戦国恋姫の世界で鬼に転生してしまった件について 作:人中の蝮
敵たちはやはり紅龍の予想通りに行動していた。これならば必ず勝てると確信をしてと気であった。上空に赤い煙が上がったのである、これは昨日、紅龍の指令だなと思い俺は持っていた手紙を開けてみたら一枚の札と手紙には
信鬼へ
誰にもばれないようにこのお札を持ち続けてくれ、さらに勝利が確実でもお前と美空は作戦場所に向かわず浮島方面に向かってほしい。そして次に青い煙が上がったら・・・美空とオロチたちと一緒に逃げろ。この戦い、私の予測が正しければ・・・勝てない。そして人類史上・・・いや神々時代も併せても史上最悪な事態に起きる。
私は出来る限りの足止めをするつもりだが相手は信じられないぐらいの大軍で来るだろう。おそらくもって五時間、青い煙を出してから五時間がお前たちの生きる最後のチャンスの時間になる。私は気にしないでくれお前は最後まで付き従っている美空やオロチたちのことだけを考えておけ、脱出方法はオロチの手紙に書いてある。
それでは信鬼、元気に暮らせよ。そして大切な彼女を今度こそ守り抜けよ。
紅龍より
あ、あいつはもしかして最初から死ぬ気だったのか。なら助けに向かわないと思ったがもし向かえばそれは友人の願いを裏切ることになる。でも俺はと考えていたら美空が
「どうしたのよ、信鬼。何って書いてあったのよ見せなさい」
そうして美空に手紙を渡して美空がそれを読んで俺に対して
「どうしてなのよ、ここまで勝ち戦なのにどうしてあいつは負けると思っているのかしら」
「俺にもわからないがでも言えることは今までの作戦であいつは間違ったことを言っていないからおそらく負けることも本当だと思う。だから俺はどうすればいいのかと思って」
「考えるまでもないわ、助けに行くわよ、信鬼。恩人を見殺しするほど長尾家は薄情者ではないわ」
「美空・・お前ならそう言ってくれると信じていた。ありがとう」
「べ、別にそんなことは関係ないから勘違いしないでくれるかしら」
そう言いつつも美空は少し照れ顔になっていたが俺は気づいていないふりをしてそのまま二人で紅龍の場所に向かった。そうして俺と美空はお互いに信じられない光景を目にした。
紅龍の前には信じられないぐらいの大軍と化け物がいたのである。それも異なる世界で有名な化け物でウイルスの感染者たちに荒神、魔物、幻魔そして鬼もいたのであった。
もう紅龍の前には敵で埋め尽くされていた。そんな時に紅龍が俺たちに気が付いたのか怒鳴り声のように
「信鬼、美空殿、どうしてここに来た。私は急いで作戦通りにしてくれと書いていたはずだ。早く向かえ」
「ふざけないで私たちがそこまでの薄情者だと思っていたのかしら、紅龍」
「・・・私は作戦通りにしてくれと書いたはずだ。お前たちがここにいれば死ぬことになる。お前たちだけでも逃げ延びろ、時間は私が稼ぐ」
「俺も戦う、お前ほどは強くないがそれでも戦力になる」
「来るな、死ぬぞ。お前たちは生き残ることばかり考えておけ」
そうしている間にも敵が攻撃しようとしたその時であった。奥からとんでもない恐怖の気配を感じた、そうしてその者の正体がわかったのである。それは一葉であったが様子がおかしいと思い紅龍が知っていそうな表情をしていたから聞こうとしたら
「ふん、今度はどこかの娘さんに憑依ですか相変わらず嫌な趣味をしていますな・・・アジ・ダハーカ、ここまで根回しをしていたとは不覚であった」
「おや、かつて七勇者に昔の余を倒して見せた者には感じられない弱気じゃのう」
「口癖が変わっているから見てよほど適正があったのかな、アジ・ダハーカさんよ」
「そうじゃのう、余もびっくりするぐらいに適性があっていたことにはびっくりしたのじゃ。そう、こんな魔法を使えるぐらいに合っていたのじゃ」
そうして一葉の後ろには三千世界ではないがそれに近い何かが準備されていた。俺は理解はできないが直感であれは危険なものだと感じていた。そうして変わり果てている一葉から
