黒歴史
IFの中のIF
「フラミー、お前ギルマスのこと好きなの?」
「えっなんですか?ウルベルトさん。藪から棒に」
ペロロンチーノのちょっとえっちな話を聞くのに疲れた二人は問題児をアインズに押し付け第七階層のデミウルゴスの部屋でお茶をしていた。アインズもフラミーの教育に悪いとウルベルトと立ち去ることを強く勧めた。
「ギルマスはフラミーのこと随分大事にしてるみたいだったから」
「あぁ、ははっ。アインズさんはほら、皆のギルマスですから。私の事も妹みたいに可愛がってくれてるんです」
「ほー、そうかいそうかい」
ウルベルトはそうなんだろうかとフラミーをじっと見た。隠し扉の向こうからはゴリゴリと何かを削る音が漏れ聞こえてくる。下がっているように言われたデミウルゴスが作業部屋でなにかを一生懸命工作している音だ。
「……フラミーさ、俺が昔言ったこと覚えてるか?」
「ん?どれの事ですか?もっと悪魔らしくしろ?」
「それじゃない。俺、お前のこと気に入ってるって言ったじゃん」
フラミーは嬉しそうに笑うとうんうん頷いた。
「はい!覚えてますよ!とっても嬉しかったです!私もウルベルトさんのこと師匠だって思ってますし!」
「はぁ。お前のそういう所がギルマスをあーするわけだよ」
「あーする?」
「あーする」
「んー」
師匠と崇められると男の人はついお兄さんぶりたくなってしまうのかもしれないとフラミーは思うと、あまりアインズに頼りすぎても女として見られないかと少し反省した。
「なるほど、わかりました!」
「本当にわかってんのかねぇ……。まぁいいや。そう言えば、最近飲み会したんだって?ナザリックの酒はうまそうだな」
「あ!そうなんですよ!私デミウルゴスさんと桟橋で二次会次会して、アインズさんと私の部屋で三次会しました!とっても楽しかったんですよ!」
「へぇへぇ。あんまりうちの息子をいじめないでくれよ。本当に」
「いじめてませんよ。もう。人聞き悪いなぁ」
フラミーはぷくぷく頬を膨らませるとプイと顔を逸らした。アバターの時は表情がなかったし、動きもそこまで細かく出たわけではない。フラミーはそんな顔をするのかとウルベルトは少し衝撃を受けた。
「……お前ってかわいいな」
「えっ?な、なんですかぁ。どうして男の人ってすぐにそうやって人の事おちょくるんですかぁ」
フラミーは耳が熱くなる感覚に長い耳をギュムッと握りしめてウルベルトを少し恨めしそうに見上げた。
「はは、観察しがいがあるな。でも、デミウルゴスの事はあんまりいじめてやんなよ」
「だからいじめてませんって!私アインズさんにデミウルゴスさんのこと任せるって言われたんで、こないだなんて牧場行く時にお弁当持たせてあげたんですよ」
「……だからいじめんなって!!」
「もう!ちゃんとレシピ見て作ってますよ!!美味しいです!!」
「あぁぁ……!フラミーまじで話が通じない!!」
「ウルベルトさんこそ話通じない!!」
山羊は立ち上がると、勝手にデミウルゴスの部屋についているミニバーに向かって何本か酒を取ってきた。
「お前とは一回腹を割って話す必要があるみたいだ」
ドンっと置かれた酒ビンにフラミーはジロリとウルベルトを見上げた。
「望む所です。わからせてやりますよ!」
「生意気な口ききやがって。俺の方が年上だぞ」
「知ってます」
ウルベルトは栓抜きがどこにあるかわからず、ピッと振るった手刀で瓶の口を落とし、グラスに波波と酒を注いでフラミーに渡した。
「はい、とりあえず乾杯」
「乾杯」
「お前はほんっとーにわかってない!!」
「わかってる!わかってるもん!!」
デミウルゴスは支配者達の口論を聞いてわずかに扉を開けて様子を伺っていた。二人は机の角で斜めに座っていて、膝同士が付くような距離の為まさか取っ組み合いにはなるまいなと悪魔はヒヤヒヤしていた。
「わかってるんだったら、俺がフラミーに前言った気に入ってるってどういう意味だと思ってんだよ!!」
「うん?気に入ってる……気に入ってる……。気に入ってくれてたんですよね?私も師匠のこと気に入ってましたよ?」
「ああああ!そうじゃない!!やっぱりわかってない!!」
ウルベルトはペストマスクと帽子をポイポイ外していくと頭をガリガリかいた。
