「くそ!くそ!」
宇宙のあるところで、小柄で醜い容姿の宇宙人が憤慨して不平を漏らしている。頭のてっぺんには顔と同じ大きさの帽子をかぶり、高級そうな服を着ていて貴族らしき人物。しかしその身体に加え、短い足で地団駄を踏むその姿はとても滑稽に見える。
この人物はラコスポ。過去はララの婚約候補の一人だった。
「ララたんも、金色の闇も、僕に逆らうなんて!」
彼は過去に何度もララに結婚を迫ったがすべて断られ、それどころか最も有望な婚約者候補であった結城リトを暗殺するために、彼が派遣した有名な殺し屋の金色の闇もララに寝返ってしまった。
その後再度派遣したもう一人の殺し屋も打ち負かされ、ペットのイロガーマはララの妹のナナに引き取られて、自分自身も花火のように打ち上げられてしまった。その後辺境の未開拓星の住民を攻撃したとして宇宙警察に逮捕され、投獄されていた。最近になってやっと保釈された。
「僕こそララの夫になるべきなんだ。僕こそデビルーク星の王になるだ!なのに・・・くそっ!」
長い時間を経てようやく自由を取り戻したが、ラコスポは当初の野望を諦めず、現在は宇宙闇市の中の入り組んだ先、暗い路地の奥、木製らしい古い建物の前に来た。
「邪魔するぞ!」
ラコスポは乱暴な口調であいさつをしながら建物の中に入った。建物の中の照明は路地のように暗く、中にはさまざまな奇妙な形の物が並べられている。奥のカウンターの向こうにはキツネのような宇宙人がいた。彼は突然の音にびっくりしたが、ラコスポの顔を見てすぐに笑顔を見せた。
「おやおや、これはこれは。本当に久しぶりです、ラコスポ様、不幸な事故にあったと聞きましたが、大丈夫ですか?」
キツネ顔の宇宙人はラコスボとよく取引される闇商人で、取り扱いの商品はかなり広く、希少な動物や植物、違法な薬物や道具など、依頼人の要求を受けさえすれば準備がでる。
実際、ペットのイロガーマもこの男から買ってきたのだった。
「まぁな、この前はちょっと面倒だったけど、もう無事に解決したよ」
「そうですか?それは何よりで」
ラコスポは自分の失敗を全部言うつもりはないし、相手も深入りしないので話を簡単に終わらせる。お客様のプライバシーを過度に探さないことがビジネスを長くする秘訣だそうだ。
「じゃあ、今日来たのもいつものですか?」
「そうだ。何かオススメがあったらおしえてくれ」
「承知しました」
そう言うと、キツネ顔の男はカウンターから何冊かのカタログを取り出して、一つずつラスボスを開けて丁寧に紹介するが、ラスボスの反応はあまりよくありません。
能力が強くて希少な宇宙植物や動物があるが、多分最後はララの妹たちに敗れてしまうだろう。薬ならその心配もないが、ラコスポは有名な闇医者もララの近くにいると聞いているので、理想的な結果は得られないと思う。道具はもちろん、ララ本人は機械の専門家ですから・・・
「では・・・これはいかがでしょうか?」
悩んでいる表情のラコスポをみて、キツネ顔の宇宙人がカウンターから取り出したのはカタログではなく、アンテナのついた角を丸くなっている三角柱のようなもの、隣には懐中電灯のようなものが置いてある。
「・・・なんだこれは??」
「ある貴族が大金を払って人に作ってもらったバーチャル・リアリティーゲームです。名前は『淫堕の迷宮』です」
「名前はともかく、ゲームなんて誰が欲しいもんか。他の奴らと楽しく遊びために来たんじゃないんだぞ」
相手がからかっているのかと思いきや、イライラしているラコスポだが、そのキツネの顔に意味深な笑みが浮かんでいるのを見て、我慢して聞いていくことにた。
「これはただのバーチャル・リアリティーゲームじゃありません、これはラコスポの願いを叶う、確実に女性を堕とすゲーム」
「・・・詳しく話してみろ」
ラコスポの目が変わった後、キツネ顔の宇宙人は口元を上げて話し続けます。
