早朝。小鳥の鳴き声と窓から差し込む朝日の光で目覚める。
目覚めた私は、いつも通り隣を確認して、誰かいたら目覚まし時計の音を……。
…………。
アルヴィン?
私の隣に寝ていたのは裸ではなく、パジャマを着て寝てるアルヴィンだった。
なんでアルヴィンが隣で寝てるの?
いつもはニィのはずなのに。
部屋はアルヴィンの部屋みたいだし、私が潜り込んだの?
……あれ?
潜り込む?
私、昨日は夜這いかけなかったけ?
……もしかして、ニィに回収されなかった?
じゃあ、今の私はなんでパジャマを着てるの?
昨日は、脱いでからは何も着てなかったはず。
脱いでからそのあと自分で着替えた記憶もない。
じゃあ、ニィが私を着替えさせた?
いや、それはない。着替えさせるぐらいなら私を回収してるはず。
それに、今はパジャマ着てるけど、昨日は確かにアルヴィンも裸だった。
いつも裸で寝てるアルヴィンがパジャマを着るときは、旅行先の旅館で浴衣を着たときと、私と一緒に寝るときぐらい。
ニィがアルヴィンと私にパジャマを着せて……、というのはあり得ない。
いくらなんでも着替えさせれば気づくし、起きる。
つまり、アルヴィンが自分で着替えたとしか考えられない。
その場合、色々と説明がつく。
昨日私が気絶したあとに起きて、アルヴィンが私に気づき、パジャマを着せて、自分もパジャマを着て寝たのだ。
おそらくそれが真相。
だけど、これが真相だとすると、私がしたことを全部アルヴィンに知られたことに……。
…………。
……どうしよう。
こういう場合、どういう対処が有効だろうか?
誤魔化す。白を切る。
……おそらく無理。動揺など顔に出にくいけど、ウソつくのは苦手。
正直に話す。気持ちを伝える。
1番有効そうだけど、かなり恥ずかしい。口下手な私では空回りして絶対無理。
この場から逃走。ニィと口裏を合わせて力技。
……すごく魅力的な方法だけど、無理。結局問題を後回しにしただけ。
…………。
全ての選択肢を選びたくはないけど、こうなってしまえばもういっそのこと……。
突っ走るしかない、よね?
ニィに聞いたけど、アリカも最初は勢いに任せてだったそうだし、テオも最初は勘違いから始まって、勢いでそのままセックスしたそうだから、私が勢いでこのままいっても大丈夫なはず。
エヴァやニィはセックスするまで数年かかったそうだけど、それはエヴァは長寿族だからだし、ニィは計画して数年自分で待ったんだから、私には関係ない。
うん。
だから私も勢いのまま進んでいいはず。
そうと決まれば、パジャマを脱ぐ。
上着のボタンを外して、ズボンとパンツを脱いで、アルヴィンのズボンとパンツを脱がす。
まだ、アルヴィンのはふにゃとしてるけど、すぐに硬くなると思うから、ヒザのほうに跨る。
ゆっくりと、やさしく片手でペニスに触れて、撫でる。
竿の部分を掌で撫でて、掴んで上下に扱く。
少しだけ硬くなり始めた。
今度は雁の部分に指を這わせる。
皮との間、笠が開いた部分を指先でなぞり、掌の中央で雁首を上から包む。
掌にじゅっとカウパーが分泌され始めたのを感じる。
そろそろ、こっちも準備しておかないと。
私はペニスの愛撫を続けながら、自分のオマンコに手をもっていく。
ニィみたいに生えてない、産毛すら生えてない、つるつるの下、ピッタリと閉じたオマンコに触れる。
「……んっ、やっぱりまだ濡れてない」
中のほうから少しだけ愛液が染み出してきてるけど、全然足りない。
体がエヴァよりも子供な私の場合、奥までじっとりと濡らして解さないと、アルヴィンのは絶対に入らないから、もっと濡らさないといけないのに。
どうすればもっと濡れるんだろう?
昨日は自分でも驚くぐらい濡れていたのに……。
昨日みたいにアルヴィンの体にオマンコをすりつければ濡れるのかな?
