僕とワンダーが食堂へ向かう途中、食堂を影から覗いている不審者に遭遇した。ワンダーが何だアレ…と言うくらい怪しいストーカーを思わせる有様だった。そんな所で何をしているんだ、セバスチャンっ
そうそれは神宮侍従長エルフ=サムバーティだったのだ。まさかと思い僕はワンダーを先に食堂へと行かせた。あの怪しいストーカーは知り合いだと説明するとワンダーは納得して先に食堂へと入っていく。
「何やってんの、セバスチャン…こんな所でストーカーなの!?」
「あ…ホープ様。違います、コレにはやむを得ない事情がっ」
父様の側を片時も離れないサムバーティである。僕はまさか、と思い尋ねるとやはり予想は当たっていた。来ているのだ、父様がここに。打ち上げパーティーに参加しても父様は何も食べれないじゃないか…ダイアウルフの肉なんだぞ、今日のメインディッシュは。ああ…っ早く止めないと!
僕がサムバーティを連れてワンダーの食堂に入ると父様は店の真ん中でワンダーとニーニャのご両親を挟んでお酒を片手にワイワイと話を盛り上げていた。
「お…アヤト、来たか。おかえり、流石オレの息子…皆さんに聞いたぞ1位の成績とはよくやった」
父様はガシガシと僕の頭を撫でまくっているが、その手に持っているのはお酒、ツマミにも手をつけている。僕は慌てて父様の手を止めようとすると父様が軽いウィンクで問題ない、と知らせて来た。
空間魔法だ、コレ…父様は食事を取る振りをして体内に作り上げた空間に食料と酒を放り込んでいる、隠蔽も完璧だ。美味しそうに食事をしながら僕にそう父様が教えてくれた。どうしてそんなに嬉しそうに食べられるの?食べた振りをしても父様には味覚も無ければ満腹感もないのに…
「父…お父さん、無理してない?」
「…バーカ、無理なんてする訳がないだろう。漸く息子の冒険者になる夢が叶って嬉しくて仕方がないんだ。講習会で世話になった親御さんに父親として礼を言わねばならん…ホラ、いつまでもオレにへばり付いていないで席につけ。いくつになっても甘えん坊な所は全然治らないなあ…オマエは」
父様と話で盛り上がっていたワンダーとニーニャのご両親がそんな僕達を微笑ましく眺めている。僕は思わずさっと顔を赤らめてしまって挨拶代りにお辞儀をした。
「ホラ…アヤト君、あの子達は早くダイアウルフの料理を食べたそうだが君をずっと待っていたよ…早く行ってあげるといい、所でそちらの方は?」
「え…えと、そのっウチの執事のセバスチャンです!お父さんが黙って家を抜け出してここへ来たので心配して後を追って来たみたいです」
僕の挨拶にサムバーティが頭を下げると、父様はサムバーティを見やって軽く舌打ちをしている。流石に父様も魔法を使ってだとサムバーティの目を欺くのは不可能だ。
「申し訳ございません…せっかくのパーティーの場、お邪魔をするつもりはありませんでした。ご様子を外から伺っていたのですが…アヤト様に見つかってしまいまして」
「…ウチで働いている、セバスチャンだ。オレをいつまで経っても子供扱いにするダメ執事でな、ストーカーとかはヤメロよ…全く」
僕とサムバーティの事情を察した父様からのフォローが入った。これでサムバーティはこの場にいても問題がなくなる。皆と父様に礼をしてサムバーティは父様の背後に控え父様の従事をする事になった。見様見真似で食事をしていた父様への気の利いたフォローは流石に長年父様に仕えているだけの事はある。
「よしっアヤトも揃った事だし早速講習会の打ち上げパーティーを始めようぜ!ユピテル、今回はオマエがパーティーリーダーだったんだ、乾杯の音頭を取れよ」
