「は?キス?」
「そ、キス。」
学校が終わって放課後、勉強会のため姉妹のアパートに来ていた。のだが、一花以外の姉妹はまだ帰ってきておらず、二人きりの状況で隣に座っている一花が突然「キスしたい」と告げてくる。
「ほら、私って女優目指してるから、やっぱり将来的には俳優さんとすることもあると思うんだよ。だから…ね?」
「ねっ、てなんだ。」
「先にフータロー君で練習しておこうかなって。」
「俺のファーストキスで練習しようとしないでくれ。」
「安心して?私もだから。」
「安心できる要素が無いな。」
「お願い!この通り!」
「…ちなみになんで俺?」
「だって、フータロー君以上に親しい男の人なんていないし。」
「断る。」
「え、なんで?!私とただでキス出来るんだよ!?したいって思わないの?!」
「そういう問題じゃねぇ!俺はあくまでお前らの家庭教師で、お前らの父親から一線を引くようにって釘を刺されてんだよ。それに、そういったことは好きなやつとやれ。」
「私は好きだよ、フータロー君のこと。」
「ああそうかよ。…え?今なんて?」
「だから、私はフータロー君のことが好きなんだってば。」
一瞬、何を言っているのか理解が追いつかなかった。こいつが?俺を?いやいやあり得ない。いくらなんでも釣り合わない。二乃にしても三玖にしても、そして今回の一花にしても、そもそも俺なんかのどこに好きになる要素があるのか甚だ疑問だった。
これ以上、厄介ごとは増やしたくなかったので、こいつが俺をからかっているだけという僅かばかりの希望にかける。
「冗談はよせ…」
「流石の私でも冗談でこんなこと言わないよ。あ、返事はまだいらないからね。どうせフータロー君のことだから恋愛なんて〜とか言うんでしょ?」
一花とは長い付き合いになる。この感じ、笑って軽く言っているように見えるが一花は冗談なんかではなく、本気で言っていることもなんとなくわかってしまう。
「…はぁ。仮にそうだとしても俺だけはやめとけって…お前ならもっと上を狙えるさ。」
「何さキスくらい、ケチ。私はフータロー君がいいのに…修学旅行の最後でほっぺにしてあげたんだから、お礼に1回や2回してもいいと思わないの?」
一花に言われて思い出したが、やはりあの時の頰にキスをしてきたのはそういう意味だったのか。
…そして、今になっても「全部嘘」発言はどういう意味かまだはっきりとしていなかったが、今ここではっきりした。
三玖に変装した一花が「一花、フータローのこと好きだよ」と言っていたことからも一花が俺に好意を寄せてくれているのは想像に難くない。そのことも含めての"全部嘘"だとしたら、じゃあ好きでもない奴の頰にキスなどするだろうかと言われると疑問が残る。一花が俺に今告白してきた時点でその線はないだろう。
不本意だが少し安心してしまう。
…安心?俺はなんで安心した?