「気に入ってるっていうのは、お前のこと好きだって言ったんだよ!!」
「わかってますって!私も師匠のこと好きだから嬉しいって言ってるじゃないですか!!」
「あああ!何もわかってない!!なにも通じない!!」
「もー!!なんなんですか!!通じてますよ!!」
「通じてない!!俺はお前を──女として好きなんだよ!!」
途端に部屋に静寂が訪れるとフラミーはポカンとウルベルトの様子を見た。
「……へ?な、何言ってるんですか……?」
「ほら、やっぱり何もわかってねーじゃん……」
「あ、あの、ウルベルトさん?飲み過ぎなんじゃ……」
「俺は耐性の指輪着けてるよ」
「え!?ず、ずるい!じゃ私も」
フラミーがごそごそ闇に手を突っ込み出すと、ウルベルトはその手首を掴んだ。
「嘘だよ。ついてないよ。ほら」
指には転移の指輪だけが輝いていた。
「……じゃあ、やっぱり飲み過ぎですよ……」
「本当に好きなんだよ……,」
「顔も見たことないのにそんなこと、嘘ですよ……」
フラミーは掴まれていない方の手で顔を少し隠した。
「じゃあ、今顔見たから本当に好きになったって言ったら信じるわけ……?」
「やだ、変なこと言わないでください。私、もう行きます」
立ち上がろうと椅子を下げるが、ウルベルトが腕を離す様子がない為フラミーは少し腕を振った。
「離してくださいよ。もう、変な冗談ばっかり……本当男の人っていつも皆そう……」
「少なくとも俺は冗談じゃない。本当に好きだ」
「……冗談じゃなくっても、もう、何年も前の話じゃないですか……」
ウルベルトは立ち上がりフラミーの前に膝立ちになると空いてるもう片方の手首も握った。
「いや、お前の事ずっと……今も好きなんだよ」
「やだ。やめて下さいって」
「フラミー、こんなにちゃんと言ってんのにわかんねーの……?」
黒い山羊の瞳は震えているようだった。
「わ、わかりますけど……。あの……私……ごめんなさい……」
「……ギルマスが好きだから……?」
フラミーは何も言わずに自分の膝に視線を落として目を伏せた。その様子にウルベルトは悪魔としての本能がぞわりと動くのを感じた。
「……ギルマスはお前のことなんとも思っちゃいねーのに?」
「っ……わ、わかってます、そんなこと……」
そんな事はないだろう事はこの数日見ていてもうよくわかっているが、自己肯定感が低いのかフラミーはうまく受け取れていないようだった。ウルベルトはニヤリと口元を歪めた。
「わかってないよお前。全然なんとも思われてないのに、何期待してんの?」
「いいんです。私はそれで」
「本当は良くないくせに。ギルマスはアルベドやシャルティアとだって寝てるんだぜ?男にはわかる」
「……わかってます……」
想像と違う返事にウルベルトは少し驚いた。本気でそう思っているのにそれでもアインズがいいのかと。
「……ちっ。よくもまぁ純な恋ができます事で」
ウルベルトはフラミーの腕を掴んだまま立ち上がると、フラミーを引っ張って立たせ、腰に手を回した。
「えっ、私、私ほんとにもう行きます!」
自由になった手で離れようとウルベルトの胸を一生懸命押す姿を見ると、このまま滅茶苦茶に破壊して夢も希望もなくさせたいと一瞬だけ思って少し頭を振った。こんなに自分は嗜虐性が強かっただろうか。
「……フラミー、俺が手伝ってやるよ。大好きなあいんずさん忘れるために」
「い、いいです!私達、二人でなんでも覚えて行こうって昔ネックレスもらった時に約束したんです!」
「おままごとかよ」
ウルベルトは自分で作ったデミウルゴスの部屋の間取り図を脳内に浮かべるとフラミーを持ち上げて寝室に向かった。
「ちょっと!やめて下さいって!!下ろしてよ!!」
「フラミー、そう嫌がんなよ。俺は大好きなお師匠さんなんだろ」
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「<
若干の攻防を行いながら、扉を開けると自分が昔作ったままの部屋に少しだけ懐かしさを感じて笑っていると、声がかかった。
「ウ、ウルベルト様!!」
「どうした?デミウルゴス」
「フ、フラミー様を……どうされるのでしょう……」
「どうって、見りゃ分かるだろ。ちょっと抱いてみようってんだよ」
