もしなれたなら君は神に浄められた新たな肉体を得て再び元いた場所へ戻れるだろう…さあ、おいでこっちだ」

 

僕がグリムの中の記憶を呼んで理解すると、早速拷問部屋へ連れて行く為に手を差し伸べながら招いた。だがグリムは突然の事にまだ状況を把握出来ずに困惑している。

 

 

 

「あ…あのお、貴方はフェンリル様なのですか?」

「うーん…端的に言うとそうなんだけど、少しヤヤこしいかな?僕は神獣フェンリル、つまりフェンリル様が僕の肉体を得て受肉した。神に選ばれし獣が僕なんだ。今の肉体を共有している間は魂の半身とも言える存在…故に僕はこの世界で唯一フェンリル様にその名を名乗るのを許された。神獣フェンリル=フローズヴィトニル、ミドルネームはフェンリル様に付けて頂き、フェンリル様に未来永劫の絶対服従を永遠に誓った第1の僕でもある。僕とフェンリル様は2人で今のフェンリルなんだ…だから君がもし死の聖母となりたいのならば僕とフェンリル様、2人に身も心も捧げられないと無理だ」

 

君にそれが出来るかい?僕が改めてグリムに尋ねるとグリムは僕に対して最拝礼を行った。僕が許すと言うと彼女は立ち上がる。

 

「フェンリル様、フローズヴィトニル様…この世で最も汚れ呪われた身の私がお役に立てるなら何なりとお使い下さい。グリムは身も心も全て捧げこの魂が壊れ果てるまでお仕えします」

 

こうしてグリムの神の試練が始まった。グリムの精神がここに身を置く間はグリムのいる宮は完全に封鎖され、再びグリムが死の聖母となって現世に戻るまでにはかなりの日数を擁する事になる。

 

 

 

ぐちゅぐちゅちゅ…ぐちゅっぐちゅう…ジュチャッ

「ああ…っはあっグリムの尻まんこ、熱い…ね、はあはあっ気持ちイ…イよ」

「んんう…っはあっあっ嬉し、はああん…フェンリル様あ…ああっ」

僕はこれまで沢山の罪悪と身体を重ねて来たけれどこんなに歓喜の涙で受け入れられた事がない。グリムは尻の穴をきゅんきゅんさせて、僕の腰に足を絡めて嬉しそうに僕の雄芯を尻の穴に飲み込ませて腰を振っている。確かにグリムの身体は穢れに満ちているけれどその魂は全く汚れてはいない。本来ここに来る筈のない魂の為、触れ合う機会が僕にはなかったのだ。ああ…可愛いな、グリム。今から腹がパンパンに膨れ上がるまで僕の精を注ぎ込んであげるからね。

 

パン…パン…パン…パン…

「ああ…はあはあ、グリムう…全部っ受け止め、てねえ…はあっ失敗したら、君の畜生腹…はあはあ作りかえれなっ…からっ」

「は、はい…っどうか、はあんっお願っんん私の真上から、せ精液を…注いで下さっ…っんあああ!」

 

グリムが全身を震わせて僕の注ぎ続ける精を受け止めていく。腹を膨れ上がらせたまま、グリムは半分白目だ…フェンリル様に力を注いで貰っている僕の精だ、あんな神獣にもなれなかった出来損ないのピュラウスタの精などとは比べ物にはならない。だがグリム、お願いだ…どうやら僕は君の事をとても気に入ったみたいだ。どうか僕達の全てを受け入れて死の聖母になってくれ。

 

僕は担ぎ上げていたグリムの腰を下ろしグリムの身体を寝かせた。真上から僕の精を残さず注ぎ込み体内に取り込ませたお陰でグリムの腹は今僕の精でいっぱいだ。僕が大きく口を開けるとフェンリル様から預かっていた白蛇ハクダの仔が僕の喉奥から飛び出してくる。僕は目を覚ましたグリムにこれからする事の説明をし始める。

 

「この蛇はフェンリル様が体内で飼っている白蛇ハクダ…はアダ名だったな、確か。白蛇ユルムンガンドの仔、アルプトラウムだ…今からこの蛇を君の臍から体内へ潜り込ませ君の子宮を全て喰らわせる。想像を絶する苦しみに発狂するかも知れないし、死ぬかもしれない。これは受肉だよ、一種の…上手く行けばこの蛇は僕の放った精を喰らい尽くし擬似子宮化して君の胎内に収まる。そうなったら君はここを訪れる罪悪達の精を尻の穴から受け入れて体内の蛇に存分に喰らわせるんだ、また腹がパンパンになるまでね…フェンリル様が来たら君のおまんこを再生して君が守り抜いた処女膜を綺麗に空けて下さる。君はフェンリル様の精によって浄められ腹に蓄えた精はフェンリル様の仔となって君の尻の穴から垂れ流しにされるだろう…その全てはフェンリル様の糧になる。これで君は完全に神に浄められた状態になる訳だ。…ただし、これは満月の夜の度に繰り返す事になる。神への誓いを破った罪は重い…忘れないでね、グリム。出来れば君が死の聖母になれる事を祈っている」