「全く思わんな。不意打ちだったし、ほっぺ程度なら口よりかマシだ。」
「じゃあほっぺならいいんだ。」
「違う。やめろ。」
「本当にケチ…」
「なんとでも言え。とにかくしないものはしない。」
二乃や三玖にも好意を寄せられているのに、一花とキスをするなんて不謹慎にもほどがある。
それに、俺は何よりこいつらとは今の関係のままで居たいと切に願っている。そんなことをしたら明日からどんな顔して会えばいいのかわからない。
一花は不満そうに言う。
「むぅ、…わかったよ。」
「物分かりが良くて助かる。」
「なら、他の誰かとする。」
「……は?他の誰かって?」
「学校にいるクラスメイトにでも頼んでみよっかな。自分で言うのもあれだけど私って案外人気あるんだよ?頼み込めば何人かしてくれるんじゃない?」
とんでもないことを言い出した。そこまでしてキスがしたいか。
確かに一花は人気だ。それも物凄く。学校ではすべての男子の憧れと言ってもいい程に。
頼み込めば数人だと?それどころか何百とやってくれる人はいるだろう。
だが、だからこそそんな愚行を許すわけにはいかない。こいつは男の性を絶対に分かっていない。
「そんなのダメに決まってんだろ。」
「フータロー君が決めることじゃないよね。」
「そうだがそんなこと俺がさせない。」
「つまり私はフータロー君の物だからキスは俺以外にするなってこと?嬉しいなぁ。」
「一言もそんなこと言ってないんだが。」
「してくれないなら他の人とするから。」
「待て待て待て、誰とでもなんて良くないだろ。」
「さっきは好きなやつとしろとか言ってたくせに。それがダメならフータロー君がしてよぉ。」
ダメだ、無限ループが始まってしまった。どうにかしてこの長女の暴走を止めないと、こいつからの誘惑にいつまで耐えられるか分かったもんじゃない。
俺だって一応健全な男子高生だ。完璧な
さらにだ、そういう対象として見ていなかった以前の時期ならまだしも、流石に今となっては嫌でも一人の女の子として意識してしまう。
「…ダメだ。」
「どうしても?」
「…ああ。」
「…分かった。じゃあ今から学校行って他の人に頼んでくる。」
そう言って一花は立ち上がり、俺に背を向け、玄関まで向かおうとする。
「は?お、おい!この後の勉強会は?それに、そんなこと俺が許さないって…」
俺は向かおうとしていた一花の手を掴んで引っ張る。だが、これは非常に悪手だったと言わざるを得なかった。一花は抵抗する素振りすら見せず、引っ張られる力になされるがまま俺の方に倒れ込んでくる。
「隙ありだよ。」
「えっ…!ん?!」
その勢いのまま一花は俺に口付けをする。
実際はそこまでのものではなく、軽く触れ合う程度のものでしか無かった。だが、俺から思考能力を奪うには十分すぎる破壊力だった。
(嘘だろ…!柔らか…)
ちょっと触れただけでこれだ。それ以上はどんなものなのだろう、想像もつかない。
以前、温泉旅行の帰り際に五つ子の誰かに一回だけされたが、真意がわからずうやむやになってしまった。それに対して、今回のそれは明確に好意を伝えられた後だったため、流石の俺でもくるものがあった。
だが、ここはぐっと堪え、残った理性を振り絞って俺はすかさず一花の肩を掴んで引き離す。
「っ、一花、お、お前なぁ…」
思考能力を奪われた俺はその後の言葉が見つからなかった。だが、これで一花も満足したはずだ。
これ以上は流石にもう無いだろうと油断していたが、この程度で一花の暴走が止まるわけがなかった。
「……?」
「?どうした一花。」
「ごめんねフータロー君、もう一回。」
「え?んぐっ!?」
どうやら一花は先程の軽いキスでは良さが分からなかったらしい。一花は両手を俺の頰に添え、動けなくしたところを狙ってキスしてくる。さっきのとは違って、しっかりと唇同士が密着する。
「ん…ちゅっ」
(?!舌が…!)
閉じていた俺の唇を強引にこじ開け、一花の舌が口内に侵入してくる。
