※この作品はR-18です。

眠夢裏   作:ジッキンゲン男爵

47 / 125
IF ナインズ君の楽しいペット生活R18

 第六階層の湖畔。

 一つの屋敷が建っていた。

 

 今日も朝からかしかましい声が響いてきていた。

 

「イシュー、シロップとってぇ」

「ほいさ。――あ、アナ=マリアおはよう。あっちでレオネがパンケーキ焼いてるよ」

「やっと起きてきましたの?早く顔を洗ってお席について」

「……おはよう。皆」

 

 四人娘は朝食をとっていた。

 

 オリビアは控えめな口でパンケーキを食べると幸せそうに頬を抑えた。

「ふふ〜!神の地って、何でも美味しいねぇ!」

「本当だよね。あたしなんてもう出られなくていいもん。出られなくても良いのかって言われて少し悩んだけどさ」

 イシューも椅子の上であぐらをかき、パンケーキを食べると幸せの顔を作った。

 そこに皿を二枚持ったレオネがやってくる。

 アナ=マリアは寝ぼけた顔をしたまま席に着いていた。

 

「――アナ=マリア、あなたお嬢様育ちは分かるけれど、ここには顔を拭いてくれる人はいなくてよ。いくらなんでも寝巻きのままここに来るのはおよしなさいな」

「……レオネちゃん、ごめん。つい」

「良いですわ。今日までは許してあげる。さぁ、召し上がって」

 

 すっかり皆の母ちゃんに仕立て上げられてしまっているレオネは座り、アナ=マリアと二人で胸の前で手を組む。

 アナ=マリアがお祈りを終えて食事をとり始めても、レオネはまだ祈っていた。

「……レオネちゃん、まだお祈り?」

 レオネはちらりと目を開け、すぐに閉じた。

「わたくし神官の娘ですし――神官ですもの。先に召し上がって。わたくし長いですから」

「……ありがとう」

 アナ=マリアも食事を始める。

 イシューはアナ=マリアのまだ整えられてもいない髪を撫で付けた。

「今日は皆で何しよっかねー」

「キュータ君、来てくれる日かな?」

「……来てくれる日なら、ボートに乗りたい」

「いいねぇ!ボートで向こうの一郎太君のお家まで!誰が一緒に乗るかじゃんけんしよっ!」

 そこでようやくお祈りも終わったレオネは手を下ろし、食事を始めた。

「皆様その前にお掃除とお洗濯ですわよ。洗い物と四人で分かれなくちゃ」

「あぁーん。やりたくなーい」

「いけません。大神殿だって神官の手でお掃除とお洗濯してるのに、神の地にいるわたくしたちがそれをサボって良いはずがないんだから」

「はぁい」

 本当に母ちゃんだった。

 

 そうしていると、扉が叩かれる音がし、オリビアとイシューはぴょんと立ち上がった。

「あ!キュータ君かな!」

「え、今日早いね!」

 まだ食べているアナ=マリアとレオネを置いて二人は扉へ駆けた。

 

 眩しい光が差し込む中、扉を開くと、四つの花束を持ったナインズがいた。

「や、皆おはよ。――これね」

 オリビアとイシューは先に小さな花束を受け取った。

「わぁ、ありがとう!キュータ君、入って入って!」

「早かったね!今日お仕事は?」

「うん、今日は午後からにする事にしたよ。皆の今日の予定は?」

 招き入れられて小さなお屋敷に入ると、まだ寝巻きのアナ=マリアと、エプロンをしているレオネがいて、ナインズはそちらにも手を振った。

「おはよう。早すぎかな」

「……ちょっと早い。まだこんなかっこ」

「アナ=マリアが起きるのが遅すぎますのよ。もう」

「ははは、アナ=マリア、どうせまた夜更かしして本読んでたんでしょ」

「……うん。最古図書館(アッシュールバニパル)で借りてきてくれる本が面白くて」

「そう、それは良かった。レオネはお疲れ様」

「本当に。皆手がかかりますわよ」

 アナ=マリアにも花束を渡し、レオネにも花束を渡した。

「君は一番の働き者だ。いつもありがとう」

 レオネの額にキスをすると、フォークを咥えるアナ=マリアはじっと様子を見た。

「……私も」

「アナ=マリアはご飯食べ終わったらね」

「きゅーうった君!」

 後ろからぴょんとオリビアが抱きついて背に頬擦りをし、ナインズはオリビアを抱えてソファに座った。

 

