モモンガさんもちょっと出てきますが、フラミーさんじゃない人を好きなモモンガさんが出てくるので、「フラミーさんが大好きなモモンガさん」を好きな方は気をつけてください( ;∀;)
IF ウルベルトさんとフラミーさんの二人転移
「な……なんだこれ……」
「ウルベルトさん……口が、口が動いてる……」
「は?口……?っおい!フラミー口が動いてるぞ!!」
ウルベルトはフラミーの言葉に全く同じものを返す。フラミーは自分の顔を不思議そうに触った。
「私たち……悪魔になっちゃったの……?」
ここはどういうわけかウルベルトとフラミーしか転移しなかった世界。
ウルベルトは今日もフラミーに顔中の毛を梳かされていた。
「お客さん、今日はどんな髪型にしますかー?」
フラミーの楽しげな声にウルベルトは腕を組みうーんと唸る。
「今日はそうだなぁ……。昨日三つ編みしたしなぁ……」
「あっ、フィッシュボーンどうですか?前のおひげフィッシュボーンにしたら、ファラオっぽくなれますよ!」
フラミーは良いことを思いついたというような顔をしたが、ファラオを目指したことはない。
「……まぁ、フラミーに任せるよ」
ウルベルトは顎を軽くあげながら返事をすると、フラミーはもっふもっふと数度顔の毛を撫で付けてから「はーい!」と嬉しそうに返事をした。
顎の毛が少しづつ引っ張られ、編み込まれて行くのを感じながら、ウルベルトは空を見た。今日も第六階層の湖畔はいい天気だ。
朝になると二人はこうして湖畔で毛を結い合った。
ウルベルトの立てた膝の間に座っていたフラミーはポン、とその胸を叩き、本日の身支度が終わったことを伝えた。
「出来ましたよ!」
「ほい、ありがとさん。じゃ、あっち向いて」
フラミーは櫛を渡すとその場でウルベルトに背を向け座り直した。
「フラミーは今日は何が良い?」
聞きながら、ウルベルトは何と返事が返ってくるのかもうわかっている。
「「今日の気分はお団子です!」」
フラミーの声にぴたりと合わせてウルベルトの声が響いた。
「やっぱな。ははは」
「ふふ、わかってるのにどうして聞くんです?」
フラミーは背中越しに聞く。
「気分が変わった時に言い出せなかったら可哀想じゃん。お前そういうの言い出せないタチだから」
当たり前の事を当たり前に返すとフラミーは、んっ、と小さく頷いた。
ウルベルトが襟足から丁寧に髪をすくっていると、天真爛漫という言葉がぴったりな明るい声が響いた。
「ウルベルト様!フラミー様!おはようございます!」
「あ、あの!おはようございます!」
「アウラ、マーレ、おはよーさん」
「二人ともおはよー!おいでぇ」
アウラとマーレはフラミーの前に座ると、二人肩を寄せ合いクスクスと幸せそうに笑った。
フラミーは魔法で櫛を再び作ると、ウルベルトにお団子を作られながら、アウラの髪に櫛を通しはじめた。
四人の朝の日課の時は静かに過ぎた。
「聖アインズ・ウール・ゴウン魔導主義国に降らない?あなた達は実に間違ってますねぇ」
ウルベルトはビーストマン連邦を訪れていた。
仕事中のウルベルトの喋り方はどこかデミウルゴスを彷彿とさせた。
「し、しかし……我々とて、突然来られて降れと言われても、これまで先人達が他の大国から守り続け、大きく育てたこの国をそう易々と他所にくれてやることなどできる筈もないのだ。このまま議論が平行線のまま続けば行き着く先は戦争しかあるまいよ」
「こちらにはその準備もありますので──戦争といたしましょう。では、次は戦場で」