 

「必ずや…グリムは、フェンリル様のお側に戻ります」

グリムは覚悟を決めてそう言い残すと目を閉じた。僕はグリムの身体を縛り上げて拘束しアルプトラウムをグリムの臍から体内に潜り込ませる。

 

「うっがががっぐああ…っ!ぎぃやっあっああっひいい…っ」

グリムの絶叫とグリムの胎内をグチャグチャと貪るアルプトラウムの音がニヴルヘイムの柩に3日間響き渡り、僕はその間ずっとグリムが目を覚ますのを眺めながら待ち続けた。

 

願わくば君の精神が狂っていませんように…僕とフェンリル様が共に生きる為の魂柱となって欲しい。お願い、還ってきてグリム…そしてフェンリル様と共に君も生き続けるんだ。君の本体が寿命を終えたらその身体は不朽体となって魂が壊れるその日まで現実世界に存在し続け美しい姿を保ったままの生きた聖遺物になる。神に浄められ誰よりも美しく潔き者になれるんだ、魔物の排泄物として人生を終えたくないのならその苦しみから這い上がってこい、グリム。

 

僕の祈りのような願いが通じたのか更に5日後、グリムは遂に目を覚ました。魔物に侵され過ぎたグリムの身体にアルプトラウムは子宮だけでなく身体全体に寄生してしまっている。胸から下の内臓は全てが擬似内臓と化していて両肘、両膝の先はアルプトラウムに喰われ四肢欠損の状態にあった。フェンリル様が来れば何とかして貰えるだろうが、それは次の満月を待たなくてはならない。

 

 

 

「お還り、グリム…よく頑張ったね。これからはずっと僕達は一緒だよ…もう離さない。グリムは僕達フェンリルのものになったんだ。次の満月にはフェンリル様もここへ来て下さる…そうしたらグリムの身体を治してくれるだろうからそれまでは辛抱してね、その間の面倒は僕がちゃんと見てあげるから」

「フェンリル様あ…ヒックやっと、会え…ヒックよかったあ…っあうっうう」

僕が抱きしめるとグリムは僕の胸に顔を擦り寄せて子供みたいにわんわん泣いた。グリムは僕にとっては新しく出来た家族も同然、大事にするよ…ずっとずっとこれからは一緒だ。

 

 

 

冒険者ギルドを出て僕は今、依頼人の所に到着していた。ここは街外れにある冒険者ギルドの所有する倉庫である。商業ギルドに依頼された品物を届ける仕事なのだ。既に倉庫の入口には僕が冒険者ギルドに届ける筈の品物が準備されていた。山積みの荷物に成る程…と、僕は思った。これでは冒険者ギルドがマジックカートを勧めたのにも頷ける。

 

「確か…アヤトだったか。こりゃ、オマエさん引っかかったな。コレは冒険者ギルドが潜り込ませた罠依頼って奴だぜ。業務説明を受けただろ?マジックカートのレンタル代をケチって安くあげようって輩がいるから、講習会の依頼書に紛れ込ませたんだろうなあ…まあ、商業ギルドには3日以内に届けてくれれば納期は間に合うから今日は出来るだけ持っていって明日からは素直にマジックカートを借りてくるんだな」

 

依頼人は冒険者ギルドの倉庫管理担当者からの物だった。でも罠依頼と言っても別にワザワザ罠に嵌ってやる必要はないよね?ようは商業ギルドにコレを全部持っていけば依頼達成なのだから。

 

「問題ありません…僕、マジック財布を持っているので全部コレから持っていきます、見た目よりこの財布容量あるんですよ」

そう言って僕は山積みになっている品物をマジック財布に入れ、依頼書にサインをお願いした。

「うを…っ!?何だそれ、マジック財布にしちゃあ容量デカ過ぎだろい…うむ、まあいいか…じゃあコレがサインな。商業ギルドに荷物を届けて受け取りのサインをここに貰うんだ。後は冒険者ギルドに戻って依頼書を提出すれば報酬が貰える筈だ」