「で?お嬢さん方の本日のご予定は?」

「ふふっ、あのね、皆でボートに乗りたいのっ!キュータ君、誰と乗りたい?」

 オリビアを抱えるナインズの隣にイシューも座ってもたれると、ナインズはその肩に手を回して「うーん」と声を上げた。

「そうだなぁ」

 イシューの短い髪をもてあそんでいると、食事を終えたアナ=マリアも顔を覗かせた。

「……私と乗ると、静かに本が読める」

「なるほど?」

「え!わ、私と乗ったらね、えーっと……たくさん好きってできるよ!」

「あたしと乗ると釣りができる!」

 三人が胸を張る横でレオネが洗い物をはじめると、ナインズはそちらへ振り返った。

 

「――レオネ」

「なんですのー」

「君は?」

「洗い物をして、お洗濯をしてからですから。皆で行ってらして。お掃除は午後にしますけど、お洗濯はやらなくちゃ」

「じゃあ、働き者の君を手伝わなくちゃ」

「いいですわよ。そんなの」

 ちょっとむくれている気がして、ナインズはオリビアを下ろすとレオネの隣に立った。

「君と乗る」

「良いって言ってますのに」

「僕は働き者に論功行賞を与えなくちゃいけない」

 また額にキスをするのを見ると、皆「えー!!」と声を上げた。

 

「私もお洗濯するよ!」

「っていうかキュータが来たから洗い物してないだけでいつもの洗い物はあたしの仕事だからね!?」

 特に何もしていないお嬢アナ=マリアは頬をかいた。

 一斉に皆が働き始めるとナインズは笑った。

「――働き手を増やしてくれて助かりましたわ」

「いいや?皆勝手に始めたことさ」

「はい!ご飯も作ったレオネは休んで休んで!!あたしがやるから!」

 途端にキッチンから解放されたレオネは笑ってオリビアと洗濯に向かった。アナ=マリアは身支度へ。

 イシューと二人で洗い物を済ませ、食器から魔法で水分を飛ばす。

「今朝はパンケーキと果物、チーズ?」

「うん、後ハムね!美味しかったよ!」

「ふふ、そっか。皆よく食べてね」

「ね、キュータ」

 ナインズが食器を抱えると、イシューはくんっと軽く袖を引っ張った。

「仕方ないなぁ」

「レオネには二回もしたでしょ」

 イシューの額にも口付けると、イシューは顔を赤くして笑った。

「へへ、本当に来て良かった!」

「それは何より」

 食器の片付けも済ませると二人で庭へ出た。

 

 庭にある無限の井戸(ウェル・オブ・エンドレスウォーター)から組んだ水と、ナザリック石鹸で二人はせっせと洗濯をしていた。

「あ!洗い物終わった?」

「ばっちし!」

「終わったよ。こっちの方が力仕事だったね。あとは魔法で綺麗にしようか?」

「いけませんわ。手でやらなくてはいけないと言うのが教えですもの」

「うーん、そう言うもんか」

「そうですわ」

 四人で袖口まで濡らして洗濯物を済ませ、泡を流す。流れていく泡は粘体(スライム)達がカプカプと食べていた。余談だが、彼らは七十レベルで大変恐ろしい。

 着替えと身支度も済ませたアナ=マリアも物干しを手伝い、四人の小さなお屋敷の庭には白いシーツや洋服――時に下着が風に揺れた。

 

「……えーと、あれはここじゃない方がいいんじゃないの?」

 ナインズが四人に振り返る。

 オリビアは恥ずかしそうに笑った。

「え、えへへ。他にないから!」

「……ちょっと考えた方が良さそうだ。今日のところは僕が魔法を――いや……うーん……」

 

 それは皆様の下着を直視することになると思うとナインズは頬をかいた。

「良いから良いから!ボート行こ!」

 イシューが背を押すと、五人は湖へ向かった。

「……キュータ君、誰と乗る?皆働いた」

「はは、そうだね。じゃんけんかな」

 四人はせーのでじゃんけんをし、アナ=マリアは静かにピースを作った。

 