ウルベルトは帽子を脱ぐと連邦議長に向け丁寧に頭を下げた。呆然と口と目を見開くビーストマンをおかしそうに見ると、部屋を後にした。
廊下に出ると待っていたフラミーが壁から背を離した。
「戦争するんですか?」
「あぁ、面白そうだろ?」
口を歪めくつくつと笑いを漏らすとフラミーは少し考えるような仕草をしてから、楽しげに頷いた。
悪魔二人は凄まじく苛烈な手段で世界征服を進めていた。
「今度の余興は長く楽しめそうだな」
二人は無詠唱化した
「おかえりなさいませ。如何でしたか?」
「あぁ、傑作だったぞ。戦争するって言ったらまー驚いてた。お前にも見せてやりたかったよ」
「それは何よりでございました」
上機嫌のウルベルトは息子の頭をポンポン叩いた。
すると、咳払いが響いた。それはセバスのものだった。
「ウルベルト様。あまりモモンガ様の望まれないことをされるのは如何なものかと」
──ウルベルトさん。あんまりモモンガさんが困ることをするのってどうなんですか。
ウルベルトは不愉快な男を思い出し、目を細めた。
「セバス、君は不敬ですねぇ。モモンガ様がいらっしゃらない今、ナザリックはウルベルト様とフラミー様のご意思で運営されるべきだし、モモンガ様もきっとこれを望まれているとは思わないのかな」
「……モモンガさん……」
フラミーは不安そうに手を胸に当てた。
「っ──。セバス。これはもう決まったことだ。フラミー、行くぞ」
「っあ、ウルベルトさん……」
フラミーの手を掴んだウルベルトはそそくさと自室へ戻った。セバスと長時間いてはたっち・みーに浴びせてきた言葉をまるっと送ってしまいかねない。
「ねぇ師匠。モモンガさん、ナザリックが世界征服なんかしたら嫌かな……?」
フラミーが口にする「モモンガさん」という言葉はまるで真綿に包まれるような、大切に守るような響きがある。ウルベルトはそれを聞くのが好きじゃなかった。
「……俺にはわかる。きっとモモンガさんだって俺たちの立場だったら、俺たちと同じようにしたって」
モモンガだって、きっとギルメン達の帰還の助けになるように名を広めようとしただろう。今、聖アインズ・ウール・ゴウン魔導主義国を知らない国は、もうこの大陸にはないだろう。降れば甘い蜜を吸わせるが、降らなければ火の海を見る最恐の魔導主義国。
「モモンガさんはこの大陸にはいないのかなぁ」
ウルベルトはフラミーの呟きを聞き流しながら、帽子と仮面を外し、ソファにドサリと座った。
「……フラミーも座んな」
自分の隣をポスポスと叩くとフラミーは素直にそこに座り、ウルベルトの胸の毛を撫でた。
「……モモンガさんは、きっとどこかにいるんですよね……」
「……いるだろうと思うよ。そう心配するなって」
あの転移が起こった最終日、モモンガだって最後の最後までログインしていたのだ。ただ、何故かモモンガの姿だけは玉座になかった。
「モモンガさん……寂しがり屋さんだから……今頃泣いてるかも……」
「あぁ……もう……何でそれでお前が泣こうとするんだよ……」
ウルベルトはフラミーを自分の柔らかな胸に収めるように抱きしめると、まるで悪魔らしくない三対の翼を撫でた。苦しかった。フラミーと過ごす日々は楽しく、モモンガを求めるフラミーの横顔は──あまりにも綺麗だったから。
「師匠、どうやったらモモンガさんは帰って来られるの……」
「……明日、一番派手で、一番強力な魔法を撃つよ。そしたら、きっとモモンガさんにだって見えるって」