 

「はい…っ!それでは荷物、確かに受け取りましたあ…これから商業ギルドに持っていきますね」

荷物の受け渡しはコレで完了、後はこの荷物を商業ギルドに持って行くだけだ。以前ドラと行ったマジック財布を購入した防具屋でマジックカートを見せて貰ったがあんなキャリーバック型の小さな容量だと3日間で何十往復したらこんな荷物を運び終えるのやら…これはとっとと片付けて依頼を達成するに限る。

 

これから商業ギルドに寄って冒険者ギルドに戻れば昼前には仕事が終わるし、冒険者ギルドの食堂で軽く昼食でも取ろう。午後は冒険者ギルドの書庫で冒険者関連の書物を読んで夕方まで過ごすのもいいなあ。

 

 

 

「こんにちは…冒険者ギルドから依頼の荷物を持ってきました。どちらに置けばいいでしょうか?」

「ああ…ご苦労様。このまま商業ギルドの中央の廊下を奥に直進して建物を出れば倉庫がある、とりあえずソコに纏めて置いてくれ。受け取りのサインは荷物が全て倉庫に収まった時点でしよう」

 

商業ギルドの入口にいた警備員のような人にそう言われ僕はそのまま商業ギルドの中を真っ直ぐに通り抜けて行く。雰囲気は冒険者ギルドとあまり変わらないが冒険者が依頼で出払ってしまう冒険者ギルドよりこちらは活気があってかなり賑やかだ。以前話しに聞いたように職業斡旋所みたいな部署もある。何か品物の競りのようなのもしているし、凄いな…ベルとデートにいった朝市を彷彿とさせる光景だ。商人達が言い合いをしながら取引みたいなのも行われたりしている。

 

倉庫に到着し荷物を出し終えると僕は先程場所を教えてくれた警備員のおじさんの所に依頼書のサインを頼みに行った。

 

「ええ…っ!?もう終わったって…どういう事だ」

「手持ちのマジック財布が見た目より大きい物なので、纏めて運んで来たんです…この依頼書には既に依頼人の受け渡し完了のサインがあります、倉庫に置いた荷物を確認次第受け取り完了のサインを頂きたいのですが…」

僕の話を聞いた警備員は慌てて倉庫へ向かい荷物を確認すると口を大きくさせて驚いていたが、僕は依頼書を取り出しサインをお願いした。

 

「いやいやいや…っ無理だろ!?コレだけの量をマジック財布で一度で運べてたまるかあ…っオイ、どんな裏技使えばこんな…大体、マジック財布で運べるような代物ならわざわざ依頼に出す訳がないだろうが、自分で取りに行くぞっ普通!あ…っオマエまさか空間魔法の使い手なのか!?」

「はい…マジック財布に入りきらない分は空間収納魔法で補いました」

それではここにサインを…と言った所で、警備員は僕にソコで待っていてくれと言って立ち去ってしまった。立ち去るなら先にサインをしてくれればいいのに…

 

 

 

「おおおおお…っコレを一度に運んだだと!?こいつは凄い…驚いたな」

「ウチに登録しているトランスポーターでもそうは居ませんよ、ギルド長。これはもうスカウトしかありません…っ君、そこでなんだが」

あれ…何か変な方向に話が進んでいるぞ。商業ギルド専属のトランスポーターだって?冒険者ギルドにも同じ職種があった…古代迷宮に潜るパーティーや魔物討伐に同行して荷物持ちをしながら自衛も出来るCランクのスペシャルポーターとかも存在しているんだよね、確か。

 

「お断りします…ボクは冒険者になりたくて冒険者ギルドに入ったんです。また依頼を受ける事があればこちらに顔を出す機会もありますので、その時はよろしくお願いします」

「そうか…だが冒険者などをやるよりこちらの方が余程金は稼げる、国営の冒険者ギルドと比べれば商業ギルドは資金力がケタ違いだからだ…気が変わったらいつでもきて欲しい、指定依頼も受けてくれると助かる」

指定依頼かあ…確か冒険者ギルドの解体師の人にも言われたけれど基本仮登録だと指定依頼はまだ受けられないんだよね。だから解体師の人はF、Gランクの解体補助の依頼を受けてくれたら僕には解体処理の報酬を追加で支払うって言ったんだ。僕がその辺の事情を説明すると2人は更に驚いた様子だった。

 