「……勝ち」

「はははは、アナ=マリア、じゃんけん強すぎるね」

 養殖の魚を確認するためのボートに二人で乗りこみ、ボートを漕ぎ出す。

 もう一隻には女子が三人で乗り込んだ。

 イシューに習い、二人は釣りをしてみるようだ。

 楽しそうな笑いがここまで聞こえてくる。

「……もう少し静かなのがいいのに」

「君は変わらないな。いいよ、向こうまで漕ぐから」

「……ありがとう」

 湖の真ん中でぽつんと浮かぶ舟の上で、二人は寝転がった。

 アナ=マリアはナインズの腕枕で本を読み、ナインズもそれを覗いた。

 

「……私と来て正解でしょ」

「そうかもね」

 

 アナ=マリアがそっと頬にキスをし、ナインズもその頬にキスを返した。

「……幸せ」

「僕もだ」

 しばらく静かに過ごしていると、「突撃ー!」と言うイシューの声が聞こえ、二人は起き上がった。

 ゴン、とボートにボートがぶつかる。

 ナインズとアナ=マリアのボートが大きく揺れると、ナインズは大切にアナ=マリアを抱えた。

「こら、イシュー。危ない事しない」

「怒られちゃった!ごめんごめん!ね!キュータ!こんなに釣れたんだよ!」

 ボートの上にある桶には中くらいの魚たちが泳ぎ回っていた。

 

「たくさん釣れたね。お昼ご飯にするなら〆るけど、どうする?」

「お願い!」

 ボートをよいせと隣に乗り移り、ナインズは幼い頃父に教えられた通りに血抜きをし、魚達を〆た。

「よし、じゃ、これね」

 せまくなってしまったボートからイシューがアナ=マリアの方へ乗り移り、魚達の入った桶を受け取ってオールを握る。

「一回もどろ!」

 ナインズとイシューはボートを漕いだ。

 

「キュータ君、楽しいね!」

「うん、本当にね。皆揃ってここに来るって言った時はどうなるかと思ったけど」

「ふふ、私たち仲良しだから大丈夫だよ!」

 オリビアはボートから湖に手を下ろして水の流れを感じると幸せそうに笑った。

 そして、ピッとナインズに水を飛ばした。

「っうわ、オリビア〜……」

「わたくしにもかかりましたわ……」

「ふふ!二人とも怒った?」

「怒りましたわよ!このっ!」

 レオネが隣に座るオリビアをくすぐり始めると、ボートの上はますます賑やかになった。

 二人は結局散々くすぐり合ったようだ。

 

 

+

 

「じゃ、僕はこれで。また夕方にでも来るよ」

「お仕事の合間なのにありがと!待ってるね!晩御飯は皆で食べよぉ!」

「うん、皆いい一日をね」

 ナインズが皆の額にそれぞれキスをすると、皆嬉しそうに笑ってナインズを見送った。

 

「はぁー!幸せー!」

 オリビアはアナ=マリアを引っ張ってくるくる周り、イシューもなんだかんだと去っていく背中をいつもでも玄関から見守った。

 そして、母ちゃんは――

「午後に変えたお掃除、はじめますわよ」

「お掃除、一日くらいサボっちゃダメ?」

「この後またキュータさんも来るんだから。さ、皆頑張って」

「はぁーい」

 

 四人で家中をピカピカにし、少しの間お昼寝をして、畑に野菜をもらいに行った。

 今夜の夕食の相談をしながら仲良く皆で手を繋いでカゴをいっぱいにする。

 青い空の下四人は世界で一番自由だった。

 