「今こそ、すべてを破壊せん・・・ブリューナク」
唱えた瞬間、無数の刃が紅龍と俺たちの方向に向かってきた。紅龍はなんとかはじいていたが俺には無理だと怯えていたら美空と俺の前に見えない巨大な壁があったのか敵の魔法が俺たちの前で止まってくれた。
「何している、今のうちに逃げろ。お前たちが二人助けに来ても死ぬ死体が増えるだけだ。死ぬ死体は・・・一体で十分だ」
俺は友人の言葉に従って恐怖で身動きできなくなっている美空を無理やりお姫様抱っこしてその場から逃げ去ろうとした。しかし、それを見ていた一葉の姿をした何かはすぐ俺の前に立って不気味な笑みでこちらに対して斬り下ろした。俺はもうだめだと思っていた瞬間、俺に剣は届いておらず紅龍が助けてくれたのである。
「アジ・ダハーカ、私は無視してこいつらを殺せると思っているのか」
「本当に相変わらず、強いの、それにしても女の体になっているせいかお主に惚れてしまいそうじゃ」
「お前とそんな話をしている余裕はない。ゆけ、信鬼ここは足止めをするから今度こそ作戦通りにしておけ」
俺はその言葉に従ってそのまま逃げたのである。
「まったくお人よしじゃな、生きれる可能性が非常に高いのにそれをほかの者のために捨てるとか。昔から変わらないのう、でも今日はお主の命日じゃ。でも安心しておくのじゃお主のことが好きになってしまったから死んだあとは余の配下として有効に使わせていただくから安心して逝くのじゃ」
「それは怖い、告白ですな。正直に中身がアジ・ダハーカではなくてその姿のもとの持ち主から言われていたらとてもうれしかっただけどな」
そうして一葉の手の合図に後ろに控えていた者たちが一斉に襲い始めたが紅龍はそれでも怯えることなく
「我、こそは松永紅龍。我と共に黄昏に行きたい奴はかかってこいーーー」
俺は結局、恐怖のあまりに途中から気を失っている美空をお姫様抱っこして逃げていた。何も助けられない、俺は昔に誓ったはずだ。大切なものは必ず守り通すと誓ったはずなのに逃げて逃げている。余りにも情けない姿だ、美空も起きたらどんなふうに怒るのであろうかと考えながら俺は紙に書いてあった合流場所まで逃げてきたときにはオロチ軍はすでに全軍到着しておりオロチは俺の表情を見て
「信鬼、紅龍はどうした姿が見えないのだが・・・まさか、死んだのか」
「亡くなってはいないけど・・・これから死ぬ。紅龍は俺たちのために命を張って時間を稼いでくれている。俺たちは絶対に生き残る必要があるだ・・・オロチ、後で好きなだけ殴っていいから今はあいつの言うとおりに逃げろ」
オロチは悔しそうな表情を出してはいたがわかったと言って脱出準備を始めた。この一帯に転送結界を作ってくれていたのかすぐに別の世界に逃げることができそうで俺はこれであいつの死は無駄にならないと思っていた瞬間、美空に攻撃しようとしていた幻魔を発見して俺は体で美空をかばったのである。
オロチもそれに気が付いてすぐに幻魔を倒せたが今ので俺の心臓が見事に貫かれたのか信じられないぐらいの寒気と痛みが襲った。そしてそれで目を覚ました美空は大声で
「し、信鬼ーー」
そう俺の名前を叫んだのであるがだんだん姿も声も聞き取れなくなり始めて俺は死ぬのだろう。もう助かることはないと思い俺はせめて最期に美空に伝えたい想いを言った。
「美空・・・俺はもう無理・・だ。だから最期に・・・言っておく」
「馬鹿言わないであなたは絶対に死なせないから。生きて、生きなさい。私を見捨てて死なないでお願いだから死なないで、信鬼。あなたまでいなくなったら私に何が残るのよ、生きて私のためにも生きなさいよ、信鬼」
俺は出来る限り精一杯の笑顔で美空に対して
「ごめ・・ん・・美・・空・・・でも・・・今度・・・は守れ・・・てよかっ・・・た」
俺はそうして意識を手放したのである。最期に聞こえてきたのは彼女の泣き叫ぶ声であった。俺は最後までひどい鬼だったなと思いつつ暗いくらい闇の中に眠りつくのである。