「了解!えー…この度僕をリーダーにワンダー、ニーニャ、アヤトの4人でパーティーを組んで講習会の課題である薬草採取をトップでクリアしたのです。冒険者訓練施設で一緒だった他のメンバーとは違いアヤトとはこの講習会で仲良くなりました。これから僕達4人は冒険者として活動していく事になりますが、これからも共に頑張って行けたらと思います。それでは講習会を無事に終え、打ち上げパーティーが出来た事に…乾杯っ!」
ユピテルの乾杯の声に皆がグラスを上げて乾杯の声を上げるとテーブルの料理を食べ始める。ダイアウルフの肉は思ったより美味しかった、ワンダーの店が評判の店だと言っていたニーニャの言葉に嘘はなかった。
「なんだこれえええ…っ!?アヤトの父ちゃんの冒険者カード凄えっ!!」
ワンダーが僕の武術の師で父親である父様と話をしていた時に、父様がワンダーに冒険者カードを見せたのだ。確かに凄い、レベル99のGランク冒険者…職業が遊び人って何なの、父様。あ…一応職種に魔法戦士も登録してあるのか。職種のタブを父様にクリックして貰うと魔法戦士の表示が出た。ホープトレジャー委員会の参加者全員が発足に合わせて冒険者登録をしたんだよね、確か。
「Gランク以外だと冒険者カードの更新が面倒なんだよ…講習会だの依頼ノルマが発生するそうだ。Gランクだとステータスボードの確認を水晶球に手を乗せるだけで済む、冒険者ギルドで仕事をするつもりは無いから冒険者カードを身分証代わりにしているだけだ。今はアヤト相手に模擬戦位しかしていない…冒険者として仕事をしていないなら遊び人になるだろ?」
「うわあ…史上最強のGランクですね。確かレベルマックスの冒険者が確認されているのは世界でも数十人…凄いやっ」
ワンダーが眺めている父様の冒険者カードを覗き込んで見ていたユピテルも唖然としている。ニーニャもひええっなどと声を上げて父様の冒険者カードを凝視していた。
「セバスチャンもGランクのレベルマックスだぞ…ホラ」
『おおおおおお…っ!!!!』
セバスチャンが父様に促されて冒険者カードを見せるとまた皆から驚きの声が上がった。僕の模擬戦の相手をしているだけで父様のレベルが200を超えてしまったのだ。10才未満の僕はレベル1から上がらないけれど2人は成人しているからレベルが無駄に上がってしまったんだ。
その為、僕が10才になってしまったので父様との模擬戦は僕がレベル99以上になるまではお預けになってしまった。そうしないと僕もあっという間にレベルマックスになってしまうからだ。サムバーティは元々エルフの賢者と呼ばれる魔術師だったからレベルが200を超えていても別に不思議じゃない。
「父様は武術の師匠、セバスチャンは魔法の師匠なんだ…この2年はスパルタ教育を受けたよ…父様は魔法も使えるからほぼ実戦を想定した模擬戦の相手だった」
「どおりでダイアウルフが瞬殺される訳だ…やっと納得したよ、僕」
「うんうん…もしかしてアヤト君、初日の模擬戦は手加減をしていたの?」
先日のダイアウルフの惨状に納得したユピテルと模擬戦を手加減したのだと突っ込みを入れるニーニャ。前者はいいように誤解してくれたが、やはりニーニャは鈍く見えるようで鋭い。正直言うと何もしていないんだよ、僕にぶつかって講師の人が勝手に自爆しただけなのだ。
「手加減なんてしてないよ、せっかく教えてくれている講師の方に失礼だし…僕も人前で模擬戦とかは初めてだったから緊張もしてた。それに魔力調整が苦手で咄嗟に魔法を使わないように気をつけていたから、攻撃を避けるのが精一杯だったんだよ…だから最後に一発攻撃を貰った時に降参したんだ」