「すりつける……、あ、そうだ」
私は跨った状態で立ち上がり、アルヴィンのペニスの真上にオマンコをもってくる。
そのまま片手を伸ばしてペニスを固定して、腰を下ろす。
オマンコの割れ目に亀頭を挟みながら、上へ滑らせ、腰を下ろす。
ペニスをアルヴィンのお腹に向けて少し反らすように、体重をかけすぎないようにヒザ立ちになってある程度の位置で止める。
丁度オマンコの割れ目にペニスの竿を挟んで跨っているような状態だ。
「このまま、前後に動く……」
オマンコの割れ目でペニスを磨くみたいに、擦る。
素股というものらしい。
「あ、う……」
遊びみたいなものだと教えられていたけど、これは……、なかなか……。
……ドキドキする。
オマンコの内側にアルヴィンのペニスが当たるというのは、本当にドキドキする。
体のすぐ内側にアルヴィンの熱を感じて、体を前後に動かして、オマンコの割れ目に挟んだままペニスを擦ると、私の体から大量に染み出し始めた愛液がペニスを汚し、まるで……。
そう、まるで……。
「アルヴィンにマーキングしてるみたい……」
自然と口の端が持ち上がり、笑みがこぼれてしまう。
そのまま私は夢中になって擦り続ける。
オマンコから送られてくる快楽では足りなくなると、シャツの下から手を入れて乳首を弄り、もう片方の手でクリトリスをやさしく捏ねる。
「あっ……。はぁはぁ……、くっ、んんっ」
エッチな声が漏れそうになるのを耐えるのも興奮する。
アルヴィンが起きてしまわないかビクビクするのも興奮する。
接触してる部分から送られてくる刺激に興奮する。
ああ、ドキドキが収まらない。
息が荒くなって、体が熱くなって、アルヴィンが欲しくてたまらない。
私の今の状態はおそらく発情。
私はアルヴィンに発情してる。
「ふふ……」
自覚するとうれしくなった。
そして、もっと欲しくなった。
ゆっくりと立ち上がる。
ペニスを片手で固定して、先端を膣口に合わせて、ゆっくりと腰を下ろしていく。
「……むっ」
全然入らない。
上から乗るように押してみるけど、入らない。
膣口は広がっているような気もするけど、入らない。
もっと股を広げてぐりぐりと押し込んでみるけど、ツルッと滑って入らない。
「むぅ~……」
やっぱり今の私では受け入れるのは無理なのだろうか?
私は膣口に亀頭の先端を合わせて、考える。
なんで私よりも少し大きいぐらいのエヴァの中にコレが入ったんだろうと。
ペニスが萎えないように、亀頭部分を割れ目に挟んで擦りながら、考える。
――コンコン。
突然、部屋の扉がノックされた。
「――っ!」
誰か着たっ!?
急いで隠れようとするけど間に合わず、ドアは開いていく。
「アルヴィン。起きておる……、か……」
ドアを開けたのはアリカだった。
アリカは途中で言葉を止めて、無言になると、私を見て、アルヴィンを見て、そのままゆっくりとドアを閉めた。
おそらくドアの向こう側では、割れた眉毛の中央、眉間辺りを指で揉んでいるころだろう。
私は今のうちに立ち上がり、最後のチャンスにかけて再度挿入を行なう。
――ガチャ。
あ、もう戻ってきた。
「な、ななな何をやっておるんじゃぁぁぁぁああああ~~!」
アリカの叫びと供に、私の初セックスは失敗に終わった。
◆
アルヴィンとの初セックスを阻止されて3日後。私はアリカとエヴァに挟まれて、一緒にベッドで寝ていた。
この2人と一緒に寝ている理由は、性教育の再教育が主な原因。
アルヴィンに夜這いしたことを叱られたあと、もう一度性教育を、論理とか難しいことも含めて私に教えられることに決まり、最近夜遅くまで教えられているから、そのまま一緒に寝ているのだ。
正直、勉強は面倒だけど、アリカとエヴァと一緒に寝られるのはいい。
それに先日、現場を押さえられ、本格的に叱られる前に、ニィと打ち合わせして、アリカとエヴァを言い包め……、いや、説得することに私は成功していたのだ。
体にかかっている魔法が解けて、再び体が成長し始め、アルヴィンをきちんと受け入れられる女の体になったらという条件がついているが、将来的に私はアルヴィンとセックスしていいと許された。アルヴィンも悪魔で、人間とは少し価値観を持っているからか、こちらはあっさりと許可が下りた。
まあ、どちらにしろ今のこの体ではアルヴィンのを受け入れられないと先日わかったことだし、今はゆっくりと魔法を解いて、体が成長してから再度リベンジしようと思う。
うん。今は素股とか、フェラチオとか、アルヴィンに愛撫してもらったり、裸で抱き合うだけで我慢して、将来肉体が熟れ始めた頃においしくいただいてもらうのだ。
ふふふふ……、本当に将来が楽しみだ。
「く……、ん……」
おっと、そういえば今はエヴァに悪戯している途中だった。
口に含んだ突起に強く吸いつく。
「あっ……、こ、こら……、そんなに吸うんじゃ……、くっ……」
ぷるぷると震えるエヴァ。口を離すと唾液でコーティングされたピンク色が……。うん、かわいいコリコリの乳首。
「そ、それは赤ちゃんので、あ、アルヴィンのじゃ……、ひゃぅっ」
もう一度含んで舐めると、ビクッとエヴァの体が跳ねた。起きるかな?