一瞬、直接頭の中を舐められているかのような錯覚におちいり、息ができなくなる。だが、そんなことはお構い無しに一花の舌は暴れることをやめない。
「んっ…ちゅ…ちゅるっ……」
「!?!?!」
キスは段々と激しさを増し、ついには一花が淫靡な声を漏らすほど激しくなる。
女の子特有のいい匂い、柔らかい唇、送られてくる甘い唾液、聞こえてくるリップ音、美少女の顔。5感をフルに使って感じる膨大な量の快感で脳がショートし、全身に電流が駆け巡ったかと思うと体から力が抜けてしまい、体には謎の浮遊感が残る。
「んっ…ぷはっ…」
たかがキスでこうなってしまうなんて我ながら情けなさすぎて涙が出てきそうになる。
キスで放心状態になって俯いている俺の顔を覗き込んで一花は言う。
「どう?気持ちよかったでしょ。」
「…」
「私は好きな人とキスできてすっごい気持ちよかったよ?」
「……」
「フータロー君顔真っ赤。」
「…お前もな。」
納得できない。何故ここまで手慣れているのか、余裕があるのか。普通、こういった行為は男の方がリードするものではないのだろうか。まあ、そもそもそういった行為自体をしたことがないからどっちにしろ無理だが。
この子はどんな神経をしているんだろうと疑問に思ってしまう。
「お前、初めてって嘘だろ…」
「嬉しいこと言ってくれるね。初めてだよ?」
これで初めてなんだから女優は恐ろしい。日頃から相当な量のイメージトレーニングでもしているのだろうか。そんな暇があるなら英単語の一つでも覚えて欲しいが。
「…と、とにかく、これで満足しただろ…。」
「えっ?何言ってるのフータロー君。ここからが本番でしょ。」
「は…?」
「えいっ!」
「!」
一花はいきなり俺に抱きついてくる。
俺の胸板に一花の胸が押し付けられる柔らかい感覚、優しい温もり、抱きしめられる安心感に胸が締め付けられ、頭がおかしくなりそうになる。
「今度は、フータロー君からして…?」
そう言って一花は、上目遣いでおねだりをした後、目を閉じてキスをしやすいよう、少し上を向く。
早くと言わんばかりに少し顔を突き出し、準備完了の合図を出す。
「〜〜〜〜〜っ!、一花!」
「ん。」
一花の軽い返事にまた胸を締め付けられる感覚が襲う。
耐えようと頑張ったが不可能だった。余りにも魅力的すぎる。ただでさえ誰もが羨む美貌と体型を兼ね揃えているのに、こうも甘えてこられてはどんな理性も一発でぶっ壊れてしまう。
右手を一花の頭に添え、左手を腰に回してギュッと抱きしめ、俺は人が変わったかのように夢中で一花の唇を貪る。
クチャ、チュプッ、チュパ、と淫らな音を立てながら、俺と一花は舌を絡め合う。先程の一花からの一方的なキスとは違い今度はお互いがお互いを求め合うキスは舌が溶けて交わりそうなほど濃厚なものだった。
「ん…ちゅ…はっ、あっ…」
(ああ…キスが…キスがこんなにも気持ちのいいものだったなんて…ちくしょう…。)
内心で悪態をつくも、それとは正反対に行為は続く。
「んっ…ちゅ…はっ…」
「…」
ここで俺はつい魔が差してしまい、一花の胸を触ってしまう。
「ひゃっ!?」
軽く触れるか触れないかの境目だったため、くすぐったかったのか一花は口を離して思わず声をあげる。
「あ!す、すまん!」
本当にそんなつもりはなかった。強いて言えば腕が勝手に動いていた。まぁ、つまりは俺の意思なわけで…。
ここで一瞬現実に引き戻される。これで止まれるか?と思ったが、一花の誘惑は止まることを知らない。
「…触りたいの?」
「いや、本当にすまなかった!」
「謝らないで?その…フータロー君なら、触ってもいいよ…?ううん、むしろ触られたい…」
「…いやいやいや…ダメだろ…」
急にしおらしくなった一花の姿がとにかく可愛いことや、一花から触れてもいいという許可が出た事実を処理しきれず戸惑っている俺の手を、一花が掴んでそっと自分の胸に誘導する。
「!?」
『やわらかい』
たった5文字それだけが頭の中を埋め尽くす。
「もう一回しよ…?」
「え…?むぐっ!?」
「ん…ちゅっ、」