「なっ!や、やめてくださいよ!!冗談でも言っていいことと悪いことがあります!!」
「知ってるけど?冗談じゃないからいいだろ」
フラミーは何が起こってるのか分からず顔を青くするとこめかみに手をあてた。
「あ、アインズさん!!アイッ──」
ウルベルトはフラミーがこめかみに当てた手を払うと後頭部を押さえ、毛の生えたもしょもしょの口を口に触れさせた。
このまま食べてしまえそうだった。唇を舐めるとフラミーはぞくりと震え、すぐに顔を背けた。
「──や、やです!デミウルゴスさん!!やめさせて!やめさせてください!!」
「フ……フラミー様……」
デミウルゴスは支配者の命令、創造主の命令、そのほかの命令と明確に基準を持っている。どうしたらいいかと救いを求めるようにウルベルトへ視線をやると、背中越しに大悪魔は笑った。
「ははは、お前はそこにいろ。どうせ俺の残滓のせいで抱いてる気持ちだ。俺が昇華したらなんとかなるかもしれねぇんだからな」
扉はパタリと閉じられた。
ベッドに着くと、二つの細い腕を片手で掴んで嫌がるフラミーの様子を見た。
「なんで!なんでですかぁ!!」
「好きだから奪いたくて。あいんずさんあいんずさんって言ってるお前見てるとむしゃくしゃすんだよ」
「そんなの好きじゃない!」
「じゃあ何なら好きなわけ?」
「好きなら大事にしたいって思うもん!!」
ウルベルトは確かにこんなに大事にしたいはずなのに、なんで破壊したいんだろうと不思議に思う。が、まぁいいかと捕まえているフラミーの背中のリボンを二つ引いた。すると簡単にリボンは解けていき、余程世界の善性を信じているんだなと思うと何故か苛立たしい。
「ひっ……お願い。私の耐性の指輪あげるから、ね?一回解毒しよ?」
フラミーは嫌だと言ってやめる様子のないウルベルトに諭すように声をかけた。アルコールでおかしくなっているなら早く解毒しなければ。しかしウルベルトは無視してそのままローブを下ろし始めた。
紫色の肌が露わになっていく。
「や、やめて……。おねがい……」
「……フラミー、すげぇ綺麗だよ……」
無視してどんどんローブを下ろしていくと、小さな子供のような胸が見え、これはペロロンチーノの趣味だなと思った。
「ウルベルトさん……お願い……」
やめるならここでやめるべきだ。
アインズを好きだと言われるのは不愉快だがフラミーを傷付けるのは本望じゃない。
しかし──「うぅ……鈴木さん……」
ウルベルトの頭の中で何かがはじけた。
「は?鈴木さんだ?せめてアインズさんって呼べよ!」
フラミーの顔を手で包むと食らいつくようにキスした。
「やっ!うるべ──っ!!」
開いた口から舌を入れ、小さなフラミーの舌を撫でるように舐めると身を固くした。くちゅくちゅと唾液が混ざっていく音がたち、フラミーはどんどんとウルベルトの胸を叩いた。
脱力させるように口蓋を舐めあげると、体を撫でその身に着く装備を外していく。指輪を放り出し、靴を放り出す。
「──お前、キス下手すぎ」
「ッハァ!やめてよぉ、解毒したらっ解毒したらよくなるからぁっ。ウルベルトさ──っひっ!」
ザラザラとした舌を首筋に這わせ、耳を舐めるとフラミーの体温は一気に上がったようだった。
ウルベルトは迷わずパンツの中に手を滑り込ませ──思わぬ感触に触れた。
「は?生えてんのか……?サタンだからか」
ウルベルトはそれを軽く手で包むともちもちと刺激を送った。
「やだ!やめてくださいっ!!」
「フラミー、いい事教えてやるよ。やめろって言われると男はそれだけその気になるもんなんだぜ」
フラミーは信じられない目をすると唇を噛んでウルベルトを睨みつけ、ウルベルトはその瞳に笑った。
「反抗的な目しやがって。──<
抵抗するための装備を失ったフラミーの眼光は途端に緩んだ。
「フラミー?」
「あいんずさん……」
刺激から僅かに男部分が膨らみ始め、ウルベルトは舌打ちをするとフラミーの足の間に顔を埋め、下着を長い爪でピンと切った。
「あいんずさん……?やだ……」
「ん?アインズさんでも嫌か」
そいつは結構と軽く笑い、女性部分に舌を押しつけてねぶるとフラミーの足はピクリと反応した。
震えた太腿をよく撫で、尖りすぎて危険な爪が肌を破らないように気を付けた。