私は寝返りをうってアリカに抱きつく。
すると、その直後にエヴァがベッドから上半身を持上げた。
「――っ。はぁ……はぁ……」
ちょっと艶のある息を吐いてるエヴァ。私はアリカのほうに向けていた体を、寝返りをうちながらエヴァのほうへ戻す。
そして、目を擦りながら上半身を起こす。
さらに、キャミソールみたいな薄い下着の胸部分に手で掴んでいるエヴァにつぶやく。
「エヴァ? どうしたの?」
「――っ。ああ、すまん。起こしてしまったか」
エヴァはそう言って私の頭を撫でる。……本当に薄い下着。乳首が起ってるのが見える。この脇の部分が緩いから乳首に直接吸いつけるんだよね。
「ん? どうかしたか?」
「なんでもないよ」
マズイマズイ。乳首見すぎちゃった。
「まだ眠いから寝るね。おやすみ、エヴァ」
「ああ、すまないな。起こしたみたいで。――おやすみ、アスナ」
「うん、別にいいよ」
そう言って私はもう一度ベッドに体を預けて目を瞑る。エヴァって寝るときアルヴィンと同じで完全に無防備だから悪戯しやすいんだよね。
それに、こういうとき表情が出にくいと便利だよね。短い会話なら誤魔化しやすいし。
「スゥ……、スゥ……」
と、寝息を立てる。
もう遅いので、今度は完全にゆっくりと意識を沈めていく。
…………。
「くっ……胸が、張る? なぜだ? 私はまだ初潮さえきていないというのに……。まさか、母性に目覚めたというのか?」
……おやすみ、エヴァ。
「いや、だが……。――ん? 乳首の先端が湿ってる? 母乳、なのか?」
「ん~……、む? エヴァ、何を夜中にぶつぶつとつぶやいておるのじゃ?」
「……アリカ」
「どうしたのじゃ? 胸を見つめて」
「じ、実は……、わ、私の胸から母乳が出そうなんだ」
「?」
「ここ数日、夜中に胸が張って目覚めることが多かったんだが……。今回目覚めてみると、む、胸が湿っていて……」
「? 何を言っておるのじゃ?」
「だっ、だから母乳が……」
「む~……? アルヴィンに吸われすぎてとうとう出るようになったと?」
「――っ!? 吸われすぎたからでるなんてあるわけがないだろうっ」
「じゃが、それ以外考えられぬしのぅ」
「に、妊娠もしていないのに母乳を出すなんて、そんなことあるわけが……。いや、だが、普通の人間でも母乳が出ると聞いたことが……。だが、この胸から母乳なんて……」
「そうじゃなぁ~。ほとんど絶壁の乳から母乳なんてでるわけないか~」
「なっ! き、貴様っ」
「もう夜遅いし、アスナも寝ておるのじゃから、そろそろ布団に入るのじゃ~」
「くっ。…………。……それも、そうだな。明日……、明日調べれば……」
「うむ。あのバストアップ用のカップで吸えばわかるじゃろぅ」
「――っ!? あ、アリカ……、お、おま……、まさか、部屋に隠してたアレを……っ!」
「心配せんでもよいのじゃ~。誰にも喋っておらぬよ~。吸引式のバストサイズアップ器具のことなど~」
「や、やっぱり知っているじゃないか~! ――っ。それをおまえが知っているということは、ま、まさか……」
「ぬ~? さすがに一緒においてあった成長日誌というノートなど読んでおらぬぞ~」
「――なっ!?」
「ずっと1mm2mm伸びたり減ったりで成長しておるのか、しておらぬのかわからないしの~。備考に書かれてる文章など泣けてくるしの~。読んでなどおらぬよ~。大丈夫。大丈夫じゃ、例えずっと掌サイズにも届かない乳でものぅ」
「…………」
「エヴァ?」
「…………」
「む? やっと寝おったのか? それなら妾も寝る……かのぅ……」
「…………」
「スゥ……スゥ……」
「あは……、あはははは………、あはははははは……。…………寝るか」
◆
視界に広がるのは、京都の古き良き日本の風景。
私は京都旅行に訪れていた。
今は最初の目的地である清水寺からの景色を堪能しているところ。
「ふははははっ! やはりいつ着ても清水寺は最高だなぁ! ほら、あの紅葉など素晴らしいだろう、テオドラ!」
「うむっ! そうじゃな! この日本独特の風情溢れる京の景色は最高なのじゃ~!」
……特にエヴァとテオが堪能してる。
本当に、エヴァなんて新幹線に乗る前から、朝起きる前から何度も観光雑誌を開いたりしてうずうずしてて、京都に着くと、いつもの大魔法を撃ったあとに「これが『闇の福音』の力だー!」って高笑いするときより、ハイテンションだった。
テオのほうも、久々に魔法世界で休暇が取れたから京都旅行に同行することができたけど、ハイテンションのエヴァと一緒になって騒ぐから、ちょっと周りの目が辛い……。
別にテオと一緒が嫌という訳でも、むしろうれしいのだけど……。周りの目が妙に温かくて……、こっちにまで生暖かい視線を向けられて、「お嬢ちゃんも騒がないの? いいんだよ。子供なんだし。声が少し大きいぐらいで、マナーもきちんと守ってるんだしね」みたいな言葉を言われてるみたいで、辛い……。うん。本当に大丈夫だよ、お婆ちゃん。私は静かに観光するタイプだから。恥ずかしがってるわけじゃないよ。
私の隣にいるアリカはというと、周りの視線を軽く受け流してた。
さすが元女王というか、集まってくる様々な視線を華麗にかわして京都の町並みを楽しんでいた。
アルヴィンは……、私の下。
肩車してもらってる。
顔を覗いて見ると、エヴァやテオ越しに京都を楽しんでいた。でも、街を眺めている視線はどこか、何かを懐かしんでいるようだった。
そういえばアルヴィンって数百年も前から京都に頻繁に着てるんだったね。神鳴流って剣術の開祖とか、陰陽師の開祖とかと知り合いで、京都のどこかに九尾と一緒に妖怪横丁作ったらしいし。
まあ、正直昔の絵巻とか書にアルヴィンのあの黒い龍形態がよく描かれてるのには驚いたけど。
関西呪術協会でもアルヴィンはものすごいVIP待遇だし。来ると知らせれば、ホテルからなんでもあっちが喜んで用意してくれる。まあ、関西呪術協会の本山に泊まってくれませんかっていうお誘いが一番多いね。
その誘いに熱心な理由が、アルヴィンが気に入った相手に力の手ほどきをするからだったけ?