「うん……」
フラミーはそのままウルベルトの胸の中、ソファで眠った。
「……モモンガさん、本当いい加減にしろよ……」
ウルベルトの重たいため息が部屋に響いた。背をトントン叩き続けながら、ウルベルトは思考する。
(明日モモンガさんが俺を見付けたら、フラミーはもうここで寝ることもなくなんのかな)
ぐずるようにフラミーが部屋を訪れる事はままあった。
「うるべるとさん……」
「ん?起きたのか?」
ウルベルトはフラミーを覗き込んだが、フラミーは眠ったままだった。
「……ちぇ。モモンガさんとか言ってくれりゃ俺だって……」
俺だってなんだと言うのだろうか。
モモンガさんとフラミーが呼んでも苦悩が深まるだけだろう。
「……はぁ」
ウルベルトも目を閉じると眠りに落ちた。
そして、翌朝、いつものように互いの身支度を手伝い合うと、ウルベルトはフラミーを連れて出かけた。
「<
ウルベルトの周りを回っていた円状の魔法陣が砕けると、ドッと地から光の柱が天に向かって吹き上がった。
「すごーい!ウルベルトさん!すごいすごい!」
ビーストマン連邦の五分の一を吹き飛ばすとフラミーはウルベルトの首に縋るようにくっ付き、きゃいきゃいと喜んだ。
これで最後だと腰に手を回し、ウルベルトは小さな体をキュッと抱き締めた。
「フラミー、そろそろ来るよ」
「モモンガさん、帰ってくる?」
「うん。帰ってくる」
「良かった……」
フラミーの心底安心したような声に、ウルベルトは小さいながら充足感を覚えた。
「俺も……良かったよ」
ウルベルトは目を閉じた。
しばらくそのままでいると、二人が期待し求め続けた声が届いた。
「フ、フラミーさん……ウルベルトさん……?」
ウルベルトは親友の到着に、自然と頬を緩め、フラミーから体を離した。
「モモンガさん、遅すぎだろ。ほんとに」
「モモンガさん!!」
フラミーがその骸骨に抱きつくのを見るとウルベルトはふっ、と息を漏らした。
「良かった、やっぱり無事だったんだ」
「あ、あぁ……俺も……無事、無事でした……」
骨の顔をモモンガがポリ、とかくと、フラミーはくるりとモモンガから離れ、ウルベルトの隣に戻った。
「はぁ、寂しがり屋さんだから、本当私心配したんですよ」
(ん?)
ウルベルトは自分の隣で心底嬉しそうに笑うフラミーを目をパチクリしながら眺めた。
そしてフラミーはウルベルトの胸に収まるともふもふと顔を擦りつけた。
「ウルベルトさんのおかげです」
「そ、それは良かった……よ?」
ウルベルトは取り敢えず、毎日自分の手で結っているお団子をポフポフと数度押した。
「これでもう何の心配もなくなりました」
まるで離れて行く様子のないフラミーにウルベルトは込み上げる何かを耐える。
「ん、そう……そうだな。はは。そうだな!」
ウルベルトもフラミーの頭に鼻をもすもすと擦りつけた。
すると──「悟、これは……誰だ……?」
「あ、すまんキーノ。二百年前の、俺の友人達だ……」
モモンガの言葉にえっ、と二人は視線を送った。その隣にはいつのまにか金髪に赤い瞳を輝かせる見知らぬ少女がいた。
「に、にひゃく……ねん……まえ……?」
「ももんが……さん……にひゃくねん……?」
モモンガはどこから話したもんかな、と苦笑した。
そして、少女を抱き上げ自分の肩に乗せると二人は幸せそうに笑い合った。
「ったくなんなんだよ。苦労してんのかと思ったら面白おかしくペロロンチーノ生活ですかい。そりゃ良かったです。じゃ、フラミー帰ろう」