「もともと所有していた貴族は有名な好色家で、彼は自分の癖を満足させるためにわざわざこのゲームを開発してもらいました。この懐中電灯の外型の装置を利用して女性を照射すると、相手の精神をゲームに閉じ込めて淫紋を与えたり、ゲームプレイを強要したり、ゲームの進行とともに淫紋は次第に覚醒し、プレイヤーの心身を侵食する。淫紋が完全に覚醒すると、プレイヤーは完全にゲームの持ち主の虜となり、どんな命令でも喜んで従います」
「ほほう、それは本当か?」
説明を聞いて、ラコスポは大喜びだ。他の商人であれば半信半疑の話だが、ラコスポはこの店では常連だった、商品についてうそ偽りのないことはよく知ている、故に信憑性が高い。
「もちろん本当です。当時このゲームの存在は極力に隠蔽されていました、知っている人は少ないです。その貴族が亡くなってから、このゲームは初めて闇市に流れ込みました。見つかったのは単なる偶然です」
「それで?このゲーム今も使えるのか?」
「もちろん。持ち主もゲームに入らなければならないし、ゲームの難易度が完全にプレイヤーに不利ではないですが、ゲームでも現実とは違わない接触ができますよ。つまり——」
下卑の笑えを浮かび、キツネ男がラコスポの耳元でささやく。
「プレイヤーにあんなことや、こんなことをしても、全然大丈夫ですよ」
「買った!」
「まいどあり」
キツネ顔宇宙人の最後の一言で、ラコスポは喜んで買った。彼は他の商品の何倍も高い金を支払い、機械と説明書をもって嬉しそうに店を出ていった。
「待ってろ。今度は必ず・・・必ずお前達を僕に従わせてやる。くくく・・・はははははは!」
野望達成した光景を夢見に、ラコスポの逆襲が始めました。
*
目を開けたら、目に映るのは見知らぬ世界です。
「ん、ここ・・・どこ・・??」
中世ヨーロッパ風の建物が並んでいて、どこかの町のように見える、道行く人も周りの風景に相応しい服を着ています。彼らは、現代の服を着たララたちに好奇の目を向けず、自分の目的地に向かって街を歩いています。
「おかしいな、さっきまで学校にいたのに」
突然見知らぬ世界にいる原因に心当たりはなく、ララは自分の記憶を思い出そうとする。
今日は彩南高校の文化祭で、先日はみんなが心を込めて準備していた、だから文化祭が来るのを楽しみにしていて。途中ララは自分の発明品を入れて文化祭の雰囲気を盛り上げようとしましたが、リトと古手川に強く止められ、普通にクラスメートと一緒に準備していた。
文化祭の日の朝
招待を受け参観に来たセフィを歓迎して、リト、モモ、ナナそして同じく招待された美柑とともに学校へ行き、クラスの展示を見て、モモ達のクラスも見学し、ルンや恭子と出会い、天上院3人組と涼子、ティアーユやネメシスなど大勢で楽しくおしゃべりしていた。
ここまでは問題ない。
「それで急にまぶしい光が差してきて・・・気付いたらここに」
困惑するララは周囲を見渡し、彼女と一緒にこの世界に来た人々を見ている。
モモ、ナナ、セフィ、春菜、唯、里紗、ルン、お静、ヤミ、美柑、メア、ネメシス、恭子、沙姫、凛、綾、涼子、ティアーユ、セリーヌそしてなぜかいた新井沙弥香と白百合こよみ。
ララ自身を加え、合計23人。
女性たちは目の前の状況に対してララと同じように困惑したり、シリアスな表情を浮かべ考え込んだり、不安そうに眼を泳がせたり、軽いパニックに陥っている。
「あれ!?セリーヌまた大きくなってるよ?」
「まぅ~、なんでこんなとこにいるの?それに身体もまた大きくなっちゃった」
明るい表情で答えたセリーヌは今も月明かりに照らされた時と同じように少女の姿をしている。そして不思議なことに、服も一緒に大きくなっていた。
「わたしもびっくりしたわ。赤ちゃんのセリーヌちゃんが突然大きくなっちゃたんだもの」
「これがララちゃんが前に言ってた大きくなったセリーヌちゃんの姿ね」
セリーヌに一番近い涼子とティアーユは彼女の変化に驚きと興味を持っているが、当事者はあまり気にしないようで、むしろ周りに好奇心を持ってみている。
「で、モモ姫はこの状況どう思う?」
一方ネメシスは笑顔を浮かべ試しににモモに聞いてみると、考えていたモモが彼女をちらっと見てため息をついた。
「あなたも多少はわかっているんでしょう?」