…という事にしておいてくれ、ニーニャ。僕は地味冒険者を目指しているのだ。悪目立ちは避けなくてはならない。
「そっかあ…成る程、確かに戦いながらだと魔法制御とか難易度が高いんだろうね。私なんて杖に集中しないとまだ魔法の発動が出来ないし…それだとアヤト君は魔法剣か、両刀遣いになるの?…それとも武器が持ち替えになるのかあ、剣と杖。それも大変そう…うんうん」
「そうなんだよねえ…どうするかはまだ検討中。今持っている銅の剣だと魔法は無理だし、魔法剣のサブ剣かワンドとかを小刀代わりに使おうかなあって考えてる所…かな」
ちなみにユピテルは風魔法を使う媒体を腕輪にしているそうだ。杖より難易度は高いが十分にユピテルは使いこなしている。僕は体に色々と身に付けたくはないのでサブ武器か補助武器にする予定だ…これは僕の武器担当のヤンガルさん次第になる。
「そういえば…アヤト、パーティーを組む予定の人を今日連れてくるって言ってなかったか?」
「う…うん、それが急用が出来てしまってね。暫く冒険者をしていなかったからカードの有効期限が切れて失効になってたんだ。これから相談する予定だよ、皆はどうするの?」
僕は適当にドラの事を誤魔化して話題を変えたが3人共に顔を見合わせ微妙な表情をしている。僕はてっきり3人でパーティーを組むものだと思っていたのだが何か事情がありそうだ。
「それがさあ…一応、俺達も冒険者訓練施設にいる間にいくつもクランに申し込みをしたんだ。俺は魔物討伐専門、ニーニャはプラントハンター…この職業は主に植物系の魔物討伐が専門、そしてユピテルは手っ取り早く金が貯めれる古代迷宮のクラン…クランってのは所属メンバー同士がいつでもパーティーを組めて便利なんだよ。大きなクランだと冒険者ギルドみたいにクラン掲示板に目的に合わせたパーティー募集も出たりするんだ」
ワンダーは実家が食堂をやっている為に魔物討伐はその材料調達も兼ねているそうだ。依頼を受ける時にはそれに合わせてパーティー活動が出来ればと思ってクランを探しているが、新人は荷物持ちの参加が多く狩りには中々参加させては貰えない。ソロはまだ無理な為、荷物持ちを地道にするかどこかのパーティーでCランクまで頑張るかで悩んでいるらしい。
「…私はまだ所属クランが決まっていないの。プラントハンターと言えばエルフ族、獣人族の私だと審査でほぼ落ちてしまう。両親が薬師と調合師だから薬草採取とプラントハンターがヤレればと思ってかなり勉強をしたのだけれど…自然の魔力を操る精霊魔法や妖精を使役出来るエルフ族がどうしても優遇されてしまうのよね。このままだと私、どこか適当なパーティーに入って行動する事になりそう…Cランクになるまで頑張ればソロも場所を選べば可能になるし」
「僕が手っ取り早くお金が稼げる古代迷宮を選んだのは、今いる冒険者訓練施設の宿舎を卒業後1ヶ月以内に引き払わないといけないからなんだ…冒険者になったばかりの僕じゃ部屋はまだ借りれないから、宿屋で日払いの寝泊まりをするしかない…家族からはハントムーアに戻って来るように言われてる。僕が冒険者を選んだのは神都じゃなきゃ意味がないんだ…なのにっ」
皆が各々事情を抱えていて、まだ今後の冒険者活動への見通しが立ってはいなかった。そうか…僕だけじゃないんだ。皆が自分の将来について悩んでいる。何とかしてあげられたらいいのだけれど…って、ああそうだ!