でも、ほとんどの爺ちゃんとか婆ちゃんは、仏様とか神仏扱いみたいだよね。手を合わせて頭下げてたし。お神酒とかあげてたし。
アルヴィンも人間形態じゃアレだからって黒い龍形態で相手するから、益々……。神棚に豪華な座布団(明らかに黒い龍の時用)とか、お神酒とか、小さな神殿とかが用意されてたときは……。うん、喋る置物と化してたね。
「次は金閣寺と銀閣寺をハシゴだな! 行くぞー!」
「おー!」
エヴァとテオがはしゃぎながらバス停を目指しながら歩いていく。
あ。そういえば、エヴァも京都じゃ妖怪扱いなんだっけ? 西洋妖怪っていう。でもあれ? 京都の巫女さんにアルヴィンを守護する姫巫女って教えられたような……? 関西呪術協会に置いてあった文献には良きライバルとか書かれてたけど。
む~……。そういえば関西呪術協会で、魔法世界の戦争に行った人たちがいたっけ。
確か、魔法世界のメガロメセンブリアが関東魔法協会に要請して、それでも人員が足りないからって関西呪術協会にも関東魔法協会の理事で、元京都の名家出身である
最初は陰陽師や神鳴流剣士たちも『我々の技は悪霊や人に害をなす、人外に振るうもので戦争のために使うものではない』って、要請を跳ね返していたみたいだけど、若い連中? だっけ。
その若い連中が魔法世界で戦争が揮発して武者修行に出かけて、有名な傭兵団『紅き翼』の主格メンバーになって魔法世界に名を轟かせていた
とかいう話があったはず。
それに、魔法世界の戦争で戦死した人たちに対して、魔法世界のほうから保障も何もなく、『偉大なる魔法使い』を目指す者なら戦争への無償参加は当然の義務とか
関西呪術協会の元老さんたちは、自ら進んで戦争に参加して行った若い連中は自業自得だけど、無理矢理、戦争に参加せざる終えなかった者たちの家族には……って、アルヴィンに相談して、最終的には莫大な財産を溜め込んでいたアルヴィンが戦災者に対して資金面で色々と保障したんだったよね。身内同士で遺恨が残らないようにって若い連中の家族のほうも含めて全員。
そんな背景もプラスして、関西呪術協会はアルヴィンには頭が上がらないし、足を向けて寝れないって元老さんたちが話してた。
だから、アルヴィンの身内であるエヴァにもよくしてあげようって時々強請ってくる無茶なお願い事も出きるだけ叶えてあげるのかな?
あのお酒欲しいとか、あの着物の生地くれだとか、お寺の本殿のなか(本来立ち入り禁止)に入れて欲しいとかエヴァに言われても、元老さんたちは叶えてあげるんだよね。……たまにエヴァにペロペロキャンディー渡して舐めるとこ写真に撮ったり、肩車してあげようとするのは理由がわからないけど。
そういえば、戦災者のなかにアルヴィンが鍛えたりしてる子がいたっけ。メガネの、おっちょこちょいの、なぜかゲームの中ボス臭がする子。
名前は確か……、あま……なんとか。
「どうかしたか、アスナ」
「ん」
アルヴィンに話しかけられて
「疲れたか?」
「違うよ。ちょっと考え事してただけ」
私はそうつぶやいてアルヴィンの頭を寄りかかる。クセのある髪がくすぐったい。
そのまま景色を眺めながら、訊ねる。
「そういえば、アルヴィン。今日はどこに泊まるの?」
「今日は木ノ葉のところだよ」
「木ノ葉のところか」
おっとり系の美人で、実は少し腹黒。その少し腹黒なところはお爺さんに似てるけど……。
「あんまり見た目は似てないよね。ぬらりひょんのお爺さんに」
フォフォフォって笑ったりしないし、ぬらりひょんみたいな頭でもないし。
「そうだね。おそらく母親の遺伝子が強かったんだろうなぁ」
そうつぶやきながら苦笑するアルヴィン。
「おーい! 早く来ないか! バスが行ってしまうだろう!」
「このバスを逃すと十五分は待たぬといけぬのじゃぞ~!」
エヴァとニィが大声で呼ぶ声が聞えてきた。旅行先、特に京都では転移魔法を使うって発想はないんだよね、2人とも。
◆
関西呪術協会、総本山近くに建てられたお屋敷。そこが近衛木ノ葉の自宅。
京都らしい昔ながらの日本家屋で、エヴァもお気に入りの家。
現在は皆で食卓を囲んで夕飯を楽しんでいる最中だ。
いつもとは違う、足の短いテーブルに上がってるのは、刺身や天ぷら、京野菜や漬け物といった和食を中心としたメニューで、出されているお酒の味も質も一級品だからエヴァがまたまたハイテンションになってた。
まあ、私も久々にかなり手の込んだ和食を食べることができてテンションが上がってる。やっぱり漬け物は京都だよね。奈良もいいけどさ。
隣に座ってるニィも「漬け物うまうま」ってつぶやきながら食べてる。
もう片方の隣に座ってるテオは、焼酎をちびちびと飲みながら甘エビ食べまくってた。
アルヴィンやアリカ、木ノ葉たちは、アルヴィンを真ん中に、それぞれお酌し合いながら料理を楽しんでた。
ちなみに3人を含めて、今は全員着物を着てる。
