徒エロ183集 作:唯一無二がまたやっている
初めて誰かを殺した。その日の夜は酷く興奮してしまい、何度も何度も一人で慰め続けた。勇者であるボクが、人類の希望が人類に牙を剥いた。その事実がボクを酷く苛み、甘く誑かしていった。
「あ、はぁ……♡気持ちぃ♡」
夜闇に潜んで罪の無い民を殺す。悲鳴を聞くと達するようになった。もっと、もっと欲しい。
「……?」
何かいる。ボクの気持ちイイことを邪魔するやつが。
「───そこぉっ!」
剣を振る。普通なら気付かない。けど、ボクなら手に取るように分かる。悲鳴を聞けないのは残念だ。何故ならちょうどそこは首を断ち切る軌道。手応えがある。殺した。
「さて、と。誰かなぁ?」
振り向き、死体を確認しようとする。瞬間、ボクは思いっきり吹き飛ばされていた。誰も居ない大通りをゴロゴロと転がされる。
「いてて……びっくりしたなぁ、もう」
「ほう、今の一撃で死なぬか。先程の剣閃と言い今の耐久と言い、貴様、本当に人間か?」
うっとりするくらい甘い声が聞こえた。この声を悲鳴に変えてあげたい。そんな気持ちが鎌首をもたげ始める。
「あは、えもの発見……♡ひゃー、見た目も可愛らしいし100点満点だよ……♡」
剣を持ち直し、突進する。稲妻の様にギザギザに、ジグザグに、立体的に突っ込んでいく。
「先ずはぁ……そのおててからいくよぉ……!」
脇の下から斬りあげ腕を落とす。いや、落とせなかった。おかしい。さっきの手応えと今の手応えが違う……?
「その剣……聖剣か?成程、もしや貴様勇者と言うやつか。ほう、今代の勇者は初めて見るが、中々に危険そうな奴でないか。まるで殺人鬼のようだ。生まれる種族を間違えたのではないか?」
「そう言うアナタは魔族かな?でも、普通の魔族なんて素手で殺せちゃうし……アナタとっても強い魔族なのね」
悲鳴さえ聞けるのなら何でもいい。必ず殺す。
再度斬り掛る。しかし、今度は双方の距離が半分程に縮まった位の所で力が抜けて倒れ込んだ。
「はえ……?なんれ……?ちきゃりゃひゃいりゃにゃ……?」
立ち上がれない。モゾモゾと動くが上半身を起こすので精一杯だ。剣も取り落としちゃうし訳わかんないや。
「喋れない程度に麻痺させたつもりだったが……遊んでいる時点でこれか。末恐ろしいものよ」
「……?よくわかりゃにゃい……けど、こりょせにゃい、みたいりゃし……んんっ、つまんないや」
痺れも取れたし力も入る。けど、多分埒が明かないしそろそろ人が来ちゃう。バレたら面倒だ。さて、トンズラさせてもらいましょ。死体は魔族の娘に押し付けちゃえ。
「じゃあね!また遊びましょ!」
「あ、おい!」
魔族の娘が慌ててるけど知ったこっちゃない。さてと、朝ごはんにしよっかな。
〜〜〜
「……あれー?」
目を覚ますと身体が縛られていた。見た感じ魔力とか筋力を奪うやつっぽいけど面倒だなぁ。うーん、どうやって解こうか。
「起きたか。全く、人の話も聞かずに何処かへ行ってしまいおって……」
「あれ、アナタこないだの魔族の娘?どうしたの、こんな所で」
そう聞くと魔族の娘は何故か怒り出した。何でも、魔族は魔族でも魔王らしい。で、勇者を見に行ったら狂人だった、と。成程。
「それで、貴様は何故人を殺す?勇者としての責務はどうした?」
「んー?そんなの気持ちいいからに決まってるじゃん。人の悲鳴が、血と恐怖の匂いがもう堪らないの!お腹の奥がウズウズキュンキュンして頭が真っ白になっちゃうんだよ?」
何を当たり前のことを聞いてるんだろう。気持ちイイから人を殺して、気持ちイイから人を傷つけるんだよ。
「……そうか、なら他に気持ちいいことがあれば人を殺さないのか?」
「……? そりゃそうでしょ。他に気持ちいい事があるならそっちが優先されるよ。て言うか魔王の癖に勇者に対して親身過ぎない?」
「貴様は人は兎も角魔族も見境なしに襲うからな。別の事に目を向けさせて被害を減らさねばならない。王として当然の責務だ」
ふうん、王様ってのも大変なんだね。こっちの王様とは大違いだ。
「それで、人殺しより気持ちいいことってなに?そんなものあるの?」
「ああ、あるさ。お前が抵抗しなければな」
「ふぇ?───んむっ。くちゅ、んちゅ、れりゅ……」
魔王は何故かボクにキスをした。ボクも一応人の範囲を超えていないので長くキスをされれば息が詰まってくる。そろそろ苦しい。
(これが気持ちいいこと?別になんて事はないけどね……?)
舌が絡んで、口の中を蹂躙される。色んな所を舐め回されて変な感じだ。
「……ぷあっ。これが気持ちいいこと?」
「違うぞ。今のは魔術行使の為の前段階だ。さて、これからは鎖が邪魔になるからな、外しておく。が、くれぐれも抵抗してくれるなよ?」
「分かったから早く早く」
鎖を解いてもらい、上半身を起こす。うん、魔力戻ってきてる。異常は無いね。
「魔力というのはな、生命の源、丹田から出来ている。子宮の辺りだな。そこに魔術紋を描く、今回は色欲を司る紋を描くぞ」
「良く分かんないけど、それで気持ち良くなれるの?」
「そこで快楽を得られる奴もいるが、得られない奴もいる。本番はこの紋を描き終わってからだ。まだもう少しかかるから焦るな」
わ、お腹の辺りに変な模様が出来てる。ハートみたいな感じの。でも何か嫌な感じがする見た目だなぁ。
「んっ、ひゃっ……!?な、何今の……」
「ん?ああ、貴様はそこで既に快楽を得られるのか。どうだ?その刺激はまだ軽い方だが、すぐに何度も達するようになるぞ」
ズクン、ズクンと強い疼きが身体を襲う。意識が甘く蕩け始め、愛液がトロトロと溢れている。
「しゅごぉ……きもちいぃ……」
「そして、私の魔力でこの紋とお前の丹田をリンクさせれば終わりだ。行くぞ、そら」
「〜〜〜っ!!!?♡♡♡」
ガクガクと身体を震わせベッドに倒れこんだ。声が出せない。腕が勝手に自分の身体を抱きしめて悶えてしまう。今まで気持ち良いと思っていた事がゴミのように思える。