戦国恋姫の世界で鬼に転生してしまった件について 作:人中の蝮
やる気を出したのはいいが明らかに強そうな鬼で最初に戦う鬼じゃないよねと思うばかりの強者オーラを出していた。勝てるか正直分からないがここで負ければ詩乃ちゃんの身は間違いなく危ないことになる。俺は覚悟を決めて鬼の姿に戻り前に出て
「お前らみたいなやつらに大切な彼女を渡す理由がない、どうしても欲しいと言うなら俺を殺して見せろ」
言い切った、これで殺し合いになるがどう出てくると思っていたら向こうの大将らしきものが
「良い心構えだ・・・お前ら、絶対に手出しするなよ。この男とは一対一で戦ってやる。もちろん、勝負をしている間はお前の横にいるやつも手を出さぬ」
意外と正々堂々と勝負してきて少しばかり驚いたがそれでもこちらにとってとてもうれしい話である。これなら勝率が上がる上にその間は確実に詩乃ちゃんは無事だ、相手の男前に感謝して勝負の誘いを受けた。
そうして前に出て勝負を始めようとした瞬間、一匹の鬼が詩乃ちゃんに向かって攻撃したのであった。俺はやばいはめられたかと一瞬、思ったがその前に相手の大将らしい鬼が詩乃ちゃんに攻撃しようとした鬼に向かって持っていた槍を投げて
「貴様、誰が横槍を入れろと言った。男の勝負の侮辱は許さんぞ・・・次はないからな」
少しばかりかっこいいなと思いつつ相手の鬼の動きを待っていた。そうしたら向こうの鬼が俺に対して
「済まなかったな、もう少しで約束を破るところであった。素直に同じ鬼として謝ろう・・・しかし、だからと言って勝負は一切手加減はせぬ」
マジで男前すぎて仲間にほしいぐらいだわ。絶対に鬼じゃないよね、鬼よりも良い種族があったよね、どうして鬼になったの?もしかして転生者なのかなと思っていたら向こうから
「それでは参る」
その言葉を言った瞬間、信じられないぐらいの速さで攻撃を繰り出してきた。その速い槍裁きをなんとか避けながら相手のスキを探していたがどう見ても隙がなさ過ぎて困るぐらいであった。
それでもなんとか隙を見つけることが出来た、それは相手が素早い槍裁きをした後の一瞬だけ次の行動のために無防備になる瞬間があった。昔から喧嘩をしまくっておりこんなことには慣れていた。
だが、それでもそこに突くのは難しいことであった。まず相手は槍でありリーチの差を何とかしたいがその前に相手が次の行動に移るために実際には不可能に近い状況であるが少しばかり賭けに近いが一つだけ方法がある。今はそれしかないために成功を信じて行動に移した。
それを見た相手の鬼はあざ笑うかのように
「勝負を捨てたか、ならば一瞬で楽にさせてやる。後のことは心配するな」
そう言って相手の鬼は空に飛んだ信鬼を槍で突いたのであった。しかし、その攻撃が当たることはなかった。槍に突かれる瞬間、信鬼は鬼から人に近い姿、鬼人に戻り体を小さくして槍を避けてそのまま、身に着けていた刀で相手の鬼を切り刻んだ。
その一撃は深く勝負を決める手となり周りの鬼たちはこれを見て一気に静かになった。これでようやく拠点に帰れると思い、詩乃ちゃんを連れて帰ろうとした時に鬼の大将らしきものが
「見事なり、某の負けである・・・もし、宜しければ配下に加えていただけないでしょうか。お主には負けたとはいえ某もそれなりは強いでござる。どうか、お願い申す」
・・・え、まさかの配下にしてくださいと言われてしまいました。どうしよう、確かに仲間は多い方が良いけど鬼だしな、詩乃ちゃんに相談しよう。そうと決まって詩乃ちゃんに今までのことを簡単に説明して
「そうですね、信鬼さんに絶対に従うと誓ってくれるのでしたら問題はないと思いますが・・・信鬼さんはどう考えですか」
「そうだな、俺も個人的に仲間が多いほどいろんなことに対応できるから増やしたいと考えていた。わかった、俺に絶対に従ってくれるなら配下にしても良いと伝えるね」
そう言って俺は鬼たちにそう説明したのであった。すると答えは良いらしいどうやら強いことが鬼たちにとっては正義らしいので正に勝てば官軍とはこんな状況の時に言うもんだね。
俺は鬼たちに身勝手な行動をしないようにルールを守らせることにした。それは
「まず、大切なことは無暗に人を襲わないこと、そして万が一、向こうから攻撃してきた時だけ殺して構わない。向こうも殺す気なら仕方がない。人を食べる時は必ず首を切って頭を丁重に弔うこと、そして弔った首以外のみ食べること」
これはこの時代の信念を基づいて考えた。首に魂が宿っていると思っている時代である、最低限の弔いをしてあげたなら残りの胴体は好きにしても構わないと思っている。少なからずこの時代の島津家はそう考えている。
この考えは親友から聞いたことである、そしてその親友も納得していた。まあ、その親友も元を辿れば島津家の子孫だがそれは置いといてこれだけは鬼たちに守らせることにした。これならば武士として最低限の土俵に立てることが出来る。
そして鬼たちはそれを守ると約束したのであった。ここまで言ってそれでもいいなら配下にしてやると言ったら喜んで鬼の大将が
「お主・・・いや、殿。これからは殿に仕えます、どうかよろしくお願い申す。そして某は可児才蔵と申します。どうか、覚えていただけたら嬉しい限りでございます」
・・・今、可児才蔵と言わなかったか?この鬼は・・・マジなのマジであの戦国時代に大名でもないのに有名な可児才蔵なの?!!確かに美濃出身なのは知っていたけど・・・
ともあれこれからいろんなことが起きそうだなと俺はそう感じたのである。それよりも目の前のことで言えば詩乃ちゃんの良い返事の仕方でも今から考えておきますかと思いながら再び、詩乃ちゃんと配下に加えた鬼の可児才蔵とその元配下の鬼、二十体を連れて、拠点に戻るのであった。
次こそはもう少し早めに出したいかな