 夜、食事の支度もすむ頃、また扉は叩かれた。

 オリビアが出迎えに出ると、執務に着ていたらしい豪奢なローブのナインズがいた。

「わぁ、キュータ君格好いいね」

「はは、馬子にも衣装でしょ」

「そんな事ないよ。とってもかっこいい。今日もお疲れ様」

 ナインズの頬にキスをし、テーブルに招く。

「大変でしたわね。今日はどちらに?」

 席に着くと、レオネの問いにナインズは答えた。

「今日はワルワラの所にね。今日からワルワラも砂漠の神殿で働くからさ」

「着任式でしたのね。お元気そうでしたの?」

「変わらないね。魔人(ジニー)も魔人(ジニー)との混血も大人の時代が長くて、老人の時代が短いからさ」

 スルターン小国では上半身裸が普通だが、だるだるのしわしわおっぱいを揺らしている人が非常に少ないのはそういう理由だ。

 

 五人は食事を始めた。

 あまりにも賑やかな食事にナインズも腹を抱えて笑い、四人もこれ以上ない幸せな時間を過ごした。

 

 オリビアが机を拭き、イシューとレオネがまた洗い物を始めると、ソファに座ったナインズは本を一冊アナ=マリアへ差し出した。

「はい、二巻。借りてきたよ」

「……ありがとう。嬉しい」

 胸にアナ=マリアが顔を擦り付ける。

「……ね。今夜、私の部屋、どう?」

「今日アナ=マリアはボートに一緒に乗ったでしょ?」

「……ちぇ。それならボートじゃなくても良かった」

 

 二人の間に、オリビアがひょいと顔を出す。

「アナ=マリア!また働いてない!」

「……働き方がわからない」

 お嬢様育ち極まれりだった。

「もー!皆働き始めたら働くの!ほら!」

「ははは、オリビア偉いね」

「そうでしょ。そう思ってくれるなら、キュータ君、今夜は私のお部屋だからね!」

「あー、そういう魂胆か」

「えっ、ち、違うよ?」

 オリビアが瞬きをする間に、ナインズはひょいと二人の間をすり抜けてキッチンへ向かった。

 

「お疲れ様、乾かすよ」

「キュータ、ごめんね。毎度毎度」

「いいよ、いつもなら日に一回だけだしね」

 夕食はなるべくここで取るが、基本は夜少し時間を過ごしたらキュータは第九階層に帰る。

 キュータが水分を飛ばすと、次々に皿が仕舞われていく。

 終わりも見えてくると、イシューはワインを取り出してキッチンで立ちながら飲んだ。

「――イシュー、あなたまたお行儀悪い事してますのね」

「ん?ふふ、美味しいからさっ」

「美味しいのならちゃんと座ってお飲みなさい。ほら、行って」

「はーい」

 しっし、とレオネが背を押す。

 ナインズはレオネの背中からぺったりくっつくと寄りかかった。

「君の感覚はやっぱりいいね」

「当然のことを言ってるまででしてよ。キュータさんも飲むならちゃんと掛けてらして」

「僕は良い。もう少し働き者といる」

 ソファにいる三人から「あー!レオネばっかりー!」と声が上がり、ナインズは笑った。

「そんな事ないでしょうに。レオネばっかりは、レオネばっかり働かせて、だよ」

「私達もちゃんと働いてるのにー!」

「レオネにお尻を叩かれてね」

「キュータ君はレオネが一番好きだから理由は後付けって知ってるもん!」

 オリビアが頬を膨らませ、レオネが顔を赤くする。

「そうなの?」

 ナインズが言うと「そーだよー!!」とオリビアから追撃の声が上がった。

「はは、そうなんだ。じゃあ、今夜は大好きなレオネと過ごそう。レオネ、良いかな」

「……い、良いかなって、そんな、皆の前で」

「皆の前じゃなきゃいいらしい。じゃあ、皆おやすみ。また明日。<上位転移(グレーターテレポーテーション)>」

 きゃあきゃあ言う三人を置いてレオネの部屋に転移すると、ナインズはレオネをベッドに降ろした。

 