「セバスチャン…っセバスチャンがニーニャに紹介状を書いて上げればイケるんじゃない?」
「あ…そうですね、それは名案です。ニーニャさん、私で良ければ紹介状を書きましょう。エルフ族に囲まれて少し居心地が悪いかも知れませんが、とりあえず学校に通うつもりで週末だけでも研修生として参加してみませんか?平日はパーティー活動をしてランクアップに専念するというのはいかがでしょうか」
研修生ならば紹介状だけで審査も無しでクランに参加が可能である。そこで頑張って成績を残すか仲の良い友人が出来ればパーティーにも参加が可能だ。サムバーティの話にニーニャはどうやら将来の夢に希望が持てたようで目を輝かせている。ニーニャの両親も一緒になってサムバーティに頭を下げよろしくお願いしますと挨拶を交わした。
「ウサピルが拘る理由って何なの…?どうしても神都じゃなきゃ駄目とかなら例の親戚に居候をさせて貰うとか」
「無理…絶対無理っヒューブ叔父さんは大反対してるんだ、僕がホープトレジャー委員会に入る為に冒険者になるのを選んだ事。委員会はエターナルホープトレジャーが冒険者の親善大使を出して世界中を回るプロジェクトらしいけれど、委員会のおかげで聖獣以外でも神宮の高級官吏を目指せるようになったんだ。聖獣じゃない僕には聖獣御前会議のメンバーには絶対になれない…でも委員会なら頑張り続ければチャンスがある、兎族のヒューブ叔父さんだって聖獣御前会議の末席とはいえ聖獣最強の1人として名を連ねたんだ…僕は絶対に諦めたくないっ」
シーン…ッ
おい待て、ウサピル…君ホープトレジャー委員会に入りたいのか。その為に冒険者を目指していた?…そういえば僕の10才の誕生日に合わせて委員会の発足が決まった2年前、表向きにはそういう理由で公表したんだった。僕が冒険者になりたいという事情を知っているのは神宮以外では5大国の代表者だけだ。だがホープトレジャー委員会の主目的は僕の地味冒険者活動の全面サポートなんだよ…まいったな、これは。
「ユピテルと言ったか…君。もしよかったら下宿先の手配をしてやろう、条件はそうだな…もしよかったらウチの息子とパーティーを組んでくれないか?実の所、コイツはその親善大使の1人として候補に上がっているんだ。君のサポートと働きによってはホープトレジャー委員会に参加が可能になるかも知れない」
「父…お父さんっそれは…っ!」
「ええ…っ!?アヤトが親善大使候補…っ本当ですか、それ…」
ちょっと父様何を言い出したの、突然。え…僕の常識面のサポーターにつけるだって?つまり父様の言い分はこうだ。仁獣クガミ=アヤトの正体がバレないようにそのサポートをユピテルにさせる。父様がユピテルを見てそれが可能と判断した、そう言う事だ。
冒険者ギルドに個人情報を明かしている場合は、冒険者ギルドへの登録名は別に本名じゃなくても構わないんだ。僕と父様は見せかけステータスボードにある種族名で登録したし、サムバーティの冒険者カードに記されているエルフ=セバスチャンも偽名の種族名だ。父様に言われるまま、僕は冒険者カードを操作し本名として登録したもう一つの名前をユピテルに見せた。
「これって…っ!」
「アヤトの本名は口に出さないようにしてやってくれ、あくまで冒険者活動はエルブズ=アヤトを貫く。アヤトはオレが甘やかして育てたせいか、かなり常識知らずな所がある。君にはパーティーをしながらその補助も頼みたい。出発は2年後の予定だが、それまでに少しでも君のランクを上げておく必要がある…理由は分かるだろう、頭のいい君になら」
ホープトレジャーの仁獣には元聖獣がいる。グランドトレジャーの加護を取り除き自分の加護を与えて仁獣にしたのは有名な話だ。そうなると目の前にいる仁獣であるアヤトの父親も聖獣か仁獣の可能性が高い。いや、冒険者カードを見る限りその考えは確実だろう。アヤトが2年後に親善大使となり、その供に自分がなるのであれば相応の実力が求められる。