衝撃的な柔らかさに驚いた隙を突かれ、再び暴力的なまでの一花による蹂躙が始まる。余裕がない俺と余裕がある一花、イニシアチブはどちらにあるかは火を見るより明らかな上、キスで上手く呼吸ができず更に力が抜けてしまう。
「…んっ…ちゅっ…、ぷはっ」
ようやく解放され、俺は必死で肺に空気を送り込む。
「ハァ、ハァ…」
「…フータロー君のここ、キツそうだね…?」
そう言って一花は俺のスラックスに手をかける。
「は?待て待て待て!」
キスの余韻からまだ戻りきっていないところを狙われ、抵抗虚しく俺の制服は一花によって下ろされる。狭い空間から解放されたことを喜ぶかのように俺の肉棒はそそり立つ。
「わっ、おっきい…」
「ちょ、流石にこれはまずだろ!今すぐやめ…!」
言い終わる前に一花は俺のものを優しく握り、手を上下に動かす。
これで俺は完全に攻略されてしまった。一花の手は同じ人間の物とは思えないほど柔らかく、半ば強制的に送られてくる刺激に最後の抵抗する気力を全て持っていかれてしまった。
「まあまあ、フータロー君は深く考えずに気持ちよくなっちゃえばいいんだって。」
「ぐっ…!」
一花はそのまま手の上下運動を繰り返しながら顔を近づけて耳元でこう囁いてくる。
「…どう?気持ちいい?」
「…っ!!」
「聞くまでも無かったみたいだね」
一花は俺の苦悶している表情を見てそう言う。
「ほらほら、出しちゃえ。」
なんとか頑張って耐えていたが、言葉責めにより射精感が一気に押し寄せてくる。
「ぐっ…!や、やば…!」
だが、一花は俺がイってしまう前に手を止める。
「え…?」
「なーんて、そんな簡単にはイかせてあげないよ?」
先程までは一花の暴走を止めようと頑張ってはいた。だが、体は正直というか、ここまでやっておいて寸止めでお預けとは生殺しも良いところだ。
「ふふっ、フータロー君、そんなに欲しそうな顔しちゃって…可愛いなぁ…。」
「…っ。」
顔が熱くなるのを感じる。あれだけ口では嫌々言っていたのにも関わらず、いざやめるとなるとこんなにも欲しくなってしまう。もう羞恥心でどうにかなりそうだ。
「でも、安心してフータロー君?後でちゃんと私の中で出させてあげるから…。」
「!!」
そう言って一花は、俺の目の前でスカートのホックを外す。
「なんで脱ぐんだよ!」
「え?制服着たままシたかった?」
「なにがだ!服を着ろ!」
「分かってるくせに。したくないの?」
「ぐっ…」
「ほらほら、素直になりなよ〜。」
「……っ」
「それとも脱がせたいのかな?ん?」
俺の中の天使と悪魔がただ今大乱闘中…。天使は言う。今ならまだ引き返せる位置だ。ここで仮に最後までやってしまったらもう戻れなくなってしまう。責任の取れない学生の身分でそれはまずいんじゃないか?と。
だが、悪魔は言う。誘ってきたのはあっちだ、お前は悪くない。したいだろ?限界だろ?未知の快感を知りたくないか?と。
そんな感じの自問自答を繰り返していたが…一花の行為により一気に均衡が崩れる。
「…んっ、はっ…んぁ…」
一花の喘ぎ声で俺は自分の世界から一気に現実に引き戻される。
「…は?お前何してんの?」
「えっ?んっ…なにっ…て…我慢できなかったから、オナ」
「聞いた俺が悪かったから言わなくていい!」
ここまでするか。一花はあろうことか俺の目の前で自慰行為を始めたのだ。多分だが、俺をその気にさせるためにだ。一回聴こえてしてしまった一花の喘ぎ声は俺の脳内で何度も反響する。
見てはいけない、冷静になれ、たかが自慰行為だ。
そんなことを必死に考えるが、淫乱過ぎるその光景に目は釘付けになってしまう。
「さっきのキスと…フータロー君にしてもらう想像しただけで…こんなに濡れちゃった…。」
そう言って一花は愛液で濡れた手を見せつけてくる。
俺の中の悪魔が勝ってしまった。ここまでされて耐えられるやつは人間じゃない。
俺は自分の頭の中が、ただ犯したいという欲望でいっぱいになっていくのを感じる。
「一花、ほんとにいいんだな…?」
