ショタに転生 俺陰キャ辞めます(誰かこれをエロゲにしてくれ) 作:クロクロ クラッカー
あれから一ヶ月の時が経って、今日は6月23日火曜日だ。もう今年の半分が終わったのだ。あぁ、そう考えるとやはり怖くなってくる。この一ヶ月間、何もできていない。
まず一つ目に記憶が蘇る夢がみれていないのだ。この問題は焦りの大部分を占めている。それはなぜか。理由は明白である。記憶を取り戻す手段がそれしかないからだ。正確に言えばもう少し方法がある。でもそれをするだけの能力とか状況が揃っていないから実質これしかないのである。
次にいじめ問題だ。いじめ自体は解決したものの、無視され続けている現状は全く変わっていないらしい。でもこの問題、俺は花芽李ちゃんを信じて待つことしかできない。
こんな感じで完全に手詰まりなわけだ。唯一進展したことはクラスメイトとある程度馴染んだことだろうか。でもそれは意識してやったことじゃない。そう、今はすべての努力が空回りしている状況なのだ。これはとても焦る要因になる。いくら何年間もの時間があるとはいえ、いつまでものんびりしていいわけがない。いじめ問題に関してはタイムリミットがあるかもしれない。かといって焦って何かできることがあるのかということになると何もない。そう、結局のところ今あるものを活かして何かをつかむしかないのである。
_____________________________
「今日は雨が降るらしいから傘持って行ってね。」
「わかった。」
「じゃあお母さんはもう行ってくるね。」
「うん。いってらっしゃい。」
「行ってきます。」
ガチャ。
この人を送り出すという行為は家族ならではのものだと思う。まぁ死ぬ前の俺は家族はいてもそんなことしなかったしされなかったんだけれども・・・。まぁこの行為はある程度家族が愛し合ってないと成立しないものだからなぁ。こういうのがない家も全然あると思うし死ぬ前のことで悩んでも仕方ないな。うん。さて、俺も学校に行こうかな。
ピンポーン。
「ぬいー、学校行くわよー」
お、ちょうどだな。
「わかったー。今いくよー」
________________________________
黒い雲の下から向かい風が吹く。
「はぁ・・・もうそろそろ梅雨入りかしら。」
「たぶんそうだろうね。」
梅雨か・・・。俺は雨は好きだけど梅雨はそこまで好きじゃないんだよなぁ。
「あんた今日あんまり元気じゃないわね。なんかあったの?」
「いや別になんもないよ。ただちょっと天気が悪い日は元気が出ないっていうか。」
「ふ~ん。」
あれ?そもそもなんで俺は雨が好きだったんだろう。体調が悪くなったり移動しにくくなったりするのに。なんでだ?それに俺雨の日に殺されたんだよなぁ。今まで雨が好きだったのは何でだろう。
「なに?悩み事?」
「う、うん。」
「大丈夫?本当に何もなかったの?」
「大丈夫大丈夫。心配しないで。」
「そう・・・」
_____________________
あの後俺たちは何も話さないままで学校についてしまい、それぞれの教室へと別れた。
「はぁ。」
「おはよう白南風くん。何かあったの?」
「なんでもないよ。心配しないで。」
「そっか。白南風くん雨の日はあんまり元気じゃないもんね。」
「うん。ごめんね。」
「ぜ、全然。白南風君は悪くないよ。」
「ふふ。」
焦っているときは周りの優しさも余りちゃんと感じられなくなってしまう。いやだな。この雰囲気。どうにかしないと。
_____________________
キーンコーンカーンコーン
5時間目か。今日二回目の国語で今日やりたかった勉強も終わったし現状打破のアイデアでも練ってみようかな~。といってもなぁ・・・・
「おい、白南風。このことわざの意味わかるか?」
は?え?聞いてなかった。ええっと。ことわざ?あぁ。千里の道も一歩よりね。
「えっと大きな仕事や計画は、まずは一つずつから始めるのがよいということ?」
「ん?ちゃんとあっているぞ。」
そうか。なるほどね。考えてみたら俺は一つ放置していたことがある。それは死んだときの記憶だ。
______________________
死んだときの記憶で唯一はっきりしていることは雨が降っていたということと直前に剣道で負けたということぐらいである。ほかの部分はとても曖昧だ。相手の顔が凛々しく美しかったなんていうバカげた情報もある。正直な話、死んだときの記憶は単純に役に立ちそうになかったから放置していたというのもある。でもそれは楽に夢から情報を得れると思っていたのと、殺されたのを思い出すのが怖かったからだ。でももういい。今からは死んだときの記憶を軸に動くことにしよう。
_______________________
ザーザー
「やっぱり雨降ってきたわね。」
「うん。ていうか今日はなんで帰りも一緒なの?」
「そういう気分なのよ。」
「へぇ。」
「そうよ。っていうか一々ちょっとしたことに理由を聞くのはあまり良くないと思うんだけど。」
「え?」
そうなのか?確かに俺は理由を聞きがちだけれども・・・
「意味がなかったり自分にしか理解できなかったりすることっていくらでもあるでしょ?」
な、なるほど。納得できる理論だ。これからは一々聞かないようにしよう。
_____________________
家についた。さて、花芽李ちゃんの所に・・・
「ねぇ。今日も行くの?」
「え?」
「今日もあの高校生に会いに行くの?」
「あぁ、行くよ?」
「だめ、行っちゃダメ。」
「え?」
「もし行ったら勝手に剣道をやってることとかおばさんに言うよ?」
「え?」
「やっぱり。ちゃんとおばさんに話してないじゃない。」
・・・なんでだ?なんでそこまでして会いに行くのを止めようとするんだ?