だからなのか、着物を着込んでる美女の2人を両隣に侍らせてるアルヴィンは、さながら時代劇のテレビに出てくる悪代官みたいだった。
そういえば、このあとお風呂に入って……、今夜は私、テオ、ニィで一部屋。エヴァとアリカで一部屋という部屋割で寝るんだったよね?
アルヴィンは木ノ葉のところで寝るそうだし。今夜は木ノ葉とするみたい。
ニィ曰く、木ノ葉は床上手、甘え上手らしいから、
「今夜は勉強だね」
「うむ。ビデオにも撮っておくから帰ってからも復習しよう」
「うん」
黒髪ロングストレートの和風美人のエッチなシーンは本当に貴重だし、木ノ葉のテクニックはすごいから本当に勉強になる。
ん~……、だからひとりでもいいんだけど、こうやって3人並んでいるところ見ると、金髪と黒髪の美女との3Pも見てみたいかも……。
◆
魔法世界の大戦が終わって早3年。
僕たち『紅き翼』は相変わらず魔法世界の国々を回って、大戦によって引き起こされた内戦の鎮圧や『完全なる世界』の残党狩りなどをしています。
内戦の鎮圧なんかをしていると、ナギさんが最終決戦のときに造物主から言われたという、『武の英雄には未来が造ることはできない』という言葉が身に染みますね。
僕たちには所詮、武力をもってでしか内戦を止めるしかできないのかって。
なんとなく、1年ほど前にクルトが『紅き翼』から抜けて、政治家になる道を選んだことが理解できました。彼は武ではなく、知の英雄になるつもりなのでしょう。昔から頭もよくて、アリカ様以外のことに対しては視野も広かったですからね。
一方の僕はというと、『紅き翼』に所属したまま頑張ろうと思ってます。政治家は性に合いませんしね。
そうそう、まだ師匠であるガトウさんには敵いませんが、これでも僕強くなったんですよ。
無音拳も覚えて、アルヴィンさんから教えてもらった六式も使えるようになりましたし、今は究極技法である咸卦法の修行を始めました。
でも、さすが究極技法というか、咸卦法の習得は難しく、修行は全然進んでいません。
今日は旧世界のある場所で修行しているんですが、全くできないんですよね。これが。
自分を無にするって難しいです。
「クソッ! 西の都ってのはどこにあんだよ! 魔法世界にもなかったし、ブルマってへんな名前で青い髪の女もいねえし、どうなってやがんだ!」
…………。……本当に、無にするのって難しいです。
いつものようにアルヴィンボールが見つからずに苛立ってるナギさん。
詠春さんはいつものように、ナギさんにやさしく声をかけて宥める。
「ナギ。あくまでアルヴィンボールと漫画のボールは違うんだから、そんな都合よくレーダーを作ってる女性がいるはずないだろ」
詠春さんそうは言いますけど、元々はあなたが持ってきた情報ですよね? 旧世界の漫画に出てくるボールに、アルヴィンボールが似てるって。
「だがよ、魔法世界中を1年以上も探し回ってまだ1個しか見つかってねぇんだぞ!? レーダーでも使って探さねぇといつまで経っても見つからねえじゃねぇか!」
本当に、『完全なる世界』の残党狩りや内戦の鎮圧と平行して探し回ってましたもんね、『紅い翼』の全員で。
それで最初の1個目を見つけたときなんて、涙を流して安心したのを今でも覚えてますよ。ちゃんと使用したボールを世界に散らしていたんだって。最悪、あのアルヴィンボールは黒龍さまのウソで、実際にはボールは散らしておらず、見つかりもしないボールを永遠に捜させられるのかって、思っていたから……。
――と、ナギさんの腕に巻きつけられた魔法書からアルビレオさんが現れた。ちなみに魔法書がアルビレオさんの本体で、人間の姿は実体化させた、言わば幻影らしい。
「魔法世界と旧世界に散らばってるアルヴィンボールはあと6つ……。捜索や探索用のアーティファクト所持者でもボールの在り処を特定することをできないのは痛いですね」
全くそうですけど、苦笑しながら遠くを見つめてつぶやかないでくださいよ……。益々心が乱れて自分を無にできなくなるじゃないですか……。
それに実体化していいんですか? 旧世界での実体化はキツいからって、僕にアールフェンクスシリーズの足止めさせてませんでしたっけ? 僕、なにげに死に掛けたんですけど……。
ふと、ニッコリ笑顔をこちらに向けるアルビレオさん。
「どうかしましたか、タカミチくん」
「いえ、別に……。なんでもありませんよ」
僕は目を合わせる前に、サッと目を逸らし、両手それぞれに発生させた魔力と気を見つめる。
クッ……、どうしても上手くいかないな……。
「少しは上達したか、タカミチ」
「――っ」
急いで声がかけられたほうに顔を向けると、白いスーツにメガネ、咥えタバコというスタイルのガトウさんが立っていた。
僕は立ち上がってガトウさんの下へ向う。
「ガトウさん、用事のほうはもう終わったんですか?」
僕の問いにガトウさんは短く「まあな」と答えたあと、タバコを携帯灰皿へ入れた。あれ? なんとなく汗……かいてる?