「アヤト様…いや、アヤト。君が良ければ僕を是非パーティーに入れて欲しい。荷物持ちでも何でもする…だからっ」
「あ…いや、別に荷物持ちとかはしなくていいよ。その…ホープトレジャー委員会への参加は確実とは言えないけど…それでもウサピルはいいの?」
僕の言葉にユピテルは迷う事なく僕を見据えて頷いた。僕がそれなら…と了承するとユピテルはガッツポーズを取り全身で喜びを噛み締めている。そんなに嬉しいのか…だが僕は君を相手に正体がバレないようにこれから演技の練習をしなくてはいけなくなった訳だ。流石父様、考える事に無駄がない。
「有難う…っアヤト、僕頑張るから!もっと勉強もするし、ランクアップを目指すよっ君と共に世界中を回る為の努力を決して怠らない…誓うよっ!」
ユピテルが興奮した様子で頰を紅潮させ僕の手を握り締めてぶんぶんと握手をしている。でもユピテルはパーティーを組んでみて頼りになる事はよく分かっているので僕はこれからもよろしくと挨拶を返してあげた。
結局、僕達は4人でパーティーを組む事になった。僕をパーティーリーダーにして活動は平日がメイン。魔物討伐はワンダーの食堂で利用される魔物とニーニャが目指すプラントハンター向けの魔物の依頼を交代で受ける。そして週に1度は古代迷宮に挑戦する事が決まった。とりあえず僕は週休二日制を導入してみました。なぜなら週末になるとこの先僕は世界中にあるゲート、つまり古代遺跡の掃除に時間を取られる事になるからだ。僕がいない時は3人パーティーで動いて貰う事になる。
このパーティーに参加した面々には口止めをした。皆もホープトレジャー委員会絡みの話なので首を縦に振るしかない。
「とりあえず皆…これからはパーティー仲間としてもよろしくね。一応コンセプトは目指せ、地味冒険者なんだ…本名は基本的に使わないからこれまでと同じように接して欲しい、諜報活動の意味も含めてね」
『よろしくお願いします…っ!!!』
そして皆で手を取り合ってパーティーの結成式だ。これで皆の問題が一気に解決してめでたし、めでたし…と収まると思ったのだが、パーティーを申請する為にパーティー名を決めなくてはいけないのだそうだ。
「そうだなあ…目指せ、地味冒険者だし『ジミーズ』とかは?」
シーン…ッ
僕の言葉に打ち上げパーティーの参加者全員が静まり返りまたしょっぱい視線が集中してしまった。ネーミングセンスないんだよ、僕。もう勝手に決めて下さい…でないとジミーズにすると言ったら皆が僕を置いて慌てて話し合いを始めた。
「そうだなあ…店の宣伝も入れたいから『ワンダーズシェフ』!」
ワンダーの食堂の名前が『ワンダーズキッチン』…そのままか。僕は別に料理人を目指して冒険者をやる訳じゃないから却下だ。
「そうだねえ…『ドライアース』とかどう?語源は樹の精ドライアドからだけど」
ニーニャ、僕達獣人族は皆基本が肉食だ。草食系男子とか、草食の獣人族もいるけれどパーティーメンバーは全員の食事が肉食…よってアウトだ。
「うーん…悩むねえ。植物系に拘るなら花…古い言葉で花びらを『ブルーメンブラット』ってあるよ、僕達4人だから『クローバーズ』とかも有りかなあ」
3人の中で皆の意見を取り入れたユピテルからは中々の命名が上がった。ニーニャの案である植物を取り入れているし、ワンダーの考えたパーティー名の『ズ』が入っている…流石だ。でも『クローバーズ』…4人の内2人が欠けたらクローバーとして成立しなくなってしまうぞ、惜しいなユピテル。
突っ込みだけは一人前の僕に『ジミーズ』とか言ってる僕には文句を言われたくないと皆に総突っ込みを食らってしまった。ムムムッそれもそうか…なら。
