エロ系最強能力でリゼロ世界を生き抜きます 作:TS娘はオレの嫁
『浄化』
うん、これだけやれば十分かな?
ベアトリスが盛大にイってしまったせいで僕が片付けをする羽目になったじゃないか、全くあのロリ今度やったら、さらに激しいお仕置きをしてやる。
ベアトリスを『送還』で禁書庫に送り返し、『浄化』でトイレの中を綺麗にした僕は部屋へと戻ることにした。
「って、うわぁ······。
あんな、ロリに構ってたせいでもうこんな時間だよ」
トイレから出ると窓の外から少しずつ朝日が差し込む時間帯になっていた。
リゼロ世界風に言えば、陽日の五時ぐらいで風の刻がもう少しで終わる時間帯。
「基本、夜型な僕には辛い時間帯だよ······」
自分の部屋に戻って、さっさと寝よ。
「知らない天井だ······」
起きたら、見慣れた天井ではなく、知らない天井でした。
って、知らなくはないか。
一度、言ってみたかったんだよね。この台詞。
って、あれ?
原作通りならラムとレムがステレオチックに起こしてくれるはずなんだけど。
何故か、誰もいない。
え、マジで?
僕的に楽しみにしてたことの一つなんだけど。
えー。なんでだろ? 好感度不足?
あー、でも昨日の様子を考えるに好感度は両者共にゼロどころかマイナス?
まあ、いっか。
とりあえず、起きて再度ロズワール邸を探索しよう。
エミリアが確か庭にいたはずだし、そこに行ってみようかな?
屋敷の中を適当に歩いていると、庭に出れそうな所があった。
綺麗な庭だなー。
あんまり、興味ないけど。
エミリアはー。
あれ? いない?
んー? なんでだろ?
僕が寝ている間にこの屋敷の住人達は一体どこへ消え去ったというのだろうか。
この世界に来てまだ一日と少しだけど、ここまで原作と違ったことってなかったよなー。
仕方がないので、屋敷の中へと戻る。
廊下をふらりふらりと歩いていく。
僕の原作知識で他にいそうな場所って······、食堂と大浴場ぐらいかな?
食堂を探してみるかー。
はい、案外簡単に見つかりましたよ。
そして、中にはベアトリス以外の屋敷の面々が集合しているではありませんか。
皆は、食事をしていた。
つまり、朝御飯ですか。
「スバル! いつまで寝ているのよ、もう······。起きないから、先にご飯食べちゃってたわよ」
えー、ひどくない?
一応、これでも君のこと助けたんだけどなあ。
「おーぉやーぁ? 」
あ、この癖の強いしゃべり方、彼がそうなのだろう。
「君が噂のお客人かーぁい? 」
あ、インパクト凄い強い。
「噂かどうかは知らないけど、たぶん、そうだよ」
青と黄色のオッドアイが面白い物を見るようにこちらを値踏みしてくる。
正直、不快だ。
「ロズワール、朝も言った通り、王都でスバルは私のことを助けてくれたの」
ん? 今、気になった部分があったんだけど?
「エミリア、今何時? 」
「え? 冥日の1時だけど······。
それが、どうかしたの? 」
いや、なんでもないとエミリアに僕は言った。
あー、そんな遅い時間だったのかー。
ってことは、これ昼ご飯じゃん。
「そうでしたねーぇ、エミリア様。
あぁ、自己紹介がまだだーぁったね。私はこの屋敷の当主、ロズワール・L・メイザースだーぁよ。どーぅやら、当家でよく眠れたようでなーぁによりだとも。
──ナツキスバル君」
この国最強の魔術師ルズワール・L・メイザース。
彼もまた、強者の一人であり、僕にとって何より恐ろしいのは彼の持つある本である。
あの本に僕のことについて何て書いてあるのか、それだけが気がかりだ。
値踏みする視線からは露骨な悪意は感じないが、腹で何を思っているかは、道化師らしい笑みを浮かべているせいで判断が出来ない。
間違いなく、強敵だ。
まあ、そんなの関係ないけどね!
『読心』及び、『感情把握』!