「……よろしいの?」

「よろしいよ。事実僕は君が一番好きだし」

「どうだか。順位なんてつけたこともないくせに」

「信じてくれても良いのになぁ」

 ナインズがキスをし、レオネの靴を脱がせて放る。

 ころころと靴が転がっていく音を聞きながら、自分も靴と鬱陶しいローブを脱いだ。

「君の声が聞こえないと僕はダメだよ。昔から言ってるでしょ」

「床じゃ皆に言ってるんじゃないかと思ったら、なんとなく薄っぺらいですわね」

「そんな事を言うのも君だけ。やめておく?」

 レオネは顔を赤くして首を降ると、そっとワンピースをたくしあげた。

「……かいて下さいまし」

「ははは、かわいいね」

 ベッドのそばにおいてあるインク壷を開け、腹にルーンを刻むと、それは発光してレオネに焼きついた。

 そっと倒してキスをすると、こんこんこん、と扉が叩かれた。

「……なんだろ?」

 明らかに寝室に入った時に訪問があるのは初めてだ。二人は扉へ視線を送った。

 遠慮がちに開いた扉からはオリビアが顔を出した。

「……拗ねたから怒った?」

「怒ってないよ。心配になった?」

 オリビアはそっと扉を閉めて部屋に駆け込んだ。

「うん、ごめんね。レオネもごめんね」

 はだけるレオネにオリビアが頬擦りをする。レオネはオリビアを抱えて転がった。

「もう、タイミングを考えて」

「えーん、ごめーん。もうしないからぁ」

「いいですわよ。それに、ちょうどいいですわ」

「え、ちょうどいいって?」

 オリビアが首を傾げると、レオネはベッドに座って笑うナインズを見上げた。

「ね、皆の前で言ってないなら、本当か確かめさせて」

「……君、たまに意地悪だね」

「ふふ、嘘つくのが悪いんだわ」

「嘘じゃないよ。レオネの声は元気が出るし、僕に必要だよ。オリビアには言ってない。ねぇ、オリビア」

「そんな事言われてないよぉ〜」

「あら、そうですの?」

「も〜レオネ〜復讐しないでよぉ〜」

 オリビアがすんすん言うと、ナインズはオリビアの額に口付けた。

「ごめんごめん、僕も悪かったよ」

「キュータ君、お口も」

「……皆の前では口はやめておいてるんだけど?」

「構いませんわよ」

 レオネが言うと、ナインズはオリビアの顔を包んでキスをした。

「っん……ん……」

 唇を軽く吸い、チュと音が鳴るとオリビアは幸せそうに笑った。

「やれやれ。人の部屋なのにオリビアは悪い子だなぁ。全く」

「悪い子でいいもん。今日はここにいるもん」

「えぇ何言ってますのよぉ」

「いいじゃん、レオネぇ」

 オリビアは服をたくしあげると、ナインズを見上げた。

「……私も。お願い」

 ため息を吐き、ナインズはもう一度インク壷を開いた。

 オリビアの腹にもルーンが刻まれると、オリビアは嬉しそうに笑った。

「えへへ、やった」

「やったじゃありませんわよ。あなた――っあ!」

 ナインズはレオネの唇を塞ぎ、その中に舌を入れた。

 くちゅくちゅと二人の口から音が上がる。

 オリビアは顔を真っ赤にしてその様子を見た。

 ナインズがレオネの舌を吸い、レオネから荒い息が漏れる。

 体を手が這っていく。

「っん……んん……っは!」

「――オリビア、ここはレオネの部屋だから僕はこうするけど。本当にここにいるの?」

 ナインズは意地悪そうにオリビアを見た。

「い、いるもん!いるよ!!」

「い、いなくていいですわよ!」

「いる!!」

「い、いいって――っあん!」

 レオネの胸が晒され、先端が優しく捏ねられると、レオネは口を塞いで震えた。

「本当にいんの?」

「いるってば!」

 身体中がくまなく撫でられ、レオネの足からパンツが抜かれて放られると、レオネはふとんにくるまった。

「ち、ちょっと!オリビア!もう!本当に!!」

 ナインズも布団に入ると、茂みにそっと手をそわせて芽を擦り上げた。

「っあぅ……!っはっ……っはぁ!……んん!」

 もう十分に湿り気を帯びたところに二本指を添える。それだけで指は簡単に吸い込まれた。

 にちにちと中をかき混ぜ、具合も良くなる頃レオネは布団を噛んで震えた。

「……オリビア、そろそろ出ていってくれないと僕が辛いんだけど」