僕と同じく、ガトウさんのいつもと違う雰囲気に何かを察したのか、ナギさんが訊く(聞き出す?)前に詠春さんから話を切り出した。
「何か新しい情報はあったのか?」
「あ~……、まあな」
言葉を濁すガトウさん。悪い情報とか面倒事の情報に多い対応だけど、今回は特に悪そうだ。
ガトウさんは新しいタバコを取り出し、火をつけて言う。
「良いニュースと悪いニュースがあるんだ」
「良いニュースと悪いニュースだとぉ?」
ナギさん、表情……。ものすごくチンピラっぽいですよ……。
「どっちを先に……」
「もちろん良いニュースからに決まってんだろっ」
ガトウさんが言い切る前に言葉を被せて断言するナギさん。
ガトウさんはため息を吐いて「そうだな」と肩をすくめる。
「じゃあ、良いニュースからな。ナギは長々と話してもわからないだろうから……」
「わかってんなら早く言えよ」
「…………。……内容を簡潔に言うと、2つ目のボールの情報が出てきた」
「――っ! 本当か!?」
「ああ。イギリスの、ウェールズの山奥にある魔法使い村……、そう、ナギの故郷に星が4つ浮んでいる黒いボールがあるという情報があってな……」
「よくやった、ガトウ!」
そう大声でまたもや話を切るナギさん。バッと身をひるがえして杖を……、って!?
「ナギさんっ! いくらなんでも杖で飛んでいくのはマズいですよ! 魔法の秘匿! 秘匿しないと!」
大声を出して止めようとするけど……。
「ハッ! 認識阻害の魔法かけとけばいいだろ! いくぜぇぇえええええ!」
そう言って杖に乗り、あっという間に空へ彼方へと消えてしまった。……ナギさん、魔法の秘匿はそういう問題ではないと思います。あと、イギリスはそっちじゃないです。そのまま真っ直ぐ行ったらアメリカ大陸に行っちゃいますよ~。
「いいんですか、ガトウさん」
「まあ、ああなったらナギの奴はもう止まらないしな」
ふぅっとため息を吐いてタバコを灰皿に入れるガトウさん。
詠春さんはナギさんのあとを追わないのかな?
「空港、探すか……」
そういえば、空中に足場を造るのはできても飛べなかったけ。
はぁ……、僕たちも空港を探さないとなぁ。ナギさんは多分アルビレオさんが途中でイギリスの方向を教えるだろうし、先にウェールズに行っておいていいか。
「僕たちも行きましょうか、ガトウさん」
「ああ、そうだった」
僕の言葉に、何かを思い出したようにつぶやくガトウさん。
ガトウさんは3本目となるタバコを取り出して火を付け、遠く……、遠くを見つめながら言う。
「これからタカミチには学校に通ってもらうんだったな」
「……え?」
今……、何て? 学校? 僕が……、通う?