モモンガはキーノという少女と出会い、新生アインズ・ウール・ゴウンという物を一人作り、二人で今日まで二百年間幸せに暮らしてきたらしい。
ウルベルトはフラミーを抱えたまま
「いやいや、待ってくださいよ!俺だって苦労したんですから!」
「……君が悟が百年くらい言ってたフラミーさん……」
「百年私を……?」
「ちょ!!キーノ!!何言ってんだよ!!」
「はぁ。俺のことはどうせ一年も名前なんか呼ばなくなったんすよねぇ、わかりますよ。どうせね。どうせどうせ」
ウルベルトは流石に少し拗ねていた。
「いや、本当、ウルベルトさんも探してましたよ?でも、ウルベルトさんは一人で生きられそうだけど、フラミーさんは……フラミーさんは……」
モモンガが何か言いたげな視線をフラミーに送るとウルベルトはやっぱり
「モモンガさん」
思ったが、フラミーが別れを言う時間くらいは与える。
「はい……」
「モモンガさん、私、あなたが幸せそうで、とっても嬉しいです」
「フラミーさん……」
モモンガがフラミーを眺める目はどこか何かを後悔する雰囲気があり、ウルベルトはため息をついた。
「モモンガさん、俺達はナザリックに帰りますけど、モモンガさんはどうします?もう、あんた俺たちのギルマスじゃないってんなら、それは返してください」
「あ……」
モモンガはその手に握りしめていたギルドスタッフに目を落とした。
「悟は本当に優柔不断だな……」
「キーノ……」
時間ばかりが無為に過ぎていく。風が立つ。
モモンガは震える手でギルドスタッフをウルベルトに渡した。
「……フ、フラミーさんを……」
「うん」
「頼みます…………」
「任せてくださいよ。俺はこう見えて紳士です」
ウルベルトはにかりと笑うとギルドスタッフをしまった。
「フラミー、帰ろう」
「モモンガさん、モモンガさんもう会えないんですか?」
「フラミーさん……俺、俺……」
「悟、行かないのか……?」
「ウルベルトさん、フラミーさん、キーノは吸血鬼なんです……。一緒にナザリックに帰って、アインズ・ウール・ゴウンに加入させたら……ダメですか……」
瞳は縋るような色だった。
「……悪いけど、俺らにとってのアインズ・ウール・ゴウンは一つだからさ。ま、遊びに来てもらって構わないから、それは勘弁して下さい」
「……そう、ですよね……」
ウルベルトは少し意地悪だったかなと反省した。
「……じゃ、とりあえず今から遊びに来て下さいよ。いつまでいたって良いし、遊びに来るだけならそっちの、あーキーノも良いから」
モモンガの瞳は輝いた。
モモンガはナザリックを大層懐かしみ、睡眠を必要としないアンデッドコンビで夜通しナザリックを楽しんだ。
「じゃ、俺達はもう寝るんで」
ウルベルトはビッとアンデッドに手を挙げるとフラミーの手をひっ摑んだ。
「っわ、ウルベルトさん寝るんじゃないんですか?」
「寝る。でもその前にちょっとフラミーは付き合って」
無垢なるアンデッド達は目をパチクリさせ、ゆっくり手を振り悪魔達を見送った。
「ふ、ふらみーさん……」
モモンガは所在無げにいつまでも手を振った。
「悟、女々しいぞ。それよりあの二人はそういう関係か?」
「い、いや……そんなことなかったと思うんだけど……こっちに来てからかな……?」
ふむ、とキーノは息をはいた。
+
フラミーの手を引っ張り歩くウルベルトの顔は熱かった。
(なんて言う……なんて言う……!)