 布団から顔を出すと、オリビアは座って真っ赤な顔で自分をいじっていた。

「……君ねぇ」

「……だってぇ」

「僕は一人しかいないんだけど」

「わかってるぅ」

 ナインズはレオネに自らを埋めると息を吐いた。

「っっ……!」

 レオネは必死で耐えているようだった。

「っ……お、オリビア。おいで」

 レオネの隣に転がり、オリビアは足を開いた。

 ぐしょぐしょになっている所に指を当てがう。

 一本では物足りなそうで、二本を入れるとオリビアは「んんっ!」と声を上げた。

 レオネをゆっくり擦り上げ、オリビアを強く攻める。

 レオネは「っは……っは……」と涙目でナインズを見上げていた。

「き、キュータく……!はや!!はやいよっ!!」

「き、君は少しお仕置きが必要だろ」

「っあぁ!ごっ、ごめんねっ!!れ、れおねぇ!」

 オリビアが指で達すると、ナインズはそれを抜いてレオネを抱えた。

「レオネ、ごめん。お待たせ」

「ま、まって……ない……」

 ゆっくりゆっくりと快感が蓄積されたレオネは辛そうだった。

 覆い被さって中をすり上げ始めると、レオネはギュッと捕まって声を堪えた。

「あぁ、オリビアがいるから声が聞こえない」

「れおねぇ」

 オリビアがレオネにキスをするとレオネから「っふぇ」と一言漏れ、そこからはもうめちゃくちゃだった。

 

 三人は堕落の極みのような夜を過ごし、ナインズは初めて第九階層に帰りそびれた。

 

 そして翌朝。

 

「何オリビアまで!!っていうかキュータ!!なにやってんの!!」

 イシューは二人に腕を引っ張られて寝室から出てきたナインズを指差した。

「えーと……ぼ、僕もあんまりそういうつもりじゃなかったんだけど……」

「規律!!最低限の規律は守りなさい!!」

「君に言われると痛い」

 その後ろから、また寝坊した様子のアナ=マリアが顔を出した。

「……おはよ。あれ?キュータ君、早いね」

「アナ=マリア!キュータ、二人と一晩過ごしたの!!」

「……えっち」

「す、すみません」

 ナインズは苦笑と共に謝罪した。

「皆で仲良く暮らすためには堕落しすぎない!!二人もわかった!!」

「はぁい」

「面目ありませんわ」

 レオネとオリビアも素直に謝る。

 イシューはぷんと腰に手を当てた。

「じゃ、キュータは今夜あたしとアナ=マリアだから」

「え……今君規律って言ったばっかりなのに……」

「だから!!平等に!!」

 

 その晩もナインズは第九階層に帰りそびれたらしい。

 

+

 

 そして翌日。

「……えーと、大丈夫か?」

 アインズは頬をかいた。

「だ、大丈夫です……」

 へとへとで帰った息子に、アインズは苦笑した。

 アルベドがハンカチを食いちぎっている。

 ハンカチが細切れになると、アルベドはナインズへ身を乗り出した。

「ナインズ様!!小娘たちより、この私を!!信じられないほどご満足いただけるに決まってますわ!!ですから!!今夜は私と――」

「お前はいいから。ナインズ、別にペットを飼うことは構わんが、それに振り回されちゃ元も子もない。嫌になったら放逐しろ」

「ははは。そう言う意味では、別に本当にいいんです。僕皆好きだから嬉しいし。なんだかんだいい夜でした」

「……博愛主義者め。お前、父ちゃんより多分王様も向いてるよ……。もう少ししたら全部任せるから……」

「え、えぇ……それは難しいんじゃ……」

「そしたらー、父ちゃんはー、フラミーさんとー、ふふふふ。ふふふふ」

「あ……そこが本音ですね」

「あぁ。王やら神やらの重圧を和らげるためなら、いくらでもペットを入れていいからな」

「あ……はい。ありがとうございます……」

「好きに楽しめ。ふふ、フラミーさんとしばらくこもってー、あ!旅行に行ってもいいなぁ」

 

 自分の下心のためにナインズのペットを引き込むことに成功したアインズは幸せなFIRE(早期リタイア)を想像して楽しげに笑った。




みなさん大変幸せそうで笑ってしまいましたwww
ハーレムエンドって、おとんとおかんもはっぴっぴーかいwww
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。