「うん…いいよ。でも、初めてだから…優しくね…?」
だが、ここで俺は一花の中に入れたい衝動をぐっとこらえる。先程まで俺は弄ばれたんだ、少しぐらい仕返ししてやらないと気が済まない。
「さっきは俺のことを好き放題やったから、俺にも好き勝手していい権利は少しぐらいならあるよな…?」
「え…?きゃっ」
俺は一花を押し倒し、俗に言う床ドンの体勢になる。
一花は驚いて目を閉じているが、俺はしっかりと一花の顔を見つめる。一花が目を開けたタイミングで手を頰に添え、お互いに見つめ合う。
「え?え?」
「一花…お前、ほんとに綺麗な顔してるのな…」
ボン!と大きな音をたてそうな勢いで一花の顔は赤く染まる。だが、あくまでも余裕がある様に見せたいのか、いつものお姉さんフェイスの笑みで聞いてくる。
「へ、へぇ…フータロー君にもお世辞が言えたんだね。」
「いや、よくよく見るとほんとに可愛いなって思って。」
素直にそう思ってしまった。透き通るような肌、パッチリとした目、長い睫毛、柔らかい唇…見れば見るほどその深みにはまっていく。
「…」
「?どうした?」
「そ、そんなに見ないで…」
「あれだけキスしてきたくせに顔見られるのはダメなのかよ…」
「だ…だって、フータロー君から褒められるなんて…恥ずかしいよ…。それに、フータロー君もよくよく見たらカッコいいし、直視出来ない…」
「お、おう…」
思わぬ反撃をくらってしまった。容姿を褒められるのは悪い気はしない。
そんなことより、どうやら一花は自分から行動を起こすのはいいが、相手から来られたり予想外の出来事には弱いらしい。主導権を勝ち取るチャンスが訪れた瞬間である。それを逃す手は無いので、早速行動に出る。
「…さっきは俺を手で気持ちよくしてくれたからな、そのお礼だ。」
「え…?ひゃっ!」
一花の秘部をゆっくりと撫で回す。流石にここから先は勝手がわからないため、まずは様子見をする。
「…フータロー君て…経験者だったりするの…?」
「いや、初めてだが…なんで?」
「…自分でするよりも…その、すごく…いい…」
「…」
そのまま入り口を指の腹で擦ると、そこから愛液が溢れでて来るのがわかる。
「んっ…フータロー君っ…」
「…」
滑りが良くなってきた頃合いにつぷっと音を立てながら中指を彼女の中に入れる。そのまま指を軽く曲げ、出し入れしてやると手で抑え込んだ口から喘ぎ声が部屋を満たす。一花を気持ち良くするためにやっているのに入れている指ですらとても気持ちいい。
「一花…」
「ふぇ…?」
俺は手をどかして今日何度目になるか分からないキスをする。あれだけしたのに、全く飽きがくる気配がないのだから不思議だ。
一花と舌を絡めながら、目だけを動かして一花の秘部を見る。どこをどのようにすれば気持ちよくなるかを模索する。
(ここか…?それともここか…?)
「…んっ!」
(…今少しビクってなったな。)
弄ばれていた俺は何処へやら。ランナーズハイとでも言うのか、先程から妙に頭が冴え渡っている。慣れたというか、もうしてもいいと割り切ったからからか…。どちらにせよ、ここからは俺の独壇場だ。
だが、初めてだからよく知らない。だからこそ、ゆっくり丁寧に一花の弱点を念入りに探す。
「…ぷはっ。フータロー君…もっと上の方…」
「…わかった。」
早く達したくて耐えきれなかったのか、一花はキスを中断して自ら弱点を教えてくる。
「あっ、そこ…もっと強く…んっ!」
弱点を的確に突いてやると、面白いくらい反応が返ってくる。指を締め付ける力は強くなり、手で抑えた口から漏れ出る声はより淫らになっていく。
しばらくして、俺は指を動かすのをやめる。
「えっ…?」
「仕返し。」
いく寸前だったかは分からない。だが、少なくとも一花にとっては良いところで終わってしまったらしい。
「…フータロー君の意地悪…。」
「お前も同じことしてきただろ。」
一花は頰を膨らませ、涙目で俺を恨めしそうに見てくるが、そんな顔をされたところで申し訳なく思うどころかむしろ加虐心を更に掻き立てられるだけだ。