戸惑う僕に、優しげな声音で話し始めるガトウさん。
「今まで戦争やら内戦の鎮圧やら、『完全なる世界』の残党狩りと血なまぐさいことばっかりだっただろう?」
「そう、ですね」
確かに、血なまぐさいことばっかりだった……。
「だからな。大戦も終わって、『完全なる世界』もほとんど壊滅した今、まだ子供であるタカミチには血なまぐさい世界からは離れて、普通の学校に通ってほしいと思ったんだ」
「僕が……、学校に」
「学費や生活費のことなんかも気にしなくてもいいから通ってみないか?」
「…………」
突然言われた話。僕は、すぐには答えられなかった。
勉強のほうはガトウさんにある程度教えてもらっていたし、旧世界にある一般の学校に通わせる予定らしいから、呪文詠唱できない僕でも普通に受け入れてもらえると思うけど、まさか学校に通う話が突然出てくるとは思わなかったから、答えられなかったんだ。
だけど、イギリスへと出発するまでの2日間で、僕は学校へ通うことに決めた。
◆
学校へ通うことに決めて、ガトウさんに紹介された学校がある場所へとやってきた僕、高道・T・高畑、13歳は、麻帆良学園中等部へと転入することになりました。
いや~、初めて着たときは驚きましたよ。あっはっはっは。
いくつもの学校が建ち並んでいて、それら関係している人たちが住んでる学生寮や職員寮も建っていて、その人たちを目当てに様々な店が建っていたり、その店を出してる人たちが住んでいるマンションが建ち並んでいたりと、僕が想像していた学校とまるで違っていて、もう学校というよりもひとつの都市でしたからね。本当に、学園都市という名称が似合っている場所ですよ、ここは。
それに、すごく大きな……、木も生えてますし……。
いや、神木って、世界樹って……。
いくらなんでも大きすぎるでしょ!? しかも生えてる場所から1キロ圏内は昔からの私有地だとか……。
正直、アレを見たときはしばらく動けませんでしたね。旧世界にも魔法世界に生えているような大樹が生えているんだって。まあ、そのあとも妖怪みたいな頭をした学園長先生を見て動けなくなりましたけど。
それに、今も……、動けなくなっていますし……。
『じゃあ、みんなに紹介するわね。高畑くん』
僕が編入することになった教室から、先ほど学園長室で会った、僕の担任だという女の先生から声をかけられる。
「は、はい」
僕は返事を返してドアを開けて潜り、教卓の横へと並ぶ。
『――っ』
椅子に座ってるだろう生徒が息を飲むのを感じる。視線が突き刺さる。
僕はなるべく遠くを見るように顔を上げ、女の先生からの合図を待つ。
「じゃあ、みんなに紹介するわね。彼は高道・T・高畑くん。みんなと同じ13歳よ。これから3年間、この教室で皆と一緒に勉強する事になったわ。ちょっと戸惑うことも多いと思うけど、皆、仲良くしてあげてね」
と、先生が話したところで、僕が自己紹介を開始する。
「高道・T・高畑です。見ての通り男ですが、これから3年間この麻帆良学園
一礼して笑顔を浮べる。ちゃんと笑顔を作れてるのかなぁ?
あっはっはっは……。
ガトウさん……、僕、女子中に通うことになるなんて聞かされてないですよ……。
キャーキャーと騒ぐ声が聞える。そのなかに男の声は一切ない。本当に、カンベンしてください……。
―ウェールズの山奥、魔法使いの村―
ナギ「ジジイ! てめぇ、ボール! ボール持ってるってほんとか!?」
メルディナ校長「なんじゃい、突然。久しぶりに帰ってきたかと思えば」
ナギ「あー……、久しぶりだな! それで、ここに星が中に浮いた黒いボールがあるって本当なのか!?」
校長「星が中に浮いた、黒いボールじゃと? ああ、あれか」
ナギ「あるんだな!」
校長「まあの。スタンの奴が見つけて……」
ナギ「スタンの爺さんか!」
校長「こ、コレ! ナギ! ……出て行ってしもうたか。――スタンの奴がここに持ってきたと言おうとしたんじゃが……、相変わらずせっかちな奴じゃな」
詠春「あの……、私が渡しに行きましょうか?」
校長「すまぬが、頼む。詠春殿」
詠春「はい。任せてください」
ガトウ「すみません。ひとつ……、よろしいでしょうか?」
校長「これはガトウ殿。何か、気になることでも?」
ガトウ「はい。失礼だとは思いますが……、今ではその黒いボール……、アルヴィンボールは魔法世界に知れ渡っているほどの財宝。それをナギにあっさりと渡してよかったのかと……」
校長「ガトウ殿の言いたいことはもっともじゃが、こちらとしては、あれほど有名な魔道具がこの村にあるほうがマズいのじゃ。襲われる理由になるかも知れぬしの。――ならば、いっそのことナギに渡してしまったほうが、よいじゃろう」
詠春「確かに、そうですね。ここは魔法世界とを繋ぐゲートがありますし、アルヴィンボールの存在を知ったトレジャーハンターや、ボールを利用しようと考えている政府の人間が着たら、色々とマズイですから」
校長「うむ。もうすでにアルヴィンボールがこの村にあるという情報も流れておるようじゃし、ナギに渡したのは丁度いい厄介払いじゃ」
ガトウ「私のほうからも『アルヴィンボールはすでにナギが持っていた』という情報を流しておきます」
校長「頼む」
―会談を終わって、ナギと合流後―
