戦国恋姫の世界で鬼に転生してしまった件について 作:人中の蝮
話を終えるとすぐに紅龍は飛び出して行動を始めたのである。もうそれほど時間がないのはおそらくこの場の誰よりも知っているのであろう、だから傷だらけでも行動をしている紅龍を見て俺もできる限りの準備を始めるのであった。
万が一紅龍の策が間に合わなくて戦う羽目になってもいいように戦いの準備をみんなで始めた。この先、誰も死ぬことがないようにできるだけの準備をしたのであったが俺は準備をしている最中に城の天守閣から遠くであるが数えきれないほどの軍勢がこの越後に向かっているのを確認したのである。
まだ越後の国に入ってはないがそれも時間の問題、信濃まで来ておりもう時間がないことを悟った俺は急いでみんなに伝えまわった。それを聞いて緊急事態でまた評定の間に集まったがもう対策と言う対策などない。滅びを待つばかりの状況であった。
しかし、ここで話し合っているせいで気づいていなかったが紅龍が俺たちに対しての手紙が残された、俺は気になって手紙の内容を読み上げたのである。
信鬼へ
この手紙を読んでいるときはすでに私は敵本陣に向かって突撃しているであろう。これが私がお前たちにできる最後の策だ、すでに越後すべてに転移魔法をかけておいた。これによりあと一刻もすれば越後は地球から消える。そして転移先は私が生涯いろんな世界で学んだ技術をすべてを使い生命が住めるように開発した、火星だ。
ここに転移すれば流石に今の者たちでは追ってこれまい、無事にお前たちを助けられる。ただしこの転移魔法は発動者すなわち私は移動することはできない。それに敵に入れないように防御結界も何重も張っておいた、だからもうお前とは二度と会うことはないから今ここに書き残す。
もし、昔のことで罪を感じているのなら今、越後の国から出てくるな。支えてもらっている者たちのために生きよ・・・そして新しい命を守ってみせよ。それが私と私を拾って育ててくれた義姉、ベロニカ姉さん対しての罪の償いだ。これが一つでも破ればたとえどこにいようとも怨霊となってお前を祟り殺してやるからな。
だから美空たちを信じあって明るい未来を作れるように祈ります。お前たちならそれは出来ると信じている。なぜならお前は私の長年の宿敵だから。それではいつまでも元気で・・・・もう、会うことはないからまたは言わない・・・さらば、宿敵。
お前の最大の宿敵、松永紅龍より
俺が読み終えると美空が俺に寄ってきて静かにそれも優しく俺に対して
「信鬼、あなたはどうしたいのよ。私は今回の判断はあなたに委ねるわ、たとえ見捨てると言う判断でも構わない。助けに向かうと言っても何も言わないわ。だから聞かせてあなたはどうしたいの」
「俺は・・・・・・宿敵の最期の願いのためにここに残る」
俺は泣きそうな思いをこらえて美空たちに言うのであった。今、ここで助けに向かえばあいつの努力を踏みにじることになる、宿敵が俺を許してもうためにはここに残らなければならないが辛かった。ようやく、ようやくこうして再び話し合えると思っていたのに俺のことをわかってくれている人、俺のために命を投げ出してくれた人を見捨てなければならないことに。
そんな俺を美空は同じく悲しそうな表情をしながら俺のことを抱きしめて優しく包みながら
「泣きないなら泣きなさい、ここで泣かなかったら一生後悔するわ。別に泣いても私たちは馬鹿にしないし弱弱しいと思わないわ。だからたまには素直になりなさい、信鬼」
俺は美空に対して抱きしめてもらいながらとうとう泣き出したのであった。もう今までこれほど泣いたこともないほどの大きさで泣き出したのである。けれど美空は優しく慰めてくれて俺は甘えるように泣き続けたのであった。
しばらくしてだいぶ落ち着いてきた俺はせめて紅龍の勇姿だけでも見るために俺は魔法でここにいるみんなに映像みたいに見られるようにしたのである。そして映りだした光景は想像を超える光景であった。
もう今まで見たこともない数を相手に一人で戦い続けている紅龍が映りだしていた。相手もいろんな世界から集められた精鋭ばかりで誰一人弱いものなどいなかった。
そんな相手でも一人で紅龍は戦い敵の数など関係ないと言うばかりに圧倒していた。
「これが数多くの世界から精鋭だけを集められた者たちか、呆れた者だ。私はこうしてまだ両足で立っておるぞー。私を倒せるという勇士はいるかー」
そうして多くの敵をどんどん倒していった。次から次からくる敵を力があるだけ倒していきもうどれぐらい倒したのかがこちらもわからなくなるほど紅龍だけで倒していった。