流石にここら辺が我慢の限界だったため俺は一花に聞く。
「なぁ…一花、その…いいか?」
すでに俺の思考は、この後のことだとか、やってしまったら取り返しがつかないだとかの事は全く頭になく、ただひたすら一花と一つになることしか考えてなかった。もしダメだと言われてもやってしまうつもりでいた、それぐらい我慢の限界だった。
「…」
借りてきた猫のように大人しくなった一花はコクッと小さく頷く。流石の一花も緊張しているのだろうか。
「いくぞ…一花。」
「来て…フータロー君…。」
一花の秘部に俺のものを入れようと試みる。
だが、やはりというべきか、経験がないせいでなかなか上手く挿れられない。
(先っぽ擦るだけでこんなに気持ち良いのかよ…)
「あ…入り口擦られるの…気持ちいい…」
「言葉にしないでくれ…」
しばらくの間、お互いの性器をこすり合せる。
入り口から出てくる蜜で滑りが良くなっているため、これだけでも射精してしまいそうになるがそこは堪える。こんなところで無駄撃ちなんかしてたまるか。一回でも多く一花の中で果てたい。
そして、ようやく亀頭が入り始める。
そこからは本当にゆっくりと挿れていった。今すぐにでも出し入れをしたかったが、それで一花に必要以上の痛みを与えてしまうことを恐れた。
少し進んでは一花の様子を確認し、また進むを繰り返す。
そして、とうとう最奥部に達したとき、すでに限界が来てしまった。
俺は慌てて引き抜き、一花のお腹に思いっきり射精してしまう。
「…すまん、我慢できなかった。」
「…ぺろっ。」
一花は自分の体にかかった精子を指ですくって舐めとる。
「変な味…」
「そんなの舐めるなよ…」
「でもフータロー君のだから、全然嫌じゃないよ?」
「…お前はまたそうやって…!!」
一花の飲精は自分の全てを受け入れてくれる感じがして酷く興奮してしまい、俺は再び彼女の中に挿入する。リミッターが外れてしまったというか、一花を気遣うことも忘れて夢中で腰を振る。
それに対して一花も脚で俺の腰をギュッと掴んで離さない。
「フータロー君…好き…」
「…っ」
「大好き…!」
「〜〜〜っ!」
向けられる好意が余りにも心地良く、更に興奮してしまいついストロークを早めてしまう。
しばらくの間、パチュンパチュンという水音と喘ぎ声が部屋中に響く。
「一花…!一旦抜くぞ…!」
流石に中に出すのはやばいと思い、抜こうとしたが一花の脚がそれを許さなかった。
「駄目!まだ抜かないで…」
「ぐっ…!」
抜くどころか、一花は俺の脇の下から腕を通し、背中をギュッときつく抱きしめ、更には脚で俺の腰をがっちりと固定してきた。
我慢できるはずもなく、そのまま一花の一番深いところに精を吐き出す。
中出しはやばいのに、外に出すよりも気持ち良すぎて射精が止まらない。何も考えられなくなる。ただ快感だけが身体中を満たす。
ようやく全てを出し切ったところで一花を見る。
「…あははっ、やっちゃったね…。」
「…」
とりあえず抜こうと腰を動かそうとするが、一花は一向に抱きしめるのをやめない。
「…おい。」
「私、まだいけてないから…もう一回しよ…?」
「!」
「もう一回中に出しちゃったし…何回出しても同じだよね…?」
「〜〜〜っ!後悔するなよ…!」
「あっ…!」
既に一回中に出しているため、精液が潤滑油のようになり一花の中は更に気持ちよくなっていた。
出し入れするたびに溢れ出てくる分を補おうとするかのように膣はうねって絞り出そうとする。
「あっ…そこいい…もっとついて…!」
「こうか…?」
「うん…!」
「っ、馬鹿…締め付けすぎだ…!」
「ご、ごめん…、気持ち良すぎて…!」
中に出してもいい、そのことがお互い興奮してしまい快楽を貪ることに躊躇がなくなってしまう。
一方は弱点を攻められ、もう一方は強く締め付けられることによりどちらも既に果てそうだった。
なるべく長く味わっていたいが、そう長くは持たない。