「『ブレーメンズ』…ってどうかな?ブレーメン音楽隊ってのが主役の物語なんだけれど皆、特技がバラバラな音楽隊なんだ。ボク達は皆得意分野が違うしそれぞれ別の目的を持っている…でもその目的を全部叶える為に僕達は一緒に行動を共にするだろう?」
「おおおお…凄えっおい、天性のネーミング音痴が何かマトモな事を言っているぞ!植物も花びらも、ちゃんと俺のアイデアの『ズ』も全部入ってるううう」
「ひええ…っ本当だわ!とても『ジミーズ』を考えた人とは思えない…」
ワンダーとニーニャから褒めてるのかどうかすら分からない感嘆のコメントを貰ってしまった。ユピテルは頷いてそれで行こう、で話が纏まった。
こうして僕達4人は『ブレーメンズ』としてとりあえず僕が冒険者の本登録をする12才、つまり2年間という区切りを目処に冒険者活動を共にする事になった。そこで僕は僕のレベルは気にしなくていいから連絡がない時は3人のレベル上げを優先にして欲しいと伝えておいた。
「僕は地味冒険者を目指しているからレベル上げは程々にする予定なんだ…ステータスの初期値が普通の人より高めだから、僕のレベルは気にしないで皆はランクアップを優先して欲しい…僕にはランクアップ条件とかは特にないんだ」
「ここだけの話として皆にも言っておこう…公表はしていないがアヤトはホープトレジャーより『不壊』の加護を授かった最強の仁獣だ。この3000年の間に現れた史上4人目の通常と精霊の全属性魔法の使い手であり、仁獣クガミの名はホープトレジャーがこの世界に転生する前の苗字にあたる。アヤトはホープトレジャーの影武者としてエターナルグランドトレジャーに創られた者なんだ…これは公式発表があるまではくれぐれも口外しないよう皆で協力し合って欲しい」
父様のトドメの言葉に皆が慄きながら首を縦にして頷いている。父様はもうこの設定で貫くつもりだ…僕が最初から色々ヤラかしたせいもあるけれど、僕1人じゃ隠蔽が不可能と判断したのだろう。
「やっぱりだよ…漸く分かったぜ、ダイアウルフの歯が全部折れてたのってその『不壊』のせいだろ?…ちきしょう、アヤトめ。すっと呆けやがってえ」
ワンダーが思い出したように呟いた。父様の話を聞いて漸く薬草採取で出くわした状況を理解したのである。
「あ…ああ、アレはワンダーの冗談じゃなかったんだね。アヤトがダイアウルフに上半身を丸呑みにされたって話、ごめん…ワンダー、怒ったりして」
「いや…普通は信じないわ、アレ。俺も目の前でアレを見た時は一体何の冗談かと思ったし…うん、気にすんなユピテル」
ワンダーとユピテルは頷きあってお互いに分かり合ったのだった。ニーニャもうんうんとそれに相槌を加えている。
「では、パーティーの続きと行こう…オレもアヤトも今は一般庶民だ。余計な気遣いは無用、今は息子の冒険者としての旅立ちを父親として祝ってやりたい」
こうして講習会の打ち上げパーティーは冒険者活動を共にする事になった4人パーティー『ブレーメンズ』の結成パーティーに移行したのだった。
「おーい…ドラちゃあんっ部屋に引き篭もってないで出ておいでえ。とりあえず父様と相談して作戦を考えてみたからさあ、ね?」
「ほ…本当ですか!?私は主と共に冒険者活動がそれで行えるのですかっ」
僕の言葉に物凄い勢いで天の岩戸と化したゲーム部屋の扉が開かれた。ドラの目の下には隈が出来ており、泣いていたのかドラの目も真っ赤である。ドラは父様と共に僕のやがて来るであろう第2次成長期の為に、我が子の事のように今も取り組んでくれているのだ。
「それで…どうすればいいのですか!?」
「うん…まずSランクに昇格の件なんだけど」