「まぁ多少は、でもモモ姫の考えが聞きたいんだ」
「まったく・・・」
モモは再びため息をついて仕方なくネメシスの質問に答えた。
「相手の目的はわかりませんが、ゲームのような仮想世界に引き込まれたんだと思いますよ」
「うむ、私もそう思ってた」
「あなたね・・・・」
モモがこのような状況でも気楽なネメシスに説教しようとすると、その会話を聞いた春菜と唯がモモを中断させた。
「ゲームと言えば・・・そういえば前にゲームの世界に入って感じと似ている気がする」
「確かモモさんとナナさんが結城君の人となりを確認するために、いきなりゲームの世界に送り込まれたこと?」
「ほぉ~?モモ姫はそんな迷惑なことをしたのか?」
「そ、その時はお姉さまの安全を心配してのことですし、それに迷惑をかけたことについてはあなたには言われたくないです。」
モモはネメシスのちょっかいから逃げるように視線をそらし春菜と唯に謝る。
「その時はご迷惑をおかけしました。ほんとにすみませんでした。」
「大丈夫だよ。私たちも楽しく遊んでたし。」
「あの時の服はちょっとハレンチけどね」
そんな会話の傍らメア、ナナ、美柑とヤミは過去の仮想ゲーム体験について語り合っていた
「ナナちゃんは前にこんな面白い事やってたの?今回もナナちゃんが作ったの?」
「いや、今はそんな必要ないし、遊ぶなら普通に誘うよ」
「今度はぜひ私も誘ってね!私もみんなと冒険したい!」
「う、うん・・・でもそのゲームはちょっと問題あるから姉上に修理してもらわないと」
そんなゲームに対しての興味たっぷりのメアとは別に、美柑は誰かを探すように周りを見渡した。
そんな美柑を見てヤミが口を開く。
「結城リトを探してるんですか?」
「うん、私たちはこの世界に一緒に連れてきたように見えるから、それならリトもいるはず」
「確かに結城リトはこの世界に来る前に私たちと一緒にいました。一人だけ他の場所に送られてるかもしれません」
「危険な目に合ってないといいけど」
「彼は何度も危機を乗り切った、悪運が強いので今はどっかの町で休んでいるかもしれません。寧ろまだどこかでエッチなことしたかもしれないと心配です」
「あ、それは確かにありうる・・・」
そんな様子を想像した美柑はヤミの推測に苦笑しながらも、不安が薄くなるのを感じた。
美柑を少しでも安心させるために、ヤミらしい冗談を言ったのだろう。
「ありがとね。ヤミちゃん」
「・・・結城リトの可能性を推測したまでです、美柑がお礼を言う必要はありません」
ヤミの考えを知ってる美柑は笑顔でお礼を言うと、冷静な横顔のヤミの頬がほんのりと赤くなるのをが見え、彼女の今の感情が少しわかるようだった。
こうして彼女たちは戸惑いながらも、時間とともに冷静さを取り戻していく。
するとその時。
『ははははははっ!!』
大きな笑い声が突然響き渡った。
「この声は・・・」
ほとんどの女性は突然の笑い声に驚いているが、ララ、モモ、ナナ、ヤミ、春菜、美柑とお静だけは笑い声に聞き覚えがあるようだった。
笑い声は上からで皆視線を上に向けると、そのタイミングに合わせるように空に大きなスクリーンが現れ、スクリーンには豪華な衣装を着た小柄な宇宙人が映っていた。
『ははははははっ!!僕が準備したゲームの世界にようこそ!』
「ラコスポ、またあなたね!」
リトに二度も危害を加えた張本人が再び現れたのを見ると、ララは敵意に満ちた表情で空を睨み、他の少女たちの表情も引き締まっていった。
スクリーンの顔を見て、ララの口から出てくる名前を聞いて何かを思い出したセフィがララのそばに来る。
「ラコスポ・・・私の記憶が間違わないなら、それって以前ララの婚約者の候補になった方ですよね?」
「うんママ、あいつは大悪党で私と結婚するためにリトを殺そうとしたの」
「そうですか・・・」
ララの話を聞いて、セフィは再び顔を上げ、ベールを隔ててスクリーンに向かって口を開く。