「呆れた化け物め、貴様がいるせいであの悪党を取り逃がすだぞ、わかっているのか」
「愚弄なされるな、今のお主らよりも立派なものになっている。己のことばかりを考えているお前たちに信鬼や美空殿たちを馬鹿にする資格などないわー」
俺はこれを見ながら俺たちはどれだけ思ってくれていたか、うれしかった。間違いなく俺のことをここまでしてくれたのは誰でもない紅龍だ。たとえ天地がひっくり返ってもこれは変わらない。俺の生涯の大恩人だ。
「我こそは、松永紅龍ー命が欲しいものは道を開けろーー」
その咆哮で大半の兵士たちは恐怖のあまりに道を開けて紅龍はまっすぐ進んだ。そう敵本陣を目指してまっすぐに突き進んだ。その光景は松永紅龍こそ、最強の兵なりと評価したいほどであった。
敵本陣もかなりの精鋭で守りを固められていたが紅龍の鬼神を上回る武勇に徐々に恐怖に飲まれて隊が崩れたのである。とうとう敵本陣に到着した紅龍だったが敵総大将はすでに逃げ出していたがここで残された馬印を紅龍は倒してそのまま、敵総大将が逃げたであろう先に向かって再び突撃を開始した。
「この化け物め、この包囲を突破できると思うなよ」
そうして出てきたのはアニメなどで有名な人物ばかりであった。そんな中でも紅龍は動揺はせずに軽く笑って
「この程度で包囲をしたおつもりか、ならば我が武勇で軽く突破して見せよう」
どんな相手も紅龍は一歩も譲ることもなく倒していくときに急に映像がぼやけ始めた。俺はどうしてだと思い天守閣から外を見てみると越後を囲むように巨大な蛍のような光りが出て来てそれがどんどん多くなりそうしてついには外の様子が分からなく程光に包まれた瞬間、巨大な衝撃みたいなものが発生して俺は気を失ったのである。
「さて、これでもうあいつらがこんなところで死ぬことは無くなったな。それとどうですか、ようやく仕留められると思っていた敵を目の前の爺のせいでできなかった気持ちはどうですか、教えてくださいよ」
「くそ、爺ーただで死ぬと思えるよな。このオロチがお前を引導を渡しやる」
「お前が私を・・・笑止、ただ己の強さのみ頼りしている輩には負ける道理などない。それを証明して見せよう」
「オロチと言ったかな、お前では絶対に役者不足だ。ここは俺たちに任しておくがいい」
オロチは一瞬、怒りを出して口論しようとしたが次の瞬間、巨大な魔力の前におびえてうまく言葉を出すこともできないほど恐怖がオロチを支配し素直に従って後方に向かったのである。
「久しぶりだな、紅龍くん。お前がここまでやるとはあの時のお前では想像できないぜ」
「これはこれは先生ですか。これはうれしいですね、でもあの時は私は七歳ですから当たり前ですよ。死ぬ前にまた会えるとはそれに後ろにはコノハさんやほかのみんなまでいるのではありませんか。本当ならコノハさんや先生たちが僕に向けるだけですぐに終わったのに・・・コノハさんに先生、本当にありがとうございます。私の思いのために後方にいたのですね」
「でもお前を生かすことはできない・・・許してくれ」
「いいえ、先生とこうして会えて戦うことができるだけでもうれしい限りです。これで絶対悪による災いは無くなりましょう。ですが、それは平和になるとは限りません。組織が大きいほど異分子は発生しやすい上に・・強すぎる善はいずれ、悪を生みます」
「紅龍くん・・・あなたの平和の意思は私に任せない。そしてお疲れ様、あなたはこの中でも一番すごいわ」
「いいえ、結局のところ彼が変わっただけですから僕はそれに少しだけ助力しただけです。ですからコノハさん、先生、後はお願いいたします。僕はここまでらしいですから、最後に昔、練習試合みたいに勝負してくれませんか。黄昏に向かう時の最期の手土産にしたいですから」
「良いですわ、その相手は私が引き受けましょう」
「コノハさんが相手か、相手に不足はありません。最期に先生たちに手紙を残しております。それは今後の世界のことに関してです、あくまで私の予測ですから気にする程度でいいです。それではでは十秒後に始めましょう、僕の最期の戦いを見せましょう」
そうしてコノハと紅龍はお互いに戦闘の構えをして時を待っていた。ここで合図として先生が空に向かって魔法を放ち試合が始まった。
「ではコノハさん、参ります。これが僕が歩んできた道の集大成です」
その後、勝負はコノハの勝ちに終わり紅龍は試合に負けて悔しそうな表情をしていたがすぐに笑顔に戻り最後は自分以外の七英雄たちに感謝して首を刎ねられたのであった。そして彼の辞世は
時わたり、
戦い抜いた、
ホトトギス、
我が歌を鳴け
空の上まで
次回、蝮のその後6