戦国恋姫の世界で鬼に転生してしまった件について 作:人中の蝮
歌夜が秋子の技を受けてなお無傷な様子を見て柘榴が
「秋子さん、流石にやばい気がするっす。このままだと柘榴たちが負けるような気がしてならないっす」
「母上、愛菜も思いますぞ、ドーン」
「そうね、少なからず三人で戦わないと負けるわね。二人とも無理はしないように立ちまわって、御大将たちがこちらに合流するまででいいから耐えてください。そうすればこちらにも勝機があります」
三人は歌夜の様子を見て無理はしないように戦う方針にしたのである。もしもここで無理に攻撃して相手が強くにでもなったら勝てる自信がないからであるために秋子たちは安全策をとることにした。
そんな時であった遠くから戦いを見ている紅龍から大声で報告が来たのであった。
「連絡しておくぞ、信鬼・美空対オロチの勝負は信鬼・美空の勝利に終わったぞ。二人ともそちらに向かってきているから頑張れよ」
秋子たちにとってはとてもうれしい内容であったがここでこの報告で焦り始めたのは歌夜である。オロチが負けたと言うことはオロチの命が危ないと感じて急いで向かわないと思い早く目の前の敵を倒さないと思い決意を固めるのであった。
そうして報告を聞いた柘榴が勢いがついたのか
「なら少しだけでも無理をしても良さそうっす、できることなら御大将たちが来る前に終わらせたいっす」
そう言って柘榴は歌夜と戦いを始めた、それを見た秋子も一緒に連携して攻撃を始めた。お互いに邪魔にならないようにしながら繰り返しの攻撃を繰り返していた。だが、歌夜もここで負けたら誰がオロチを助けるのと言うばかりに反抗してきてなかなか倒せないでいた。
それでも確実に歌夜の体力は無くなってきていた。柘榴と秋子はこのままいけば勝てると思い更に二人で波状攻撃をした。ここで愛菜も参加しようとしたがここで白銀の少女が再び出て来て止めたのである。
愛菜はどうして止めたのと思い聞こうとしたら白銀の少女の目線の先にまたしても知らない女性がいたのであった。それは紫色の髪をした女性でこの白銀の少女と似ている感じであるために愛菜は聞いてみたのである。
「お姉ちゃん、あれは誰でありますかですぞ、どや」
そういうと白銀の少女は静かに愛菜に対して言うのであった。それは古い知り合いで自分の時代でも一、二を争うほどの強者でありおそらく全盛期の自分でも倒せないほどの強さを持っている女性であり、その女性が歌夜に対してかなり同情的な感情を抱いているために自分と同じことをする可能性があるために危険と思い愛菜を止めたのである。
それを聞いた愛菜は急いで母である秋子と仲がいい柘榴に教えようとしていたらその紫色の髪をしている女性が先ほど自分と白銀の少女にしてもらったような感じに歌夜の中に吸い込まれるように消えたのであった。
これを見て愛菜は大声で二人に対して
「母上ー、柘榴殿ー、何か危ない予感がするのですぞ、急いで離れてほしいですぞ、どや」
「大丈夫っす、このまま畳みかけてやるっす。歌夜さん、覚悟するっす」
そう言って持っている槍を振り下ろしたのだがここで柘榴の槍は届くことはなかった。なぜか歌夜の前に風の結界と言うべきものが発生しておりそれが歌夜を守っているようであった。
歌夜は少しだけ困惑した表情になったがすぐに切り替えて反撃を開始した。これを見た秋子は柘榴を援護するべく横からも攻撃をしたがすべて歌夜に届くことはなかった。逆に今まで見たこともない技を出してきたのである。
その攻撃は真空波と言うべきもので歌夜の槍を避けても振り回した勢いで真空波が発生して結果的に秋子と柘榴に対して一方的に攻撃をしていた。もちろんその攻撃は愛菜は当然のこと遠くから見ているはずの紅龍にまで届いていた。
そうして歌夜の攻撃を受けて顔に傷がついてそれを確認するように傷口に手を当てて血の出血を確認した紅龍は驚きながら思うのであった。
この風魔法は間違いない、あの死神の仕業だ。それにしてもなぜ今頃になって出てきたのであるか・・・まさか、狙いは信鬼であるか。これはまずい今の歌夜と信鬼が戦ったら確実に信鬼は殺される。ならばここはもう手段など選んでいる暇はない。
そうして秋子と柘榴は対抗する手段がなく愛菜のいるところまで後退した。それを見た愛菜は前に出たのである。秋子は急いで愛菜に対して止めに入ったのであった。
