今まで碌な恋愛をしてこなかった俺と莉緒は、こうして初めてを共有していく。ひとつひとつ、丁寧に。
*
この作品は、同作者作品「WHY? -彼女と俺の理由」のR-18分の投稿になります。
後日譚的な存在ですので、是非前作をお読みになってからこちらを一読していただくことを推奨します。
夏も盛り。八月の暑さは、日を追えば追うほどその熱を増し、こうして俺たちの街に降り注ぐ。空は真っ青で、そこには大きな入道雲。あと必要なものと言えば?
「似合ってるよな」
「えー? 何か言ったー!?」
遠くに見える白いワンピースを着た少女は、二十三歳の百瀬莉緒。麦わら帽子を深くかぶり直し、振り返り際に笑う彼女の姿は、きっとこの風景に足りなかったもので、今、この風景は完成したのだと思う。
「いや、なんにも」
馬鹿みたいに続きそうなこの永遠とも呼べる時間に、俺はこうして彼女と歩いている。彼女の微笑みと、幸せと、今まで乗り越えてきた様々な困難を胸に、力強く、そして二人のペースで。
「ねぇ、ちょっと」
「なんだ?」
「さっきから私ばかり見つめてるけど、何か楽しいの?」
向日葵を見つけたと叫んでいた莉緒が戻ってきて一言。少しなびくワンピースの裾を押さえながら、まるで俺が向日葵に喜ばないのが不思議だと言わんばかりの目で、こちらを見ている。
「まぁ、可愛いから」
「そうそうかわい……可愛い!?」
「うん」
「ちょ、ちょっと、君ったら、いきなりすぎるわよ」
麦わら帽子で顔を隠す莉緒。でもちゃんと口元で笑ってるのが見えて、俺もつられて笑う。
「なぁ」
「ん? 何?」
こんな日だから、こう思うんだろうな。
「今日、家に来ないか」
*
「ただいま」
「はい、おかえりなさい」
ドアを開けると、中から少し籠った熱気が飛び出してきて、その湿気と熱に入るのを躊躇いそうになるが、後ろから聞こえる莉緒の声に後押されて、玄関で靴を脱ぐ。
二人してやっと仕事が落ち着き、こうして会う機会も増えた。というよりも、隣に住んでいるので会おうと思えばいつでも会える。ただ、プロデューサー君に、「過度な面会は控えてくれ、あくまでアイドルだから」と釘を刺されているのもあって、ちょっと前まではあまり会えなかった。電話のやり取りや、晩飯を一緒に食べる程度。まぁそれだけでも満足できるレベルだったかというと、正直その通りだとは思う。仕事が忙しかった時期は、それ以上に何をするにも体力が足りず、話しているうちに寝落ちしてしまうこともしばしばあった。それは俺だけじゃなく、お互いに。
「今日は何にする?」
「そうだな、じゃあ――」
「今日もカレー、はなしね」
「先を読まれた……」
それでも莉緒は少ない期間ですっかり俺の部屋のキッチンの使い方を覚えたらしく、よく作ってくれるようになった。怪我のリハビリを頑張ったのと、術後の経過が良好だったのもあって、完治まで予定では一か月だったところが三週間で済んだのだ。彼女の中にある強い意志というものの力を、改めて感じさせられる事態となった。
「もう、君ったら。……冷蔵庫の中身的に、今日はコロッケと……それから、中華スープならできそう。それでいい?」
「ああ、構わん」
「もうちょっと興味持ってくれてもよくない?」
料理に関しては自分で作る時はそれなりに関心をもって作っているつもりだが、彼女が作るとなると話は変わる。
「すまんすまん」
「まぁ、いつも美味しそうに食べてくれるからいいけど。エプロンどこだっけ」
「お前の後ろの棚の右から二番目のとこ」
「ありがと」
伝え終わって仕事のデスクに向かうと、キッチンから包丁の音が聞こえ始める。ついこの前二人で行ったデパートで実演販売があり、木製のまな板に包丁が触れる音が心地よくて、その場で買ってしまったのを思い出す。莉緒がこの家で料理するようになってから、キッチンは瞬く間に物が増え、彩りも鮮やかになった。彼女に最近の料理器具はカラフルなものが多いというのを知らされて少し驚いたのは、記憶に新しい。