ナギ「くははははっ! やったぜ、コレであと5つだ! 待っていやがれ、クソ龍ぅぅぅううう!」
ガトウ「あいつ、俺たちが合流するまで受けてたスタンさんからの説教を、もう忘れてるんじゃないか?」
詠春「ははは……。まあ、ナギですからね。仕方がないです。――そういえばガトウ、何か私に報告することがあったんじゃなかったんですか? ほら、ナギと合流してから話すという」
ガトウ「ああ……、まあな」
詠春「? 何か、悪い報告ですか?」
ガトウ「あー……、そう、だな。日本の京都でのことなんだが……」
詠春「何かあったんですか?」
ガトウ「事件が起きたとかはないんだが……。その……、おまえの婚約が破棄された」
詠春「…………。……え?」
ガトウ「先日、正式に近衛家を通じてな。青山家の了承……、というか快諾して婚約が破棄されたんだ」
詠春「……な、なぜ……?」
ガトウ「あー……、話によると、おまえが武者修行に行ってからいつまで経っても京都に戻らないし、関西から出て関東魔法協会理事長になった近衛近右衛の前例もあって、青山詠春は魔法側……、関東魔法協会側についたと考え、関西呪術協会は組織内でも京都の家系でいっても重要な位置にある近衛家の娘と婚姻を結ばせることはできないと、婚約を破棄したんだ」
詠春「そ、そんな……。――っ。そ、そういえば、木ノ葉さんは? 木ノ葉さんは婚約破棄に反対などは……」
ガトウ「しなかった、らしい」
詠春「――っ」
ガトウ「元々婚約の話は、近衛近右衛門が京都から出て関東魔法協会の理事になったことで、京都内で地に落ちた近衛家の名誉を回復させるため、同じく神鳴流で有名な旧家である青山家との婚約が目的だったからな。青山といっても今のおまえと婚姻を結んでも名誉が回復せず、むしろ京都の中で立場がさらに悪くなるとしたら、婚約破棄は当然の流れといってもいいだろう」
詠春「…………」
ガトウ「…………(とうとう詠春がヒザをついて崩れ落ちた。まあ、しかたねぇよな。関西呪術協会の陰陽師や京都神鳴流の流儀、『我々の技は悪霊や人に害をなす、人外に振るうもので戦争のために使うものではない』というものを、いの一番で破って魔法世界に行って、傭兵として大戦に参加していたんだからな)」
詠春「私は……、平和のために……」
ガトウ「…………(魔法世界の平和のためという大義があっても、旧世界の島国に存在してる関西呪術協会には関係のないものだからなぁ……。いくら魔法世界で有名で武功をあげたといっても、関西呪術協会ではもちろん無意味。むしろ元老たちにとってはマイナスだろう。人外や魔から人を守る術を使って戦争に参加していたんだから。それに、詠春に影響されて魔法世界へ出て行った連中もいると聞く。裏では大戦の激化に伴ない、無理矢理戦争に参加させられた者たちも出てきたという情報もあるぐらいだ)」
詠春「あの木ノ葉さんが……、なぜなんだ……」
ガトウ「…………(あー……、そういえば幼馴染だったけ? そういや大戦期のときでもよく自慢してたな、旧世界にかわいい婚約者がいるって。……詠春が魔法世界へ武者修行に行ってから、婚約破棄を木ノ葉のほうから言い出していたって、教えないほうがいいよなぁ。たまに近衛木ノ葉の自宅に泊まる男が目撃されてるという情報も)」
詠春「うおおおおおおおおおおお! 私はいったいどうすればいいんだぁぁぁぁああああああ!」
ガトウ「…………(とりあえず、1回京都に帰ればいいんじゃねぇか。大戦が終わっても3年以上帰ってないそうだし。あー……、新しいタバコに火ぃつけるか。そういや、タカミチの奴は元気にしてるかなぁ。頭の長い爺さんに預けたけど、ちゃんと学校に通わせてもらってんのかなぁ)」
―後書き―
今回は地の文ばっかりで、大魔王が着た事によって色々変わってしまった世界の説明ばっかりの話になりました。
それで、本当に迷いましたが、ナギだけでなく、近衛詠春の結婚フラグが消失してしまいました……。
実は前からそういうフラグを入れていたのですが、やるかどうか迷いに迷って、結局破局させました。
人を魔から守る術や剣を、魔法世界の戦争に使った詠春を、大魔王がいることで原作とは違い、関東よりも立場が強い、関西呪術協会の連中が自分たちの長に選ぶわけがありませんしね。
京都にいただろう木乃香の母も、おそらく近右衛門とは仲が悪いだろう(京都捨てて、関東魔法協会の理事をしている父、関西呪術協会に所属していたと思わしき娘が仲がいいはずがない)と思って、
結果、婚約は破棄されて彼はずっと青山のままになりました。
あと、タカミチが麻帆良の女子中等部に通うことになった理由を説明しますと、
原作にあった、タカミチはエヴァと元同級生でクラスメートという言葉を察すれば……。
15年間女子中学生に所属していたエヴァ。
その同級生で、クラスメートだったというタカミチがどこに通っていたかというと……。
女中学校ですよね。
あの話を切り出したときの、枯れた笑顔は女子中学生時代を思い出しての笑顔だったのか……。
タカミチ「元クラスメートのよしみだろ、フッ……」
エヴァ「フンッ(そういえば女子中学校に通わされて苦労してたっけな、こいつ)」
という裏があると思いまして、女子中等部に通うことになりました。