軽く引き下がっていこうとすると太腿を握り締め、動けないようにし狭すぎる場所に舌をぐっと押し当てた。
「っひ……やだよ……やなの……」
ぼんやりとするようなフラミーの声を聞きながら舌を出し入れし、内部を刺激するとフラミーの内部は異物を押し出すようにひくひくと震えた。
「ん……ぇ…………」
爪が危険すぎて指を入れられない事にウルベルトは焦れた。しかし、ぬめりけは確かに生まれ始めていた。
「……あいんずさん……」
別の男に抱かれていると思っている様子にウルベルトは舌を抜いた。軽く糸が引き、口元をぬぐいフラミーに告げた。
「フラミー、大好きなお師匠さんだろ」
フラミーはウルベルトを見上げるとにこりと笑った。
「……ししょう」
「よくできました」
ウルベルトはズボンを半端に脱ぎ、カチカチにいきり立ったものをあてがった。
「……ししょう、やだ……」
魅了されてもなお残る貞操感にフラミーが首を振る。
「やじゃないだろ?」
「やだ……。あいんずさんは……?」
「今はウルベルトさんだろ」
ウルベルトが腰を進めるとフラミーは一瞬苦痛に顔を歪め──ハッと瞳に光を取り戻した。
「んっいっ!!や、やだよ!!ウルベルトさんやめてよ!!」
「あぁあ……痛みで解除されちまったか」
「や、やだ!!お願い!!お願い!!」
「少しの我慢だよ」
足を目一杯大きく開かせ、グッと慾望を一気に押し込むとフラミーは肉を割られる痛みに見開いた目から涙を散らした。
「んっいっっ!あいんずさん!!あいんずさん!!!」
「今はウルベルトさんだろ」
足が逃れようと動くと腕に乗せるようにし、身を寄せた。
涙に口付けるようにし、尚も止まらずに肉棒は進んだ。
「ひっぅっ……いたいよ……いたいよぉ……!」
「我慢しな」
軽くずるずると腰を動かすと、流れた血で随分滑りやすくなっていた。粘膜同士がぶちゅぶちゅと音を立てる。
「いっっ!痛い!!っいたいぃ!」
「……お前痛いかアインズさんしか言えねーのか」
ウルベルトはフラミーのやる気皆無のモノを握ると上下した。
「ほら、少しは楽だろ」
ゆっくりと知らないものが体内を這いずり、初めて触られる物体にフラミーは段々痛みから快感が湧き上がってきてまた泣いた。
「やっ、やだぁっこんなのっこんなのぉっ」
泣くフラミーを見るとウルベルトはどうしようもなく興奮した。
しごき続けると、フラミーは背を震わせ始め、根も大きく育ち出した。
百レベルともなれば回復も早いのか痛みが引き始めているようで、ウルベルトはフラミーの弱みを探すように容赦なく腰を動かし始めた。
「──ぁっ!」
フラミーから一瞬漏れた甘くなりそうな声を聞くと同じところを擦り上げた。
「ここか?」
立て続けの刺激に体が否が応でも反応を始め、フラミーに締め付けられるとウルベルトは嬉しそうに笑った。
「フラミー、これじゃもうあいんずさんに顔向けできねぇなぁ?」
「やっだよ……!んっんぁっでみ、でみうるっ!でみうるごすさん!!あいんずさん、あいんずさんよんでぇ!!」
ウルベルトは自分の方がフラミーよりも息子にとっては格上のはずだと思ったが、万一アインズを呼ばれるとまずいなとぼんやりと思った。
「なぁフラミー、俺ならモモンガさんと違ってお前だけを好きでいるよ。他の女にうつつ抜かしたりしない。なぁ、俺にしろよ……フラミー」
覆い被さるようにし、見つけ出したフラミーの敏感な部分の刺激を繰り返した。
「うっうぅっ……!あいんずさん……あいんずさんっ……!」
「──ッ。あぁ、そうかよ!!」
ウルベルトは唇を噛むと容赦なく責め立てた。バチュバチュとなり始めた股間に割と冷静だった頭が急速に熱せられていく。
「あぁっやっ!やっ!あぁっ!あいんずさんっ!あいんずさんっ!!」
「フラミー、俺のこと呼んだらやめてやるよ!!」
「うるっべるとさん!!うっうるべっるとさぁん!!」
「足りない!!」
「うぅっぁっ!んっぅ!もぅっもぅっ!あぁっ!うるべるとさんっ!」
ウルベルトはぽろぽろと涙を出すフラミーに己を塗り込むように続けた。
「フラミー、早く慣れて可愛い声で啼いてくれ!」
「っやぁ!っやだぁ!もうっやめてっやめてよぉっ!よんだのにっよんだのにぃっ!!」
「フラミー、好きだ!!」