ほのかに油の匂いと中華だしの匂いが漂い始めた。軽く業務の状況をチェックしようとしていたのに、結局一切進まなかったな。
*
食卓に並ぶコロッケと二つの中華スープのマグカップ。それから、彼女の両手には缶酎ハイが二本。
「まぁ、明日休みだし」
「やった!」
喜ぶ彼女を見て仕方ないな、と思いながら笑う。この笑顔には一生勝てる気がしない。
「それじゃ」
「はい」
「かんぱーい!」
いつも通りのテンションの俺と、お酒を前に既に出来上がっているような莉緒が、こうして一つの食卓を囲んでいるのは、なんだか少し変な気持ちだ。少し前まではあり得なかった光景だし、何よりこのテンションの差が存在してもこうして二人の間に溝すらなく、同じ飯を食べることができるというのが、不思議でならない。
酎ハイを一口飲んで、そのままコロッケを頬張る。彼女のコロッケはいつもカレー粉が少し入っていてカレー風味になっていて、これが酒と合う。こういう時は白飯を食べないので、コロッケを食べてすぐ酎ハイを流し込む。平日じゃできない楽しみ方ができて、その瞬間の幸せは計り知れない。
「うん、旨い」
「コロッケの味、ちょっとしょっぱめにしてみたんだけど、どう?」
「前より合うし、いいんじゃないか?」
「確かにお酒とは合うんだけど、中華スープとは合わなかったわねー」
冷凍餃子が数個放り込まれた中華スープを一口飲んでみると、確かにこの味は、コロッケと酒の間に割って入れるものではないとは思った。莉緒も同じことを思ったらしい。
「って、お前、今日早くないか?」
莉緒は酎ハイを既に一本飲みきっていて、次の缶ビールに手を伸ばしている。コロッケもいつの間にかほとんど消えている。
「そう? でも全然大丈夫! まだまだ飲むわよー!」
……今夜は少し長くなりそうだ。
*
「はぁ……」
「あはー……ちょっと気持ち悪いかも」
「言わんこっちゃない」
二時間ぐらい経っただろうか。既に時間を確認することを放棄してしまっているのに加え、少し理性が危うい。いや、頭は動いているが、呂律が回らない。
彼女は結局酎ハイ三本、缶ビール三本の計六本を飲みきり、俺が隠していた(?)枝豆やその他スナック菓子を食べつくした。今日は余程そういう気分だったらしい。
「なんか、あれね、酔ってるのかもしれないけど、理性は飛ばなくなっちゃったわ」
「飛ぶ時もあるだろ」
「……そうね。何が違うんだろう」
ちゃぶ台の前で寝転がる彼女を見て、俺も一度息を吐く。食べ過ぎたな……苦しい。彼女は完全に伸びていて、瞼が既に重そうだ。
「あー……もう眠い。寝ていい?」
「おいおい、片付けは」
「……頼んだ」
「駄目」
「えー」
この態勢から言われることは安易に予想できたので、予め想定していた返答をすぐに返す。彼女も分かっていたらしく、はぁ、とため息を吐いた。
「何よ、けち」
「おいおい……アイドル様がそんなんでいいのか?」
「こういう時ぐらいアイドルじゃなくてもいいでしょー。もう、君ったらお堅いんだから」
目をつむりながら手をひらひらと振り、彼女は既に夢の中で何かに手を振っているような様子で呟く。……この調子だと、こいつ、寝る。
「……アイドルじゃないんだな?」
「うん、今この時だけはねー……ふぁーあ……」
なるほど。今この時だけは、アイドル百瀬莉緒のプライベートではないと。それならこちらにも考えがある。
「じゃあ、いいよな?」
「うん……えっ? いや、えっ、ちょっ――んんっ」
寝転んで目を瞑っている無防備な彼女に覆いかぶさって、彼女の顔の右に右手を突く。その勢いで欠伸の出そうな彼女の口を塞いだ。火照った吐息が漏れて、理性によって制御できない口元は、しっとりと濡れ始める。
「……はぁっ、はぁっ……」
「ふ……っ、なんだ? もうバテたのか?」
「ち、違うわよ……もう、せっかちなんだから」
彼女は一度目を瞑って、深呼吸する。胸に手を当てて、一言。
「…………わよ」
「……なんだよ」
