戦国恋姫の世界で鬼に転生してしまった件について 作:人中の蝮
そのころ、越後では特に幻魔の出来事以来は平和に過ごしていたがここである日に美空が急に嫌な予感がしたと評定の間で家臣たちに相談したのである。
「すまないけれど最近変わったことが起きていないかしら。どうも嫌な予感がしてしょうがないのけれど」
「御大将の勘はよく当たるからそう言われると柘榴は心配になるっす」
「確かに信鬼さんが戻ってから時間がたっているのに連絡の一つもないのは心配になります。私は何かしらのことに巻き込まれたのではないでしょうか」
そんなときであった、評定の間で会議をしているときに愛菜が入ってきたのである。
「大変ですぞ、大変ですぞ。雅にーの盟友と名乗っているものと未知なる大軍を率いている大将が美空様に会いたいと尋ねてきていますぞ、どや」
「私に会いたいと言うのね・・・良いわ。何かしらの情報を持っているなら会ってもいいわよと伝えて」
「わかりましたぞ、どや」
そうしてしばらくして愛菜が戻ってくるとそこには見たこともない服を着ている女性と男性なのか女性なのか中性的な人物が入ってきたのであった。
「お目通りしていただきありがとうございます。私は元帝国軍人、陸軍を率いていたトウナと申します。今はとある女神に仕えています・・・それで美空殿にお願いをしたく参りました。どうか我々と共に京の都を支配している酒吞童子を討伐していただけないでしょうか」
「朕は吉野と申す、そうだなあの島袋の盟友と申したほうが分かりやすいかな」
「二人が何者なのか目的は別に良いけど・・・その信鬼と言う鬼は知っているかしら」
「もちろんだ、むしろそれに深く関わってくる話になるから聞いてほしい」
その場にいた長尾勢はみんな驚いた表情をした、そして美空はすぐに良い知らせではないことを感じていた。だが、それは美空の想像をはるかに超えるものであった。
「まず言うと・・・信鬼と言う鬼は・・・死んだ」
「・・・・・え?」
だれがそう言ったのかはわからないが間違いなくこの場にいた長尾家の者たちはそう思ったに違いない。特に美空と秋子の二人は信じられない・・いや信じたくないというべきだろう。再度、トウナに対して問いただした。
「今の言葉は嘘よね・・・嘘と言いなさいよ」
「いいや、本当のことだ。それに加えると日ノ本のほとんどの人が酒吞童子の鬼に殺されてこの越後の国以外はもう鬼の物になっていると言ってもおかしくはない状況である。ただこの越後の国が残ったのは恐竜たちが守っていたことに違いはない。しかし、日ノ本が越後以外に堕ちた今はこの国も安全と言い切れない、そのために」
「嘘よ、あいつがそんな簡単に死ぬような奴じゃないわよ」
「御大将、これは本当のことだと思います。ここしばらく外からの旅人が来ません、それに外にいる草も誰一人連絡がありません。もし彼女の話が正しかったらこのおかしな状況に納得いきます」
「秋子、あなたは悔しくないの」
「御大将、秋子をよく見て」
美空が秋子をよく見てみるとそこには手から血を流していた。それは悔しさ、怒りを今はただ堪えていたのである。それを見た美空は間をおいて再度トウナに対して
「わかったわ、長尾家も協力するわ。ただし信鬼を討った鬼はこの長尾家に任せてくれないかしら。他人に討たれたら一生後悔すると思うから」
「わかった、そこは了解した。それと私以外にも徳島、村上の軍勢も合流する。それと島袋はすでに酒吞童子の軍勢と交戦状態に入っている。正直に言うと我々が仕えている女神のほぼ総戦力と言うべき戦力を持ってくる予定だ」
「それに長尾家にはもう一つうれしい話があるのよな、トウナ殿」
「そう・・・信鬼と言う鬼はまだ生き返すことができるかもしれないと伝えておこう」
再び長尾家には乱れたがそれはうれしさに希望の光が見えたようにも感じた。そして真っ先に秋子が
「とてもうれしい話に聞こえますがどうしてそう言い切れるのですか。そしてあなたは・・トウナ殿は何者なのですか」
「そうだなここにいるトウナ殿はこの周辺のいろんな世界を作り出した創生神の右腕であり、そしてこの世界に信鬼を転生させた者だ」
長尾勢はもういろんな情報が入ってきて整理がめんどくさいと思った柘榴がトウナに対して
「まあ、簡単に言うととても偉い神様の右腕で信鬼をこの世界に呼んだものと思っていいすっか」
「間違っていないから良いではないかトウナ殿。それと実力もかなりの物であるぞ、かつて日ノ本で化け物の棟梁、八岐大蛇を討伐したのもこの者であるからな」
「あの八岐大蛇をですか、それはとても心強いです。それにしてもあなたほどの人がどうしてこの世界のために戦うのですか、話を聞いているとほかの世界もあってあなたほどの人物が最前線に出る必要はないと思うのですか」
そう言われるとトウナは少しばかり笑みを出しながらこういうのであった。
「昔、信じられないかもしれないが前世はこの世界の者だった。それに前世で生まれ育った国が亡ぶところは見たくはないからな。それだけ・・・いや、敵側には昔の同僚がいると聞いてな、愚か者と言われたのを言い返したいと思いもあるのかもしれない」
そうして会談は無事に終えてその日から長尾勢は上洛の準備を始めた。それは鬼の棟梁、酒吞童子を討ち、信鬼を助けるためであった。その間にもほかの世界からの軍勢が続々と集まってきていた。
その数は軽く十万以上の大軍勢であった。その上でトウナの部隊には多くのワイバーンを連れてきていた。千匹ぐらいはくだらない群れの数になっていたのである。恐竜も含めるともう手に付けらないぐらいなのにトウナは油断は負けの原因と言って惜しみなく出していた。
それから二日後には村上蓮也が率いる世紀末部隊が到着して、それからまた二日後には徳島豊輝が率いる精鋭部隊も到着した。そして翌日には長尾勢も出陣の準備を終えて美空が出陣の号令をかけたのであった。
「今、日ノ本は危機的状況を迎えているわ、けれどそのような状況この長尾景虎が許すわけにはいかない。越後の勇者たちよ、共に戦いなさい、我々には毘沙門天の加護があるわ」
「流石、美空殿と言うべきでしょう。そしてここに集まりし異なる世界の兵士たちよ、秩序を乱す鬼を越後の勇者たちと共に討伐をするぞ」
その号令で長尾家にトウナが率いる連合軍は京の都に向かって上洛の軍を起こしたのである。
美空とその家臣たちはまたあのような生活を・・・日ノ本と信鬼と暮らす日常を取り戻すために心を一心にして京の都に向かうのであった。
なんとか早めに出せましたが・・・次がどうなるかはわかりません。