「愛菜、危ないから下がっていなさい。この者は今までとは桁が違う相手です、あなたが行っても」
「母上・・・でも私に力を貸してくれているお姉ちゃんは私かもしくは遠くから見ている紅龍しか戦えないと言っておりますぞ、ドーン」
ここで秋子は確かにこの場で戦えるのはおそらくその二人だけだろうがそれでも娘を危険な目に遭わせたくはない秋子は必死に止めに入っていると
「やれやれ、遠くから見ているだけでいいはずがとんでもない化け物を相手にすることになるとはね、秋子さん、柘榴殿、愛菜ちゃん・・・下がってくだされ。この相手は本当に今までの群がってきていた雑魚とは比べ物にならないほど強くなっています。歌夜に憑依して力を貸している者と歌夜の状況見て・・・五分五分と言うべきところでしょうな」
ここで三人とも信じられない言葉を聞いたのである。それは今までどんなに大軍でも余裕の表情や勝てると言っていた者が今度ばかりは相手は一人なのに五分五分と言うのであった。それだけ歌夜に憑依した相手は危険なものなのかと感じて後ろから見ているだけで行動に移そうと思わなかった。移したところで攻撃などできない上に足手まといになるだけだからと考えた。
「久しぶりでございます、歌夜に憑依して力を貸しているのは・・・やはり、コノハ・アズラエル先輩でしょう。もう爺になってわからなくなっているかもしれませんが松永紅龍でございます。私が七歳の時に魔法の効率がいい鍛え方に一緒に戦っていた小僧でございます」
そういうと歌夜に少し変化が起きたのである。それは急に髪の毛が青色から紫色に変化して歌夜も先ほどとは違う存在になったように感じていると
「この体の持ち主から許可を思って表に出てみると・・・やはり、あの子でしたか。どこかで見たことがある顔だなと思っていましたらあの時の子供ですわね。それならば私がこれからすることは分かっていますよね。邪魔だけはしないでほしいですわ」
「そればかりは出来ませんな、ようやく神話から始まる戦いに終焉を迎え始めたのですからこればかりは先輩の言うことでも聞けません。ですが気持ちはわかります・・ゾディアーク・・いや、信鬼が憎いのでしょう。ですが今一度だけ、チャンスを与えてはくれませんか。今、あのゾディアークは人と一緒に歩みだそうとしているのです。昔は自分以外は道具などしか考えていなかった者がようやく、ようやくここまで来たのです。どうか、今一度だけあの者にお許しを」
「そう言って私が引かないことは知っていますよね。それにあの者だけ幸せになるですって・・・ふざけるのもいい加減にしなさい。私たちがあなたも含めてどれだけあいつに苦しめられたか忘れたのですがあなたは」
「忘れることはありません。私もどこかでは憎いと思っているのも事実ですがそれで復讐したところで何が残りますか、残るのは新たな憎しみだけです。誰かがこの憎しみを止めなければなりません。それができる者こそが強者と考えています、ですからお願いします、神話の時代で最強の魔法使いと呼ばれていたコノハ・アズラエルさん。彼を許してください、もうこれ以上未来への子供たちに憎しみを背負いさせたくはないのです。どうかお願いします」
そう言って少し歌夜に憑依している者は黙って考え始めたがそれで帰ってきた答えは
「気持ちはわかりました・・・しかし、それでもあの者を倒さないことには私はもちろんのこと・・・先生たちも納得しませんのでそれに先生たちも時期にここに到着します。だから、今からでも遅くはありません、私たちと一緒に戦いましょう」
「・・・とてもうれしい言葉です。やはり、コノハさんは優しい人です・・・しかし、私も覚悟の上です。たとえ、この世のほとんどが敵になろうとも私の気持ちは変わりません。だからあなたの前に立っているのです」
「そうですか・・・ならもう言葉はいりませんわね」
「秋子さん、柘榴殿、愛菜ちゃん、急いで信鬼と美空たちに合流して元の世界に返ろ。今なら敵も少なくなっており越後も奪還しやすいはずだ。ここは私に任せた」
それを聞いた秋子たちは急いでその場から立ち去ったのである。それは故郷が取り返せる喜びと急いで向かわないと自分たちも危ないと感じて戦いで疲れたのにも走って信鬼と美空たちに向かっていくのであった。
次回、越後奪還