「いいわよ、来ても」
キスの後からまっすぐにこちらを見ようとしない彼女の目線からは、大人らしさのようなものはまだ感じない。しかし、その恥じらいと緊張に染まった頬と瞳は、俺を動かすには十分すぎた。
「ん……んっ、ん……ふぁっ……」
彼女の唇をついばむように奪い、そのぬくもりと彼女という存在を確かめていく。彼女の口元からは、さっきよりも熱く、そして甘い吐息が漏れる。しばらくして、彼女が俺の体へ手を伸ばしてくる。服の裾を掴むその力は強く、次第に震え始める。彼女の手の温かさを感じる。お酒の香りと、彼女の髪の香り、それから彼女の熱を感じる。
「……はっ……はっ……今日の君、すごい積極的ね」
「そうか?」
「うん、その、ちょっとびっくりしちゃった……」
俺の腕の中で小さく縮こまった彼女は、細々とした声で言う。確かに、この声はアイドルではなく、俺の彼女のものだなと、その時少し笑った。
「でも……気持ちよかった」
外ではできない、禁断のキスは彼女の何かをくすぐるらしい。すっかり酒の酔いらしいものは消えていて、顔に残るのは快楽への恥ずかしさだけだと思った。
「……すっかり覚めちゃったけど、寝ましょうか」
いつもならこれからもう少し抱き合って、それから寝るのだが、彼女は今日はすっかり疲れてしまったらしい。ワンピースの肩紐を整え、座ろうとする。……が。
「今日はもう少し先まで」
「えっ? わっ、えっ、ちょ、ちょっと待って、お風呂入ってないから――」
「知らない」
「あっ、そこは、んっ」
起き上がろうとする彼女を押さえ、胸元で結ばれたワンピースのリボンを解く。ゆるく結ばれていたそれはすんなり解け、同時に彼女のワンピースの肩紐も解く。現れる白い肌。触れてもまるで何にも触れてないように感じるほど滑らかで、細くて、折れてしまいそうな腕。背中に手をまわして抱きかかえ、そのまま、またキスを一回。
「あ、あの、ちょっと待って……? わたし、その、こころのじゅんびが」
「知らない」
「えっ、ちょ、ちょっと、だめ、あんっ」
俺の腕の中で震える彼女のベールを捲る。まだ見たことのない彼女の姿。白いトップに包まれた彼女の胸と、少し鍛えられた、でも震えている腹筋と、そして露になる彼女の全身。
「……み、みないで……」
「見ちゃ駄目なのか?」
「そ、その……君に見られるの、恥ずかしくて」
「分かった」
それならと、俺は来ていたシャツを全て脱ぎ去った。頼りない上半身が現れる。できればこんなもの見せたくはなかったが。
「ちょ、ちょっと」
「これでいいだろ?」
「そういう問題じゃ……」
もう一度だけキスをする。今度はもうこれ以上話させるつもりはない。
「……で、これは?」
「あっ、んんっ……あ、そ、その、それは……っ」
閉ざされていた足が開かれていたので手を入れて探ってみると、そこにはもう準備完了の合図。
「……お前、まだしたことなかったよな?」
「……えっ、ええ……はじめて、だけど」
「初めてでこれ?」
「ちょ、ちょっと! ……うぅ……悪かったわね、こんなに感じてて」
俺の人差し指と中指の間に既に橋が架かるほど、彼女はすっかり準備できているらしく、初めてにしては驚くぐらい感じやすいらしい。
「別に悪いとは言ってないだろ」
「し、仕方ないじゃない……だって、君に……」
「俺に?」
「う、うぅ……ばかぁ」
「えぇ……」
顔を真っ赤にして両手で目元を隠す莉緒。あまりの恥ずかしさのせいか、口がぱくぱくと震えている。
「そ、それに」
「なんだ?」
「君だって、初めてでしょ?」
「……さぁな」
「えっ」
「嘘だよ、莉緒が初めて」
「い、いじわる……っ」
今度は彼女からのキス。震えていた両手は俺の上半身をペタペタと触り、そのまま首の後ろに回される。覆いかぶさっている俺に抱き着いて、彼女は精いっぱいの表情で、俺の口を塞いだ。
「はっ……はっ……」
「やっぱ上手だよな、キス」
「そ、そうかしら……自分では、その、したいようにしてるだけなんだけど」