「私はララの母親セフィ・ミカエラ・デビルーク。母親として、過激な手段で娘に強要することは許されません、そして彼女にはもう心に決めた方がいるのです。今ならまだ間に合います、諦めて自分の星にお帰りなさい、さもなくばデビルーク星は必ず全力を挙げて相応の制裁を与えます」
「ママ・・・」
普段は優しい印象を持つセフィは王族にふさわしい荘厳な雰囲気を漂わせている。顔はベールに覆われて表情は見えないが、発せられた言葉や強さから母親が娘を守るという決意が聞こえ、隣のララも感動していた。
しかし残念ながら、スクリーンの向こう側には届いていないようだった。
『おぉ、あなたはデビルーク星の王妃か?こんなにかわいい娘が生まれたからには、さぞとびきり美人なんだろうなぁ、ベールの下を見たいもんだ』
ラコスポは興味深くセフィを観察し、その後は傲慢な笑みを浮かべ語り続けた。
「王妃様がそういっても、簡単には諦められないなぁ。今回の手段は万全だ、絶対にララを妻にしてやる」
「あなたの妻になんか絶対にならない。べーだ!」
ラクスは相変わらず強硬なやり方を変えないと知って、ララは空中のスクリーンに向かって舌を出して強く拒否した。
ララだけでなくモモも珍しく殺気を見せた顔をして、相手がここにいないとわかっていても携帯型のデバイスを持ち出して威嚇をしている。
「まだリトさんに何をするつもりですか?先に言っておきます、もしあなたがリトさんを傷つけるなら、今度はただではすみません」
モモから立ち上がる殺気はネメシスから見ても思わず「おぉ、怖いなぁ」と呟いていた。
しかしモモの威嚇は何の効果もない、と言うか彼女の心配していることは実現はしない。
『ふん、僕もあの地球人を懲らしめたいけど、このゲームは持ち主以外の男をいれられないようだし、どうせ君たちは僕の臣下となるんだし、あんな小便臭いガキにこだわる必要もないのさ』
「え~それはありえないよ~だってあなた弱そうで、背も低いし不細工だもん。リト先輩のほうが百倍も上だよ。」
元々上から女性たちの困り果を鑑賞したいと思ったが、以外にもみつあみのおさげの思いのほかに少女の言葉のナイフで反撃され、逆上したラコスポは赤い顔をして大声で反論した。
『背が低くて不細工っていうな!僕は僕の星一番のイケメン、それに身長も――』
ラコスポは指をパッチンと体型が変わり、モニターの中の彼は七頭身になった、だが顔は変わらず、身体も普通の人より痩せ気味で、無理やり引っ張られたゴムのように違和感しかない。
しかし本人は自覚がなく、得意げに両手を腰に当てて胸を張る。
『どうだ?このゲームの中にいる限り、僕の身長が自由に変化できる、背丈が高いイケメンになっても造作無い!』
「うわ・・・いくらなんでもあれはないわ」
「身長を伸ばしても・・・ねぇ?」
「いわゆる失敗例でやつ?」
「私も・・・その見た目にちょっと・・・」
結果、女性全員から酷評を受ける。
「う、うるさいうるさいうるさい!とにかく君たちはゲームクリアする前にこの世界を離れると思うな!無駄にあがきながら僕のとりこになるのさ!」
輪ゴムが跳ね返るように、一瞬で身長を縮めたラコスポは、床を踏みしめながら、腹いせのように言った。もちろん女性たちはその話は彼が強がって言った冗談だと思っています、彼はそんなことをする能力がないと思っていますが、中にはラコスポの話から何かを感じ取っている人がいます。
「女性だけが入れるゲーム・・虜にする・・まさか!」
それは御門涼子だった。
「どうしたの御門?何かわかったの?」
涼子に近いティアーユは突然の彼女の変化に気づき尋ねた。
「ティア、学生時代に聞いた話を覚えてる?『女性の悪夢』のこと」
「ええ、女性プレイヤーに限られて遊ぶバーチャルリアリティゲームのことは覚えてるけど、それとゲーム中に女性が・・・あ!」
過去の記憶を探っていたティアーユは元科学者である頭の良さから、御門の話の意味が分かり、顔が一瞬にして青ざめた。
「でも、それって単なるうわさでしょ?今まで実物を見たという人もいないでしょ?」
「私もそう思う。でも、もしあのラコスポとかいう人の言うことが本当なら、私たちはそのゲームの中にいるのかもしれないわ」
「そんな・・・」