「そろそろいきそっ…!」
「ぐっ…!俺も…
「うん…沢山出して…?」
「〜〜〜〜っ!」
容赦なく、さっきとは比べものにならないほどの勢いで彼女の中に種を送り込む。それも奥の、更に深いところに。中に出す気持ち良さで息が出来ない。
同時に果ててしまったからか、俺が射精すると一花も負けじと締め付けてくる。そのせいで本当に最後の一滴まで搾り取られてしまったかのような錯覚に陥る。
二人とも息をして無かったことに気付き、種付けが無事に終わると俺は一花のとなりに半ば倒れ込むように寝そべった後、必死で脳に酸素を送り込む。
そのまましばらく無言の時間が続き、息を整え終わった一花がそっと俺の腕に抱きついてくる。
「なんだよ。」
「気持ちよかったね?」
「…」
「ん?」
「…気持ちよく無かったらあんな風にならないだろう…」
「素直じゃないねぇ。」
「ほっとけ…」
一花は頭を俺の胸に乗せて頬ずりをしてくる。
…もう、ただでさえ今の俺の心臓は悲鳴をあげてるんだから、これ以上負担をかけて欲しくないんだが…。
それでも可愛いものは可愛い。俺は一花の頭をぎこちなく撫でてやる。
「…幸せ。」
「…そうかよ。」
中に出してしまったとか、告白の返事はどうしようなどの問題は数時間後の俺に任せよう。たまにはこんな時間があっても…
「って、こんなことしてる場合じゃねぇ!」
「ええっ?!」
「あいつらが帰ってくる前に諸々証拠隠滅しないとまずいぞ!」
「え?あ!」
どうやら一花は姉妹の存在などすっかり忘れてしまっていたらしい。
「とりあえず、俺はここを綺麗にしておくからお前は風呂沸かして入ってこい!」
そう言って俺は慌てて服を着て、窓を開けて換気しながらティッシュで諸々の汚れを拭いていく。
「…ねぇ、フータロー君。」
「なんだ、早く入ってこいよ。」
「一緒に入らない…?」
・
・
・
カポーン。
汗や何やらを全て洗い流し、現在は風呂に入っている。
一花から二人でお風呂に入りたいとの要望により、一花が俺の胸板に寄りかかる形で風呂に浸かっていた。
「…なんで一緒に入らないといけないんだ?」
「何だかんだ言って一緒に入ってくれるフータロー君、私は好きだよ?」
「………話題をすり替えるなよ。」
「あ、今照れたでしょ?」
「うるせえ照れてねぇ。で、なんでだ。」
「別にいいじゃん一緒に入ったって。減るものでもないし、私も眼福だし?」
「それ普通は男のセリフじゃないか?」
「もー、こんな美少女と一緒にお風呂入れるんだから文句言わないの!」
「へいへい…」
そう言って一花は頭をこてんっと俺の肩に乗せてくる。
二人で入るのは必要以上に体が密着する上に、角度的に一花のたわわな果実がよく見えるわけで…俺の海綿体が再び膨張を始めてしまい、更には一花に当たってしまう。
「…フータロー君のエッチ。」
「先にキスしてきたお前はもっとエッチだな。」
「確かに最初は私だけど、あれだけ私の中に出しておいてまだ勃つフータロー君もなかなかだよ?」
「いやほんとにすまん…」
「ふふっ。いいよ、許してあげる。」
もうすぐ他の姉妹たちが帰ってくるというのに、風呂から出たくないという気持ちが勝ってしまう。人肌の温もりがこんなに良いものだとは正直予想外だった。
「…なぁ、一花。」
「ん?」
「その…勢いでやってしまったが、告白の返事は待ってくれないか。」
「…二乃や三玖の告白もあるから迷ってるってこと?」
「なんで知ってるんだよ。というか三玖は告白してないぞ。」
「でも、三玖がフータロー君のこと好きだって気付いてるでしょ?」
「まぁ、そうだが…。その、そういうことだから返事は待ってくれ…。」
「うーん、ここまでやってもフータロー君を即ゲット出来ないなんて…ちょっと凹むなぁ。」
「いや、ほんとにすまん…」
「謝らないで?私はフータロー君とこうしているだけで幸せだから、最悪二股かけてもらっても良いかなって…」
「…いやいや駄目だろ。」
「今一瞬それも良いなとか思ったでしょ。」
「思ってない。」