「へぇ」
確かさくらんぼのヘタが舌で結べる、というのはキスが上手だという意味をあらわしているなんて聞いたことがあったが、恐らくそれは本当だろうと思う。現にここにいるから。
「んで? どうする?」
「な、何を?」
「するか?」
「……ここまで来て、女の子に答えさせるの?」
「ん? ああ」
「……いじわる」
「なんだっていい。聞きたいだけ」
「……い」
「ん?」
「その……し、したい、私も」
「ん」
「これでいいでしょ……っ 」
「ああ、分かった」
彼女からのお許しが出たので、改めて彼女の体に触れていく。首筋、背中、胸、へそから腰にかけて、そしてもうすっかり濡れた秘部まで。指でなぞっていくと、彼女はその度に声を上げ、それが余計に理性を壊しにくる。それから、秘部の邪魔な布を片手で脱がし、その筋を撫でると、彼女はこれまでに無いほど声を上げた。庇護欲が壊されていく。彼女をもっと壊したくなる。すっかり壊れた彼女に残った微かな理性をも、こうして欲に沈めてしまいたくなる。指を入れると中は狭くて、動かすどころではなかった。初めての経験だったのもあって、こちらが少し驚いてしまったが、彼女はそれでも感じ続けていた。しかしそのままの訳にもいかないので、ゆっくりと動かす。嬌声を上げる彼女の姿を見ようと顔を見ると、軽く握った両手で顔を隠しており、隠しきれていない頬はもうすっかり真っ赤に染まっているのが見えた。慣れてきたらしいので、動きを早くする。腰がびくびくと震え始める。
「あっ、やんっ」
「ここか?」
「そ、そこだめ……んんっ」
「へぇ、ここがいいんだ」
「だ、だめなの……っ、あっ、もうっ……うぅ」
中の上の部分が好きらしい。中指で少しいじってやると他よりも感度がいい。同時に親指を動かしてやる。耐えられないらしく、体を捻って、全身が震え始める。
少し興味が湧いたので、指を動かしながら彼女の首筋を舐める。彼女の味を知る。驚いた彼女の声はもう耳に入らない。そのまま首筋からうなじ、そして耳まで進め、彼女という存在を確かめていく。左耳の中は甘酸っぱい、でもほろ苦い、そんな味がする。
「み、みみ……みみは、んっ、はぁっ」
「弱い?」
「さ、ささやかないで……あぁっ」
「ここで囁かれるのが好きなんだ」
「だ、だめなの、きちゃうからぁ……」
「来ちゃう?」
「その、うん、あっ、そこはだめ、だめなの、んっ」
「へぇ……じゃあ」
「えっ、じゃ、じゃあ……?」
「……好きだ」
「あっ、うわ、えっ、うそ、それだめ、だめっ!」
「好きだ」
「だ、だめだってば、きちゃう、あっ、うそ、ちょ、ちょっとまって――」
「莉緒」
「だ、だめ、くる、すごい、あっ、んんっ……!」
興味半分で囁いてみると、彼女は全身を反らせて飛び上がった。瞬間、きゅっと締まって指が取れそうなほど力が込められた。あまりにも彼女が大変そうなので、指はゆっくり抜いた。
「はぁっ……はぁっ……」
「ちゃんと来たか?」
「はぁ……っ……うん、来た……。その、君って、すごい、上手いのね。ほんとに初めて?」
「……まぁ、他に相手いなかったし」
「そ……っか。そうなんだ」
彼女は少し笑って、また俺の首に手を回して軽くキスをした。
「動けそうか?」
「あはは……ちょっと難しいわね」
気づいて、彼女の背中から手を入れて支える。
「だよな」
「……もう少し、ぎゅってしてて、いいかしら」
「駄目って言ったら?」
「変態」
「これは酷い」
「だって……けものみたいな目をしてるんだもの、君」
「マジか」
「……でも気持ちよかった」
「それはよかった」
「好き」
「えっ、あ、そりゃどうも……」
「……照れてる?」
「て、照れてねえよ」
「あ、照れてるんだ。ふふっ」
「照れてないって」
「いいのよ、次、お姉さんに任せて」
「は? えっ、ちょ――」
ぐるんと態勢を入れ替えられて、今度は俺が彼女に覆いかぶさられる形になる。この部屋はやっぱり狭い部屋らしく、俺の左ひじが壁に当たった。