「やだぁ!!嫌いっ、きらいだぁ!」
「き、きら……くそ!!お前に綺麗な世界やるために俺は!俺は──!!なのに!!」
フラミーは自分の中で脈打ち今にも放出させようとする物を感じるとウルベルトを渾身の力で殴った。
「やめてぇぇぇ!!」
ウルベルトはいきり立たせて泣く堕落した天使に放出した。最奥に注がれるそれはどぷどぷとフラミーの子宮を満たした。
ずるりと長い山羊のモノを抜くと、血と種と粘液でピンク色になっていた。
「っひっ、ひどいっひどい……」
「……ひどいのはお前だよ。はぁ……やっぱりデミウルゴスは呼ばなかったな」
フラミーはひぐひぐ言い、ほんの少しの罪悪感と、異常な興奮にウルベルトはふっと笑った。
「お前の事連れてどっか逃げるか」
「やだぁ……やだよぉ……」
フラミーの瞳は濁り始めていた。
ウルベルトは笑って滴った血を撫であげ、血の香りにうっとりとし──扉がバンッと開いた。
「……ふ、フラミー……さん……ウルベルト……さん……」
「あいんずさん!!あいんずさん!!」
フラミーは入ってきたアインズにウルベルトの下から手を伸ばして名前を呼び続けた。
「……来たか。ギルマスさぁ、いや、モモンガさんがやっぱり一番呼びやすいな。モモンガさん、人の寝室勝手に入ってきちゃだめでしょーよ。お楽しみ中なんですよ」
「お、お前、お前!!ふざけんなよ!!フラミーさん!!」
アインズは二人に駆け寄ると、フラミーの血を指先で弄んでいたウルベルトを殴りつけた。
「──ってぇなぁ。思いっきり顔面殴りやがって、素人が」
口の中に生まれた鉄臭さをペッと吐き出した。
「うるさい!!黙れ!!フラミーさん、いきましょう。ペストーニャをすぐに呼びます」
アインズが人の身のままフラミーに触れようとすると、フラミーはビクリと肩を震わせた。その瞳はいつものキラキラした世界を愛するものではなく、全てに怯えて濁りきっている。
「あいんずさん……わたし、わたし、わたしわたしわたし……」
アインズは慌てて人化をとくと布を引き出してゆっくりフラミーに触れた。
「大丈夫だから、大丈夫だから。俺は何もしないから」
「ふえぇあいんずさぁん」
いつものようにフラミーを持ち上げると、ウルベルトは杖を構えていた。
「……何のつもりだ貴様」
「それがモモンガさんの口の利き方か?フラミーは置いていけよ」
「お前では私には傷一つ付けられんぞ。本気でやるなら私は一撃でお前を殺す」
「"私"だぁ?"俺"だろ!!モモンガさん!!」
ウルベルトが魔法を放つとアインズは始原の魔法を混ぜた
「それがあんたの選択か」
自分を呼び出したデミウルゴスにフラミーを渡そうとすると嫌がるのでそのまま破壊に関わる始原の魔法を練るとウルベルトに投げつけた。
「カハッ!!なん……っだこれ……!!」
たった一撃でウルベルトは腹を貫かれて地に膝をついた。
「デミウルゴス。すまんがそいつを……いや、お前には酷か」
「いえ……私がお連れします……」
「そうか。氷結牢獄に入れておけ。辛くなったら代わりの者にやらせろ」
デミウルゴスが頭を下げるのを見るとアインズは自室に転移した。
「フラミーさん、大丈夫ですからね」
執務室ではよくないかと寝室に手をかけるとフラミーはバタバタ暴れだした。
「や、やだ!!や!!やぁ!!」
「あ、あぁ。ち、違うんですよ。困ったな。フラミーさんの嫌じゃない場所は……」
アインズはうんうん唸ると水上ヴィラの存在を思い出してもう一度転移した。ヴィラの中でフラミーはわんわん泣いて、何も言葉を発さなかった。
「大丈夫です。大丈夫ですから……」
抱っこしたままアインズは前後に揺れて背中をポンポン叩き続けた。泣き疲れたフラミーが眠ったのを見るとアインズは杖を引き出した。
「
腕輪を光らせながら使う魔法はフラミーのこれまでの自分への想いと今夜の出来事全てをアインズに見せつけ、アインズは激しい苦悩と怒りに満ちた。
「俺が守ってやらなきゃいけなかったのに……」
今夜の出来事を綺麗さっぱり消し去ると、フラミーは穏やかに眠った。しかし回復魔法で再生されない膜の喪失をもっていつか彼女は気がつくだろう。その時に一番最初に疑われるのは自分だと思うとアインズはあまりの苦しみに涙を流した。