「仮登録…ってまさか君、まだ12才未満なのか!?その年でこれ程の空間魔法を扱えるなんて君は将来有望な魔術師なのだなあ…恐れ入ったよ」

「…そうだな、残念だが専属は諦めるとしよう。これ程の力の持ち主なら何処ぞの国の宮廷魔術師にもなれる逸材…ここはひとつ末永く商業ギルドとお付き合いをして貰えると有難い」

僕が仮登録を終えて講習会の最終日に初依頼でここに来たと言ったらまた驚いていたが、漸く荷物の受け取りサインをして僕に依頼書を返してくれた。

 

「君のおかげで3日間の荷運びが1日で終わった…商人には時は金なりという諺があるのだ。有難う…君のような優秀な人材と巡り会えた事は商人としても得難い事、追加報酬を出しておこう。これからも是非商業ギルドの依頼を受けて欲しい」

「お気遣い有難うございます…その時はまたよろしくお願いします、商業ギルドに来たのは初めてだったので、ボクも凄く勉強になりました」

僕は依頼書を受け取ると、ギルド長に握手を求められそれに答えて依頼を完了させた。初仕事が大成功に終わって良かった。開始早々幸先がいい、これからの冒険者活動が益々楽しみになってきた。

 

 

 

僕は昼前に冒険者ギルドに戻り依頼書を窓口に提出した。どうやら僕が講習会の参加者で一番乗りに依頼を終えたようで、受付のお姉さんも驚いていた。そうだよね、罠依頼だものね…コレ。僕以外が受けていたら結構エグい依頼だったと思う。多分マジックカートのレンタル代で報酬の半分は持っていかれるから他の配達依頼に比べて報酬がいいんだ。差し引きすれば他の配達依頼と報酬に大差がない。まあ、マジックカートを使わないで何十往復もすればお金にはなるよね…これは恐らく転生前にあった飛脚マークの宅配屋さんのようなお仕事なのだ。

 

「お疲れ様でした…依頼書は確かに受理しました。初依頼達成おめでとうございます、こちらが報酬になります。この報酬には商業ギルドのギルド長からの追加報酬を加えてあります、依頼人の評価もSランク。これは今後の冒険者活動に有利になりますよ」

僕は報酬を受け取りながら依頼人の評価ランクがある事を初めて知った。それにしてもギルド長は気前がいい、報酬が倍額になっている。その上商業ギルドのギルド長からのSランク評価、これはギルド長に感謝をしないと行けないな。機会があったらまた商業ギルドの仕事を受けてみよう。

 

金貨2枚…神都の円にして約2万円。凄い稼ぎだな、2週間でほぼ成人初任給の月額は稼げるぞ、この配達依頼。まあ3日間の依頼を1日で終えて元の報酬金額の銀貨9枚、約9000円で計算したらの話だけれど…僕は今日の午前中だけで2万円を稼いだ事になる。でも初任給か…嬉しいなあ、早速このお金を使って冒険者ギルドの食堂でランチにしよう。

 

 

 

僕が食堂でランチを取っていると冒険者ギルドの中央に設置されているビジョンに臨時ニュースが流れた。このビジョンは世界各国の首都にあるギルド本部には全て設置されているらしい。街頭のビジョンと比べかなり小型のものだが40インチテレビ位の大きさはありそうだ。

 

『臨時ニュースです…っ本日神都の冒険者ギルド本部より冒険者歴代最高レベルである234レベルを大幅に超えるSランク冒険者が誕生しました。それも521レベル…っ800年前に冒険者ギルドに登録し更新をしていなかった為に冒険者カードは失効していましたがこの度再発行をする事で明らかになったのです…っそれではこちらの映像をご覧下さい』

 

そこにはなぜか某菓子メーカーのイメージキャラクターみたいなお面をつけたペ子ちゃん擬きがいた…ドラ、なんでだ?仮面をつけるなら他にもあっただろう…それにその通り名は何なんだよ、ドラゴンズスレイヤー?竜殺しじゃなくて竜の殺し屋とかアカン奴だろう…なんでそうなっちゃったの!?