「あっ、痛くない?」
「い、痛くはない」
「そっ。ならいいわ」
「何がだよ、って、うわっ」
いきなり下半身に衝撃が走って飛び上がりそうになる。反射的に全身に力が入ってしまう。
「……すごいのね、男の子のって」
「上からでも分かるのかよ」
「いや……他のを触ったことないけど……その、すっごく熱くてこんなんになるんだって」
「ま、まぁ……普通だから、これ」
「そ、そうよね……うん」
「なんでビビってんだよ……」
俺の上にある彼女の顔は少し引きつっていて、ぎこちなく、必死な様子なのは見たらすぐ分かった。その表情のまま、俺の下半身の突起を見つめ、唾を飲んだ。
次の瞬間。
「きゃっ」
「お、おい」
「……こ、こんなに大きいの?」
「だ、だから普通サイズだって」
いきなりジーパンをずらされて、突起が飛び出す。バネが飛ぶように、押さえられていたそれが力強く現れた。
「……へぇ」
「なんだよ」
「えい」
「んっ……お、おい」
「あはは、可愛い声、やっぱり出すんだ」
「おい、ちょっと、あっ」
彼女は突起を指でつつく。綺麗な右手の人差し指で、一回、また一回。その度に俺の意図しない体の反応で声が勝手に出て、頬が赤く染まっていくのを感じる。恥ずかしさから逃げ出したくなる。彼女の目を見ると、彼女は不思議な様子で俺のそれを見つめていた。
「これ、もっとしていいの?」
「もっと……とは?」
「あら、お姉さんが知らないとでも思った?」
「お前さっきめっちゃビビってたじゃん」
「……そういう悪い子には、んっ」
「あっ、ちょ、えっ」
彼女はこちらに下半身を向けたまま、突起を口に含んだ。吸い上げられるような感覚と、彼女の舌が当たって温かくてくすぐったい、しかしそれだけとは言い難い、何とも言えない感覚に襲われる。
「男の子って、こういうのが好きなんでしょ? んむっ」
「えっ、いや、そりゃそうだけどさ、お前、やったことないんだろ?」
「ぷはっ、いや、まぁ、知ってるだけだけど、初めてしたわよ? あむ」
「んっ……それ、すげぇな……あっ」
「ん? 出そう?」
「いや、お前、今どんな態勢か分かってるか?」
「えっ、いや……あっ」
「そういうこと」
「えっ、ちょっと待って、今は私の――」
彼女の腹部を両手でつかんで、秘部に直接口を当ててみる。舐めてみるとしょっぱくて、甘くて、女の子の香りが全て詰まったような感じがした。そのまま指でも触ってみる。少し残った毛がふわふわして、同時に彼女の秘部がもう塞ぐ力もないほどにぴくぴくと痙攣している。そのまま撫でる。
「んっ、あっ、はへ、ほこふぁ」
「咥えたまま喋るなよ……」
「ぷは……んんっ、さっきいっちゃったところだから……っ」
「ほら、手が止まってるぞ? お姉さん、なんだろ?」
「やん、そんなにされたらできないわよ……っ」
「へぇ、お姉さんじゃなかったんだ」
「あっ、んっ、も、もう!」
彼女は俺から腰を離すと、そのまま俺の腹の上にお尻を落とした。
「んっ、お前、いきなり動くなよ……」
「こうしたら、もう触れないわよ」
「……で? どうするんだ?」
「男の子はみんな、ここ、好きでしょ? だから、こうするの」
「えっ……うわ、うわぁ」
「どう? 挟まれると、やっぱり気持ちいいの?」
彼女は慣れた手つきでそのトップを脱ぎ去り、現れた彼女の二つの山が、俺の突起を挟んでいる。柔らかくて、熱くて、溶けてしまいそうになる。実際は収まりを知らず膨れ上がる一方なのだが。……彼女はそのまま先端を舐め始める。彼女の舌の使い方はキスの時で知っている、これは――
「ん、やべ……」
「ん? どうかした?」
「い、いや、なんでも」
「そう? ん、むっ」
「んっ、んんっ」
妙に上手い舌の使い方で、何もかもが吸い出されそうになる。強がってみるものの、腰ががくがくし始めていて、これ以上耐えられそうにない。
「もしかして、出る?」
「んっ、こ、これ以上は」