再び想いを告げる言葉を選び、ぐるぐると思考が回り続ける中、いつのまにか自室にたどり着いていた。
ウルベルトは常にそばに誰かがいると見張られている気がして、不愉快だとメイドを追い出しているためいつもその部屋には誰もいない。扉の外で控えている。が、フラミーの部屋にはフラミー当番と呼ばれるメイドと、
ぱたりと扉を閉め、ウルベルトは不思議そうに自分を見上げるフラミーと視線を交わした。思わずゴクリと喉がなる。
「ウルベルトさん、せっかくモモンガさん遊びに来てるのに良いんです?」
「それは良いよ。あいつらは多分向こう百年帰らない」
「えっ!?そ、そう言う話だったんですか!?」
「そういう話だったんです」
フラミーの口調を真似て言い切ると、ウルベルトはとりあえずいつものソファに座った。
当然のようにフラミーもそこに座ると、いつものようにウルベルトの胸毛をもさもさと触りだした。
「……あ、あのさ、フラミーはさ」
「はひ。もさもさ〜」
相手に緊張感がなさすぎる。
「うーん、俺、フラミーのことさぁ……。気に入ってるって言ったじゃんか……」
「はい!私もウルベルトさんのこと大好きですよ!」
晴れやかな笑顔だ。こいつは何もわかっていない。
ウルベルトは意を決する。
「俺、女性的にフラミーのこと、気に入って、その、……す、好きなんだけど……」
「え?なんで?」
「なんでって……」
ウルベルトはあーもーと頭をワシワシとかいた。
「師匠……?」
「フラミーが可愛くって面白くってほっとけなくて好きなの!!」
格好つかないセリフにどうしようもなく恥ずかしくなる。
が、フラミーの続くセリフはウルベルトの想像を遥かに超えるものだった。
「へへ、なんだか、もっかい告白されてるみたい」
「は?」
硬直した。
「ふ、ふらみー……?」
「私も大好きですよ!モモンガさんの無事もわかって、やっと私達幸せになれそうですね!」
勘違いしていたのは──ウルベルトだった。
「な、な……?お前……なんで……飲み行こうって……断ったのに……」
「私お酒強くないですもん……」
あの日言われた言葉とまるきり同じセリフだった。
「フラミーって、俺のこと好きなの……?」
「大好きですよ!」
「……酒は……?」
「飲みません」
「……酒なしで遊びに行こうって言ったら……?」
「どこ行きます?」
ウルベルトはぱたりとソファに倒れた。
勘違いし続け数年、悲しくなった。そして、大変なことに気が付いた。慌てて起き上がる。
「ま、待て、俺たちって何?どんな関係なの?」
「え?師匠と弟子ですか……?」
「馬鹿!!好きだって言った男と師匠と弟子なままなわけがあるか!!」
「っんぅ、怖いです……。どうして?ウルベルトさん、付き合おうとか言わなかったから、好き同士で今のまま遊びましょうねってことじゃなかったんですか……?」
ウルベルトは再び倒れそうになった。
「じゃあ……おれ、ふらみーのことすきだから……付き合ってください……」
「良いんですか?」
「お願いします……付き合って下さい……」
ウルベルトは深々と頭を下げると、頭をふかふかと優しい手触りで撫でられた。
「嬉しい。お付き合い、したいです」
ずっと待ってました、とでも言うような顔を見ると、たまらず抱き着き、抱き締め、押し倒した。
「フラミー……お前ひどいよほんとにぃ!」
「っもう、ひどいのはウルベルトさんの方ですよぉ」
好きだと言う思いに体を任せ、不服そうな顔をするフラミーに顔を寄せかけると、ピタリと止まった。
(ま、待て、俺は……俺はヤギ……)
ウルベルトはどうするこれ?と組み敷いてしまったフラミーを見下ろした。すると、フラミーは瞳を泳がせてからそっと目を閉じた。
(し、失礼しまーす)
もそりと唇を重ねると、フラミーはプッと破顔した。
「はははっ、私達、私達おかしいです!」
「……笑うんじゃない!こっちは大マジなの!!」
「だって、ヤギさんなんですもん!ははっ!ふふふふ、はははは!」
フラミーはもそもそとウルベルトの胸を撫でた。
「よーしよしよし!ふふっ」
「お、おまえ!もう!」
ウルベルトは笑い続けるフラミーを担ぐと寝室に入った。
ぱたりと閉じた扉の中からはしばらく笑い声が響き、いつしか静かになり、悶えるような声が聞こえ出したかと思うと、幸せな甘い声が漏れた。