ロズワールの考えが頭の中に流れてきて······!
「【悲願のために】」
がっ······!
強い感情が!?
『全解除』!
「はあはあ······」
「? 大丈夫かーぁい?
まだ、疲れているようだーぁし、話は夕食のとーぉきにでもするかーぁな」
ロズワールは席を立ち、食堂から出ていった。
ラムとレムが片付けを始め、エミリアが立ち上がっても僕はまだ動けなかった。
「スバル、大丈夫? どこか痛いの?」
「あぁー、うん、大丈夫だから、気にしないでね」
「そう? 辛かったら無理しないでね」
エミリアは食堂から去っていった。
「──リア」
エミリアの髪の中から高い声が響いた。
「パック、どうしたの?」
「彼のことが心配かい? 」
「うん、なんか元気が無さそうだったからとーっても心配なの」
「そっか、あの子、スバルの心が······」
「スバルの心がどうしたの? 」
「元から濁っていたけど、今、彼の心はグッチャグチャでドロドロだったよ」
そういうパックの声は感情を感じさせない無機質な物だった。
僕ものろのろと自分の部屋に戻っていった。
部屋に入った僕はベッドに飛び込んだ。
「冗談じゃない······。なんなんだよ! あの、狂人は! 」
僕の能力の『感情把握』や『読心』などといった他者を対象にした能力には実は弱点がある。
それは、女性相手だと問題ないが、男性相手だと相手の感情や心が強すぎた場合、逆に自分が精神的なダメージをおってしまうのだ。
ただし、これはよっぽどのことがない限り、起こらない副作用で日本で使ったときに一番強かった副作用でさえ、軽い目眩程度だった。
だというのに、あの男はなんなんだ······!
あまりの感情や心に一瞬だが、僕のほうがそれに飲まれかけた。
急いで解除していなかったらどうなっていたかわからないだろう。
あの男の精神性はまさしく異常な狂人である。
僕もそれを知っていたはずだった。
いや、あくまで二次元の中の一キャラを理解していると思っていただけなのかもしれない。
彼の悲願の事も、彼の異常さも、あくまで情報としてだけ。
実際に触れて見て分かった。
あれは、化け物だ。
あの400年分の執着は『洗脳』ですら効かないだろう。
つまりは、ここに二人目の天敵がいたわけだ。
ははっ、笑えてくる。
いいさ、真っ向から立ち向かって、ねじ伏せてやろうじゃないか。
それに僕は自称とはいえ、傲慢の名を関している存在だ。
そんな僕が負けることは許されるだろうか、いや、許されるはずがない。
「傲慢の名のもとに······、──絶対に誰にも負けてやるかよ」
「──というわーぁけだよ。今の君の状況が分かって貰えたかーぁな? 」
「よく分かったよ」
僕はロズワールから原作とほぼ同じ説明を受けた。
「それでさ、そんな大事な物を僕は取り返したんだ。何か報酬があってもいいよねぇ? 」
その瞬間、場の空気が凍りついた。
ラムとレムから絶対零度を思わせる視線がこちらに突き刺さり、エミリアは心配そうにこちらを見ている。パックは我関せずだ。
「確かにそうだ。君の願いを私達は聞き入れるしかなーぁいだろうねーぇ。あぁ、約束しようじゃなーぁいか。当家に出来ることであれば、君の願いを飲むと」
「そっか、それじゃあ___」
今の僕に必要な物を考えた。
原作のスバル君同様にこの屋敷で働くか?
嫌だ。人の下に仕えるなんてまっぴらごめんだ。
じゃあ、食客は?
心惹かれるけど、それじゃあ、意味がないんだ。ただ怠惰に過ごすだけなんて僕はもう耐えられない。
だから、僕は、僕の出来ることをする。
原作を超え、この世界の全てが僕を脅かせなくなるように。
「これから、僕がこれからやろうと思っている商売の後ろ立てをして貰えない? 」
僕は自らの口を歪な半月の形に曲げ、にやりと笑った。
さあ、ここからが僕の異世界生活の本当の始まりだ。