そう言うと、彼女はぱっと離して、こちらへ向き直った。そのまま、彼女はデスクの上にある残ったお酒を一口飲む。
「……ん」
「えっ? んっ……はっ、いきなりだな、お前」
「キスぐらいもう平気でしょ?」
「まぁな、今してることに比べれば」
「……出そうだったんでしょ?」
「まぁ……うん」
「今出してくれるのもいいけど……やっぱり、こっちに欲しいから」
彼女は震える腰を浮かせ、俺の突起を秘部に当てる。
「待ってくれ。ゴム、向こうにある、取ってくれ」
「んーん、いいの。無しで」
「……いいのか?」
「今日は大丈夫な日だから。……あと、初めてだから」
彼女は俯きながら言った。俺の突起を握る手が震えている。ゆっくりと自分の秘部に当てて、その感触を確かめている。
「……また、おっきくなった」
「し、仕方ないだろ。お前が……その、そんなこと言うから」
「……そんなことって?」
「分かってるだろ」
「分かってて聞いてるの」
「……お前が、その可愛いこと言うから」
「やっぱりすぐ反応しちゃうの?」
「仕方ないだろ……可愛すぎるお前が悪い」
「……そっか。ふふ」
「な、なんだよ」
「んーん、なんでもない」
彼女は手を動かしながらこちらを向いて笑った。俺もつられて笑った。彼女が寝転ぶ俺に対して覆いかぶさるように倒れてくる。
「ねぇ」
「なんだ」
「……すきよ」
「……俺も、好きだ」
彼女は俺の目の前まで来て囁いた。俺も返すと、彼女は唇で俺の口を塞いで、そしてついに彼女の秘部の中に俺の突起を入れた。
「んんっ! はっ、はあっ……はっ、はっ……おっき……っ」
「おい、大丈夫か?」
「はっ……はっ……すご……こ、こんなにもおっきいんだ……さっきとは全然違う」
「なんかすまん」
「ううん……大丈夫」
「痛くないか?」
「そんなの……気にならないわ」
「そ、そうか」
「今、君とつながってるんだ……私」
「ああ……つながってるな、俺たち」
「初めてが君なんだ」
「ああ、俺も初めてが莉緒だ」
「あはは……なんか、しあわせ」
「そりゃよかった」
つながったまましばらく二人とも動かずに、抱き合ってキスだけをした。彼女の胸の感触が直に上半身にやってきているのに加え、彼女の中があまりにも狭すぎて、俺の突起は既にはち切れそうだったが、なんとかその状態を維持することができている。
「そろそろ動くわよ?」
「ん、ああ、いつでも」
「じゃあ、ゆっくり……っ」
俺の上にのっかった姿勢の彼女は、そのまま上下に体を動かし始める。同時に下半身に強烈な刺激が走る。さっき胸で挟まれた時よりももっと強く、中のものを全部吸い出されそうな勢いで、彼女の中がうねって、そして離さない。彼女の秘部からあふれ出す愛液が破廉恥な音な音を何度も立てる。彼女の表情はその度に真っ赤に、そして恍惚に染まっていく。
「あっ、あっ、んっ、あっ、しゅご、す、すご、きもち、あっ」
「り、莉緒……っ」
「あっ、ちょっと、うごいたら、あっ、いまわたしのばんなのにっ、あぁっ」
あまりにも愛おしくてたまらなくなり、彼女の腰を掴んでタイミングに合わせて腰を動かす。彼女の中の奥の方まで届くのが分かる。
「だめ、だめっ、おくまできちゃってるからぁ、あっ、あんっ」
「莉緒……っ」
「んっ、んっ、あっ、やっ、そこ、だめぇ……っ」
理性がもう頭から出ない。体はもう目の前に従順に動く。愛らしくて美しくて、可愛らしくて艶やかな彼女を前に、歯止めなど効かない。
「莉緒……っ、莉緒……っ!」
「あっ、あっ、あっ、うっ、すごいの、きちゃうっ、きちゃうっ……!」
「俺も、来そうだ……っ」
「だ、だしてっ、んっ、いっぱい、あっ、きみの、ぜんぶっ!」
彼女の声が聞こえる。彼女が望んでいる。俺も、彼女をもっと、もっと――
「出るっ!」
「あぁぁっ! ……はぁっ……はぁっ……」
吐き出した。俺の全てが、突起の中から彼女の中へ飛び出すのを感じる。絞り出される。彼女の中がぐっと締まって、俺の突起を離さない。動かすのも難しい。