「ちょちょちょ、ちょっと待ってください、先生たちだけで理解するんじゃなくて私たちにも説明してください」
涼子とティアーユとの会話の内容は他の女性の注目を集めていた、好奇心に駆られ理沙は皆を代表してティアーユたちに伺いかけた。
「実は私たちが今いるこのゲームは以前聞いていた危険なゲームじゃないか、と疑っているの」
「危険なゲーム?」
「ええ。スケベな貴族が美人攫うために女性限定のゲームを作って、そのゲームに入った女性はゲームによって徐々に心身が変えられ、最後はゲームの支配者の命令に従う虜になってしまうの」
「元々はうわさに過ぎなかったし、誰もそのゲームを見たことがないの。でもあの男の話を聞くとその可能性は高いかも」
「え、今そんな危険なゲームの中にいるですか?」
ティアーユと御門の説明で女性たちの表情が悪くなり、期せずして再び空のスクリーンに視線を戻した。この時を待つように、ラコスは得意げに口もとを引き上げた。
『ははははははっ!!そう、これこそ噂のゲーム『淫堕の迷宮』だ。ゲームに入った瞬間に淫紋が刻まれ、淫紋は次第に君たちの心身を蝕むんだ。解決方法は迷宮をすべて攻略するだけ。まぁその前に恐らく君たちは僕の虜になるだろうけどね。はははは!』
「なんて破廉恥な!こんな破廉恥なゲームは絶対に許されません、早く放しなさい!」
「誰がお前の物になるものか!」
「ダンジョンを攻略する必要はないです。今あなたを見つけて倒します」
『べべーだ、何を言っても無駄だよ~』
唯の抗議にしろ、ルンの反論にしろラコスポは平気な顔で、ヤミの敵意に満ちた威嚇にも動じなかった。
『金色の闇、君は外ではどんなに強くても、このゲームでは特殊能力はすべて使えないよ。君もただの女の子だ』
「!…トランス、使えない。」
「私もだよ」
「ふーん・・・」
「私も炎が出ない」
ラコスポの話を聞き急いで確認したヤミ、メア、ネメシス、恭子は持ち前の変身、発火能力が使えないことに気付く。それに加え、お静の念力やモモ、ナナの転送装置も使えなくなり、ペケもただララの頭の上のアクセサリーになっていた。ララが今日は普通の制服を着ていることが不幸中の幸いだ。
今の彼女たちは春菜たちと変わらない普通の女の子である。
『ぐふふ、わかったよね?お前たちはゲームのルールに従って動く以外に、逃げ道がないだよ、自分を早く堕落させないように努力することだな。僕は迷宮の一番上の階にいるからな。お前達の愚かなもがきを鑑賞してるよ。」
耳に障るような大笑いを残して、大きな画面のスクリーンが空に消えた。みんなが茫然としていた空がしばらく見上げしてから、今度は一人一人の前に小さなスクリーンが広がった。
とやらプレイヤー用のゲームメニューが広がってる。オプション機能の説明のほかに、この世界のゲームルールを紹介している。例えば、毎日五人ずつが迷宮と街を攻略する、クラス(職業)はランダムに決められて、装備と道具は打倒した敵からしか得られません、経験値の獲得とレベルアップの方法について、服裝は拠点以外の場所で変えられない、各フロアのBOSS倒したら次のフロアに行けますなどと。
あと淫紋の侵食率上昇と下降の條件、現在の侵食率確認、それとルール通り迷路や街を攻略しないと侵食率が大幅に増加します。他の説明と比べて、淫紋の説明は意外に少ないようだ。
メニューの最後に「初期クラスを設定してください」というボタンが点滅しています。
「本当に怪しいゲームに送られたようですね・・・」
ゲームリストを閉じて、胸の中の恨みを吐き出すようにため息をついた後、モモは周囲の女性たちを見ていた。
厳粛、不安、恐怖・・・誰の顔にも笑顔がなく、監獄に閉じ込められた囚人のように、一人一人の表情が暗い。
実際、彼女たちの現在の立場はまさに囚われと同じです。
「皆さん、あきらめないでください。こんなに多くの人がいます。お互いに助け合えば、きっと相手の陰謀を破ることができます。」
「そ、その通りです、ここで悩んでいくのも仕方がないです。どこかで休んで、気持ちを落ち着かせましょう。」