人の心をあっさり読まないで欲しい。
正直に言おう。思った。誰かを選ばなければいけないというのはわかる。たが、俺が選ばなかった相手が振られた後、どうなるか想像もつかないから選ぶという行為がもの凄く怖い。
所詮は学生恋愛だ、失恋も青春の一ページ、いつかは俺なんかよりもずっと良い相手に巡り会えるさ、なんて楽観的思考でもすればいいのだろうか。
ここで、一花の背中が俺の体から離れ、代わりに正面を向いて胸を押し当ててくる。
「それは冗談として…さて、フータロー君。」
「なんだ。」
非常に目に毒だ。上目遣いで、しかも胸は俺の体に押し付けているせいでむにゅっと変形している。
誘ってるのか?とも思ったが、一花の真面目な雰囲気に黙って話を聞くことを決める。
「振った相手がかわいそう、なんて思っちゃ駄目だからね?」
「…」
「…少し、お話聞いてくれる?」
「…ああ。」
「…私は、修学旅行で取り返しのつかないことをしちゃたよね。でもね、あの後三玖は許してくれたんだ。本当に優しい子だよね。」
「…」
「こんなに優しい子を陥れようとしたんだって、後になって自分がやったことをすごく後悔した。今となっては、フータロー君が変装した私を見抜いてくれたことには感謝してるよ。あの時は本当にごめんね?」
「…まぁ、俺もそのあとの態度はやりすぎたって反省してる。そのことを蒸し返すのはもう無しにしようぜ。」
「うん、そうだね。…最終日の最後にフータロー君は許してくれたけど、私は私を許せなくて、フータロー君と結ばれるのは諦めようって思ったの。幸せになるべきなのは私じゃない、二乃や三玖だって、そんな感じで諦めようとしたんだ。」
「…」
「でも、あの二人は私がこんな形で想いを終わらせるなんて望んで無くて、なにより私自身もやっぱり諦めきれなかったんだ。私はどうしてもフータロー君が好き。せっかくもらったチャンスだから、今までは全部変化球だったんだけど、これからは私なりの直球で勝負することにしたんだ。」
「…その渾身のストレートは俺の頭にデッドボールを食らわしているんだが…。」
「ちゃんと制球力鍛えないとだね?」
「是非そうしてくれ…」
「…たとえ私が選ばれて、あの二人が泣くことになっても、逆にあの二人のどっちかが選ばれて、私が泣くことになっても、私たちはそうなるかもしれないことを覚悟の上だから…だから、フータロー君は振った子がかわいそうなんて思わないで、しっかり答えを出してね?」
「…ああ。」
「うん、よろしい。あ、今日のことは別に気にしなくていいからね?私が誘っちゃったわけだし。」
「…気にするな、なんて無理に決まってんだろ。というか、俺が止めなかったらお前どうする気だったんだ?」
「もちろん無理矢理するつもりだったよ?」
「もちろんてなんだ!危険球すぎる!」
「あはは…」
…こいつらは傷つく覚悟でやっている。なのに俺だけ傷付きたくない、なんて虫のいい話はないってことか…。
俺は完全に巻き込まれているだけなんだが…。だが、
「ありがとな、一花。」
そう言って俺は一花の頭を撫でる。それに対して、一花は気持ちよさそうに目を細めながら
「どーいたしましてっ。ところでフータロー君。」
「ん?」
浴槽からザパァと音を立てて立ち上がり、俺に向かってお尻を突き出してこう言い放つ。
「もう一回しない…?」
「〜〜本当にお前だけは…!」
俺はすぐさま立ち上がり、再び行為に及ぼうとするが…
バタン!ドタドタ!ギィ…バタン!
「「…」」
誰かが慌てて脱衣所を出たあと、走って玄関のドアを開けて出て行く音がした。
つまり、誰かに今の状況を聞かれていたことを意味していて。その誰かとはあいつらの誰か以外ありえないわけで…。
「…あっはは、困ったね…。」
「…」
「もういっそのこと私と付き合ってることにすればいいんじゃない?」
「勘弁してくれ…。」
これからどうしようか頭をフル回転させながら俺と一花は急いで体を拭いて服を着るのであった。
…どうか夢でありますよーうに。