「ふっ、ふっ、だ、大丈夫か?」
「あぁ……あつ……ほ、ほんとうにあついのね……」
「あ、あぁ……熱くて溶けてしまいそうだ」
「どくどくいってる……うふふ、きみのが、いっぱい」
さっき一口飲んだ酒の影響か、それとも純粋に理性が吹っ飛んだのか、彼女の表情からは恥じらいも大人っぽさも感じない。そこにいるのは大人の味を占めた少女。
「うふふ……すき……」
「ああ、俺も好きだ」
「えへへ……わたしたち、もっとなかよくなれるわよね……?」
「当たり前だろ?」
「ふふ……うんっ……きみのこと、こんなにもすき……ううん、あいしてるもの」
「……そうか」
「きみは?」
「……言わなきゃ駄目か?」
「もちろん」
「……愛してる」
「……ありがと……」
やっと抜けた、と思ったら、彼女はそのままふらっと倒れこんでしまった。どうやらそのまま寝てしまったらしい。……まだ垂れてきてるんですが。とりあえずこれだけ処理して、ベッドに運びますか。
初めての体験は、こんな夏の日の日常の中にあった。もっと特別なものだと思っていたが、愛なんて唐突に生まれるんだな、と実感した。俺はすっかり元に戻っていた。
*
「ごめんなさい……」
「別にいい」
「……君、いいって顔してないじゃない……」
朝。シーツの上で裸で目覚めた莉緒は飛び起きて、そのまま隣で寝ていた俺を蒲団から追い出した。彼女に起こされる形になった俺は、昨日の服が駄目になっているのを確認して、とりあえず彼女にはジャージを着てもらった。俺も色違いのものを着て、現在。ちゃぶ台を囲んで正座する彼女と俺。……彼女が俺の首から手を離さないので仕方なく抱き合って寝る形になったというのに、要らなくなるとすぐポイですか。なんて笑いながら心の中で悪態をつく。
「ご、ごめんってば……」
「まぁ、いいけど」
「ほんとに……?」
「ほんとに」
「ほんとのほんとに?」
「ほんとのほんとに。なんなら、一緒に寝た時に胸が俺に当たってすっごく柔らかかった」
「ちょ、ちょっと! えっち! 変態!」
「お前が言えたタチか……」
はっとして、しゅんとした顔に戻り、俯く彼女。でもそれすらも可愛くて、もうなんだか許してしまえる気がしてきた。ジャージの袖を引っ張り、きゅっと強く握っているのも、可愛いと思えるポイントのひとつだ。
「……まぁいいけどさ」
「ご、ごめんね……?」
「とりあえず、飯にしようぜ」
「あ、そ、そうね、うん、そうしましょ」
彼女は立ち上がる、と同時にふらついて思わず彼女の腕をとった。
「おいおい大丈夫か?」
「こ、ここが思った以上に痛くて……」
「……お前なぁ」
「し、仕方ないでしょ! 初めてだったんだもの! ……しかも君、優しくしてくれないし」
「それは、だって」
「だって?」
いつもならここで詰まるが、今日はそんな閉塞感も恥じらいもない。
「莉緒が可愛かったからに決まってるだろ」
「っ! も、もう! なんですらっと言えるようになっちゃったの!?」
「なんでって……昨日に比べたらこんなの」
「あー! あー! 聞こえない、聞こえないわよー!」
「莉緒なんてもうすごいことになってたし」
「な、なってないわよ!」
「聞こえてるじゃん」
「あっ」
日曜日の午前八時。どこにでもありそうな休日のとある一日は、俺たちにとっては大事な日になったんだろうな。そんなことを思いながら、俺の肩を持つ莉緒の髪を撫でた。
「……もう、恥ずかしげもなくそういうことできるのね」
「慣れちまったな」
「ばかぁ……」
「あはは。なぁ莉緒」
「何? って、うわっ、んんっ」
「今日何する?」
「……ばか、こんなの、私に言わせるつもり?」
「あれ、もうそんな気分ですか、お嬢様?」
「ばかぁ! 君がそうさせたんでしょー!」
キス一つで感じる初心な彼女と過ごす日曜日は、きっと何事にも代えがたい幸せになっていく。
今日もまた、彼女と俺の初心な休日が始まる。
こんな莉緒だから、隣に居たいんだろうな。
これからも、ずっと。