「ですね。お風呂に入ってご飯を食べてリラックスしたら、何か対策が思いつくでしょう。」
流石一番の年配だろうか?この状況から最初に立ち直ったセフィはカリスマを発揮して人々を鼓舞し、その後ティアーユと涼子が同調してみんなの動揺した気持ちを抑え、休憩場所を探すために移動し始めた。
幸い、このゲームはお金の使用に制限がないので、休憩所を探すのは全く問題ない。宿屋に泊まるか、直接家を買うかで議論したあげく、町の端にある廃屋を買うことにした。
壁と床の堅さを確認し、照明、料理、風呂設備が使えるようになったら、女性たちはいくつかのグループに分けて入浴し、しばらく休んでから大きなリビングに集合した。
「・・・では、皆確認できた?」
涼子が率先して言った「確認」とはもちろん淫紋のことである。
みんながそれぞれの休みの間に自分の体を検査したところ、下腹部に奇妙な模様があった。
ハート型の模様はおへその真下にあり、中には小さなハートがある。そしてハート型の下には先端が内側に曲がっている矢型の模様があって、ハート型の両側にはコウモリの羽のような形が広がってる。そして、炎のような花びらのような見える模様が周囲に散らかっている。
まるでいつも消えるように薄いながらも、妙な模様が彼女たちの体に浮かんでくる。
「みんなごめんね・・・私のせいでみんなをまきこんじゃって・・・」
「私も皆さんにお詫びします。ラコスポは私に対する部分も多いので、私にも責任があります。」
淫紋の存在を確認すると、ララとヤミはお辞儀して謝る。春菜は慌てて顔をあげさせる。
「そんなことしないでください。ララさんたちのせいではないです、気にしないでください。」
「そうだぜ!全部ラコスポの野郎が悪いだ、姉上が何も悪くね!」
「そうだよ、だからヤミ姉ちゃんも気にしないで」
春菜のほかに、ナナやメアも励ましてくれて、ララとヤミは少し安心した笑顔を見せた。
「あの・・・これからどうすればいいのですか?あの宇宙人の言った通り心身も変わっていくということでしょうか?あんな醜い男のとりこになんかなりたくないです」
この時ずっとそばで静かに事の発展を見ていて、ずっと沈黙を守っていた紗弥香はおずおずと手を挙げて発言した。
「それに関しては心配しないでください。私たちが一緒にゲームの世界に送られてきたので、あれほと大勢の人が突然消えてしまったらきっと大騒ぎになるでしょうから、それにその中にデビルーク星の王妃と3人の王女が含まれているとなると、ザスティン達もすぐに行動してくれるでしょう」
「ザスティン様が助けに来てくださるの!?」
好きな相手の名前を聞くと、沙姫はすぐに曇った表情が晴れ喜びの表情を見せた。
「もちろん、お父様にも知らせてくれるはずですし、お父様は全力を尽くしてくれるはずです」
「じゃ、じゃあ・・・」
女性たちの期待を浴びながらモモはゆっくりとうなずいた。
「私たちもゲームのルールに従って攻略しますが、すぐに助けが来るでしょう」
「よ、よかったぁ」
モモの話を聞いて、紗弥香は荷が下りたように安心の笑みを浮かべ、他の人も緊張がほぐれ不安が吹き飛んだ。
「で、実際その話はどれくらいの可能性があるだ?」
しかしモモの笑顔の下に隠した影に察知したネメシスは、彼女の耳元で他の人には聞こえないよう尋ねた。
「・・・高くないでしょう。ラコスポが人の多いところで手を出すなら、とっくにその対策があるかもしれません。これぐらいのことも考えられないような大馬鹿であってほしいですが、多少の警戒はしたほうがいいです。」
モモは笑顔を維持し、こちらの様子を他の人に気づかれないようにしながら、ネメシスと同じ音量で答えます。
「まぁわざわざ他の奴らに知らせる不安を煽る必要はないな・・・モモ姫はやさしいな」
「・・・それって皮肉で言ってます?」
「まさが、私はあなたをほめてるのだが。まぁしばらくは気づいた人だけ警戒するだな」
「あなたと一緒に行動するなんて夢にも思わなかった」
「そうか?それは楽しみだな」