僕はドラに事情の説明を始めた。実はこの冒険者ランクはAランクが事実上の最高ランクになる。Sランクは名誉称号に近くAランク以上の者が、国や世界的に活躍する事で世界の5大国のいずれかか神2柱の内の計7ヶ国、最低2国の承認が必要とされている。ドラの場合この2国というのは神2柱、つまり父様と僕の承認でドラはSランクに昇格してしまったのである。僕は現在事務処理のサインを、ローザが用意した書類に中身を確認しないままコピペでしてしまっている。父様は僕が承認したからそれに合わせて承認のサインを入れた。つまり…
「ごめん…ボクのせい、ドラがSランクになったのは。でも歴代最高記録はドラのせいだからね。とりあえず冒険者カードの再発行は本人が辞退した形でAランクで可能になった。再発行時に父様やボクみたいに何か偽名にすれば問題ないと思う…神都のギルド長に話しは通しておいたよ」
「おお…っそれは!我が主、有難う御座います…それではその偽名にドラの名が入っても不自然がないよう何か名を付けて貰えませぬか?…あ、ドラえーもんとかは却下です」
漸く機嫌が直ったドラだがやはり僕が原因で起きたこの大騒ぎを根に持っているようである。名前もゲーム用に作ったドラのアカウント『ドラえーもん』はダメなのか…うーん、そうだなあ。
「混血種ヒュードレイク=ジルニトラ…略してドラ、どう?種族は国家審査認定済扱いにして混血種にする。古代種も竜と人が交わった種だから混血種でも問題がない筈だ…」
「素晴らしい…なんて素敵な名。主、有難う御座います!ドラは冒険者ヒュードレイク=ジルニトラ、つまり竜族と人間族の突然変異種扱いにして、種族が古代種である事と本名を隠しておけば、地味冒険者を主と共に出来ると言う訳ですね…流石、我が主っなんてズル賢いのでしょう!!」
ドラ…それは多分褒めたつもりなんだよね。時々思うが君の言葉ってかなり誤解を生むと思うんだ、主に僕の中でだけど。とりあえずご褒美請求しちゃうかな。
「…ドラちゃん、君の後始末。結構大変だったんだよ、アレから…ボクにご褒美をくれてもいいんじゃなあい?…今日はコッチの身体で遊んで貰うよ」
「ええ…っ!?我が主、アレはツライのですう、おまんこが疼くし雄芯が飛び出て来そうになるし…って、あっ主いっ!!」
僕は問答無用とばかりにドラを押し倒し、ドラの服を手早く脱がしていく。抵抗しても無駄無駄あ…っさあドラ、とっとと諦めな!
チュッチュチュ…チュッパチュッパ…んちゅううう
「チュパチュパ…ドりゃのおっぱいっ…んんうっちゅう大っきくて気持ちいっ…レロレロレロ、んちゅっ…このまま、食べちゃいたい…ちゅうう」
「ああん…っそれ、ヤあッ主い…っ揉み揉みと、んんっちゅうちゅうは、や…っおまんこグチャグチャにい…はあん、なっちゃ…も濡れちゃっ…う、からあ」
父様との約束でドラはまだ処女、古代種だけあって味はこれまでの最高クラス。勿論僕は父様との約束は守ってるし、これからも守る。
「美味ち…んちゅっちゅちゅう、ドラのおまんこ…最高っらいじょーぶ、チュッパチュパ…おちんぽ、入れたりしにゃ…い、れろれろれろ」
僕がドラの胸を可愛がってやるとドラのおまんこは直ぐにトロトロになってしまうんだ。この2年もの間に散々お強請りし捲ってドラを弄り倒した。僕はドラのおまんこを四つん這いになってむしゃぶりつきながら腰を高く上げて振り続け両手で雄芯をシコっている。僕の雄芯がパンパンになる前にドラはいつも根を上げて僕に縋るように懇願の声を上げる。もうドラは僕のクンニだけで何度もイッてしまってるんだ。
ジュルジュルジュル…ジュチャッ…ニュチャチャ
「あうう…らめえ、もおちんぽ…れちゃっ主いいい…っしぇーえきい、ドラの…口まんこに…っ早くう」
竜の古代種であるドラは両性体だ。ドラはふたなりの両性とはまた違う…ドラの性器は男性器が女性器の中にしまい込んだ形になっているので、普段はほぼ女性体だ。最近では僕におまんこを刺激されてズルズルと雄芯がおまんこの中から顔を出して来ているんだよね…おまんこからは既に亀頭部分の先が見えている。