 

『竜の古代種として唯一確認されている天空竜が千年竜となり再び世に現れたのです…仁獣御前会議第4席、古代種エンシェント=ドラゴニカ様。エターナルホープトレジャーの腹心の部下として表舞台に舞い戻った事は確認されておりましたが冒険者カードの再発行により現在のレベルが確認され冒険者歴代最高レベルを521に更新されました…っ!』

 

この世界中継で竜の古代種を祖先とし神のように崇めている竜人族と竜族は大騒ぎらしい。エルフ族は歴代最高記録を大幅に塗り替えられて肩を落として愕然としている状態だ。冒険者ギルド内もこのビジョンを見て大騒ぎになっている。最強の『竜の時代』再びか…などと騒いでいるけれど、何故あのペ子ちゃんのお面に誰も突っ込みを入れないのだろうか。

 

とりあえずドラはもう僕との冒険者活動はアウトだな…歴代最高記録保持者のSランク冒険者とパーティを組むとか地味専を行くGランクの僕とは無縁の世界。なんかドラが冒険者の生きた伝説みたいな扱いになっている。

 

『戯けええっこんなモノ、こうしてくれるわあ…っ!!再登録ぢゃ、妾は冒険者に再登録をし直してGランクとして活動するぞっ』

 

おーい…ドラ、冒険者カードをへし折ったりするなよ。Sランクのプラチナカードだぞ、ソレ。ああー…ここまでは流石に気が回らなかったなあ。そのままドラは竜身に姿を変えその場から逃げるように飛び去ってしまった。これで竜族としても通用しなくなった…更にアウトだぞ、ドラよ。

 

ドラはこの分だと帰らずの森ミズガルズのビフレフト城でお留守番だな。ラスボスの城にいるペ子ちゃんのお面を付けたドラゴンか…ないなあ、コレも。あの様子だと一直線でビフレフト城に戻って今夜は部屋に篭ってゲームで憂さ晴らしという感じだ。

 

とりあえず僕は心の中でドラに合掌した。さて、どうするかな…この件。

 

 

 

僕は冒険者ギルドの食堂で昼食を終えるとギルドの書庫へと向かった。とりあえず打ち上げパーティーまでにはまだ時間がある。僕は今後の冒険者活動について考えながら読書に励んで午後を過ごしたのだった。

 

夕方に差し掛かる頃、書庫を出た所にある掲示板に講習会参加者達の成績順位が貼り出されていた。それは依頼達成時刻、依頼人評価ランク、依頼報酬、講習会での評価等が基準とされている。圧倒的な首位の名前を見れば混血種エルブズ=アヤトとある…僕とよく似た名前だと思いたいが、コレ僕だよね。こんな発表があるなんて何処にも説明がなかったぞ。

 

「アヤトおー…!何だよ、コレわあっ何で後から依頼を受けたオマエがこんな事になってんのお!?オマエ、やっぱ変だってえ」

僕を見つけたワンダーが僕に大声で話し掛けてきたので辺りにいる皆の視線が僕に集まってしまった。ワンダー、勘弁してくれ。

 

「いや…コレはその、アレだよ。不幸な事故が重なってこのような残念な結果に」

「不幸な事故でなんでこんな事になっちゃうのかなあ、オマエわあ…っ!」

ワンダーが更に地団駄を踏んで言い募っているが、だがしかし地味冒険者…難易度高いな。職種にあったら迷わず選択したい所なのだけれど。

 

その後冒険者ギルドからの表彰特典でFランクへの昇格が決まってしまった。僕の地味冒険者ライフはこれを機に僕の思いとは裏腹にこれからどんどん崩れ落ちていく事になるのだが、それはまたの話にしようと思う。

 

 

 

ワンダーと合流を果たした僕は逃げるようにワンダーと共に冒険者ギルドを後にした。既にニャン子とウサピルはワンダーの食堂へと向かっているそうだ。どうやら僕が書庫で読書に耽っている間にすれ違ってしまったらしい。とりあえず気を取り直して打ち上げパーティーに参加しようと思う。問題しか上がらない出来事の連続に僕はパニックを通り越して現実逃避が入ってしまっている。

 

今日の問題点はペ子ちゃん、つまりドラの今後の行方と目立たない冒険者活動だ…これまでに上がった問題が今の所何一つ解決していないのは気のせいだと思いたい。明日からの冒険者活動を前にホープトレジャー委員会を緊急招集させて何とかして貰うしかない。何という人任せ…だがもう僕の手には負えない。

 

もう考えたら負けだ、僕はこの後の打ち上げパーティーの事以外は考える事を放棄した。

 

 

 




神獣フェンリルがまたかなり出張ってきました、また話を書くのがややこしい…2人のフェンリル。1人は神の魂を持つ異世界転生した久神アヤト、もう1人は創造神に選ばれフェンリルを受肉した神獣フェンリルです。

文才無くて上手く表現が出来なくて読む方混乱させてしまってたらすみません。もうキャラが増え過ぎて制御不能になりつつあり、主人公アヤト同様逃避しかかっています。。
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