モモはネメシスの言葉に眉を顰め、ネメシスは桃色のショートヘアの少女の反応を見て少し笑った。
彼女たちの視線の先には、これから始まる冒険に胸を躍らせてるメアと苦笑しているナナだった。
「細かいことは終わったし、次はクラスを決めようよ。」
「メアはマイペースだなぁ。これから何が起こるか心配じゃないのか?」
「大丈夫~どんな奴が出てきても私が全部倒しちゃうし、あのちっちゃくて不細工なやつも倒しちゃうんだから、みんなで現実に戻ろう。そしたらナナちゃんのゲームをやりに行くからね。約束だよ」
「そうだな。全部倒したらいいんだ、ラコスポなんかどうってことないさ。一緒に現実世界に戻るぞ。おお~!」
笑顔を取り戻した彼女たちは積極的にこの世界での冒険に一歩踏み出す。
その後彼女たちは自分が獲得したクラスで強制的にクラス衣装に着替えると、一部のクラス衣装の露出度の多さに騒動を起こしたが、それはまた別の話である。
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ララ・サタリン・デビルーク(レベル1)
クラス:クレリック
淫紋成長率:0%
刻印覚醒:なし
西連寺春菜(レベル1)
クラス:クレリック
淫紋成長率:0%
刻印覚醒:なし
結城美柑(レベル1)
クラス:ダンサー
淫紋成長率:0%
刻印覚醒:なし
金色の闇(レベル1)
クラス:クレリック
淫紋成長率:0%
刻印覚醒:なし
古手川唯(レベル1)
クラス:クレリック
淫紋成長率:0%
刻印覚醒:なし
ナナ・アスタ・デビルーク(レベル1)
クラス:ローグ
淫紋成長率:0%
刻印覚醒:なし
モモ・べリア・デビルーク (レベル1)
クラス:メイジ
淫紋成長率:0%
刻印覚醒:なし
黒咲芽亜(レベル1)
クラス:ファイター
淫紋成長率:0%
刻印覚醒:なし
ネメシス(レベル1)
クラス:クレリック
淫紋成長率:0%
刻印覚醒:なし
籾岡里紗(レベル1)
クラス:スレイブ
淫紋成長率:0%
刻印覚醒:なし
澤田未央(レベル1)
クラス:ダンサー
淫紋成長率:0%
刻印覚醒:なし
ルン・エルシ・ジュエリア(レベル1)
クラス:ファイター
淫紋成長率:0%
刻印覚醒:なし
村雨靜(レベル1)
クラス:ダンサー
淫紋成長率:0%
刻印覚醒:なし
天条院沙姫(レベル1)
クラス:ダンサー
淫紋成長率:0%
刻印覚醒:なし
九条凛(レベル1)
クラス:スレイブ
淫紋成長率:0%
刻印覚醒:なし
藤崎綾(レベル1)
クラス:ダンサー
淫紋成長率:0%
刻印覚醒:なし
御門涼子(レベル1)
クラス:ファイター
淫紋成長率:0%
刻印覚醒:なし
ティアーユ・ルナティーク(レベル1)
クラス:ローグ
淫紋成長率:0%
刻印覚醒:なし
セリーヌ(レベル1)
クラス:ダンサー
淫紋成長率:0%
刻印覚醒:なし
セフィ・ミカエラ・デビルーク(レベル1)
クラス:ダンサー
淫紋成長率:0%
刻印覚醒:なし
霧崎恭子(レベル1)
クラス:メイジ
淫紋成長率:0%
刻印覚醒:なし
新井纱弥香(レベル1)
クラス:ローグ
淫紋成長率:0%
刻印覚醒:なし
白百合历(レベル1)
クラス:メイジ
淫紋成長率:0%
刻印覚醒:なし
ラコスポが使ったゲームのシステムはTRPG「淫魔迷宮666」を基準に、自分なりにアレンジしたものです、クラスの選択や淫紋の配分、刻印のフラグの増加、減少などほとんどランダムになります、誰がと変わるのか、自分も楽しみです
それと、迷宮の攻略、街の攻略と幕間に登場するキャラはアンケートで決まります
アンケートはこちらです、もしよっかたら協力してください、期限は6月25日まで。
https://docs.google.com/forms/d/18vH_bWiF_-z3Juo7OnIwOxX6sSYoza5lYiFqIQFeTV4/viewform?edit_requested=true
ただアンケートはあくまで参考です、必ず得票数の多いキャラ登場するとは限りません
よろしくお願いします
8/1 淫紋侵食率が淫紋成長率に変更します