凄くエロい…僕はゲイじゃないけどこのおちんぽなら咥えられるな…だってドラの蜜液ってメチャクチャ美味しいんだもの、精液も1000年物…性欲を誘う匂いを発散させているので、凄く興味がある。今日はこのまま吸いついて頂くとしようか。
「やめでえ…っヒックッドりゃのおちんぽ、ヒックッ食べにゃ…いれえ」
僕がおまんこを丸ごと唇で挟むようにしてぶちゅうっと思いっきり吸い上げると亀頭が僕の舌に乗る形になりそのままドラが射精してしまった。恐ろしく濃いいがこれまで味わった事のない魔力の濃度だ…味は極上、なんだコレは美味すぎる。ジュルルルルッと音を立てて僕はドラの精を飲み干すと綺麗に舐めて清め、ドラのおまんこに飛び出した雄芯を舌で押して中にしまってあげた。
「ドラあ…泣かないで、ごめん。んちゅっ凄く、美味しかったよお…このまま、ドラのおっぱい貸してねえ。直ぐにおちんぽ…ドラの口まんこに、入れてあげ…るう」
「ふっふえ…ドラのおちんぽしゅわれちゃっ、ヒック…初め、てっにゃのにい…主、酷いお」
ドラはおまんこを濡らし泣きながら僕の雄芯をパイ摺りしてくれた。再びイキリだった僕の雄芯はそのままドラの口の中にスッポリと収まる。
「あっ…はっごめっはあはあ…ドラあ、好きいっ欲し…いよおっ辛…いっ入れたい、ドラあ…ボク我慢して、るんだよ…コレっでもお」
僕はドラの頭を抑え我慢の半泣きでガンガンと腰を振る。僕はドラの口まんこで我慢しているんだ、本当は今すぐにでもドラのおまんこに突っ込みたい…この2年、ドラの身体に触れる度にこの我慢との戦いだ。でも触れずにはいられない…ああ、ドラ好きだっ
僕がかなり無理をさせてしまったのでドラは失神して眠ってしまっている。ドラとは時々ミズガルズのビフレスト城でこんな風にして過ごす。狩りを先に終わらせてここに来るようになったのはあまりに美味しいドラを喰らってしまわない為…正直僕はドラより美味しいご馳走にはこの世界で出会った事がない。だが、今は駄目なのだ…僕の第2次成長期を乗り切る為には古代竜の秘儀とやらが必要らしい。はあ…堪らないな、このジレンマ。頭がおかしくなりそうだよ、ドラ。
ドラの裸体に折り重なるように僕も裸のままいつものようにうつ伏せになり目を閉じる。ベルと変わらぬ爆乳の持ち主で僕はドラのこのおっぱい枕が大好きだ。僕はドラの胸の谷間に顔を埋め今日も眠りについた。
明日から冒険者活動開始…とりあえずこれまでの問題を纏めて片付ける為に明日はホープトレジャー委員会のメンバー全員に召集をかける事になる。パーティーの方はユピテルに任せ、明日から3日間でパーティーの必要物資の買い出しを3人でするそうだ。請求先はホープトレジャー委員会にして貰った。これからまた忙しくなるけれど頑張っていこうと思う。
こうして僕の冒険者活動は始まったのだった。
とりあえずまたややこしくなったので追加説明入れておきます泣
エルブズ=アヤト
本編の主人公。呼び名はアヤト。
仁獣クガミ=アヤトを本名にしていますがこれは神の名を隠す為にグランドトレジャーが作ったカモフラージュ用の仁獣名、転生前の名前です。
ヒュールズ=グランド
アヤトの実父でアヤトの武術の師匠。創造神が冒険者アヤトに合わせて神の名を隠す為に偽装中。
エルフ=セバスチャン
神宮侍従長エルフ=サムバーティの偽名。アヤトの父ヒュールズ=グランドに仕える執事に偽装中。
ワンダー、ニーニャ、ユピテル
アヤトはワンダー、ニャン子、ウサピルとアダ名で呼んでいます。今回の話でアヤトとパーティーを2年間をメドに組む事になりました。パーティー名は『ブレーメンズ』。パーティー会場はワンダーの実家が経営している食堂『ワンダーズキッチン』、最初の子に因んで付けられたぽい店名。
ヒュードレイク=ジルニトラ
冒険者用にアヤトが名付けたドラの偽名。本名はエンシェント=ドラゴニカ。