「・・・理由、聞いていい?」
「だめ。教えられない。」
「そっか。」
やばいなぁ。これ。
「せめて今日から会いに行けないってことを」
「だめ。」
「いやその」
「あのね、ぬい。あんたは一回死にかけてんのよ?わかってる?」
「わかってるよ。でもさ」
「わかってないわよ!命より優先すべきことなんてないでしょ!」
人を思う感情から訪れる赫怒。これには勝てない。
「ごめん。ちゃんと周り見てなかったよ。」
「そう。わかればいいのよ。」
「じゃあ今日は行かないよ。」
「ふぅ、よかったわ。じゃあね。こっそり行ったりしないでよ。」
「おう。じゃあな。」
あぁ、花芽李ちゃん大丈夫かなぁ。一応5時半を過ぎたら解散という感じになっているんだけど・・・
_______________________
さて、どうしたものか・・・
今までも外出は誰かの付き添いがなければできないという感じではあったもののここまで制限されることはなかった。ただこれからはちょっとした外出までも禁じられてしまうようだ。・・・なんでなんだろう?雨の日は事故が多いからか?でも今までの雨の日はこんなことはなかったのに。
くぅ。頭痛がひどくて考えがまとまらない・・・ちょっと寝てしまおうか・・・
・
・
・
・
ザーザー ザーザー
う、うぅ。ここは・・・?どうやら雨が降っているようだけれども・・・
??あいつは俺を殺した奴か?あれ?仮面をかぶっている?あれ?ちかづいてくるぞ?あれ?もしかして・・・俺を?
!!!グサァ
「グェァ」
「はぁはぁはぁ、お前が悪いんだ。お前が悪いんだ。」
熱い・・・焼ける・・・焼けるように熱くて凍るように寒い・・・これは死の感覚・・・
・
・
・
・
「つむくん!つむくん!」
「うぅぅ。おかあさん?」
「大丈夫!?すごくうなされていたのよ!?」
「大丈夫だよ。ちょっと変な夢を見ただけ」
殺される夢だととても言えない。
「そう、よかったわぁ。」
まぁでも母親は安心してくれたようだ。よかった・・・
「熱とかは」
ぴと。
!!
「ないみたいね。」
・・・こんな古典的な熱の測り方をする人ってまだいたんだな・・・
「だから大丈夫だって。ちょっとお母さん過保護すぎない?」
俺は冗談めいた感じで言ったのだが、どうやらこの発言は母親の琴線に触れてしまったようだった。
「そうね。そうかもしれないわね。でもね、つむくん。お母さんつむくんには苦しんでほしくないの。傷ついてほしくないの。お母さんそれだけは譲れないわ。」
「お母さん・・・」
「本当につむくんには不自由をさせてしまっていてお母さん申し訳なく思ってるんだけどね。でも。うぅ、もう愛する人を失いたくないの。本当にごめんね。自分勝手なお母さんでごめんね・・・」
母親は何度も謝りながら泣いた。それを見た俺は慰めることもできなかった。否定することもできなかった。・・・何もできなかった。笑顔を守る・・・俺にはできないのか・・・
結局非エロ回が続くのです・・・